これは、一つの可能性。
 IF、「もし」の世界の話。
 もし、アルマナがトウマと出会った後に、ルリアに発見されなかったら。
 もし、大雷鳳に登場した後にもアルマナがトウマ達と行動を共にしていたら。
 もし、αナンバーズの面々が、アルマナをバルマーの姫君と知らなかったら。
 そんな、「もし」の話――――。


 その日、大雷鳳の搭乗者となったトウマは疲れ果てていた。
 その特異な操作性能、搭乗者に肉体的、精神的に疲弊を促す大雷鳳。
 ダイゼンガーと同じシステム、だが、もちろんトウマは彼のように生粋の武人ではなく、元フリーター。
 そんなに潜在的に体力がある訳でも無し。
 疲れ果てて、自室で彼は眠っていた。

 コンコン…
 控えめなノック音が、トウマの部屋に響いた。
「ZZZZZ…」
 だが、トウマは目覚めない。
 どだい、疲れ果てて眠っている人間をノック音で起こそうというのが無理な話だ。
 キィ……
 そのまま、ドアは開かれた。
 果たしてそこにいたのは―――アルマナであった。
 バルマー、ズフィルードの巫女。 姫君。
 もっともその事を知っているのは、この艦の中にはいない。
 そのアルマナがトウマの部屋に侵入し、寝ているトウマの脇に座った。
「トウマ様……」
 いや、寝てるんだって。
 そんな消え入りそうな声で起こそうとしても無駄だって。
「ZZZZZ…」
 もちろん、起きるはずでもない。 疲れ切って寝ているのだ。
「トウマ様……トウマ様ぁ」
 ゆっさゆっさ…
 何とかして起こそうとしている。
「ん……あぁ……?」
 そこまでして、ようやく目覚めたトウマであった。
「あ、アルマナ…姫だっけ? 何か?」
 寝ぼけ眼で、自分の部屋に女の子が侵入したことにおかしいと感じられないトウマ。
「トウマ様、地球のお話を聞かせてください」
 ちょいと我が儘な言葉を紡いだ。
 アルマナは、自分が地球の―――外の世界をもっと知りたい、とバルマー艦隊から逃亡を図った。
 今回もすんでの所で、バラン・ドバンに連れて帰られるところだったのだが、そこをトウマに助けられた。
 その瞬間から、アルマナはトウマに対して特別な意識を持っていた。
 だから、自分の好奇心は全て、トウマに聞いてみようと思った。
 たとえ、トウマが眠っていようとも、好奇心は抑えられなかった。
 とりあえず今知りたいのは、地球。 地球全てのことである。
「だからって何も起こしてまで…」
「だってぇ…たっくさん、たっくさん知りたいんですもの」
 ちょっとすねた表情が、また一部で多くのファンを生んでいるアルマナ。
 かく言う俺もその一人なのだが、まぁ、とりあえず今は関係ない。
 閑話休題。
「いや、別にいいけどさ。
 はぁ……程良い疲れで眠ると、少しでも結構寝た気になれるんだなぁ…
 っと、ちょっと俺、飲み物買ってくるからさ。 ちょっと待っててくれよ」
「飲み物、ですか?」
「ああ、何か長丁場な話になりそうだし―――っと、姫様、炭酸系は大丈夫かな?」
 ―――姫様、ああ、私のことですね―――
 アルマナは思った。
 せっかくの地球、せっかくのトウマ様から、そんなバルマーを思い出すような言葉は聞きたくない。
 だから、
「アルマナ、で結構です」
 と、紡いだ。
「OK,アルマナ。 で、炭酸系は?」
 〜タンサンケイ?〜
 バルマーにも飲み物はある、が、炭酸系って何なんだろう?
 唇に指を当てて思案するアルマナ。
 そんなアルマナの様子を見、トウマはアルマナの母星では「炭酸飲料」が無いのかな、と言う帰結に辿り着く。
「ま、いっか、 オレンジジュースでも買ってくるか」
 一目散に、艦内の自販機コーナーにすっ飛んでいった。
 曰く、人力自転車のバイトで培った速力。 だそうだ。

