「良かった。ファング、ここにいたの」
「え、は、はい…」
その日もファングは一人夜の鍛錬場にいた。
彼は誤解があったとは言え、かつて敵側に身を置いていたことがあり、その後ろ暗さから未だに仲間との距離を置いていた。
軍務こそ皆と一緒にこなすものの、夜はこうして皆の団欒を離れ鍛錬場で一人時間をつぶすのだった。
そして仲間たちも近寄りがたい雰囲気を感じていた。
セニアはそんな彼のことがずっと気にかかっていた。

「誰ももう何も気にしてないから…前みたいに皆一緒に楽しく話しましょう」
「…すいません…セニア様…」
「様なんて付けなくていいのに。セニア、でいいのよ」
そう言ってセニアは明るい笑顔を向ける。
彼女は王家の血筋とは言え王位継承権は無いのだが、何より気さくな人柄で特別な身分扱いされることを好まなかった。
だが、生真面目な彼にとってはやはり王女は王女。そして自分は一兵士。呼び捨てなどとてもできるものではなかった。
いや…実は密かに思いを寄せていたのだが、むしろ、だからこそ、余計に距離を保つようにしてきた。

暗い表情のファング。それを振り払うようにセニアは続けて語りかける。
「みんな…あなたの事心配してるの。兄さんだってきっと心配してるよ」
ファングはまた、彼女の兄、フェイルロード王子を敬愛していたが、彼は余命いくばくもなかったため、
魔装機操者たちの「誰であろうとラ・ギアスを守るためには戦わねばならない」との覚悟を試すべく、あえてラ・ギアスの武力統一を掲げて彼らと戦った。
ファングはそれを知らずに彼らを大恩ある王子を倒した敵、と思っていた。
知らなかったとは言え、かつてラングランに矛先を向けた。そのことできっと彼女にも心労をかけたに違いない。
だからこそ、今笑顔を向けられることが余計に辛かった。
辛い表情を見せるファング。と、セニアがそっと手を握り締めてきた。
突然のことに驚くファング、その手を振り払うこともできずにいた。だがその手が何故か震えていることは感じられた。
「ううん…私が一番心配だけど…昔のあなたに戻って欲しい…私たちと…私とまた一緒に居て欲しいの…。だって…す…好きだから…!」
「え…!」
ファングの心臓の鼓動が高鳴っていく。だが何もかも突然のことに何も言うことができない。
しばらくの間、沈黙が流れた。
「あ…ごめんね…こんな機械ばっかりいじくってる子、あんまり女っぽくないよね…」
「そ…そんなことないです…」
女っぽくないどころか、ファングはずっと彼女に女を感じてきた。だが、身分の壁、相手がそれを超えてくれているのにもかかわらず彼は未だに何も言えずにいた。
また少しの間気まずい沈黙の時が流れた。
「あ…ごめんね、いきなり言われても困るよね…本当にごめんね…今のことは気にしないでね。じゃあ…」
悲しく微笑むと、セニアはその場を立ち去ろうとした。

この期に及んでも煮え切らないまだファング。だが、彼女の背中が遠のいていく。
このままだと彼女が本当に遠くにいってしまいそうな気がして。
ファングは突然突き動かされるように飛び出すと無我夢中で彼女を後ろから抱きとめた。
「俺も…俺も好きです!ずっと好きでした!だから…行かないで下さい!」
彼の腕にそっと手をかけると向き直ったセニア。その目には涙を溜めていた。
「う…うん…ありがとう…何だか私が元気付けてもらったみたい…ごめんね…って私謝ってばかりだね…」
ファングは彼女の涙を拭うとその暖かな頬に触れた。触れているだけでも彼女の涙が引いて行くようだった。
見つめあう2人。いつしか目を閉じると唇を重ねていた。
今まで抑えていた思いが解き放たれたように2人はしっかりと抱きしめあうとただ唇を求め合った。
そしてファングはそのままゆっくりとように体を押し倒してきた。

