この「ミラノ・マッドネス」シリーズでは、来たるシーズン9ファイナルズに向けて、選手たちの考えていることや、舞台裏での出来事について取り上げていきます。
第1回は、G2 Esportsの Niclas “Pengu” Mouritzenについて。

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原文:https://siege.gg/news/1083-pengu---we-have-no-excu...



原著:InfianEwok / 2019年5月3日 / 読み終わるまで:5分

G2 Esports。プロリーグ・シーズン4、チャンピオン。シーズン5、チャンピオン。シーズン8、チャンピオン。「DreamHack Winter 2018」、チャンピオン。シックスメジャー・パリ、チャンピオン。そして2018年と2019年の二度に渡る、シックス・インビテーショナルのチャンピオン。世界チャンピオン・チームだ。

Niclas “Pengu” Mouritzenは、それらに加えて「the Nordic Championship」シーズン2のチャンピオンであり、プロリーグ・シーズン1のチャンピオンでもある。

そんなG2 EsportsとPenguが、シーズン9のファイナルズでは不在となる。


今年の始め、G2 Esportsはシックス・インビテーショナルで優勝ケイバーを持ち上げた(写真提供:ESL)


現在チームの中核となっているロースターが固まって以来、オフラインイベントへの出場機会を逃したのは、今回が初めてのことだった。Pengu、Fabian “Fabian” Hallsten、Joonas “jNSzki” Savolainen、 Daniel "Goga" Mazorra Romero 、そしてJuhani “Kantoraketti” Toivonen。彼ら綺羅星の如きロースターが勝者の道を歩み始めて以来、初めて、プロリーグ・ファイナルズに参加しないのだ。

シーズン9が始まった時点では、思いもよらないシナリオだった。2017年と18年の競技シーンで信じがたい支配力を発揮したその後とあっては尚のこと。だがタイトル防衛の掛かったシーズン9、お粗末な出だしを切った時点で、G2 Esportsには危険信号が鳴り始めていた。
ファンたちは囁いた。作戦を温存しているのだと。まったくもってその通りで、彼らはシックス・インビテーショナルでは、またしても優勝した。しかし人々が期待したような、シーズン後半からチームが弾みをつけるといったことは起きなかった。彼らの代わりに、シックス・インビテーショナル決勝の対戦相手であるTeam Empireと、LeStream Esportが、4シーズンぶりとなるヨーロッパ開催のプロリーグ・ファイナルズに出場することとなった。


Pengu (写真提供:G2 Esports)


シーズン9の終幕まで、残りわずか二週間。SiegeGGはPenguにインタビューを行い、今シーズンのことや、ミラノでのファイナルズについて語ってもらった。


G2 Esportsは間違いなく、レインボーシックスの歴史における最強チームです。魔物の住むオフライン大会では特にそう思えます。プロ選手として、オンラインとオフラインの決定的な違いとはなんでしょうか?

オフラインのシージはまったく別のゲームだよ。中核にあるメカニズムが同じであるという点を除けば、オンラインとオフラインの戦いは似ても似つかないね。過去のパッチでリコイルの挙動が変わるのを何度か見てきたけど、オフラインでは、リコイルが一番抑えられるのは拡張型バレルなんだ。だけどオンラインだとまったく関係なくなる。ピーカーズ・アドバンテージやPing、それに音の伝わり方は、オフラインの方が明らかに良く機能してる。


現在チームの中核になっているロースターがオフライン大会への出場を逃したのは、今回が初となります。本当はわざと出場しなかったのですか? もっと休養が必要だったとか、オンライン環境の弱点に気付いてしまったとかでしょうか? あるいは、その両方ですか?

今シーズンは出場権を逃しちゃったね。シーズン前半の不調は、インビテーショナルのために作戦を温存していたのが原因なんだ。ピックマップを隠すために、できる限りオレゴンで戦って、水面下でやってることを他のチームに悟らせないようにしてた。だけどシーズン後半に関しては、言い訳はしない。

出場権を得るために、僕たちにはどんなことでもできた。だけど思うようにいかない試合が何度かあって、結局そこに辿り着くことができなかった。はっきり言わせてもらえば、もし出場できていたら、決勝は僕たちとTeam Empireだったと思うね。オフラインのトーナメントで優勝するのは、僕たちにとってはなんてことないんだよ。そこに出場するまでが大変なんだ。どこのチームも、オフラインよりもオンラインの方が強くなってきてるからね。


インビテーショナルでは、あなた方は危うくmantisFPS(現Cloud9)相手にマップを落とすところでした。その後、同じマップを落とし、Spacestation Gamingとの試合では一進一退となりました。あの一幕が、他のチームに追いつかれているという点を物語っているのでしょうか。それとも、あなたがたは「お休み」をしているだけですか?

