「若さって罪よねぇ、あんなトコで、あんな事しようなんて」
「抽象的な言葉が多すぎだ。 言葉は推古して言った方がいい」
 先程の、リュウセイ RIDE マイ事件のことに付いている、二人のカップルが居た。
 分の悪いカケは好きじゃない男と、そんな男に惚れている女の二人組。
 多分、このカップルは結婚したらしたで、家庭が大変なことになりそうなカップルである。
 想像してみてください。 博打打ちの男と、軽い女。
 ……いかん、ちょっと切なくなってくる。

 まぁ、話自体は二人の勘違いの面もあるのだろうがそんなのは関係ない。
 むしろ、重要なのはリュウセイが生身の女性を襲っていた事だ。
 一歩間違えれば犯罪……あ、いや、合意の上では犯罪ではないが
 リュウセイがマイを選んだ、と言うのが二人の中では意外性が強かった。
 何せリュウセイはいつも、
「アンジュルグ、かわいいよアンジュルグ」
 とか言っているような危ない人間だと思っていたのだが…
「人間、変われるものだな」
「変われるって……むしろ代わって他のが元に戻ったって感じなんだけど」
 ……二人して、昔のリュウセイを変人扱いだったりする。

「それよりも、ねえ、キョウスケ?」
「風邪か? 目が潤んでいるぞ。ひき初めは気を付けた方がいい、拗らせると大変だ」
 真顔で切り返すキョウスケ。 真剣なのかどうなのか…
「そうじゃなくてぇ、あんなシーン見たらあたしだって気になるのよぉ」
「真っ昼間から抱くような風流な趣味は持っていない。 それよりも競馬だ」
「あぁん、なんでそうなるのよ」
「最近気になるレースがあってな。 俺好みの馬も出ている」
 そう言って、競馬新聞を取り出すキョウスケ。
「必勝競馬……、キョウスケぇ、あなたの好きな賭け事ってもうちょっとスマートだった気がするんだけど…」
「リュウセイと同じだ、趣味もかわる」
 そう言って赤ペンを耳に挟むキョウスケ。 何気に似合っているのがいとをかし。

 ずぃ

 何者かの影がその場に刺した。
 大きく、威圧感のある影。
「ボス!」
 と呼ばれた男性、それはゼンガー=ゾンボルトその人であった。
「ふむ、まじかる☆さゆりん杯か。 いいレースに目を付けたな」
「……どうしても気になる馬がいた」
 そう言って、新聞のとある馬のところに赤ペンを刺す。 馬の名前は春麗。
「………止めておけ」
 にべもなく、否定するゼンガー。
「分の悪いカケは嫌いじゃない」
 勝ち気満々のキョウスケ。
 はてさて……どちらが勝つのだろうか…
「じゃあ、キョウスケが賭けた馬が負けたら、アタシの言うことを聞くって言うカケはどう?」
 そして、何故か参戦しようとするエクセレン。
「どういう事だ、エクセレン」
「簡単よ。 あたしは競馬のことはよく分からないけど。 強運のキョウスケ様と勝負がしたい。 ど〜う?」
 にんまりと笑うエクセレン。
 なるほど、だから『カケ』か。
 生来勝負師のキョウスケは、そのにんまりスマイルに応える。
「ならば、春麗が勝利したアカツキには……そうさな…俺の賭け事に口を出さない…どうだ?」
 賭は―――成立した。

 なんて、競馬実況はさておいた方が好まれるかも知れないので割愛。
 結局、キョウスケは分の悪い賭に負けてしまったようだ。
「ご愁傷だなキョウスケ。 これに懲りて分の悪い賭は止めるようにするんだな」
 いつの間にか立会人になっていたゼンガーはそう言う。 そして歩を進め…
「ボス、どこへ?」
「……少し夜風に当たってくる」
 本当に夜風に当たりに言ったのかは不明だが、ボスはその場から去った。

