虫の鳴く声が、黄昏時の冷気を帯びた風に乗って聞こえてくる。
なるほど、これが日本語で言う「風流」というやつか。
目を薄く閉じ安楽椅子に体を横たえながら、浴衣姿の黒髪の少女はぼんやりと思った。
新西暦188年、季節は夏。
少女─オウカ・ナギサは、「姉弟」であるアラド・バランガ、ラトゥーニ・スボゥータ、ゼオラ・シュバイツァーとともに鹿児島は指宿の温泉宿を訪れていた。
基礎的な身体能力が高かったおかげで今の所目だった後遺症もなくゲイム・システムとマシンセルの侵食から回復した彼女だったが、これらはまだ発展途上の技術であり、従って長期にわたっての症例など存在しない。
更にオウカはスクールの中で最も強力な薬物や洗脳による人体改造を施されたアウルムクラスの出身であり、現在経過が順調であってもいつどんな形で反動が訪れるかわからない。
加えて環境の大きな変貌まで経験し、精神的にも不安定な彼女はいまだ予断を許さない状態にある。
一週間前、以上の内容を延々述べ、オウカの主治医であるラーダ女史はやたらと熱心に休暇を取り日本で療養してくるように勧めてきた。
最初はソフィア博士によると経過は順調らしいですし精神的にも最近はだいぶ落ち着いてきたので大丈夫です、と断ったのだが結局は他のスクールメンバーも来る、という彼女の口説き文句に負けてしまった。
現在オウカはマオ社勤務のテストパイロットで、ラトゥーニは教導隊、アラドとゼオラはATXチームに所属している。
月に在住するオウカと地球にいる他のメンバーでは、顔を合わせるのは中々難しい。
また、現在マオ社ではATX計画に提出する新型PTの組み上げが最終段階に入っていた。
組み立てが終了し実機がロールアウトすれば、テストパイロットであるオウカの仕事は本格化し目の回る忙しさとなる。
今回の休暇は、その前にゆっくりさせてやろうというラーダなりの心遣いなのだろう。
根が生真面目なオウカはそれでも仕事を完全に忘れることは出来ず、結局月に向かうシャトルと種子島宇宙港から鹿児島空港への飛行機の中では新型機の関連書類を読み続けていた。
特に今回の機体はPTの範疇に収まっているとはいえ、従来機とは全く別の技術体系を導入した革新的なものだ。
その緊張も手伝って、仕様書に注ぐ視線もより集中したものになっていた。

しかし人間とは現金なもので、空港で姉弟たちに出迎えられた瞬間オウカの頭から新型のことなど吹き飛んでしまった。
バスで鹿児島市まで行き、夕食後繁華街「天文館」で名物「しろくま」を食べた。
この時点で既に日が落ちてしまっていためその日は市内のホテルで一泊し、翌朝列車で指宿へ。
到着後南国情緒あふれる市内を軽く観光してから海でひと泳ぎし、ちょうど今その疲れを温泉で落としてきたところだった。
こんなにはしゃいだのは生まれて初めてかもしれない。
いや、幼いころにはあったのかもしれないが、自分にはスクールに入れられる以前の記憶がない。
知覚できない以上それはないのと同じだ。
自分は随分損をしてきたなぁ、と思う。
スクールに引き取られてから自分は実験台か機動兵器の生体部品として扱われ、年相応の少女らしいあり方など望むべくもなかった。
唯一人間として過ごせる時間は自分と同じ環境のスクールの実験体たちと触れ合うときだけ。
以前は洗脳のおかげできちんと認識できなかったが、思えば酷い環境だ。
とはいえ今のオウカがそれを儚み、自己憐憫に浸るようなことはない。
かつては人形に過ぎなかった自分だが、今では心から誇れる仕事があるしリン社長やイルム中尉といった信頼できる上司や同僚(イルム中尉はプライベートではちょっとどうかと思うが・・・)もいる。
年頃の少女らしく想い人だっているし、そして何より、自分にはこの家族以上の絆で結ばれた姉弟達がいるのだから。
幸福という言葉を心から実感しながら、オウカはいつしか淡い眠りに落ちて行った。

