「どういう…ことですか?」
突然の申し出に、疑問を隠せない少女。
「だから…アラドを誘惑して頂戴」
長い銀髪の少女は、平然と答える。
「あいつ…最近、すぐ他の女とつるもうとするから…」
銀髪をくるくると指で絡め取りながら、言葉を続ける。
「ちょっと、おしおきしてやろうかなって…」
悪戯っぽい表情を浮かべ、そう呟く。
「こんないい女を無視したんだから、当然の報いよね。」
自分で言うだけあって、銀髪の少女…ゼオラの容姿は見事なものだ。
年令とは不釣り合いに成熟した胸と腰つき。おもわず、溜息が出る。

「そうですね…ゼオラ様はいつでも美しいです…」
もうひとりの少女…ラトゥーニが相鎚を打つ。
こちらは年相応の体付きであった。しかし、顔つきだけはゼオラをも凌ぐ程の美少女である。
美しい瞳が熱っぽくゼオラを見つめている。
「ふふ…ありがとう、でも言ったでしょ?『様』を付けるのは、あの時だけだって…」
言いながら、ラトゥーニの柔らかな尻を少し強めにつねった。
「あひゃうっ…」
思わず漏れる甘い声。
「ふふ…相変わらずお尻が弱いのね…」
一瞬ゼオラの瞳が鋭くなる。だがそれもほんの一時のこと…

すぐに元の顔に戻り、ゼオラは言った。
「とにかく、今晩実行するつもりだから…準備しておくのよ…」
「は、はい…ゼオラ…様…」
最後の方は消え入りそうな声で、ラトゥーニは答えた。
そして部屋に入るゼオラを見届け、自分の部屋に戻ろうとする。
身体が熱い。
『あの時』以来、ラトゥーニの身体は確実に変化していた。
ゼオラに与えられたあらゆる刺激に、身体が反応してしまう。
だが、その事に抵抗はない。
「私は…一生…あなたに仕えます…ゼオラ様…」
少女の心の中は、ゼオラに仕える悦びで満ちていた。

その夜

「まったく珍しいこともあるもんだな…ラトゥーニからお誘いなんて。」
心底驚いた様子で、アラドが言う。
「迷惑…だったかな…」
声の調子を落として、ラトゥーニが答える。
「そんなことないって。お、うまいね、このスープ。」
本当に気にした様子も無く、アラドは目の前の料理に舌鼓を打つ。
「ラトゥーニ、料理うまいんだな。」
「そんなこと…」
「いや、ほんと。ゼオラのやつ、料理はからっきしだからさぁ…」
ふと漏れた言葉に鋭く反応する少女。
「アラド…ゼオラのこと…嫌いになったの…?」

その問い掛けに吹き出しそうになるアラド。
「な、何だよ急に…」
「最近他の女の子と一緒の所をよく見るから…」
一呼吸置いて続ける。
「私にもチャンスがあるのかなって…」
じっとアラドを見つめる少女。
「…」
茫然とするアラド。刹那、彼の唇に少女の唇が重なる。しばしの静寂。
「嫌がらないんだね…」
少女が切り出す。なぜか悲しそうな瞳で…
「ラトゥーニ…」
急速に遠退いていく意識
「な…にを…」
「ごめんなさい…ゼオラ様の言い付けなの…」
(ゼオラ…様…?)
次の瞬間、アラドはテーブルに倒れこんだ。

「ああっ…はぁぅ…」
耳に流れ込んでくる喘ぎ声に、アラドは意識を取り戻した。
そして目の前に飛び込んでくる光景。よく知ったふたりが、熱く絡み合っている。
「どおぉ?そろそろ限界かしら…」
「はぁはぁ…わたし…ゼオラさまぁ…」
「ふふっ…かわいいわよ…ラトゥーニ」
そう言うや否や、愛撫の手を早める。少女の桜色の片方に吸い付き、もう一方を摘んでは放す。
と同時に、秘部に激しく指を出し入れする。その度にくちゅくちゅと粘質な音が響き渡る。
その音に比例して少女の息が上り、身体がびくびくと痙攣し始めた。

「ああっ…ひ、ひぎいぃぃぃ…!」
絶叫とともに、ひときわ大きく身体を仰け反らせるラトゥーニ。力なくベットに崩れ落ちる。
「ふふっ…まずは一段落。そんなにじっと見ないでよ、アラド。」
そう言うとベットから立ち上がり、アラドの元へと近付いてくる。…妖艶な笑みを浮かべながら…
「ゼオラ…一体どういう事なんだ?それより、これをなんとかしてくれよ…」
話しているうちに気付いたのだが、アラドの両手両足は大きな椅子に縛り付けられていた。身動きひとつ取れない。
「ダメよ、メインイベントはこれからなんだから…」

