特機にもっとも長い時間を触れているのは誰だろう?
 答えはパイロットではない。機体の補給、整備を行なう俺たち整備班の人間だ。
 俺は今日も、機体の整備のために戦闘から戻ったパイロットを迎える。
「どうでしたか、リューネさん」
「今日は大してダメージを受けなかったから大丈夫だよ。ただ、スラスターの出力がちょっと不安定みたいなんで見ておいてくれる?」
「分かりました。他には何かありませんか……リューネさん?」
 俺の質問を聞いているのかいないのか、リューネさんは時計を気にしている。そういえば、妙にそわそわしているようにも見える。
「あ、ええ。他には特にない」
「ははぁ。そうですか」
「な、なによ」
「マサキさんとデートの約束ですね。細かいチェックはこちらでやっておきますから、どうぞ行って来てください」
「バババ、馬鹿なこと言うなよ。デートじゃなくて、買い物に付き合うだけだよ。あいつ、方向音痴だから仕方なく」
「はいはい。じゃあそういうことで」
 まったく。艦内公認カップルの癖に、今さら何を恥ずかしがっているのだろう。だから皆から冷やかされるんだが。俺は苦笑しながら自室に走るリューネさんを見送り、残された機体に目を向ける。特機はそれぞれがあまりに個性的なことから、殆どの整備員が自分の担当する機体を固定される。そして、俺が担当しているのがリューネさんの機体、ヴァルシオーネRだった。
「お前のご主人さんも相変らずだねぇ」
 俺は答えが帰ってくるはずのないぼやきを口にしながら、他には誰もいない整備室でメンテに取り掛かった。
「ん……? ここは?」
 俺はふと気がつくと、見知らぬ部屋に立っていた。
「すみません。突然に呼んでしまって」
 可愛らしい声に振り向くと、そこには俺と背のあまり変わらないヴァルシオーネの姿があった。
「あ……れ?」
「貴方の意識を私のバイオコンピューターと同調させたのです。ヒトと意識を同調させたのは初めてですが上手くいってほっとしました」
 混乱する俺に、ヴァルシオーネは説明する。
「という事は、これは夢……なのか」
「はい。私と貴方の意識が作り出したものです」
「まさかヴァルシオーネ、君に意識があったとは」
「驚きました?」
「確かに驚いたが、意外じゃないな」
 ヴァルシオーネに限らず、機械は全く同じ整備をしても調子の良し悪しが出る。それはあたかも意思を持っているかのように。それが人に近い構造と高性能のコンピューターを持ち、さらに未知のテクノジーによって製造された特機、その中でも特に人に似せた姿を与えられたヴァルシオーネに意識が宿っても不思議ではなかった。
「でも、ここは一体」
「アタシが、その、貴方を迎えるために創った仮想空間です」
「ヴァルシオーネが?」
 壁も床も一面薄いピンクに塗られ、家具には全てフリルのついたクロスが掛けられている。さらに部屋の中央に置かれたベッドも、薄いピンクで統一され白いフリルが付けられている。その姿からはあまり想像が出来ないが、彼女はかなりの少女趣味のようだ。
「しかし、なぜ俺を選んだんだ?」
「貴方とはいつも身近に接していたので、同調を取りやすかったのです」
 ヴァルシオーネはいったん言葉を切って、続ける。
「それと、その……いつもアタシの整備をしてくれているお礼……を」
「お、お礼?」
 思わず聞き返す俺に、ヴァルシオーネは恥ずかしげに目を伏せたまま無言で頷く。
 ヴァルシオーネは、無言のまま俺の傍に近づく。
「その。アタシを……」
 俺は、ヴァルシオーネの言葉を全て聞き終える前に抱き寄せる。彼女の身体は確かに装甲に覆われてはいるが、その中に包まれた柔らかい肉体を感じる。
「これは本当に夢なのかな」
「はい、夢です。ですから、貴方の思うまま――」
 俺はヴァルシオーネの顎を捕まえ、そのまま唇を奪う。
「ぁ……」
 二度三度とキスを繰り返すたびに、彼女の唇の隙間から漏れる熱い吐息、こぼれる甘い唾液が俺の唇を濡らす。
 四度目のキス。俺は我慢が出来なくなり、ヴァルシオーネの唇に舌を伸ばす。