(え…?)
半ば恍惚とした気分の中、セニアは驚いた。
ここは寝室でもないし、たった今告白、キスしたばかり。それがいきなり最後まで…なことになりそうで。
だが、彼を制する言葉を発しようとしてもキスによってふさがれているし、体も痺れた様に力が入らない。
何より、彼の真摯な目を間近に見ていると逆らうことが出来なかった。
「フ…ファング…待っ…ハァッ…」
唇が離れると同時にセニアは言葉を発しようとしたが、すぐさま首筋に口付けられるとそれは切ないため息へと変わった。
ファングは首筋に吸い付くように何度も口付け、胸元へもキス、甘噛みを繰り返していく。
(弱いのに…ダメ…そんな…キス上手いよ…)
激しいキスの雨にセニアはただ体を震わせることしか出来なかった。
ファングはやがて彼女の服を脱がせると白い肌をいとおしむようになでながら豊かな乳房を顕にする。
「だ…ダメ…そんな…」
「綺麗だ…ですよ…セニア…様…」
言葉の方には彼女に対する遠慮がまだ少し残っていたが、行為の方は遠慮なかった。わずかながらもようやく出たセニアの言葉も聴かず、ピンク色に染まった乳首へとむしゃぶりつく様に強く吸い付く。
「ンァッ!」
「ンッ…セニア様の…甘くて…おいしいです…」
「…アァ…ハ…ァ…」
出るはずのない母乳が吸いだされているように感じる一方で、乳首を懸命に吸う彼の姿に母性本能を刺激されるようでいとおしさを感じていた。
ファングは舌で、指で、彼女の乳房を懸命に愛撫しながらも残る手を下腹部へと指を這わせていく。
下着までしっとりと濡れていることを感じるとその中に秘唇をなぞる様に指を滑り込ませた。
「やぁっ…アッ…ヒィ…ァアン!」
彼の指が大事な部分に近づいているのに気づいた時セニアはやはり彼を制そうとしたが、秘部へ指が触れるとまたしてもそれは喘ぎ声へと代わっていった。
誰も居ない真夜中の鍛錬場にいっそう艶やかな声が響き渡る。
一心不乱に乳首を吸いながらも、ファングは手探りで秘部の突起に触れると指の先に絡みついた愛液を塗りつけながら擦っていく。
さらに秘唇を押し広げると指をその中に進入させていった。
「アァッ…ハァン…アア…ッ…ハァッ…!」
セニアにも自慰行為の経験はあったし、指で秘部を刺激するのは勿論初めてではなかったが、他人に、ましてや男の力で強く愛撫されることで今までにない強烈な性感を与えられていた。
同時に乳房をも攻められ続けることで彼女の性感は限界へと高まっていく。
「も…もうダメ…」
微力ながらもセニアは体を起こし賢明に訴えかける。だが、ファングはその切ない瞳に誘われるように深く口付けた。
「ンンッッ!!」
限界寸前の体がキスをされたことで、唇から性器まで快感が全身を駆け抜けるような感触が走る。セニアは腰を痙攣させると絶頂に達してしまった。

(セニア様…)
極度の興奮にあるとは言え、ファングは目の前で倒れている女性が王女であること。
今まで好きだったのに遠慮ばかりして話すことすらあまり出来なかったこと。
そして今、彼女を感じさせたのが自分だと言うことがまだ夢を見ているようだった。
だが、彼の下半身は己を現実に引き戻すようにジンジンと熱くなっていた。ファングは己を鎮めるように服の上からモノにそっと手を触れた。
「あ…」
セニアはその様子を見るとゆっくり起き上がり、自身もソコに手を触れてみる。
服の上からでもその熱さと極度に張り詰めた状態はしっかりと感じ取れた。
「あなたの…こんなに大きくて…熱い…」
「え!?そ、そんなこと…」
先ほどまでなされるがままだった彼女のいきなりの大胆な行動。ファングは押しとどめようとしたが予想外のことにどうしていいかわからずただドギマギするばかりで、今は自分がされるがままになっていた。
好きな人と、今こうしてこの場で愛し合うことに、セニアにも最早気負いはなかった。
彼の衣服をゆっくりと脱がしていくと、初めて間近に見る逞しい男のモノと対面した。
待ち受けるように大きく脈動するソレに、セニアは少し恥じらい気味にも口を近づけていく。
「す…好きだから…私も…し…してあげたいの…」
「そ、そんな…ウァッ!」
言いかけた刹那、セニアの唇が自分の先端に触れ、ファングは思わず仰け反った。
「んむっ…」
その先端に触れていると、彼の体温、心臓の鼓動が伝わってくるようだった。
セニアはそれを感じるようにゆっくりと先端部を口に含んでいくと、唇での愛撫を始める。
「ンッ…ア…」
決して激しくは無い。だが静かでも確実に刺激が与えられていく。今にも達しそうな感覚をファングはこらえるように上の空で感じていた。
が、セニアは不意に動きを止める。
「見て…してる所…あなたの感じてる顔…見たいの…」
哀願するように見つめるセニア。その眼差しがいっそう彼の快感をかきたてる。ファングは彼女をいとおしむように、ねぎらうように髪をかき撫でた。
セニアは微笑むと再び奉仕を始めた。唇から今度は、舌による先端への愛撫へと変わっていく。
自分の敏感な所を柔らかいものがなぞるように自在に伝っていく動きにファングは限界を感じていた。
「だ…ダメです…もう…」
最早限界、とファングは口内から己のモノを引き抜こうとする。
が、セニアは逆に両の手でソレをしっかり抑えるといっそう口を深く沈め、より強く吸い付くように奉仕を繰り返した。
「ン…ァッ!」
ついにファングは熱い精を彼女の口内に放ってしまった。
勢いよく飛び出したソレが彼女の口から溢れてしまうのではと心配したが、セニアは口を離さず、赤子がミルクを飲むように先端に吸い付くと懸命に淫液を飲み込んでいく。
「ンッ…はあっ…感じてくれて嬉しい…」
セニアはようやく唇を離した。ファングのなおも先端からすこし溢れ出る先端から舌まで、ねっとりと糸を引いていた。彼女は取りこぼさないように淫液を舌の先で懸命に絡めとって行く。
自分を感じさせようと一生懸命に奉仕してくれる姿。ファングにはそれがいとおしくてたまらなかった。
「セニアッ…!」
ファングは弾かれるように再び彼女を押し倒すと強く唇を重ねる。
自分も己の淫液の味を少し味わうことになったが、そんなことはどうでも良かった。
半ば強引にセニアの脚を開くと、今度は自分が彼女の秘部にむしゃぶりつくように口で愛し始める。
「アッ…アァッ…!そんなっ…凄い…」
「セニアの…こんなに溢れて…」
先ほどまで、セニアの秘部から愛液が再びとめどなく溢れ出してくる。
ファングはそれを舌で絡めとりながら、指も使って秘唇を広げると舌を奥へ奥へと差し入れ、かき回して行った。
「ンッ…奥まで…すごく綺麗…」
「ヤ…ハァッ…そんな…見ないで…」
舌による刺激は指とはまた違った、そしてまたより強力な性感を彼女に与えた。
そしていやらしい姿態で大事な部分を見つめられている。その恥ずかしさも手伝って、より彼女の快感が高まっていく。
思わず脚を閉じようと試みるも、力強くこじ開けられたそれは閉じることが出来ないでいた。
「もっと…いっぱい欲しい…」
ファングは愛液を促すよう秘唇から朱い突起を舌で撫でたりつついたりと懸命に愛撫していく。
「クッ・・・ア、ハアッ、アァァンッ!」
突起を集中的に攻められてセニアはたちまち果ててしまった。
だが、休む間も無くファングはセニアの腰を掴むと、己のモノを無我夢中で彼女の中へと差し入れた。
「ヒアァッ!!?」
先端が入っただけだが、セニアは味わったことのない快感とも何ともつかない感触に体を跳ね上がらせた。
だが、ファングは彼女を抑えるようにしっかり抱きしめ、さらにソレを奥へと押し込んでいく。
充分に濡れそぼっていたその中は、彼のモノを容易く最深部まで受け入れていった。
「ンクッ…!ハアッ…ッアアァッ!!」
達したばかりでまだ敏感になっていた中を一気に駆け抜けるように突き抜かれ、セニアは大きく喘ぐ。
だがファングは構わず彼女を抱き起こすと、何度も何度も激しく突き上げていった。