そう答え、アラドの目の前に仁王立ちになるゼオラ。
「うわっ、な、なんか着ろよ。」
あられもない姿のゼオラに、慌てる。
「あら…今更照れるわけ?何回も抱いてくれたじゃない…」
そう言って胸を張る。魅惑的な豊乳がぶるんと揺れる。しかし形崩れはしない。
「この胸だって、アラドがたくさん揉むからこんなに大きくなっちゃったんだよ…」
胸を寄せ上げ、アラドの顔前に近付ける。
「よ、よせって。」
みるみる顔が赤くなるアラド。それに加え男の象徴が隆起しだす。
「ふふっ、その様子だとまだ女に免疫はないみたいね」

少し安心した様子で笑うゼオラ。
「ねぇアラド…私のこと好き…?」
媚びるような表情で尋ねる。
「な、」
「好き…?」
詰め寄るゼオラ。甘い息がアラドにかかる。
「俺は…好きだよ、お前が。」
真っ赤な顔でそう答える。
「じゃあ何で他の女とつるむのよう…」
子供っぽくだだをこねるゼオラ。
「今日だって、ラトゥーニのお誘いに乗っちゃって…」
その言葉に反応するアラド。
「おい、何でゼオラがそのこと知ってるんだよ…」
気にはなっていた。あの時、ラトゥーニが言った言葉。
「ゼオラ様って、何だよ…?」

その言葉にゼオラの顔つきが変わる。
「あの娘…あれほど言ったのに…」
楽しげにそう呟く。
「あの娘はね、私のモノになると誓ったのよ。快楽を与える代償としてね。」
「つまり、女王様とそのしもべってことか…それで『ゼオラ様』ねぇ」
「ふふっ、結構気に入ってるのよ」
そこまで言って頬をふくらます。
「そんなことより、さっきの質問に答えて頂戴。」
「いや、だからそのう…」
うだつの上がらないアラド。
「いいわ。あなたも私の虜にするわ…他の女なんか目に映らなくなるくらい…」
ゼオラの瞳が妖しく光った。

「さて…と、まずは…」
言いながらアラドのモノの根元にベルトの様な物を巻き付ける。
「ふふっ、これでもうイけないわよ…」
「おま、どこでこんなこと…」
「あら、本を読んだだけよ…?」
ゼオラの指差す先にあった本。

『猿でも分かるあのひとの墜とし方』

(どんな本なんだ…?)
そんな疑問が頭を掠めたが、深く考えている暇はなかった。
突如下半身を襲う快感。見ればゼオラが彼のモノを擦っている。
「ふふっ、どんどん大きくなる…」
うっとりとした目でそれをみつめる。しかし手の動きは休めることはない。

「気持ちいい…アラド?」
手の動きを早めながらゼオラが尋ねる。
「ああ…」
情けない顔で答えるアラド。その様子を楽しげに伺うゼオラ。
「じゃあ…これなんかどうかしら…」
そう言うや否や、豊かな胸でそれを包み込む。

ぽふっ ふにゅ

柔らかい、だがしかし適度な弾力も合わせ持つ彼女の豊乳は、恐るべき凶器となった。
「うおっ、ぜ、ゼオラ!」
一気に息を荒げるアラド。しかし気にした様子もなく、ゼオラは次の行動に移る。
「うふふ、こうしたらどうなっちゃうかしらね…?」
本当に楽しげに呟くゼオラ。

アラドのそれを挟んだまま、身体を上下に激しく動かす。
「うわっ!」
谷間にはゼオラの汗が溜り、それが程よく潤滑油の役割を果たしているようだ。

ぱふっ、ぬちゅぷっ

「ぜ、ゼオラぁっ!」
「いい顔よ、アラド…」
身体の動きを休めず、更に加速する。
「た、頼むからコレを外してくれえ…」
イきたくともイけない。
正に生殺し。
「ダメよ、おしおきなんだから…」
これ以上ない笑顔でそう答える。
その時
「ゼオラ様…」
先程達し、ベットに伏していたラトゥーニが近付いてくる。
ようやく落ち着いたようだ。