「さて、キョウスケぇ、あたしの勝ちみたいだけど?」
「分の悪い賭は嫌いじゃない…分の悪い賭は嫌いじゃない…分の悪い賭は嫌いじゃない」
 何かに取り憑かれたかのように口ずさむキョウスケ。
 取り憑かれたって言うか、ちょっと危ない気もする。
「分の悪い賭は嫌いじゃない…ぶのw」
「ストーップ! そこまで!」
 自分の恋人の状態が別の意味で危ないと知るやいなや、大声を出すエクセレン。
「な、なんだい、エクセレンさん?」
 口調まで変わってる。
「も〜ぅ! Wモードでお仕置きするわよ! 若さってなんだ! の略なのよ」
「……振り向かないことさ」
 とりあえず、エクセレンに付き合ってみる。
 粋は消沈したままなのだが。
「じゃあ、愛って何?」
 続けて質問を出すエクセレン。 意図が読めない。
「躊躇わないことさ」
 やっぱり付き合うキョウスケ。
 なんだか、面倒見がよすぎるが、気合いが抜けている分
 いつものように、エクセレンに突っ込みを入れるのは不可能なのだろうか?
「じゃあ、行きましょ?」
 いきなりキョウスケの手をリードする。
 なんだか、いつもとちょっと違う形ながらもキョウスケはそれに従うしかなかった。
 彼とて勝負師の端くれ。 一度交わした勝負は棄てることなど出来る訳もない。
 引っ張られた先は、エクセレンの部屋だった。
 引っ張られるがまま、エクセレンの部屋の中心部に正座するキョウスケ。
 いや、だから何で正座なんだ、お前は。
「あらら、まだ前の調子が戻らないみたいねぇ…そんなに競馬で負けたのがショックだったの?」
「………分の悪い賭は」
「だ〜か〜ら〜、ストップだってば!」
 考えてみれば、『分の悪い賭』は勝ち目が少ないから『分の悪い』なのだ。
 何で彼は、自分を窮地に陥れるような賭が好きなのだろう?

 ぎゅい

 そんな彼の目の前にはエクセレンの顔がどアップで近づいていた。
「ナニヲスル エクセレン」
「誰だって、自分のダーリンが意気消沈していたら元気づけしたくなるって言うの」
 そう言って、目を閉じ自分の唇をキョウスケの唇に触れる。
 その刹那であった。

 リィィィ……リィィィ……

 何かが、二人の頭の中で響いた。
「キョウスケ!」
「分かってる、この感覚は!」
 二人はそう言うと、部屋から駆け出……そうとした
 が、瞬間エクセレンは前にいた想い人を一瞬で消失することになる。

 しゅばっ!

 音を立て、消えたのだ。 キョウスケが。

 気がつくとそこは、ある機体のコックピットであった。
「く……ここは…」
 先程の負けも何のその、急にマジ顔になるキョウスケ。
 そうだキョウスケ! それでこそ勝負師だ! 勝負師伝説だ!
「おまちしておりましたですの…」
 抑揚のない言葉が紡ぎ出される。
 その言葉が繰り出された口……
 青い髪の、感情を余りだしていない表情。
 アルフィミィ……その少女の名だ。
「貴様は……その声から察するに」
「アルフィミィ、ですの」
 にこっ……っと、少女が笑ったような気がする。
 しかし、ギャンブルで今まで戦っていたキョウスケは相手の表情が読める。
 彼が見たアルフィミィは正義だ。 じゃなくて、心からの笑顔ではなかった。
「スマイル0円…だな」
「スマイル……なんですの?」
「いや、分からないなら聞かなくて良い」
 何気無くぼけてみたものの、冷静に返されるとちょっと寂しい。
 それよりも―――
「それよりも、俺をどうしたのだ?」
「空間転移。ですの」
 さらりと、笑顔を変えずに言うアルフィミィ。
「空間転移…だと?
 ふむ、遠くに送ることが出来れば、逆のことも可能か。 理屈はいいが」
 ギラリ…眼孔がするどくなっていく。
「俺が聞きたいのはそうじゃない、俺だけを転移させ何をしたい」
 詰め寄るキョウスケ。
「なに、って、なんですの?」
 やっぱり口調を変えず、笑顔を崩さずアルフィミィは言う。
「理由があるはずだ! 俺を転移させた理由は! 言え!」
 ずずぃっと距離を詰めるキョウスケ。
 既に脅迫の域まで達しそうな勢いだ。
「それは………ですの」
「何?」
 重要なところが聞こえなかった。
 その重要なところを聞く為、彼はさらに距離をつめ―――

 んちゅ

 アルフィミィとキスをした。
 ……故意か、はたまた偶然か。
 キョウスケが距離を詰めまくった結果、結局何だかんだで二人の唇は触れてしまったのだ。
 ご都合主義万歳。

「………」
「………ですの」
 空気が思い。
 見た目幼女のアルフィミィに結果的には口づけをしたキョウスケ。
 これはロリコンじゃなくても固まるって言うの。
 しかし、羨ましいのも事実だ。 こんちくしょう。

 がくんっ!

