「……ぅ……ここは……」
 とある、閉め切られた一室で誰となく彼女はつぶやいた。
 彼女の名前は、セレイン=メネス。
 女ながらも、地球圏に存在する最大の部隊『マーチウインド』のエースパイロットである。
 では、なぜそのエースパイロットが暗く閉め切られた一室で
 気を失っていたのか……
 ―――答えは至極簡単、敵対する組織ティターンズの罠にかかったからである。
 そして彼女は今、ティターンズの独房の中にいる。
 ただ一つ違うこと、それは――――
「妙に体が涼しいと思ったら…」
 彼女は何一つ体に纏っていなかった。
 一言で言えば裸である。
 ただし、その腕と足は紐で縛られており、床に寝ているのだが……
「それよりもここはどこだ……?
 私のラーズグリーズが落とされたのは記憶にあるのだが…」
『その答えは俺がしてやろう』
 急に彼女のいる独房の扉が開き、二人の男性が入ってくる。
 本能的にセレインは自分の胸と隠そうとしたが、腕と足が縛られているのでそうはいかない。

 入ってきた男性、一人はセレインの知る男……
「貴様は――――ヤザン=ゲーブル!」
 ティターンズのエース、ハンブラビを駆る男だった。
 しかし、もう一人の男は面識がなかった。
 紫色の髪、そしてまだ少年のあどけなさが残る顔―――
「なかなか元気がいいようだな、セレイン=メネス」
 彼女の思考はヤザンのその言葉で遮られた。
 気がつくとヤザンはセレインの目の前にいる。
「なかなか挑戦的な目だ、だがぁ、捕虜の顔ではないなぁ?」
 はんばうつ伏せになっていたセレインの体を、ヤザンは足で仰向けにする。
 勢いよく、彼女の形のいい胸が震え、また身体全体が露わとなる。
「くっ……!」
 セレインの顔が紅く染まっていく。
「ほぅ…マーチウインドのエースといえども、こういう事には弱いか?
 さすがは女、女よのぉ…」
「………ゲスがッ!」
 セレインが吐き捨てるように言うが、それはあまりにも無意味だった。
「アラド!」
 ヤザンがもう一人の少年に声をかける。
「は……はい!?」
 今まで食い入るようにセレインの身体をみていたせいか、少年『アラド』の反応が遅れた。
「お前に任務を与える、この女セレイン=メネスから出来るだけマーチウインドの情報を集めろ。手段は問わん!」
 そういうとヤザンは独房からでていき、ご丁寧にも鍵をかけていった。