「ッ!?」
 きつく閉じられた唇を解きほぐすように、口でマッサージをしていく。マシュマロのような唇をついばみ、舌で合わせ目をなぞる。
「ん……ぁん、はぁ、ぁ」
 その口がわずかに開いた隙を逃さず、俺は舌を口腔へと滑り込ませる。
「んふッ」
 ヴァルシオーネの身体が強ばったのは一瞬のことだった。口の中に満ちているねっとりとした唾液を舌ですくい上げると、その身体から一気に力が抜ける。
 その場に崩れ落ちそうな彼女の体を支え、俺はベッドに腰掛ける。ヴァルシオーネは俺にしな垂れかかったまま、キスを止めようとはしなかった。
「ん、あふ。んんん、んんッ」
 互いに舌を絡め合い、唾液をすすり合う。それでも止めどなくあふれる唾液が、二人の間から垂れていく。むせるような熱い吐息があたりを包み、時間の感覚を失わせていく。
 お互いを思う存分に味わった俺たちは、収まらない動悸と呼吸のまま互いに見つめ合う。ヴァルシオーネの瞳は潤み、熱っぽく俺を見つめている。
 俺はヴァルシオーネに背中を向けさせると、脚をひらいてその間に座らせる。ヴァルシオーネの柔らかいお尻の膨らみが、ズボンの下からでも隠しようの無いほどに勃起した俺のペニスに当たる。
 驚いて腰を浮かせて立ち上がろうとするヴァルシオーネを、俺は後ろから抱きしめて引き留める。
「ヴァルシオーネ、俺のがどうなっているか分かるだろう」
「……」
 返事はない。
 俺は手をヴァルシオーネの胸に手を伸ばす。先ほど以上にヴァルシオーネが抵抗するが、俺に完全に抱き留められている彼女には為す術はなかった。逆に腰を動かすことで、尻肉で俺の肉棒をこね回す結果となった。際どいビキニラインの装甲と、そこからはみ出した尻たぶが交互に押しつけられ、俺の肉棒はぐいっと鎌首を持ち上げ、その鈴口から先走り液をはき出す。ビクビクと亀頭がうごめくのをヴァルシオーネも感じたのか、亀頭の動きを確かめるように腰の動きを止め、やがてすとんと腰を下ろす。
「今のは……」
「俺の、ヴァルシオーネが欲しいという反応だ」
「私を……?」
「ああ。ヴァルシオーネの隅々まで欲しい」
 俺は装甲に覆われた胸の双丘の形を手のひらで確かめるように包み込む。ヴァルシオーネに触れられているという感覚は伝わらないはずだが、やはり意識してしまうのかその身体が震えているのが伝わってくる。
「感じるのかい」
「はい……装甲越しなのに……貴方の手の感触が伝わるみたいで。はぁ……」
 口から漏れる吐息が甘い音色を奏でる。
「じゃあ、これはどうかな」
 俺は爪の先で丘の頂上部、乳首があるであろう辺りを小突く。
「ぁッ」
 装甲を通して軽く響く振動に刺激されたのか。小鳥の囀るような可愛らしい悲鳴が漏れる。コツコツと啄木鳥のように何度も刺激をしていくと、ヴァルシオーネの声音も徐々に大きく、艶かしいものに変わっていく。
「この中はどうなってるのかな」
 ヴァルシオーネは顔を真っ赤に染める。俺はつめ先で小突くのをやめ、胸部の装甲を掴みゆっくりと円を描くように動かす。
「いや……なかで擦れて、はぁ……ぁ、ぁぁ」
「見せてくれ。この中で、ヴァルシオーネの身体かどうなっているのか。どんなにいやらしい反応をしてるのか」
 カシャン
 軽い音ともに、胸の装甲が外れて床に転がる。
 むわっとした甘い匂いとともに、汗で濡れた生の乳房があらわになる。ピンクの初々しい乳輪はふっくらと膨らみ、その中心ではこすれて赤みがかった乳首がピンと顔を出していた。
 俺はゴクリと生唾を飲み込み、乳首を指先で摘む。完全に勃起しているその熱く、こりこりとした触感を楽しみながら、ゆっくりと引っ張る。俺の手の動きに釣られ、二つの膨らみが不規則に動く。
「い……痛いから止め……んッッ」
 俺は指に力を込る。乳首は根元からこきっと曲げられ、ヴァルシオーネの言葉が自らの小さな悲鳴でかき消される。
「その割りには、全く萎える気配がないよ。それ所か俺に摘まれて、この乳首はますます大きくってるじゃないか。それに……」