 トウマの部屋に残されたアルマナ。
 こうして一人でボーッとしていても仕方がない。
 とりあえず、出来るだけの好奇心を開放し、トウマの部屋を漁ることにした。

 一方その頃、トウマの相棒ミナキはちょっと困った考えをしていた。
 ――トウマは無事、大雷鳳に乗れた。
 ――恐れていた、力に溺れることもなかった。
 けど、不安感がぬぐえない。
 これは、何に対する何の不安感なのだろう?
 少なからず……いや、ミナキの中のトウマは大きなウエイトを占めている。
 それは、大雷鳳のパイロット、相棒としてではなく、むしろ、それ以上…男性としての存在。
 もっとも、自分では気づいてないのかも知れない。
 お互い「好き」とか「愛してる」なんて口にも出していないし、今まで研究一辺倒に生きていた
 ミナキは、そんな感情を理解するどころか、感じたことすら、今まで無かったのだ。
「そう言えば私、非道いこと言っちゃってたなぁ…」
 思い出される。
 過去のトウマに対する――暴言。
 それは、雷鳳を心配するものでもあったし、トウマを心配するものでもあった。
 が、トウマは思いの外プライドが高そうな男である。
「プライド…かぁ……。 言ってたなぁ、トウマ。 バランに向けて『プライドを傷つけた』って」
 そんな男性に対し、雷鳳を降りろとか、雷鳳に相応しくない……とか、今から思うと、言い放題言っていた。
「あの時は大雷鳳で一緒に戦ったけど……トウマ、どうなんだろう?」
 そんな気はなくても、女性は女性。
 いつの時代でも、気付かない内に、男性の心を気にしてしまうものである。

 自然と、ミナキの足はトウマの部屋にと向かっていた。

「ただいまぁーっと」
 両手にアルミ缶を持ったトウマが自分の部屋に戻った。
 果たしてそこにいたのは。 一冊の本に見入っているアルマナの姿だった。
「何だ、本読んでたのか。 そうだよなぁ、一人閉じこめられてちゃ……」
 と、そこでトウマの言葉は止まった。
 両手から、アルミ缶が二つ、自由落下を計った。
 トウマ馬の目に映るもの、それは――――
「………」
 一冊のエロ雑誌に食い入るように嵌っているアルマナの姿だった。
「と、トウマ様!? これは一体……どういう、ぶ、文化ですの?
 こ、この星の男女は、その、子作り以外に、だ、だ、抱きあたりとか…その
 縛ったりとか……するぅ…ん……ですか?」
 ちょっとパニクってるアルマナ。
「あ、あるまな! そ、それよんじゃだめぇ!」
 アルマナの疑問に答えるまでもなく、その手から一冊のエロ雑誌をひったくるトウマ。
 しかし、それはもう遅い。
 見られた、見られたんだぞ、トウマ君。
 しかも、あろうことか他星系の人間に。
「いやぁ、なんだ、これは、そのなぁ」
 と、接続詞を繋げていって見るが、もちろん文章になってない。
「その、トウマ様、教えて欲しいです」
 好奇心を拡大させてアルマナは言った。
「お、教えて欲しいってナニを!?」
 焦るのはトウマ。
「私、外の世界をまったく知らないんです。
 もしかすると、この本に載っていた絵が世俗であるならば、私は知っておきたいんです」
 ――――神体に入る前に。
 心の中でそっと紡いだ。
 一歩、トウマに近づくアルマナ。
「えぇっと……」
 ちょっと不思議そうな表情をして、先程のアルマナの発言で凍り付いたトウマの唇に
 己の唇を重ねてみた。
「これが、その、キス、ですか?」
 ただ、唇を触れ合わせるだけのキス。
 だが、その一挙一動がアルマナには新鮮だった。
 おかしいものだ、普段は自分の指ですか触れたことがない唇。
 それが、トウマの唇に重なった瞬間、雷が落ちたような衝撃を味わった。
 もう一度、この感覚を味わいたい。
 そう思い、もう一度トウマの唇に重ねようとした……時。
「ちょっと待ってくれよ、まだこれぐらいだったらいいけど…
 その、本に載っているようなことは、大切な人とするもんだぞ」
 顔を赤くしながらトウマは諭した。
 しかし、
「あら、トウマ様は私にとって大切な方ですよ?」

