概要

バスティアーナ要塞攻略戦とは、ルーイガルド17328年8月、六界連合軍フェルトビーン帝国の間で行われたルーイガルド侵攻作戦中に起きた戦いであるが、通常の攻略戦とは全く別の戦法を用いている為、通常の「戦闘」とは別扱いされることが多い。

戦闘に至るまでの背景



カルダザルスの戦いにおけるフェルトビーン帝国軍の敗因、それは、六界連合軍が長き戦いを経て、ようやく一つの軍団としてまとまったのに対して、決戦以外の事を考える者を数多く内部に抱えていたフェルトビーン帝国の内情にあった。だが、それはチカの責任ではない。内部に問題を抱えない国家や軍勢などこの世には存在しない。ただ、連合軍の方は、退路のない薄氷の道を歩く、精神的に追い詰められた特殊な状態がうみだした、幻想や幻覚に近い団結力を発揮しただけであった。
残存軍はバスティアーナ要塞に立てこもり、連合軍を待ち構えていたが、これに対して六界連合軍は、この時まで戦史上まったく存在したことのない新たな戦法での奇襲を画策していた。

戦闘経緯



作戦の発起人であるスレイマンは、サヌア傭兵団に白羽の矢を立てた。スレイマンのとった作戦は、ストリアールの戦いにおいて全滅したダルスバード艦隊のうち、唯一生き残ったモルコア国艦隊の艦「ユニコーン」を使っての特攻作戦であった。
既に残された水晶の関係から、破棄が時間の問題となっていたユニコーンに傭兵を乗せて突撃。バスティアーナ要塞は完璧な防衛を誇っているが、それは地上からの攻撃に関しての話であった。この時代まで「空からの攻撃」というのは、せいぜい有翼種族との戦い程度であり、空からの攻撃に備える必要がなかった為である。相手からの攻撃を受けない場所から一方的に砲火を与え、残された全ての動力を使いきり要塞を落として撤退する。これがスレイマンの立てた作戦であった。
しかし、チカは、過去の戦いでダルスバード艦隊の脅威を知り、バスティアーナ要塞に対空砲火を備えさせていた。要塞に備えられたカタパルトから炸裂弾が打ち込まれ、艦に直撃する。既に動力用水晶は限界に近づき、高度を上げることもできないまま、ユニコーンは突撃を続けるしかなかった。そこに、要塞から飛び立った有翼魔物のガーゴイル部隊が一斉に艦に乗り移り、白兵戦へと持ち込む。これは、ウィッカーが生前に用意していた対空部隊であった。
ダルスバードの甲板で傭兵とガーゴイルの激しい戦いが続くが、打ち込まれ続ける炸裂弾で、足場がゆれ続け、傭兵達は苦戦を強いられる。ガーゴイルが艦内まで侵入し、操舵兵も討ち取られるが、整備兵だったモニカが急遽操舵を引き継ぎ、艦は火を噴きながらも要塞へと接近、主砲の全てを要塞の火薬庫に向けて発射、そして艦自身も特攻を開始した。
火薬庫に突っ込み大爆発を起こし、その混乱に乗じて傭兵達は自分の力で退路を切り開くという、もはや作戦と呼べない絶望的な状況となるが、ユニコーンは激しい対空攻撃を掻い潜り、ついに要塞に激突、火薬庫に引火して要塞はもはや防衛能力を失い、チカをはじめとする諸将は撤退、その際カルザイアは、傭兵団を追撃し、サヌア達主要メンバーこそ取り逃がすものの、彼らと共にこの決戦に赴いた優秀な傭兵をほぼ全滅させる。

戦いの結末

野戦に続いてバスティアーナ要塞においても敗れたフェルトビーン帝国軍。それも、六界連合軍は動力切れ寸前の捨てる艦と、傭兵を使い捨てにするだけという損害のない大勝利を収めた。
ゴルゴダは露骨にチカへの不信感を口にしはじめ、バッチと対立、密かに「チカラスブロスに媚びる為だけにこの戦いを引き起こして、国を滅亡に導こうとしている」と市井に噂を流し民衆にチカ不信を植え付ける。さらにその工作を見られた為、バッチを毒殺した。


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