「どうして……! どうして動いてくれないの!? 龍人機!?」
 龍人機と呼ばれる機体のコックピットの中で、青い髪の少女――クスハ・ミズハは叫んだ。
 彼女はバルマー戦役と呼ばれる戦いで、龍人機の一部とも言われる『龍王機』のメインパイロットであった。
 それが縁で、今回の戦いで龍人機に乗ることになったのだが。
 ―――問題は、その龍人機が動かないのだ。
「なんで―――何でなの!?」
 クスハは龍人機の操縦桿を握りしめ、俯きながらつぶやく。
 そのとき、彼女の脳裏に『声』が響いた。
『汝に、我を操る資格なし―――!!』
 そう、クスハには聞き取れた。


「……今の何……?」
 先ほどの『声』が聞こえたすぐ後に、クスハは誰となく呟いた。
 果たしてその質問に答えるものは……そこにいた。
『汝に、我を操る資格なし―――!!』
 先ほどの内容と全く同じ『声』が聞こえた。
 クスハはきょろきょろと周りを見渡すものの、無論誰もいるはずはない。
「何…? 何か聞こえたんだけど?」
『それは、我の声だ』
 今度ははっきりと聞こえた。
「誰…!?」
 この操縦席には自分一人しかいないはず、なのに『声』が聞こえる。
 それは何故なのか。 答えは以外にもあっさりとしたものだった。
『我は龍王機……龍王機である』

 『声』は自分のことを龍王機と言った。
 ならば、何故動かないか直接聞けるというもの。
 クスハはそう思い、直接龍王機に訪ねることにした。
「じゃあ、龍王機、聞きたいんだけど何で動かないの?
 それに、資格がないってどういう事?」
『汝は既に穢れ無き乙女ではない。
 すなわち、我を操る資格なし』
 そう告げた。
 穢れ無き乙女―――その言葉がクスハの頭を駆けめぐる。
(け、穢れ無き乙女―――って!そ、それは、その………そうじゃ……ないけど……ブリット君と……その……け、けど―――! そうじゃなくて―――)
 クスハは口をパクパクさせながら混乱している。
「そ――その――そもそも、そんなことが重要なの!?」
 混乱している頭の中、クスハは必死に龍王機に聞いた。
『無論だ。 我に指示を与えることが出来るのは穢れ無き乙女のみ。知らなかったのかな?』
 知る訳がない。
 安西博士もそんなことは一言も言ってなかったのだ、知っているはずはない。
「で、でも龍王機聞いて!今あなたが動かなければ、たくさんの人が傷ついてしまうかもしれないの!あなたとしてもそれは望まないでしょう?だから、お願い龍王機、動いて!!」
 クスハは叫んだ。
 もし龍王機がクスハの言うことを聞かずに動かなければ、彼女の言う通りになてしまうのだ。
 しばしの沈黙のあと、
『ならば……少しの我慢は出来るかな?』
 龍王機がクスハに問いかけた。
「それであなたが動いてくれるなら……我慢は出来ます!」
 クスハがそういうと同時に、龍人機のコックピットの中、操縦桿が4本の『触手』変化しクスハに向かってきたのだった。
 その4本の『触手』はクスハの両手両足を拘束したのだ。
「ちょ、ちょっと龍王機! な、何をするの」
『…………』
 それに対する返答はない、いや、返答はないどころか―――
「ちょ……っと……ぉ!」
 新たに数本の『触手』が、コックピットの至る所から生えてきたのだ。
 そして、そのうちの一本がクスハの胴体をなでるように動く。
 ……と、その部分から彼女の服が裂けたのだ。
 自然と彼女の肌が露わとなる。
 彼女は何とか動こうとするものの龍王機の『触手』は以外に強くふりほどくことが出来ない。
「じょ、冗談は止めてよ、龍王―――ッ!」
 さらにその台詞を吐くためにクスハが口を開けた瞬間、一本の『触手』が彼女の口に進入した。
『冗談ではない、穢れを知ってしまった乙女を清めるために必要なことなのだ。それに、望んだことだろう?』
 またもやクスハの頭の中に、彼の声が響いた。
(の―――望んだって、聞いていないのに……!)
 クスハのその思考を中断させるかのように、『触手』が彼女を責め立てた。
 ある『触手』は、身体をなめ回すかのように愛撫し……。
 そしてある触手は、クスハのアナルへと向けて……。
(ちょ、ちょっとそこは――!!)
 口に他の『触手』がねじり込まれているぶん、彼女は口を利くことが出来ない。
『少しは……痛みに耐えてほしい』
 アナルに向かった触手の先端から液体があふれ出てきた。

 ズプ……ズブ……

 その『触手』はそのまま彼女の中へと入っていった。

(ひ……ひぐぅ!?)
 言葉に出来ない痛みが彼女を襲った。
 彼女は確かに男性経験がある。
 しかしそれは一般的な経験であり、いわゆるアナルを使用したものではない。
 さらに、『触手』は太く、そして長い。
(龍王機……や、やめて! これ以上は……!!)
 言葉にしようとも出来ない。
 いや、言葉にさせないためにも龍王機は最初に口に『触手』をねじり込んだのだろうか?
 何とか抵抗をしようとしていたクスハに、あきらめの表情が浮かんでくる。
 それは……何かを失ったためだからであろうか?

 では、他の『触手』はどうだろう?
 クスハの見た目に反して大きい胸を、搾るがごとく責め立てるものもある。
 しかし、この『儀式』の中で最も重要なのはそれではない。
 確かにそれも重要なファクターの一つである、が、最重要ではない。
『そろそろ準備は出来たようだな……』
 龍王機の『声』が響く。
(やだ……私……濡れて……るの?)
 確かに彼女の秘所は濡れていた。
 それは、先ほどから責め立てられているからだろう。
(でも……龍王機……準備とか言ってた……)
 彼女はしごくもっともな疑問を浮かべる。
 濡れる……準備………
 ここから導き出される結論は一つだった。
 そう―――『触手』のうちの一本が、彼女の秘所を貫いたのだ。

(あ……ゥ……ン! イタイ……龍王機ッ!!)
 声に出したかった。
 声に出すことで、少しは痛みを和らげることは出来るかもしれないから。
 しかし、口にねじ込まれた『触手』はそれを許さなかった。
(ブリット君より……ッ! 大……ッキイ!)
 いくら男性経験があったとしても、それはブリットだけである。
 それも、数回、数えるほどでしかない。
 その数えるほどしか使ったことのない彼女の秘所を『触手』が責め立てている。
 しかも……大きい。
『痛みを伴わせていることは謝ろう。しかし、君のためにも仕方がないことなのだ!』
 その『声』が要因かのように、『触手』は深く、亜彼女の中に入っていき―――
『清めるために―――受け取れッ!』
 その『触手』先端から、液体が発射された。
 そして、同時にすべての『触手』から、クスハめがけて白い液体が発射されるのであった。

 後に、すべての触手は本来あるべき形、あるべき場所へと帰っていった。
 ただそこに残されたもの、それは龍王機が出した白い液体に身体を包んだ裸体のクスハ=ミズハだけであった。


 余談ではあるが、その次に龍人機が出陣した際、今までに例を見ない動きをしたという。

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