 もう一度唇を重ねた。
 今度はトウマの意識はちゃんと覚醒していた、が抗わなかった。
 それはトウマの意志であったか、それとも、生物としての本能かは分からない。
 が、事実として、トウマはアルマナの唇を受け入れた。

 くちゅ……

 いや、唇だけではない、その舌まで受け入れたのだ。
(こ、これがディープと言うものですね…
 その、先程の『キス』と言う物よりも、もっと。その……はぁん…)
 意識が宇宙を泳ぐ。
 こんな感覚は初めてだ。
 ただ、舌がからみ合っているだけなのに、無重力を感じるような…
 外の世界は、こんな感覚に満ちているのだろうか?
 だとしたら、なんて素晴らしい世界なんでしょうか…
 アルマナは、不意にそう思う。

 暫く後、二人の唇は離れた。

 一方その頃、ミナキはまだヤキモキしていた。
 それ、やはりトウマに対する自分の行動であった。
「ああっ! もう考えてみれば最悪… パートナーとしても、人としても」
 思い出すだけでも赤面してしまう。
 昔、自分は雷鳳に相応しくないと、トウマを降ろそうとした。
 しかし、トウマは降りずに、雷鳳に命を取られるところまで行った。
 偶然的にもトウマは助かったが、あの時も……
「私のせい…か」
 はふぅ…
 ため息が自然に漏れる。
 今更かも知れないけど、トウマに謝らなくてはいけない。
 そりゃ、誤ることは既にした、けど、今回もそうだ。
 結果的には大雷鳳にのってくれて、パートナーとして認めてくれたみたいだけど
 その直前の自分の態度は……
「あぅぅ……」
 やっぱり……だめだ。
 普通、あんな事を何度も言ったり、キツイ口調してたら嫌われちゃう…。
 何度かトウマの部屋の前まで逝くが、その思考のグルグル周りで、ノックすることが出来なかった。

 そんなトウマの部屋から、女性の声が聞こえた。
「あれ……トウマ…の部屋、だよねぇ」
 表札を確認、トウマの部屋に間違いはない。
 では何故、女性の声が……
 どうしても気になったミナキは、トウマの部屋を除いてみることにした。
 そして、ミナキの見たものは……

 ………そこっ! ご都合主義だと言わない!

 ピチャ…ぴちゃ……
 卑猥な音と言えば、そうなのかも知れない。
 アルマナが、トウマの男性器を舐めている光景。
 それが、ミナキの瞳に飛び込んできた全てであった。

「ちょっ! アル、マナ!?」
「し、静かにしてください。 よくわかりません!」
 先程読んでいた雑誌を頼りに、必死にトウマに奉仕をしているアルマナ。
 真相を話せば簡単だ。
 先程のディープキスの後、トウマのモノが自然と大きくなっていた。
 好奇心旺盛で、めざといアルマナはそれをめざとく発見し
 先程の本で知った知識を試そうとしていたのだ。
 曰く「世界を知りたい」だそうで――――
 ……違う世界の門を開きだしたのかも知れない。

 その普段でも開いている服を更に開き、胸をさらけ出すアルマナ。
 トウマだって男だ、興味がないなんて言えない。 言わせない。
 自然と、自然と胸に目がいってしまう。
 アルマナはその胸を、器用に持ち上げ、先程舐めていた肉棒を挟んでみる。
「むぉ、ア、アルマナ!」
 闘志は既に爆発寸前だ。
「む、難しいですね。 世界の男女の関係というものは」
 横目で先程トウマに奪われた雑誌を何とか見ながら、胸による奉仕を続けていた。
 それは、やはりつたないものだった。
 ただ、胸に挟むだけで上下させるだけ。 ただ、それだけでも―――
「ま、待ってくれアルマナ! 俺、最近、その一人でもやってないからっ!」
「ほへ?」
 急に叫びだしたトウマを瞳に入れようとした。
 その動きで、胸に挟まれたトウマの肉棒も刺激を受けた。
 どくっ! どくっ!