 急にキョウスケの膝が堕ちる。
「ぅく!?」
「キョウスケが欲しいからですの。 ここは門の一部。 ペルゼイン・リヒカイトの中ですの」
 ニヤリと
 ニヤリと、アルフィミィの口が歪んだ気がした。

「んちゅ……んちゅ…」
 目を覚ましたのは、そんな効果音だった。
「俺は………」
 気を失っていたキョウスケが目を覚まし。
「目を覚ましたですの?」
 股間から、幼女の顔がのぞき込んでいるのを確認する。
 ………
 ………
 幼女の顔。
 想像してみてください。
 朝起きたら、青い髪の幼女が自分の股間から、自分の顔をのぞき込んでいる姿を。
 言うまでもなく、気を失っている間に、キョウスケは犯されていたのだ。
 ………いいのか?
 しかも、そのアルフィミィの顔が既に白濁とした液にまみれているのは気のせいだろうか?
 理解するのに2分。
「え〜っと、つまり、なんだ」
「キョウスケ、気を失っている間に5回も出したですの」
 理解するまでもなく、アルフィミィ自体が答えを出してしまった。
「そのたびに飲んだのですの。 ちょっぴち苦くて大変だったですの」
 そう言いつつも、まだ顔に付いている液を指ですくい口に入れるアルフィミィ。
 何というか、その趣味の男性から見れば『萌!』とかいってさらに押し倒されない雰囲気だ。
「でも、キョウスケが起きたから、ここから先は違うことをするのですの」
 そう言って、ずずいっと寝ているキョウスケの上に座るアルフィミィ。
 あ、ぱんつはいてない。
 それが素の姿なのか、それとも違うのか。
 アルフィミィと直接あったのが初めてなキョウスケには判断することが出来ない。
「入れますですの」
 5回も出した(アルフィミィ談)と言うのに。
 キョウスケのそれはまだまだ元気たっぷりだった。

「くっ……!」
「はぅ……っ!」
 徐々に、徐々に入っていくキョウスケのバンカー。
 この幼女の中は初めてだというのに、初めてだと感じないのは何故だろうか?
 少し、疑問がわいてくるキョウスケ。
「よそ事はいけないですの」
 キョウスケの思考の変化を感じたのか、
 アルフィミィはその指でキョウスケの頬をなでる。

 びくん!

 たかだか撫でただけなのに、一番の性感帯を刺激されたようだ。
 アルフィミィの中で、さらにバンカーは暴れる。
「大きく、大きくなってくるですの」
 だが、彼女はそれを口に出すだけ。
 痛み、その他諸々を感じていないのだろうか?
 まぁ、あんまり深く考えても仕方がない。
「くっ……!」
 ビクン、ビクンと意志に反して暴れてくれるバンカー。
「あう…、動いちゃ や ですの」
 感情があまり表れることの無かったその顔にも、少しづつではあるが
 感じている姿、が表れた気がした。
「抵抗はしない方ががいいな」
 諦めたのか、それとも幼女の中で果てたくなったのか。
 妙に冷めた答えを、己の中で出してしまうキョウスケ。
 その気持ちは、分からないでもない。
 一度決めたら後は、貫けばいいだけのこと。
 とにかくこのまま彼女と共に果ててみよう。 などと思う。

「……っ!」
 アルフィミィは小さな悲鳴を上げた。
 見ると、キョウスケの手がアルフィミィの胸を掴んでいる。
 その事に感じてしまったのだ。
 ……感じてしまったのだ?
 今まで、何も感じずに自分の意志すら薄弱に過ごしてきた彼女が
 キョウスケを介し、男女の営みを行っている。
 それが、このアルフィミィに何かの変化をもたらすのか。
「流石に……あまり大きくないな」
 ボソッ……っと、言うキョウスケ。
 だがしかし、年頃の女の子はそう言う話題に耳が大きくなるのだよ、キョウスケ君。