「・・・えさん、姉さん、オウカ姉さん!」
自分を呼ぶ声で目が覚めた。
薄く目を開くと、ゼオラの顔が目の前にあった。
その後ろではアラドとラトゥーニが自分を覗き込んでいる。
いずれもオウカと同じ、旅館備え付けの浴衣姿だ。
「どうしたの、三人とも。」
「どうもこうもないわよ、こんなに早くから寝ちゃって。ご飯の時間だから呼びにきたの。」
安楽椅子の前の机に置いた腕時計を見ると、午後7時。
時計を置いたのが5時だったから、二時間弱眠っていたようだ。
「ごめんなさいね、うたた寝しちゃってたみたいで。それじゃあ、行きましょう。」
そういってオウカは時計を左手につけ、立ち上がった。

夕食は鰻の蒲焼などを中心とした海鮮料理で、日本食の珍しさもあって全員に大好評だった。
旅館の人もその反応が嬉しかったらしく、普段は量がないので出さないのだけど、と前置きしてすっぽんの肝刺しと平目の縁側をおまけしてくれた。
料理で胃と舌が満足した後は、アラドの部屋に集まってトランプをした。
ブラックジャックやポーカーなどの度胸と引きが重要なゲームではアラドが、大富豪などの戦術が要求されるゲームではオウカがそれぞれ圧倒的な実力を見せつけ、ゲームは白熱した。
二時間ほど遊んだところでお開きとなり、昨日と同じようにそれぞれの部屋に戻っていった。
この時ラトゥーニが妙に深刻そうな顔をしてたのだが、はしゃいで舞い上がっていたオウカはそれに気付かず見過ごしてしまっていた。
そして・・・

一時間後。
旅館から灯が落ち廊下が静まり返った深夜、アラドの部屋の前に一人の少女が立っていた。
それは意外にも、ラトゥーニだった。
覚悟を決めるように目を閉じて深呼吸すると、ノックをする。
しばらくすると、あくびをしながらアラドが出てきた。
「ゼオラか?・・・って、ラト?どうしたんだ?」
アラドは意外そうな顔をする。
当然の反応だ。
彼と心身ともに深い関係にあるゼオラならともかく、ラトゥーニがわざわざ自分の部屋に深夜訪ねてくる理由など全く心当たりがない。
「その、あの、アラド、お願いがあるの・・・」
ラトゥーニはなんだか妙にもじもじとしている。
「お、お願い?」
アラドは彼女のいつもと違う調子に戸惑いながらも問い返す。
「うん・・・その、表で話すようなことじゃないから・・・部屋に入ってもいい?」
「お、おう」
普段とは異なる少女らしいその仕草に、なんだかアラドは気恥ずかしさを感じながらふすまを開いた。
部屋に入るなり、ラトゥーニは正座してアラドの目をまっすぐ見つめ、顔を真っ赤にしながらこう言った。
「わ、私を・・・だ、抱いてほしいの。」

「・・・・・・えーと・・・・・・」
時間が止まった。
アラドはその言葉の意味が理解できなかった。
いや、したくなかったのかもしれない。
ラトのほうは先程勇気を使い果たしてしまったらしく、顔をトマトのように真っ赤にしたままうつむいている。
沈黙と静寂が続く。
「・・・えぇぇぇぇって、むぐぅ!?」
先に沈黙を破ったのはアラドだった。
一分ほど掛けて彼女の言葉の意味をようやく理解し、そのあまりの荒唐無稽さに叫び声をあげた。
途中でラトゥーニがその声を自分の手で塞ぎ、遮った。
「しっ!姉さん達、起こしちゃう。」
しばらくしてラトが手を離すと、アラドは呼吸を整えながら聞いた。
「・・・抱いてくれって・・・」
まさか単に幼子が親にねだるように抱きしめてくれ、というだけの意味ではないだろう。
年頃の少女が少し年上の少年の部屋を深夜に訪ねて「抱いてくれ」である。
霊長類でありながら恐竜並みの鈍感さと食欲を持つアラドだが、ここまで揃っていて意味がわからないほど愚鈍ではない。
「その・・・つまり、・・・私とセックスしてほしいの!」
業を煮やしたラトゥーニが、湯気が出そうな程に赤面しながら絶叫する。
「・・・・・・・」
今度こそアラドは絶句した。
そりゃそうだろう。
確かにアラドとラトゥーニは付き合いも長く親密な関係だ。
しかしそれは兄弟や親友のそれに近いものであり、男と女の関係に発展するようなものではない。
そもそもアラドにはゼオラという恋人がいるし、ラトゥーニはSRXチームのメンバーであり極東基地時代の同僚であるリュウセイ・ダテに思いを寄せていたはずだ。
どこをどうしたらこういう流れになるのか?
全く理解できない。必死で混乱する頭をまとめながら、目の前の少女に問いかけた。
「・・・説明してくれよ、せめて。」

