髪を下したリオは綺麗だな、とリョウトは思った。
   スポーティな魅力も勿論あるが、こうして違った雰囲気を漂わせる彼女もまた素敵だ。
   それを口にすると、「ば、馬鹿なことを言わないでよ!」とグーパンで返ってくるので、言葉にはしないのだが。
  「りょ、リョウト君……、あまりジロジロ見ないで。恥ずかしいから……」
  「何を言ってるんだよ。今リオを見ないで、いつ見るっていうのさ」
   こうやって恥らう彼女の姿も可愛らしい。釣り目が表情に鋭さと凛々しさを与える彼女だが、
  こういう恥らう姿とのギャップは他の女性にはない魅力があると思う。―――もっとも、他の女性など目に入っていないのだが。
   彼女の私服でもあるチャイナドレスの胸元を開く。毎度のことだが、どうしても緊張でその手が震えてしまう。リオはそんなリョウト
  の様子に面白そうに吹き出した。
  「ふふ、どうしたの?」
  「い、いや……今更だけど、緊張しちゃって…」
   当然である。この下に彼女の乳房があるのだと思うと、彼女の衣を剥ぐ背徳感に緊張と興奮を覚えてしまう。クスハやカーラに
  隠れて目立たないが、彼女の胸も十分平均以上の大きさを誇る。加えて、程よく身体も引き締まっている為か身体にメリハリが
  ついていて、また違った魅力を醸し出している。
   そんなぎこちないリョウトをくすりと笑うと、リオは手を伸ばして彼の手首を掴まえる。
  「別に緊張することないじゃない。……わ、私は…リョウト君のものなんだから」
   そして手首を自分の胸へと導く。服の上からというのに、確かな柔らかさがそこにはあり、リョウトはそれだけで顔が真っ赤に
  なってしまいそうだった。リオはリオで、自分から誘うような真似をしたことに、今更恥ずかしくなったのか顔を赤くして、リョウトから
  視線を外した。

   だが、ここまでされて、怯えるのは男らしくない。黙ってリオと視線を合わせると小さく頷いて、今度こそ彼女の胸元を肌蹴させる。
  純白のブラジャーに包まれた双乳は迫り出す様であり、その視覚だけでも充分リョウトの中の雄を呼び起こすのに十分だった。
  フロントホックのそれを外すと、束縛から逃れたように僅かに揺れて、桃色の頂きが露わになる。
  「……っ…」
   リオはそこを隠したい思いに駆られるが、自分から胸に触れさせた手前、そういうわけにも行かない。というか、ここで止められたら
  それはそれでリオ自身も切なくなってしまうものだ。
   リョウトはその頂きを軽く摘み、引っ張る。重力に逆らって、乳房もそれに倣って形を変形させる。
  「あっ…りょ、リョウト君……お、おっぱいが、伸びちゃう…っ」
  「可愛いよ、リオ」
   頬にキスしながら、不意に本音を溢してしまう。こういう気障なセリフは自分には似合わないと思っているが、本当にそう思って
  いるのだから仕方がない。いつもは健康的で健全なイメージのある彼女が、自分の前では淫蕩に乱れてくれるという事実が、
  リョウトの中の独占欲を満たす。
  「ほら、乳首も硬くなってきてる……感じてくれてるんだね?」
  「ば、馬鹿っ!そういうこと、聞かないでよ……」
   否定はしない。僅かな愛撫だとしても、リョウトにされているというだけで、こんなに感じてしまう自分は
  変態じゃないかとリオは思ってしまう。そう口にすると、リョウトは笑う。
  「変態でいいじゃない。僕しか知らないんだから。……それに、これぐらいで変態だって言っていたら、この先が持たないよ?」
  「ひゃんっ!」
   リョウトは意地悪くその摘まんだ乳首を軽く捻る。ピリッとした僅かな痛みと共に、そんな意地悪なリョウトに対する被虐心がぞくりと
  リオの背筋を震わせる。
   やっぱり私って変態だ、と顔を真っ赤にさせるが、リョウトはそれを意に介した様子もなく乳首を捏ね回して弄ぶ。
  その度にリオは短く声を漏らしてきゅっと指を折り曲げてベッドのシーツを掴んだ。

