暗い部屋で2人の男女の影がベッドの上で重なっていた。一つの小さく震える影を大きな影が抱きしめている。
「フォルカさん……っ」
「……」
 彼女の泣きながらの呼びかけに返事をすることも出来ず、ただ抱いた腕に優しく力を込めた。
震える背中を抱きしめると、その小さな体は自分に寄り添ってきて温かい体温を伝える。
今自分の腕の中に居る少女、リィナ・アーシタ……自分の居た修羅界のように戦いが渦巻いているこの世界で、
しかし、戦うことを定められていない身であるはずの彼女が、こんな小さな彼女が、料理が好きで世話焼きで、人を傷つけることなんて出来ないような彼女が、
守りたい人のために戦い続ける……フォルカにとって尊敬という言葉で表せないほどの行為であった。
その想いがふと口をつく。
「リィナは……強いな」
「……強くなんか……ないです」
「……もし、オレが修羅界でなくこの世界に生まれていたら、お前のような立場に立ったとき戦う勇気が出るかわからない。
 何者かとも分からぬ相手と戦い続ける……、しかもリィナのような子が、な」
 (この世界に生まれていたら)
 ドクン、とリィナの心の中に響くその言葉。
少女と修羅を分かつその言葉、この淡い想いをやがては引き裂くことになるであろう現実。
リィナのなかで押さえていたものが崩れ落ち、それが涙となって瞳から零れ落ちてフォルカに抱きすがった。
「いや……いやですっ」
「リィナ?どうした、何が嫌なんだ?強いことがか?」
「いや……いやぁ…っ!」
 彼はきっとこの戦いが終わったら修羅界というところに帰ってしまう、言葉で聞いたことはないが必ずそうなる。
口数自体はあまり多くはない彼だが、戦いのなかで他の修羅とのやりとり、修羅界を変えたい、救いたいという想い。
それを果たすためにきっと……、それを邪魔することなんて出来ない。だけど、離れたくない。
やがて訪れる別れにリィナはおびえ、フォルカにすがる。
「いや…」
「リィナ」
 会った頃からは想像できないほど優しくかけられるその言葉にフォルカの顔を思わず見つめる。
そこにあったのは、言葉と同じように優しい微笑み。
しばらくその顔を見つめた後、リィナはそっとフォルカに口付けた、この想いがひと時のものなんかじゃない、自分にとって大切な恋のしるしとして。
ふにゅ、と柔らかくみずみずしいその唇が触れる初めての感覚に思わず「っ…」と小さく声を上げるフォルカ。

「フォルカさん……」

 一つの覚悟をもってフォルカの名を呼ぶリィナ、きょとんとしたままのフォルカにもたれかかり、つむいだ唇から舌をそっと下ろしていく。
「リィナ?」
 何をするのだろう?といったような顔のフォルカに対して、きっとこういう行為を知らないのだろうと思いながら、
そんな彼に自分のわがままでこれからしようとすることの罪悪感にちくりと心が痛む。
これまで兄・ジュドーとルーがつながる姿を何度も目の当たりにした、みてはいけないと思いつつもその2人の行為を食い入るように見つめ、
自室に戻った後、自分がそういう行為を与えられる妄想にひたり自分で自分を慰めた記憶を掘り起こし、フォルカにその妄想の中での自分をささげる。
「そのまま、ベッドに倒れてください……」
「む?わかった」
 ギシリ、と固い音を立ててベッドに寝そべるフォルカ、その体の上にまたがるリィナの瞳は熱く潤み、羞恥に頬を燃やしていた。
その指が上着にかかるとボタンを外していき、ふぁさりと脱ぎ去られると小さな乳房を覆う下着と真白い肌が晒される。
リィナのその行為の意図が読めず驚愕しつつも、その美しさに目を離すことが出来ないフォルカの前で細い指がフォルカの黒いパンツのファスナーにかかる。