そして三十分後。
恥ずかしがりながらのため要領を得なかったラトゥーニから何とか経緯を聞きだし、ようやく事態の全体像をつかんだアラドは頭を抱えていた。
ことの始まりは一週間前。
アラドたちが所属するATXチームとラトゥーニの所属する特殊戦技教導隊が模擬戦形式で演習をした時のことだ。
その日教導隊のメンバーはラングレー基地に泊まったのだが、秘密裏にATXチームのエクセレン主催で彼女の部屋で女性陣のみの宴会が行われていた。
そこでなぜかラトゥーニを肴にした恋バナが始まってしまい、それはエクセレンの悪乗りにより猥談に発展した。
「リュウセイ君ってきっと経験ないないから、あなたがリードしてあげなきゃだめよぉ?
え、ラトゥーニちゃんもない?・・・よく考えると、そのお年頃じゃ当然そうよねぇ。
だったら、先に誰かと「練習」しておいてみるとかどうかしら?
二人とも初めてだと上手く行かないことがあるのよねぇ〜
ブリット君とクスハちゃんなんか
(以下ブリットの名誉の為に中略)
うちのアラド君とかちょうどいいんじゃない?
ラトゥーニちゃんもよく知ってるし、彼ゼオラちゃんと毎晩してるみたいだからテクニックもついてるだろうし。
もう毎晩隣の部屋から声が聞こえてお姉さん(以下略)」
多分エクセレンのほうにしてみればいつもの「空気を読まない下ネタ」の延長のつもりで言ったのだろうが、相手が悪かった。
世の中にはシャレの通じる人間と通じない人間がいる。
そしてラトゥーニはその後者だったのである。
決定打になったのはエクセレンの恋バナの時の言葉だった。
「マイって娘もリュウセイ君のこと気になってるみたいだし、ぼやぼやしてるととられちゃうかもよ?」
そうなのだ。最近SRXチームに見習い隊員として入隊したマイ・コバヤシもリュウセイのことが好きなようなのだ。
しかも激務におわれ世界中を飛び回っていてリュウセイと連絡を取ることすらままならない自分に比べて、彼女は同じ職場で働く同僚の位置にある圧倒的に優位であると言っても過言ではない。
冷静に考えればリュセイは普段から「ヴァルシオーネかわいいよヴァルシオーネ」だの「アンジェルグかわいいよアンジェ(ry」だの言ってるような男なのでそんな甲斐性があるわけがないのだが、恋する乙女心が彼女の判断力を曇らせていた。
かくしてラトゥーニはエクセレンのたちの悪い冗談を真に受けた挙句、一週間仕事に支障をきたさない範囲で(この辺が立派である)逡巡を繰り返した。
そして、今夜彼女は日本風に言えば「清水の舞台から飛び降りる」気持ちでアラドの部屋を訪れたというわけである。
(つくづくあのひとは・・・)
エクセレンのペースに巻き込まれてしまうのはいつものことだが、今回のは飛びっきりだ。
異性との経験といえばゼオラとオウカしかないアラドにはこういった場合どうすれば最善なのか見当がつかない。
まさかここで「はい」と抱いてしまえるほどアラドは無神経ではなかったし、何よりゼオラに知られたらどうなるかわかったものではない。
しかしラトゥーニの方も決して考えなしにきているわけでもなかった。それは彼女の真剣な瞳を見ればわかる。
断りかた次第では彼女を傷つけてしまうかもしれない。
アラドが悩み続けていると、ラトが再び口を開いた。
「・・・やっぱり、迷惑?そうだよね、私はオウカ姉様みたいに綺麗じゃないし、ゼオラみたいに胸大きくないし・・・」
うっすらと涙を浮かべ、ラトゥーニは顔を少し伏せる。
その姿に、アラドはどきりとなった。
適度な長さで散らされた髪は、まるでアメジストのように神秘的だった。
伏せられた青い瞳はどこか非現実的な美しさすらかもしている。
顔から下に目をやれば、浴衣の合間から少しだけ覗く柔らそうな肌が眩しい。
そこにいた少女は、既にアラドが知っているスクールで妹のような存在だったラトゥーニではなかった。
彼女が一般的に言うところの美少女であることはわかっているつもりだったが、それは頭の中だけのものにすぎなかったことをこの瞬間、アラドは痛烈に思い知らされた。
そしてアラドは、覚悟を決めた。
「・・・そんなわけねぇだろ。」
「え?」
ラトが顔を上げる。
どこか間抜けな、その表情すら今のアラドには眩しかった。
「・・・途中で嫌になったらちゃんと言えよ。」
それがアラドなりの承諾なのだと理解すると、ラトゥーニはすみれのような笑顔になった。
「ありがとう!」
アラドに事情を説明したことで羞恥が少し薄れたのか、前よりは落ち着いた表情で布団に自分から身を横たえた。
そして帯を外し浴衣をはだけさせ、アラドに真鍮のように赤みを帯びた肌をさらけ出した。
「・・・お願い、アラド」
アラドは最低限の自制心を心に残したまま、ラトに覆いかぶさった。
やがて二人は、どちらからともなく目を閉じ顔を近づけキスをした。