 俺の爪より大きくなった乳首は指の間からはみ出し、その先端から白濁した液体が染み出している。
「まさか、母乳まで出るとは思わなかったよ。さっきの甘くむせるような匂いはこれだったんだね。俺に触られながら、装甲の下で母乳を漏らしていたとは思わなかったよ」
 乳液をすくい取り、乳首に塗り込んで滑りを良くさせて、さらに勢い良くしごき立てる。
「いやぁ……言わないで……アタシ、こんなの初めてで、自分の身体がこんにエッチだったなんて知らなくて……はぁ……んッんッ――んぁぁッ」
 乳首が一瞬膨らんだかと思うと、ゴポゴポと粘り気の強い母乳が乳裂から吹き出す。
「こりゃ凄い……」
 俺は指先にすくい取ると、自分の口に運ぶ。
「あっ」
 それを見て、ヴァルシオーネは恥ずかしげに身をよじる。
「ヴァルシオーネのミルク、甘くておいしいよ」
「そ、そんな」
 いやいやと首を振るヴァルシオーネ。俺は、もう片方の乳首に絡みついたままのミルクをすくい取り、彼女の口の中に押し入れる。
「んふッ」
 反射的にはき出そうとするのを、指を奥に押し込んで強引に味わわせる。
「ん……ぅんく……う……ん……」
 やがて、ゴクリとヴァルシオーネののどが鳴る。
「どうだ? 甘かっただろ」
「ぅ……」
 頷くヴァルシオーネにキスをして舌を絡め合い、互いの口腔に残るミルクの残滓を嘗め合う。手持ちぶさたになっているヴァルシオーネの手を取り、彼女自身の胸を揉ませる。さらにその上から手を重ね、乱暴に揉みしだくよう促す。
「私の、おっぱい……こんなに火照って……ぁん、はぁッ、あッ」
 身体の奥に溜まっていく快感に悶えながら、ヴァルシオーネはそれを少しでも晴らそうとするかのように自慰に溺れるが、むしろ逆に身体の中に快楽を注ぎ込むだけだった。
「楽になりたいのかい?」
「うん……アタシの中でドロドロしてる、んぁ……このいやらしい気持ち……止まらないの……んんん」
 また乳首から、こぽこぽと母乳が漏れる。
 あふれ出す性欲に身もだえするヴァルシオーネをベッドに横たえる。俺は手を下半身に伸ばすと彼女の女性自身を隠しているビキニ型のアーマーに触れる。
「あ……」
 ヴァルシオーネはその手から逃げようとはせず、むしろ腰を浮かせ、「もっと強く」とでも言うように俺の手に押し付ける。俺も遠慮なく、装甲が描く恥丘のラインをぐりぐりといじる。
 クチュ、クチュ……チュ……プチュ
 すでに冷たい装甲の下では、熱くほぐれた蜜壷がその割れ目から大量の愛液を漏らしているのは、聞こえる音からでも明らかだった。
 ヴァルシオーネは、自分の身体が立てる卑猥な音に酔ったように惚けた表情を浮かべる。指を咥えた口はだらしなく半開きになり、その間からだらだらと涎がこぼれている。
 俺がビキニのアーマーに手をかけると、すでにロックは外されていた。その下から現れたのは、蒸れてピッタリと肌に張り付いた黒スパッツ。それは、彼女の割れ目の形がはっきりと分かるほどだった。
 スパッツの上から、割れ目に指を無造作にねじ込む。
「んはぁ」
 ヴァルシオーネは甘い声を上げて腰を動かす。俺はゆっくりと蜜壺のなかで指をかき回す。スパッツから染み出す淫水と立ち上る汗の匂い。俺はズボンのチャックを開き、なかで痛いほどに勃起していたペニスを解放する。
 ヴァルシオーネは視界の端にそれを見つけ、じっと見つめる。これから自分の中に挿入される男性器。興味がないわけがない。
 ヴァルシオーネは、自ら乳房を揉みしだき、そのミルクタンクに蓄えられた母乳を絞り出し、自分の手に塗りたくる。彼女はそのミルクにまみれた手を、俺の股間でいきり立つペニスに伸ばす。彼女の指は装甲に覆われてはいたが、丸みを帯びているため痛みを感じる事はなかった。さらに乳液を俺のものに塗りつけながら勢い良く擦る。
「ぅ……ヴァルシオーネ、上手いぞ」
 ゴツゴツとした装甲とぬるついた母乳によって亀頭しごかれ、俺は必死に射精をしてしまいそうになるのを堪える。
「もういいよ」