「なっ?リ、リィナ……?」
「……フォルカさん……」
 
 そして曝け出される男根。
このような状況にあっても、修羅として戦いのみしか知らないフォルカのソレは少しだけ硬度を増してはいるが、現実に追いつくことが出来ないでいるようにその屹立もまだ半ばのようだった。
その男根をくっと握るとリィナの指が上下に動き出す。

 しゅっ、しゅっ、しゅっ……

「う、ぁあっ!?リ、リィナ、何を……っ」

 混乱するフォルカに構わずリィナは手を動かし続ける。兄とルーの行為を思い出しながら。
一方のフォルカは、小さな手がぎこちなく愛撫することにより生み出される初めての感覚に困惑する。
快感に髪の毛が逆立つような感覚に陥りながらも小さな少女の体をどかそうと手を伸ばす。
しかし、ふとリィナの顔を再び視界に入れた瞬間、フォルカは彼女を止められない、止めてはならないと気づいた。
伸ばしかけた手をそのままリィナの小さな肩を抱き、優しく撫でる。
彼女の思うがままに、彼女の望みをかなえよう……それがフォルカの結論だった。

「はっ……は……」

 掌の中で熱さと固さを増していくフォルカの男根、掌から伝わってくるフォルカの興奮の高まりを自分が生み出しているのだという実感がリィナには嬉しかった。
(それで、この後……ルーさんは、お兄ちゃんに)
 にじみ出てくる透明な液と、むせるような男の匂いにリィナ自身も興奮が高まっていく。
自分の呼吸が荒いのが分かる、緊張か興奮か分からないが、上手くつむげない。
ドキドキと心臓の音がフォルカに伝わるだろうかと羞恥に染まりながらもリィナは兄たちの行為をトレースする。
小さな唇を開き、かぷりとフォルカの男根をくわえ込む。

「っ!!!!リィナ!」
「ン……ふ…ぅん……」

 口の中一杯に広がる男の匂いが口の粘膜を通し、鼻腔にまで伝わり劇薬のようにリィナの脳みそをとろけさせる。
汚いはずのソレが愛おしくてたまらない。
ちろちろと飴でも舐めるかのように先端を舐めるとフォルカが切なげに鳴く。
普段のフォルカの見せない顔を見れた気がして、それがリィナには嬉しかった。
もっと見たい、と言わんばかりに舌を這わせ、吸い上げる。

「く……ぅ、あ。リ、ィナっ……な、なんだコレは……」
「んっ、んっ……ンン……ちゅ…んぷっ……ン……」

 眉を寄せ、快感に悶えるフォルカ
リィナは右手で竿の部分を上下させながら、その下の袋の部分を優しく揉む。
何度も覗き見して知識が付いているとはいえ、こんなにもスムーズに出来ている自分が恥ずかしい。
しばらくして……

「くっ、あ、がっ!」
「!!!!!」

 ドクンッ!とリィナののど奥に熱い奔流が流れ込む。
一度熱い流れが喉奥をを突いたかと思うと、続いてビューッ、ビューッと3,4度も精液が吹きだしてくる。
「〜〜っ!!ンーーーーっ!!」
 大量の精液がリィナの閉じた唇と男根の隙間から、こぼれ落ちようとする。
だが、リィナはそれをこぼすまいと吸い付く。
息を吸い込んだその瞬間、じゅぷぷぷぷっとはしたない音が響き、真っ赤に染まるリィナの耳。
おずおずとフォルカを上目遣いで見やると、フォルカは右手を額に押し当てはぁはぁと荒い息をついていた。
初めての口淫による射精の快感にひたるその姿を、なんとなく可愛いなと思いながら男根から口を離す。
そして、口の中にあるソレを……

「んっ、んっ……んく……ぷは……」
「リ、リィナ……そんなものを…」
「はぁ、はぁ……いいんです、いいんです、これで……」

 精液臭い息を少し吐いてから、息を整えるリィナ。

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

編集にはIDが必要です