 射精してしまった。 それも、何も知らない、あったばかりの姫の顔に…
 そして、トウマは気付いていない。 ドアの隙間から、最愛の女性がその光景を見ていることに。

 さて、そんなミナキを後目に、アルマナの行為はどんどんエスカレートしていく。
「これが…射精、顔射というものですね……世界、広いですぅ〜」
 自分の思考能力が低下していることに気付かないアルマナ。
 もっとも、思考能力が低下しているのは、トウマもそうなのだが…
「えぇっと……次はどうでしたっけ…」
 一所懸命に本の内容を思い出そうとするアルマナ。
 が、思い出す以前にトウマに押し倒されていた。
「次……次は……抱き合う」
 真剣な目線をアルマナに向けるトウマが居た。
 彼の脳からは既に……ミナキの存在は薄れていたのかも。

「トウマ様……!?」
 荒々しく、トウマはアルマナのスカート上のモノをたくし上げ、流麗な動きで下着を脱がす。
「数々のバイトのせいか、こういうのも得意になっちゃってね」
 なんて冗談を飛ばしながら、アルマナの秘所に指を伸ばした。
「え、ちょっと……その、それを入れるんですか?」
「え…ああ、そうだけ……ど?」
 アルマナの知識は違った。
 アルマナの知識では、秘所は男性器を受け入れる場所。
 それは、子供を作る為の儀式。 決してそれ以外には見られこそすれ、受け入れたりはしないもの。
 けど、トウマはアルマナのそこに指を入れようとしている。
「と、トウマ様! そこは……っ!   ァ……ッ!」
 彼女にとって見れば、それは荒々しい動きだった。
 一気にトウマの指はアルマナの秘所に入り、激しくかき乱す。
「ひぁ! ひゃいん!」
 今までこんな感覚に襲われたことはない。
 感覚の奔流にアルマナは、ただただ喘ぐしかなかった。
「ひょ、トウマさま! こ、ん! これはっ!」
「あれ、もしかして、これも初めて……? あ、姫様ってもしかしてこれも禁じられてたとか?」
 ちょっと心配した。
 けど、動きは止めない。 だって、スーパーな主人公だもの。 ご都合主義だと言えば笑ってとばせ。

 ぴちゃ……ぴちゃん…
「ひあ! ふぁ!  ん!  ンッ!
 ひゃん…! ち、ち、からが… はいりゃない…」
 半ば瞳に涙を溜めながら、アルマナは喘ぐ。
 ただ、トウマの指が秘所をいじってるだけなのに。
 その秘所からは、既に愛液が満ちるほど、たれているだけなのに…
「そろそろいいかな」
 アルマナの秘所より指を離し、自分の起立している肉棒を支えた。
 その姿を、或いはアルマナは神々しくも見えたかも知れない。
「トウマ様…その、あの」
「これを……」
「挿入する…ですの?」
「いれる」
「こども……出来ちゃう…?」
「大丈夫、そんな事は気にしなくてもいいよ。 したからって子供が出来るわけじゃないし」
 そう言いつつ、アルマナを四つんばいにし、その背後からトウマは奇襲を行った。
「ちょ、と、トウマ様……ンッ!」
 メリ…メリ…
 嫌な音が聞こえたのかも知れない。
 それは、アルマナの小さき膣を強引に進んでいく、大きなトウマの肉棒が発する音か。
「きつっ……!」
 気を抜けば、いつ果ててもおかしくないアルマナの膣内を進んでいくトウマ。
 やがて、それは行き止まりに達する。


「あ、あの、トウマ様 この状態でナニを…?」
 行き止まりに達したところで、トウマの動きは止まっていた。
 いくら膣に肉棒が入っていても、動きさえしなければ、息も絶え絶えになることはない。
 アルマナは自分の疑問をトウマに投げかけるのだが、答えは簡略だった。
「動くッ!」
「へ、ソ、ソレは…ヒャウン!」
 トウマの答えと共に、激しく接合部は動かされた。
 四つんばいのアルマナの上からのし掛かり、膣に入れているトウマの肉棒。
 もちろん、胸をせめるのも忘れてはない。
 激しく動かされるそれに翻弄されているアルマナ。
「ん、くぁん……ふあぁ!!」
 それは、初めての感覚。
「ふぁ…と、トウマ様、トウマ様―――トッ!」
 一瞬、びくんとエビぞりになったかと思うと、動きが止まった。
 アルマナは、達してしまったようだ。 その初めての感覚に慣れる暇もなく。