 俺はヴァルシオーネの股を開かせ、その間に腰を滑り込ませる。すでに俺の我慢は限界だったし、それは彼女も同じだった。俺はヴァルシオーネの秘所を覆うスパッツに手をかけると、びりびりと引き裂く。
 スパッツに走る縦の切れ目。そこから覗くのは、黒の生地と対照的なピンクの柔肉をはみ出させた恥丘をはしる割れ目だった。
「もう……濡らす必要もないな」
 思わず呟くほどに、ヴァルシオーネの秘所は濡れていた。ひくひくと恥丘の動きに合わせては割れ目からぷちゅぷちゅと愛液がこぼれ落ち。時には潮さえ吹いている。
 俺は自分のペニスを割れ目に押し当てると、顔を上げてヴァルシオーネを見つめる。
「いくぞ」
 俺はヴァルシオーネの返事を待たずに挿入を開始する。
「ぁ……アタシの……拡がってる……」
 亀頭に陰唇を割拡げられているのを感じて、ヴァルシオーネが呟く。俺はヴァルシオーネの耳元に口を寄せて尋ねる。
「このまま一気に貫いても良いし、ゆっくりと挿入しても良い。どっちを選ぶ?」
「ゆっくりして。アタシの中を貴方に知って欲しいの」
「痛いかもしれないぞ。我慢できるか?」
「うん」
 俺は彼女の返事を確かめてから、ゆっくりと腰を進める。肉襞の一枚一枚が俺の亀頭に、竿に絡みつき引き裂かれていく。やがて亀頭を遮るものにぶつかる。
「これがヴァルシオーネの処女膜だ。わかるか?」
 膜を破ってしまわないよう、慎重に腰を動かして処女膜を小突く。
「ぁ……分かる……んはぁ。はやく……奪って」
「ああ」
 俺はじれったいほどの時間を掛けて腰を進める。
「ひぃ……ぐぅぅ……ぅ……ぅぅぅぅぅ」
 膜をみしみしと引き裂かれる痛みに、ヴァルシオーネが顔をゆがませ、瞳に涙を浮かべる。
「痛いか」
「痛……痛い……ぐ……くぅ……」
「力を抜け。そうすれば少しは楽になる」
「う……くぅ……ん」
 俺はヴァルシオーネにキスをする。
「んふッ……ん……んん」
 彼女の身体から少し力が抜けたのを確認して、俺はさらに腰を進める。
 プチッ
「……ひいッ」
 それまでの抵抗が嘘のように膜は引きちぎられ、ヴァルシオーネは悲鳴を上げる。処女膜の残滓が俺の亀頭にまとわりつき、絡まる。
「くぅ……ッ」
 ドクッ
 我慢の限界だった。俺はヴァルシオーネの膣半ばで射精する。
「で、出てる。貴方の精液が……出てる」
 ビクビクと鎌首を狭い膣内で窮屈に暴れる。それでも、俺のペニスに萎える気配など感じられなかった。俺は射精しながら、さらにヴァルシオーネの奥へと腰を進める。ドクッドクッとはき出される精液。それを亀頭で彼女の奥へと押し込んでいく。
 やがて、たっぷりと流し込まれた精液は子宮口に遮られて行き場をなくす。
「ヴァルシオーネ。おまえの子宮に、精液を押し込むぞ」
「中に……精液を……」
「ああ。おまえの身体の中の、隅から隅まで俺の精液で汚してやる」
 俺は一気に腰を前に押し出す。圧力に押し切られ、子宮口は小さく口を開く。
「あああ、当たってるッ。アタシの奥に、子宮の中に精子が……貴方の精子が……」
 勢いよく子宮に叩きつけられる精子に、ヴァルシオーネは声を上げる。すべての精子を子宮に流し込むと、彼女の脚を肩に担いでゆっくりと抽送を始める。
「あ……あふ……」
 すでに痛みなど消えているように、ヴァルシオーネは甘い吐息を漏らす。その様子に、俺も遠慮なくピストン運動の早さをあげていく。
 ぐちゅぐちゅと濡れた肉襞をかき分ける音。パンッパンッと互いの腰がぶつかる音。男女の性行為にお決まりの音に加え、ガシャンッガシャンッとヴァルシオーネの装甲がぶつかり合う音が響く。
「あああ……イイッ。中をかき回されて――あんッ、はぁ、んッッッ」
 膣がキュッキュッと小さく収縮を繰り返し、俺のペニスを刺激する。小さなエクスタシーの波に揺られながら、ヴァルシオーネも俺の動きに合わせて大胆に腰を動かし始める。
「ヴァルシオーネ、また出るぞ」
「はい……もっと、もっと貴方で汚し――んぁッ」
 二度目の射精がヴァルシオーネの中に放たれる。それと同時に、彼女の身体がビクンッと反る。俺は最後の一滴まで膣内に注ぎ込んで、ヴァルシオーネの上に倒れ込んだ。