他のチームも間違いなく追いついてきてる。だけど僕としては、mantisFPSの力を少し見誤っていたんだと思う。向こうがあそこまでやる相手だということに気付くまで、こっちは本気を出していなかったんだ。開幕の数ラウンドは杜撰なものだったしね。(そしてあの時点で、相手の実力を正しく認識したんだよ。)

それから僕たちには数人ほど、インビテーショナルの間ほとんどずっと体調が悪かったのがいたんだよ。彼らは痛み止めやら吐き気やらとの戦いに終始してた。だからといって、mantisの名誉を傷つけたりはしないよ。彼らは素場らしい試合をした。Spacestation Gamingもね。


シーズン9のファイナルズはヨーロッパでの開催となりますが、観戦する側として出かける予定はありますか?

観に行こうかと考えていたことはあるけど、そうすると出場しなかったことで得られた休日がまた減っちゃうし、それに、観る側じゃなくてプレイする側として参加するべきだったなー、なんてことを思い知る羽目になるのが分かりきってるじゃないか。

僕たちはエゴが大きすぎるのを見せたいんじゃなくて、僕たちの闘争心を試合の中で見せたいんだ。良くないんだよ。どこかに出向いて、自分が手に入れられなかったものばかり目にしたり、オフラインのビルドとオンラインじゃ性質が違うんだから、自分なら出場してるチームの半分よりも、もっと上手くやれるのに、とか考えるのは。


野良連合とTeam Empireには共に、今回のイベントを前に重大な変更がありました。彼らの見込みについてはどのようにお考えですか?



僕が見た限りだと、Empireはロースターを変更して、明らかに弱くなったね。Danをチームでどう使うやら。作戦を温存してる、もしくは何か隠してる可能性はあるけど、Danの加入は本当に最近のことだから、ただ単にチームに順応できていないだけかもしれない。野良連合については、リージョンが違うからコメントするのが難しいね。プレイスタイルもぜんぜん違うし、戦ってきた相手だって、こっちに比べれば弱いチームばかりと言っていいだろうし。何にしても、ベストを尽くして欲しいよね!


ミラノで注目すべきチームはどこでしょうか?

個人的にはDarkZeroとLeStreamが楽しみかな。内輪で何か問題を抱えてるらしいEvil Geniusが、ここからどうやって修正していくのかも追ってみたい。いつだってEGのプレイを観るのは好きだからね。


あなたがたの最大のライバルであるEvil Geniusにとって、今回のイベントは大きな賭けになると思いますか?


シックス・インビテーショナル2019でのEvil Geniuses(写真提供:Peter Chau)


僕的には、本当に大きな賭けになると思うね。彼らは新しいゲーム施設のあるシアトルに移住したばかりだ。前に進もうともがき苦しんでいるところを見るだけじゃつまらないよ。今回僕たちは出場しないんだから、彼らにとってはいいチャンスだと思う。


イベントに向けて、何か予想はありますか?

予想屋になるのはあまり好きじゃないんだ。みんなして、こういうゲーム・オブ・スローンズじみた玉座争いの結末について、どうなると思うかと僕に尋ねてくる。だけどぶっちゃけ、予想するよりは、ただ座ったまま、目の前で感動的なストーリーが展開していくのを見てた方がいいよ。つまるところ、予想なんかしない。だけど、どんな結果が出ても受け容れるよ。ただ一つ許せないのは、準々決勝でAPACの2チーム、Fnaticと野良連合があたっちゃうことだね。こんなのは本当にブーイングものだよ。

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ミラノでのファイナルズは5月18日と19日に開催されます。G2 Esportsは出場しませんが、いずれも優勝に値する8チームが、その美技の数々を披露してくれることでしょう。ミラノに辿り着くまでに、SiegeGGからお送りする情報をお見逃しなく。大会期間中も、シージの最新の動向に関しては随時こちらまでチェックしに来てください。

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