「じょ、情報を聞きだせって……この状況でかよ!?」
 独房に残されたアラドと、裸でしかも腕と足の自由が利かないセレイン。
 静かな空間の中、セレインはじっとアラドのことを見ている、
 しかし一方のアラドはというと、視線が合うかと思うとすぐにずらしてしまう。
 要するにアラドは『純情』もしくは『初』なのである。
 そんな少年に、裸でにらんでくる女性をまともに見られるわけがない。
 セレインに対しアラドが出来ること、それは自分のジャケットを身体に掛けることだけであった。
 アラドが自分のジャケットを脱ぎ、セレインに近づこうとする。
 ――――が、悲しいかな、緊張のせいかまともにバランスを崩し
 セレインの目の前でずっこけてしまった。
「アイタタタ……なにやってんのかな、俺」
「貴様、何のつもりだ?」
「何のつもりもないだろ? あんただっていつまでもそんなカッコしたくないだろ?」
「そりゃそうだが……、何を転けているのかと聞きたい」
「悪かったな!」
 すっかりへそを曲げてしまい、アラドはその場に座った。
 セレインまでの距離は……あまりない。
 セレインもセレインで少しは状況を変えようと努力をする。
 さすがに、この体勢、この状況では何をしようもない。
 まずは目の前にいる、よくわからないアラドとか言う人間を丸め込まなくてはいけない。
(何にするにもまずは近づこう…)
 彼女はそう思い、体を動かし、何とかアラドに近づこうとする。
 腕と足首を紐で縛られているのでそう簡単には動けない。
 シャクトリ虫のような動きで近づこうとするのだが、
 その姿はあまりにも滑稽だった。(いたって本人は真面目だが)
 そしてその様子を唖然と見るアラド。
「貴様……何を見て―――アッ!」
 そのアラドに対してセレインは何かを言おうとした。
 言おうとしたのだが、首を変な状況で曲げてしまったために、ただでさえバランスの悪かった体勢をさらにバランスを崩してしまい前のめりに倒れてしまった。
「あ………あのさぁ……」
 しかし、その倒れた場所が悪かった。
 セレインの目の前には、一つの猛った肉棒の型を表すズボン。
 見上げるとそこには、焦った表情を浮かべるアラド。
 つまり彼女は、アラドの股間に顔を埋めるように倒れてしまったのだ。
 離れようにも、拘束状態にある体は自由には動かない。
 二人の間には時が止まったように感じた。
『あ……あ……』
 二人の声が一つに重なる。 そして、その目線もあってしまう。
「貴、貴、貴様! 少しは恥ずかしくないのか!
 敵とはいえ、女である私にこんなものを見せるなど!」
「し、仕方ないじゃないか! おまえがそんなカッコするから!
 そ、それにこんなものとは何だ!」
 実際セレインが目にしているものはズボンの上からなのだが、そういう方面に免疫のないセレインは混乱していた。
 ―――すでに自分が裸と言うことすらも忘れているのだろうか?
「こんな破廉恥なこと……! 貴様には誇りすらもないのか!」
「は、破廉恥だってぇ!? あんたが勝手につっこんできたんだろ!」
 いつ果てることもない口げんかが始まった。
 端から見ると、男性の股間に顔を埋め文句を言う裸体の女。
 そして、その女性に対し文句を言う男。
 奇妙な図式ができあがっていた。

 どれだけの時間が過ぎたであろうか。
 今までエースとして戦ってきた人間と、新兵となったばかりの少年。
 先に我慢の限界が切れるのは……新兵であるアドラだった。
「さっきから好きなこと言ってくれるよな、そんなカッコして!」
「こんなカッコにしたのは貴様たちだろう!」
「………」
 いきなり黙り出すアドラ……
 その目の色は徐々にだが変わっていった。
「ああ……確かにそんなカッコにしたのは俺たちだよ…
 でも、何でそんなカッコにしたのか……わかってるのか?」
 そう言いながらアドラは立ち上がり、自分のジッパーを下げる。
 暫くして猛り立ったアドラの肉棒が勢いよく現れる。
「貴様……何を………ゥッ!」
 そう叫んだセレインの口に無理矢理アドラは自分のモノを入れた。
(や……やめろ……!)
 そうセレインは言おうとするのだが、口いっぱいにアドラのモノが入っていてそうもいかない。
 それどころか、少しでも口を動かそうというものなら、自動的にアドラのモノを舌で舐めて回すことになる。
 さすがに経験のないセレインにとっては、それだけはさけたいことであった。
 少しだけふれるだけでも嫌悪感が表れるのに、舐める状況となっては……
 ――今まで強気だったセレインの顔が、少し弱気に曇る。
 しかし、その表情がそそるのか、アドラの行為を止まることを知らなかった。
「うご……けよ……!」
 セレインの側頭部を両腕でつかみ、その顔を上下に動かす。
 セレインの意志に関係なく、その口はアドラのモノをしごく存在となっていた。
(やだ……やめてくれ……!)
 次第に涙目になるセレイン。
 最初にあった強気な表情など、すでにどこにも存在しない。