「………」
 さて、困ったのはトウマの方だ。
 自分はまだ達していないが、アルマナは達してしまった。 しかも極短時間で。
 自分のこの、いきりたったモノはどうすればいいのだろう。
 その、ぬらぬらと光った――一部、血の混じっている――接合を見ながら思った。
「あ……あの、トウマ様?」
 一息ついたアルマナは、トウマに言う。
「もし、その、トウマ様が不十分でしたら、もう一度続けても…
 わたしも、その、もう一度この感覚、味わいたい…」
 あたかも、自分が望むかのように言った。

 その言葉を聞いたトウマの行動は素早かった。
 一気に接合されたままアルマナを正面に向けると、一気に持ち上げた。
 それに抗うだけの力も、アルマナにはもちろん無く。
 むしろ、それを望んでいたかのように アルマナの腕はトウマの首へと捧げられる。
 いわゆる、駅弁という形であろうか?

「と、トウマ様、これは一体?」
「黙ってたほうがいい、舌を噛むぞ」
「え…は、はぅ!!」
 アルマナを上下に激しく揺さぶる。
 アルマナとトウマのその接合部は、離れたり入ったり……を繰り返す。
 先程より、更に荒々しい動きである……が。
「うぁ…ひゃ……ッ! いっ! こっ」
 アルマナの腕に力が入った。
 それは、感じている。 この感覚をもっと味わいたい気持ちの表れ。

「だ、と、う、まさま! な、なんですか!  んぁ! くぅン!」
 言葉にすら成らない喘ぎ声が部屋にしみいる。
 一方のトウマはただ、何も発せずに動きを続けるだけだった。
 激しく、激しく上下に揺さぶる。
 もっとも、この状態で声を出せば、その勢いで射精しそうなので、何も言えないだけなのだが。
 アルマナの中。
 アルマナの膣は、なるほど、外見もそうだが、随分と小さかった。
 それに入っていく自分の肉棒。
 ぐちゅ…ぬちゅ……
 淫らとも言える音は、既に部屋中に響いている。
 先程、アルマナに思いがけない顔射をしてしまったが…
「そういえば…」
 アルマナの顔はまだ汚れたままであった。 トウマの精…それに穢れたままの巫女。
 そう、一瞬でも思った瞬間、トウマに限界が来た。
「くぁ! アルマナッ! で、でる!」
「え、トウマ様!?」

 ドクッ! ドクッ!

 その膣に大量にトウマの精は吐かれた。
 小さな膣に、それを全て受け入れることは不可能なのかも知れない。
 出したそば、受け入れたそばから、その精はこぼれ落ちていく。
 そして、その上に力つきたアルマナは腰を下ろすのであった。


「と、トウマ……」
 その様子を余すところ無く、そとでのぞき見をしていたミナキは見ていた。
 動くことも、目をそらすことも出来ずに。

「トウマ様……これが、外の世界なのですね。 私が知らなかった」
 ぼうっとした表情でアルマナは言う。
 服は糺さずに、上半身、下半身を晒したままだ。
「あ〜、はは、ははは」
 その答えは、乾いた笑いで返すことしか出来ない。
 何でか知らないけど、つい、そのままアルマナとやってしまったトウマ。
 多分、赤い偉い人は「若さ故」とかいうんだろうけど、今回赤い人は出ていない。
「でも、でも……気持ちよかった」
 ぼそっと消え入りそうな声を、トウマに言う。 消え入りそうな笑顔と共に。
 その表情に、ボッ! と赤面するトウマ。
(な、なんだ、俺、なに赤面してるんだよ。
 お、俺が好きなのは、ミナキじゃなかったのか!?)
 自分の心に整理が付かないトウマが居た。
「あの、よろしければトウマ様…
 よろしければですけども…もう一度、一緒に……その子作りに似た行為をしましょう?」
 笑顔、最高の笑顔をトウマにむけ、アルマナは言った。
 ――――のだが。
「ダメェェェェェェェェ!」
 第三者の声が聞こえた。
 それは、ドアの外で、一部始終を除いていたミナキが、ドアを開けつつ叫んだモノだ。
「ミ、ミナキ―――――!?!?」
 トウマの、絶望感に似た声が響いた。
<了>

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