「好きで小さい訳ではないのですの!」
 ちょっとすねたような表情で言うアルフィミィ。
 何か………可愛い。
「いいよ、アルフィミィ、可愛いよ」
 そういいながら、キョウスケは寝ていた体を起こす。
 勿論、アルフィミィとは繋がったままだ。
 ……なかなか持つ男だ。
 そのままの体勢で体を90度あげ、アルフィミィを形的にでも抱くことになったキョウスケ。
 抱きながら、右の腕をアルフィミィのお尻の穴に持っていくことにした。
「ぁぅ!  ……そこ、止めて欲しいですの!」
「何を……?」
 ニヤリと含み笑いで、キョウスケはアルフィミィに訪ねる。
 彼は、バンカーで膣を、指で穴をせめている形だ。
「凄い……凄いですの! こんなの、初めてですの!」
 もはや、数時間前に感じた「無表情」はどこにもない。
 今、キョウスケの目の前にいるのは
 『気になる人』に抱かれている、一人の幼女の姿だ。
「でも……お尻の穴もそうですけど、やっぱり愛し合う二人は正常じゃないと行けないですの」
 アルフィミィはアルフィミィで、キョウスケの顔を己が手で挟み込み、顔を近づけた。

 CHU☆

 本日二回目の、アルフィミィとキョウスケのキスだった。
 ただし違うのは、舌が動いていたことぐらいか。

「この髪…この匂い…この唇の感触」
 キスをした時だった。
 キョウスケに一人の女性の顔が浮かんだ。
 エクセレン=ブロウニング。
 何故だろう、何故、今彼女の姿を思い浮かべるのだろう?
 それには理由があるはずなのだが、彼にはこの際どうでもよかったのかも知れない。
 と言うよりも、今はただ、この気持ちの良さを味わいたい。
「何かヘンですの! こんな気持ちは初めてですの!」
「ヘンじゃないぞ、アルフィミィ…!これは、お前が望んだことなんだ!」
 そう言いつつ腰の動きを早めた。 
 動かし始めた、と言うのが正しいか。
「何で動かすですの、キョウスケ!余計自分が飛んじゃうですの…!」
 ただただ……
 今はこの気持ちの良さを感じていたい。
 自分がどうして、キョウスケにひかれるかなんてどうでもいい。
「……チッ! こんなに締め付けるとは…エクセレンとは違うところもあると言うことか!」
「ひぁう、はぁ!  駄目……ですの!
 これ以上……これ以上!」
「何が駄目なんだ、言っておくが、俺も我慢の限界は飛んでいる!」
「駄目ですの〜! これが…イク……って感覚ですの!?」
「クッ……、貫け!」
 さらに、奥深く貫こうとしたが、流石にアルフィミィの中には限界があった。
 一応奥まで奥深いところまでキョウスケの番ガーが達した瞬間に。
 彼の中から熱い液は注がれたのだった
「……キョウ……スケ」

 気がつくと、ヒリュウ改の中だった。
 ヒリュウ改内の通路にて、キョウスケは倒れていた。
 それを見つけてくれたのは、特訓中のラッセルとカチーナであった。
「あの、キョウスケさん…?」
「ん……あ……ここは」
「何寝ぼけてんだキョウスケ! ヒリュウ改の中に決まってるじゃネェか!」
 いきなりの大声で、カチーナは怒鳴りつけてくる。
「夢……か?」
 素朴な疑問を口にするキョウスケ。
 だが、先程までの出来事は決して夢ではないことは彼が一番認識しているはずだった。
 なぜなら――――

「キョウスケ、送り忘れたのですの」

 キョウスケはズボンを穿いていなかったからだ。

「とりあえず、なんだ……前かくせや」
「おぉぅ!?」
 不覚。
 勝負師伝説キョウスケ。 「ズボン穿いてない」事件。
 この出来事は暫くの間。 ヒリュウ改の中を駆けめぐることになるのだが、それはまた別の話。
「んなことよりもキョウスケ、それどころじゃねーんだよ!」
 勢い込むカチーナ。
「ラトゥーニが艦からフェアリオンに乗って脱走した!今アラドがビルガーで追ってるんだけど、どうも先にDC機体の反応が多いんだよ」
「もしかすると、あの二人、ヤバイかも知れませんね」
「……何故、ラトゥーニは艦を降りようとしたんだ…?」
 至極真っ当な質問をするキョウスケ。
「それが、その……痴話げんかみたいです」

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