 一方のアドラは、というと……
(な、何で俺こんな事しちゃってるのかな!?)
 と思いながらも、自分の行動を止めることが出来ないでいた。
 自分の下半身(しかもとある一点)を中心に広がる快楽感。
 一人で、自分の手を用いてするのではなく、紛れもなく女性の口を使い行う……
(これってフェラチオって言うんだっけ?)
 冷静に考えることも出来ている。
 出来てはいる、が、快楽の波に逆らうことは出来ず、
「う……ぁ………そろそろ……出る……か……もっ!」
 射精感が彼を包み込んだ。
 セレインもセレインでたまったものではない。
 未だに男性と関係を持ったことのない、汚れを知ることのなかった処女だ。
 実のところ、まともに男性のモノすらも見たことはなかったのだ。
 それを……こういう形で見、そして口に含むなんて思ってもいなかった。
 ましてや、口の中に射精されるなど……
(や、やめ……ッ! く、口からくらい出して……!)
 何とかそれをアラドに告げようとした。
 しかし、それを告げようとする口の動きがアラドにとどめを刺した。
「で……出る―――ッ!」
 アラドのモノから熱い奔流が流れた。
 それはセレインの口腔をいやなく犯し、喉奥までにも達する勢いあった。
「……ケホッ!」
 その口に出されたセレインは咳き込む。
 そして、口の中に出されてしまったモノをなるべく意識せずに外に出そうとする。
 しかし、その無理な体勢のせいか、口から吐こうとするよりも喉の方に流れてきてしまう。

 ごくり

 音を立ててセレインの喉奥へと導かれていくアラドの白濁液。
 セレインは声を出して泣きたかった。
 だが、そうするわけにもいかず、ただその場にへたり込むだけだった。
(何で……私がこんな事に……
 助けてよみんな……助けてよ……レラ……)
 ただそんなことをセレインは考えていた。
 しかし、彼女の悪夢はまだ晴れてはいなかった……
 へたり込む彼女の尻を押さえる手が存在したのだ。
 何とか顔を動かし、その相手の顔を確認するセレイン。
 その相手は………先ほど出したばっかりのアラドであった。
「な―――ッ! 貴、貴様、な、な、な、何をしている!!」
 これからアラドがやろうとしてること――経験のないセレインでも容易に予想がつく。
 そして、それだけでは絶対にさせたくはない―――!
「お、俺にだってわからないよ!
 けど、もう止められないんだよ!」
 アラドの手がセレインの秘所へと伸びていく。
「いやだ、いやだ、いやだ―――!!」
 先ほどとは違い声に出して反抗するセレイン。
 必死に逃げようとするものの、縛られ自由を失った手足ではそうもいかない。
 アラドの指は、セレインの汚れなき秘所をしきりに刺激する。
「ひゃう!?」
 自分でも信じられないような声がセレインの口から漏れた。
(な、何今の!? わ、私が出したって言うの!?)
 そんな考えすらも許さないように、アラドの指はセレインをどんどんと刺激する。
「い、や、やぁめなさぁ………ふわぁ!」
 言葉が最後まで続かずに、その言葉は喘ぎ声と変わる。
 そのセレインにはすでに、マーチウインドのエースという顔は消え失せていた。
 ―――ぬる………
 セレインの秘所からは、湿り気が感じられた。
「あれ……もしかして君……感じてるの?」
「だ、だ、だ、誰が!」
「でも、濡れてる」
 そう、セレインの秘所からはすでに蜜が滴り溢れているのであった。
「これは……その……」
 いくら男性との経験がないといっても、無知というわけでもない。
 それに、公言はは出来ないがセレインだって一人でしたことだってある。
 だから、この蜜が何のために出てきてしまったか、ということだって知ってしまっている。
 ただ問題なのは、この野獣のような男の前で出すのだけはさけたかった。
 それもすでに遅いことかもしれないが…。