「こっちへいらっしゃい、ラトゥーニ」
その言葉に素直に従い、アラドの前に立つ。一糸纏わぬ姿で。
「あなたもアラドを可愛がってあげて…」
「はい…ゼオラ様」
言うと同時にアラドのモノを手で包み込む。ひんやりとした感覚がアラドに伝わる。
「この娘のテクはすごいわよ、アラド」
胸で挟む位置をやや下にずらし、先端を顕にする。
「じゃあ、アラド…」
そう言って、顕になった部分を口に含むラトゥーニ。

くちゅちゅぽっ

ゆっくりと顔を上下に動かす。
「う、うう…」
絶妙な口腔の感覚にアラドは酔う。

ちゅぱっ、くぽ

段々と速度を上げるラトゥーニ。
口の窄め方といい、裏筋を刺激する舌使いといい、絶妙な技術である。
「むぐぅ…」
しかし一番の武器はその表情。必死でしかも切ない瞳でアラドをみつめる。
(こんな顔出来たんだ…)
抑えがなければとっくに達していただろう。それほど魅惑的な表情であった。
「凄いでしょ?」
「ああ…お願いだからこれを外してくれよぉ」
もはや限界といった調子でアラドは言った。
「そうね…」
しばしの思案の後ゼオラはアラドの上にまたがった。
「じゃあ、私を満足させて頂戴。」

ゆっくりと腰を落としていくゼオラ。
「は…はいったぁ…」
完全にアラドのモノを飲み込み、優しく包み込む。
「ううっ…」
「動くわよ…アラド。」
ゆっくりと、規則正しく、腰を上下に動かす。その度にたわわな胸がゆさゆさと波打つ。
「おっぱい、いじめてよ…アラド。」
切ない瞳でそんなことを言われると、悲しいかな応じずにはいられない。
豊乳にしゃぶりつくアラド。赤ん坊のように乳首を甘噛みし、吸い付く。
「ん、そうよ…ふうっ…」
ゼオラの息が荒くなる。腰の動きもそれにつれて早くなる。

「ゼオラ様…」
背後から掛かる声。ラトゥーニが近付いていたのだ。
「私も…」
わざと耳に息がかかる距離でそう呟く。
「あん…いいわ、いらっしゃい」
一度腰を上げ、ラトゥーニと向かい合う形になる。
「さぁ、クライマックスよ…」
再びアラドの上に腰を落とすと、猛然と動きだす。
今までと違う激しい締め付けに加え、凄まじいまでの摩擦にアラドの表情が歪む。
「うぐっ、ゼオラ…ぐうっ…」
「もう少し辛抱なさい、アラド」
そう言うと、ラトゥーニの秘部に手を延ばす。
しっとりと湿っている部分に指を差し込む。

「ああっ…ゼオラさまぁ…」
びくりと身体を震わせ、ゼオラに身体を預ける。
「ふふっ、いつもより強めにいくわよ…」
言うや否や、挿入した指を激しく動かす。
「きゃうっ!ああっ…」
がくがくと身体を震わせる少女。すでに自分では立っていられないらしく、ゼオラに寄り掛かっている。
「ああっ!もう…」
「イきなさい、私もそろそろ…」
腰の動きを更に加速させ、アラドを振り返る。
「ううっ…ゼオラ…」
苦しげな表情のアラド。
「いいわよ、イかせてあげる…」
そう言うと締め付けていたベルトを外した。

と同時に、
「ぜ、ゼオラぁっ!」
「ゼオラさまぁっ…」
「ああっ…ああああっ!」
三つの絶叫が重なり合った。

びゅるっ どくどくっ

溜り込んだ多量の精がゼオラの体内に放たれる。
「うあっ…あ…つい…」
口をだらしなく開け、己の中に侵略してくるそれを受けとめる。
「ひ、ふぅぅ…」
一方で自分の秘部に指を差し込まれたまま、ラトゥーニは意識を失いそうになっていた。
「ぐうっ…」
アラドはというと、己の精を全て吸い取られたように憔悴していた。
その場に流れる静寂。誰もそれを破ろうとはしなかった。

翌日

アラドとゼオラは向かい合って食事を採っていた。
「なんだか久しぶりね。一緒に食事するの。」
うれしそうに呟くゼオラ。
「そうか?」
「そうよ…本当に」
頬を膨らませ抗議するゼオラ。
「まぁ、これからは今までの分も埋め合わせるからさぁ…」
そこまで言って、突然真面目な顔つきになって続ける。
「俺とずっと一緒にいてくれるか…?」
しばしの空白。
「うん…」
満面の笑みでゼオラは頷いた。


噛み合わなかった歯車。
今では動かなくなることはない…これからも…




コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

編集にはIDが必要です