ラグライナ帝国、
ガルデス共和国、
クレアムーンを中心とした戦乱は、ついに「にらみ合い」から、本格的な戦闘へと突入していたが、、戦力比は帝国に大きく傾き、
ガルデス共和国と
クレアムーンは、反帝国という形で手を結ぶものの、それでも帝国軍が兵力で勝っていた。
ガルデス共和国の議長
ラヴェリアは、この数年前に
ラグライナ帝国に
ローグライスの戦いで大敗し、事実上の属国となっていた
レヴァイア王国に目をつけた。
レヴァイア国王である
カルドスは、ローグライスの敗戦以後、完全に帝国恐怖症となっていた為、
ラヴェリアが狙いをつけたのはその娘である
レナスティーナであった。
彼女はプライドが高く、帝国の傘下に収まることをよしとしていなかった為、
ラヴェリアの誘いに乗り、軍勢をまとめて北上する。
ローグライスの戦いでの敗北の屈辱を晴らしたいと思っていた将兵も
レナスティーナに賛同し、手薄となっていた帝都
グラディエストに向けて出兵。
この時彼女は王位を名乗ったが、これは当然正式に譲られたものではなく、自称に近い。
こうして、
ラヴェリアの思惑通り事は運んだが、このとき
レナスティーナへの使者は、
ゴゥドを囮に使い、本命の
ミズハを送りこんでいた。
自分が囮にされたことを知らず、敵の攻撃を受けてかろうじて帰国してきた
ゴゥドは、これがきっかけで
ラヴェリア(後の
レディス)との対立へと繋がっていく。
レナスティーナ北上の報告を聞いた
ラグライナ帝国は、共和国戦線、クレア戦線の部隊を呼び戻すべしとの意見が出たが、それこそが
ガルデス共和国の真の狙いであり、派遣部隊を呼び戻した隙に共和国、クレア戦線が一気に帝国に進入すると
エルは判断。
帝都防衛部隊のみで
レヴァイア王国軍を迎え撃った。
このとき、第二皇女である
セリーナも本陣に名を連ねている。
姉である
ルディより先に戦場に立つこととなるが、これに対して
セルレディカは、「
ルディが帝位につき国を富ませ、
セリーナが軍権を持ち外敵を討つ」と構想していた。だが、
セリーナ自身はこの抜擢を「姉より自分こそ帝位に選ばれた」と考えていた。