 一方アラドの方はというと……
(か……かわいい!)
 ただ、そう思っていた。
 セレインの『これは……その……』という言葉を聞いたとき、単純にそう思っていた。
 そして、このかわいい女性を自分のものだけにしたい……そういう征服感が、今までも少し残っていた冷静感をうち砕いた。
 だから………彼女を本能のまま貫いた。
「う………ぁ………ぁ……ぁぁ!」
 セレインの秘所を貫くアラドの肉棒。
 そしてその墓の痛みに、歯を食いしばり耐えるセレイン。
 ただ普通と違うこと、それは彼女が望んだ形ではないということだ。
「つぁ……気持ちよすぎる…」
 実のところ、耐えているのはセレインだけではなく、アラドもそうであった。
 ただ、耐える内容は違い、アラドは放出感、セレインは痛み…というもの。
 アラドは襲いかかる射精感を必死に押さえつつ、さらにその腰を動かす。
 アラドのモノはセレインの中で、圧迫されながらその壁をさする。
「こ、こんなに違うなんて……自分でするときとは」
「そ、それにイイ……」
 耐えるようにつぶやくような言葉を発したアラドに共感するような台詞を出した者がいる。
 それは―――セレイン本人だった。
「き、君今なんて? き、気持ちいいって?」
「き、気のせいだ!」
 つい虚勢を張るセレイン。
 だが、その内心はアラドの指摘したとおりだった。
(初めてなのに……しかも、自分の全く知らない男にいいようにされてるのに……何でこんなにも気持ちがいいの?
 このままじゃ………イク!?)
 それもいいかもしれない……
 痛感だけではない、むしろ快感だって味わっている。
 だから――
「あ、アラドとか言ったな」
「な、なんだよ!」
「もっと……もっと奥まで突いて!」
 彼女はその快感に素直になった。
 一度、その感覚に取り込まれてしまえば、人間の理性なんて無いに同然だ。
「んぁ……気持ちいいよぉ……、ん、んんーっ!
 もっとかき回して……もっと奥まで突いてよぉ!」
 すでに、哀願までしている。
 一方アラドはというと、セレインと繋がったまま腰を動かしている。
 しかし、その射精感への我慢は限界に近づいていた。
「だめだ……もう出るよ!」
「だしてぇ! 私の中に出してよぉ!
 もっと、もっと、もっと濃いのを頂戴!」
 その言葉が鍵かのように、アラドの精液はセレインの中に放出されたのであった。

「はぁ……はぁ……」
 すでに、セレインの手足を縛る紐はアラドの手により外されていた。
 だがしかし、セレインは逃げようともしなかった、いや出来なかったのである。
 先ほどの行為の疲れもある、が、セレインはそれ以上にこの快楽の虜となってしまったのだ。
(たぶん、この快楽はほかの男としたとしても得られることは出来ないであろう、
 アラドという特別な異性相手にしか得ることは出来ないだろう……)
 セレインはそう思っていた。
 だから、今目の前で眠っているアラドからも逃げなかったのだ。
 ただ、そのアラドの寝顔を見ているだけで、セレインはなぜか幸福感に包まれるのであった。
(したことはないが……恋というものはこうなのかもしれないな…
 少し……順番は違うかもしれないが…)
 顔を赤らめながら、そう思っているとアラドは目を覚ました。
「に、逃げなかったの? 君」
「……アラド……あなたが気になってね」
「き、気になってって!?」
(好き……になったかもしれない…)
 口には出せなかったが、たぶんアラドはセレインの気持ちを理解したのだろう。
「君、セレインって言ったっけ?
 俺を……マーチウインドに連れてってくれないか? セレインの脱走の手引きは俺がする」
「きゅ、急に何を言う?」
「俺、ティターンズが……マーチウインドが……何が正しいかわからなくなった…
 ティターンズが正しいのか、それともセレインがいるマーチウインドが正しいのか?」


 その日、二つの光がマーチウインドの期間へと舞い降りた。
 一つはセレイン=メネスの搭乗するラーズグリーズ
 そしてもう一つは……

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