   どれだけ胸を愛撫されただろうか。気が付けば、リオの吐息は上がっており、無意識のうちに何度か小さく絶頂していたかもしれない。
  「そ…そんなにも、リョウト君、わ、私の、おっぱい……好き?」
  「好きだよ」
   即答。男はみんなそうなんだろうか?かぁっと顔が赤く火照るのを感じながら、リオは自分の乳房の両側に手を添えた。
  「リオ?」
   そんな彼女を訝しげに眺める。リオは言葉に迷っていたようだが、震えながらぽつりと言葉を発した。
  「その…あのね?えっと……おっぱいで、して、あげる………」
   今にも消え去りそうな声で呟く。リオは涙目になりながら、顔を赤くして視線を反らしていた。それだけでもリョウトの理性は
  瓦解しそうになるが、何とか踏みとどまる。どういう形であれ、彼女に乱暴的にはしたくない。
  「わ、分かったよ……あ、ありがとう」
  「馬鹿…」
   礼を言われれば返って恥ずかしさがこみあげてきてしまう。リオはぶっすりとそう呟きながらも、
  リョウトを拒絶する雰囲気はなかった。リョウトはというと、ごくりと生唾を飲みこみ、ズボンから自分の欲望を取り出した。
  男根、ペニス、肉棒、言い方は様々だろうが、その逞しさは男らしいと評価するしかなかった。リオにとっては、リョウト以外に
  比べるべくもないのだから、そう評価せざるを得ないのだが、思わずそれに見惚れてしまった。
  「リオ?」
  「へ?あ、え、あ、う、うん……ど、どうぞ」
   恥ずかしさを紛らわす為に、席を譲るような感覚で呟いて見せたが、やはり恥ずかしいものは恥ずかしい。
  リョウトも緊張しながらリオの上に跨り、その肉竿をリオの乳房の間に収める。リオはゆっくりとその双乳を閉じるように肉竿を
  挟み込んでしまう。
  「っぁぁ…!」
  「きゃっ!」
   リョウトはその柔らかさと独特の感触に、リオはその熱さと硬さに驚き、思わず手と身を引いてしまいそうになるが、何とか
  踏みとどまる。こうした行為は初めてではないが、だからといって、その行為に慣れるというわけでもない。むしろ、毎回毎回が
  初めてのような感覚であり、今でもこういう行為にはなかなかふたりとも踏み込めないでいる。
   もっとも、それだけ秘められている欲望は大きいのだが。
  「ご、ごめんなさい、リョウト君。……や、やるわよ?」
  「う、うん」
   再びゆっくりと肉竿を挟み込む。じんわりと胸に伝わるその熱さは、それだけでもリオの胸を融かしそうであり、ドキドキと心臓
  の鼓動を高めていく。ぎゅっと強めに挟み込むと、より強く熱と硬さが乳房へと伝わってきた。
  「はぁっ…ぁ、リョウト、くぅん……、お、おかしいわ…、た、ただ、おちんちんをおっぱいに挟んだ、だけなのにぃ…」
   リオは涙目になりながら、喘ぐ。快感を与えられているのは確実にリョウトの方だというのに、リオはそれ以上に蕩けた表情で
  眉根を寄せて困惑気味にリョウトの顔を見上げていた。
  「いいんだよ。……僕も、リオのおっぱい、とても気持ちいいんだ」
   それは嘘でも世辞でもなく、本当のことだった。柔らかい乳房に包まれて、それに飲みこまれてしまいそうな錯覚さえ覚えてしまう。
  それに加えて、自分のそれを彼女の乳房で挟み込んでいるという倒錯的な光景に、視覚的にも興奮を感じる。
  「う、うん……はぁ、ぁ…おっぱい、蕩けてしまいそう……。りょ、リョウトくん、こわいっ……」
   それはリョウトではなく、自身の底知れない情欲の深さに。自然とリオは乳房を捏ね回す様に動かして、ぐにゅぐにゅと肉竿を刺激
  していく。
     ずりゅ、ずりゅっ。そんな擬音が聞こえてきそうな程、強く乳房を押し付けて肉竿を圧迫する。
  当然のことながら、それだけリョウトに与えられる刺激も強くなり、リョウトも吐息が荒くなってきてしまう。
  「はぁ、ぁ、リオ、我慢、できない……」
   それまで自身の中の獣を抑え込んでいたリョウトだが、これだけ刺激的な光景を見せられたらそれにも限度があった。わしっと強く
  リオの双乳を掴むと、自身の肉竿へ擦りつけて、自然と腰を動かし始めた。
  「りょ、リョウトく……ぅぅぅんっ!!ひぁっ、ぁっ…だ、ダメっ、そ、そんなに強くしたら、わ、わたしっ…!」
  「ご、ごめん!で、でも、もう我慢が出来ないんだ!」
   乳房は柔らかく変形し、リョウトの指と肉竿によって形を歪ませていく。肉竿は乳房を貫くように上下に擦れてお互いの快感と興奮を
  高めあっていく。
  「りょうと、くぅん……んふっ…ん、ちゅぅ…ちゅぱっ、ぢゅるっ……んん…」
  「り、リオ!」
   まるで誘われるように、リオはその唇を乳房を犯す肉竿へと近づけて、その先端を吸う。そして舌を伸ばし、舐めて行く。
  更に加わった感覚に、思わずリョウトは射精してしまいそうになる。唾液の滑る感覚、唇に吸われる感覚、そして、乳房が肉竿を
  犯す感覚。それらすべてが一度に襲ってきて、肉竿の射精感は高まってくる。
  「あは…リョウト君の、おちんちん、びくびくってなってる……嬉しい…」
   リオは既に理性の箍が外れたのか、蕩けるような笑みを浮かべると積極的に乳房を動かし、肉竿に吸い付く。その様子は娼婦。
  だが、それは自分だけのものだ。他の誰のものでもない、リョウト自身へ向けられたものだ。日々のリオとの様子とのギャップに、
  今度こそリョウトの理性は瓦解し、感情のままに腰を動かし始めた。
  「リオッ、リオッ、リオォッ!」
  「ひゃんっ!?りょ、リョウトくんっ、リョウトくんっっ……リョウトくぅぅぅんっっ!!」
   そして、リョウトはその欲望を解放した。熱く滾る白濁の波が、リオの額に、鼻に、唇に、髪に、胸にぶっかけられ、
  肌を白く塗りつぶして行く。むぁっと広がる雄の臭いを嗅ぐと同時に、リオもまたびくんと身体を硬直させる。
  「はぁ…ぁ……んっ…リョウトくんの、せーえき、おいし……」
   リオはとろんと蕩けた笑みのまま、付着した精液を指に絡ませて、ちゅぱちゅぱと音を立ててそれをしゃぶる。
  「リオ……」
   リョウトの情欲はまだ、止まりそうになかった。

  以上。

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