「はぁ……はぁ……悪かったな」
「何がです」
「ヴァルシオーネを最後までイかせてやれなかった」
「アタシ……もっと気持ちよくなれるんですか」
「ああ。もう少し慣れたらな……その、ヴァルシオーネが嫌じゃなけりゃ」
「また……お願いします」
 ヴァルシオーネの声とともに、俺の意識はとぎれた。
 カツン……カツン……
 床を歩く足音。
 整備を終えたヴァルシオーネの足下で、俺は目を覚ます。
「ん……あれは……夢なのか?」
「うきゃっ」
 身体を起こした俺を見て、人影が飛び上がる。
「……リューネさん。何してるんですか?」
「あ、アンタこそこんな時間に何してるのよ」
「こんな時間?」
 時計を見ると、時刻は夜中の3時を指していた。
「リューネさん……朝帰りですか?」
「バババ、バカなこと言うな。別にホテルとかじゃなくて、マサキの奴が道を間違えたせいでこんな時間に――とにかく艦長には内緒だぞッいいなッ」
「あ――。はいはい」
 俺は呆れながら返事を返す。そそくさと自分の部屋に向かうリューネさんを見送りながら俺は呟く。
「ヴァルシオーネ、お前のご主人様は相変わらずだな」
「まったくです」
 俺は思わずヴァルシオーネの顔を見る。その顔には、苦笑いの表情が浮かんでいた。
~ 全身の装甲を外され、点検用のラインを繋がれたヴァルシオーネ。その回りを無人機が走り回る。昔なら多くの人手が必要だったオーバーホールも、今では一人の整備員でも可能だ。
「まあ、その方が俺も安心できるしな」
 そう呟いて、俺は苦笑する。まさか自分がロボットに対して特別な感情を持つなど、ほんの少し前までは考えもしなかった。もちろん彼女のパイロットはリューネさんだし、そのことに不満はない。だが、戦場から戻ってきた彼女の身体を触れる事はパイロットを除いて、俺以外の誰にも許したくはなかった。
 お前は今どんな事を考えてるんだろう。俺はモニターを見ながら、そんな事ばかりを考えていた。

 気がつけば、俺はいつもの場所に居た。そう、ヴァルシオーネと二人っきりの場所だ。だが、風景はいつもと違い、殺風景な鉄の壁に覆われた広い部屋だった。
「な、なんでここに」
 俺の姿を目に留め、ヴァルシオーネは驚いた声を上げる。
「いや、その、整備中のお前を見てたら、いつの間にか」
「いやだ、み、見ないでッ」
 ヴァルシオーネは手で身体を隠そうとするが、アームに固定され、様々なコードやパイプが身体を覆っていてはそれもままならない。薄い桜色の水着に包まれた肉感的なヴァルシオーネの身体が無機質な機械に縛られている姿は、俺の中で倒錯的な性欲を掻き立てる。
「やだ……そんなに見ないで……お願い……」
 ヴァルシオーネの声も、徐々に小さくなる。頬を染めてなおも身体を動かしその身体を隠そうとするものの、俺の目から視線を外すことはしない。緑の澄んだ瞳はかすかに潤んでいる。それはいつも彼女が俺に抱かれているときに見せているのと同じものだった。
「検査はどうだ」
「恥ずかしい……です」
 俺の質問に、ヴァルシオーネは答える。
「ヴァルシオーネのためにやってるんだぞ」
「で、でも、貴方にずっと見られて、こんな姿を、んぁッ」
 ヴァルシオーネの胸をチューブが走る。その双丘をらせん状にのぼりながら、きりきりと乳房を縛っていく。はみ出た乳房が螺旋のラインからはみ出で、卑猥な形をとる。チューブは乳房に撒きついたまま細かく振動を始める。
「んはぁ……いや……ん、んぁ……こんなの、ぁ、はぁんぁ」
 彼女の声に反応するように、チューブは乳房の縛りに強弱を付け始める。
「あああ、いい。おっぱい……いい。きゅうきゅう締められて、見られて、はぁはぁはぁぁ」
 ヴァルシオーネが本気で感じているのは、水着の上からでも分かる程に、その頂きで自己主張を始めた乳首からでも明らかだった。

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