「ハアッ!アアーーッ!…アッ…ンッ」
叩きつけられるように激しく襲い来る快感の中、喘ぐことしか出来ないセニア。だがその声すらもやがてキスで塞がれた。
「セニア…ァ…好きだ…!」
「ンッ…アァ…わ…たしも…好き…よ…!」
されるがままだったセニアも、やがて彼の背中に手をかけると腰を上下に動かし始めた。
ファングは彼女の口から唾液が滴り落ちると、それを舌で掬い取っては口内へと押し込み、貪るように絡めて行く。
激しく2人の腰がぶつかり合う音と、舌でお互いの唾液、淫液が混ざり合う音が淫靡な音楽を奏でているようだった。
彼らはひたすらお互いを求め合う感情のまま、無我夢中で交わりあっていた。
「ウゥッ…セニ…ア…」
「お…願い…一緒に…!」
再び限界を感じ取ったファングは求めるように彼女を見つめた。
彼の意思を悟ったかのようにセニアも静かに唇を重ねると彼の快感を引き出すように懸命に腰を上下させる。
「ウッ…ンゥッ!」
「ンッ…ア、ハアッ、アッアッアァーーンッ!」
ファングは最後に全力で奥を突き上げると彼女の中に熱い精を放つ。
子宮の奥深くに食い込んだモノからさらに勢いよく熱いものが次々にぶつけられるような衝撃に、セニアもたちまち絶頂へと導かれて行った。
「クゥッ…!ンッ…ンッ…!…ハア…ァ…」
ドクドクと精が注ぎ込まれる勢いに合わせるようにセニアは体を小刻みに痙攣させていたが、やがて注ぎ終えられると、一気に力が抜けたようにファングの胸の中に倒れこんだ。微力ながらもしがみつく様に彼の肩を掴んで。
「好きだよ…セニア…」
セニアの目にうっすらと涙が浮かぶ。だがその表情に哀しみはどこにもなかった。ファングは涙をそっと拭い、優しく口付けた。
「これからはずっと一緒に居てね…もっと愛してね」
「はい…ずっとあなたの側にいます…そして守り続けます…大切なあなたを…」
2人は見つめあうともう一度深く抱きしめあい、熱く唇を重ねた。

それからは少しずつファングも仲間たちとの団欒に加わるようになっていった。
勿論仲間たちにとってもそれは嬉しかったが、何が彼をそうさせたのか。
そしてやけにセニアと少し親しいのは何故か。それは誰も知る由もない…

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