さて、アラドがラトゥーニに迫られていたその時間。
ラトゥーニとゼオラは同室だったのだが、部屋に一人残されたゼオラはというと・・・
「んん・・・ん、はぁ、はぁ、んん・・・」
ゼオラは真夏だというのに深々と布団を被り、くぐもった喘ぎ声を上げていた。
ラトゥーニと同室であることからか抑えられてはいたが、声には明らかな欲情の色が滲んでいた。
時々、布団の上からでもわかるほど、中の手が動いている。
「はぅっ!・・・はぁ、ふぁああ・・・」
やがてゼオラは絶頂に達したらしく、体全体を激しく反らして一際高い喘ぎ声をあげた。
だが、アラドによって開発された彼女の性感は、この程度では収まってくれなった。
自然と股間と胸を弄っていた手が再び動き出す。
「はぁ、はっ、あああん、あっ、ああ・・・ラトが、あっ、帰って、ふぁ、くるかもしれないのに・・・」
自分だけの刺激に満足できなくなってきたゼオラは、秘唇に潜り込ませていた指を抜き取り愛液まみれのそれを口でしゃぶり始めた。
「ん・・・ちゅっ、ちゅる、じゅる、じゅぽっ・・・」
アラドの男根に奉仕する時のようにつばをたっぷり含みながら、指に舌を絡めていく。
絡みついた自分自身の粘液が男の先走りを連想させ、思わず舌でそれを舐め取り、口の中で転がすように味わう。
そのあいだも片方の手は休まずたわわな乳房をもみ続けている。
「ん・・・んん、んんぅ・・・!」
自分の愛液の味を喉で感じ、指が乳首を押しつぶした瞬間、再びゼオラは絶頂に達した。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
二度の絶頂を味わったにも関わらず、ゼオラの体に溜まった熱は静まっていなかった。
それどころか、指が胸を、そして秘所を慰撫するたび
アラドの「男」の感触が思い出されそれが一層欲しくなってしまう。
何でこんなに今夜に限って体が疼くのだろう。
昨夜全く触れられてなかった反動だろうか?
普段は大体アラドのほうからなのに・・・
そんな疑問も、今のゼオラにとってはどうでも良くなっていた。
もう我慢できない。自分の指なんかじゃ駄目だ。
アラドが、欲しい。
指で、触って欲しい。
舌で体中をなめ回して欲しい。
肉棒を胸ではさんで、舌で先端を味わいたい。
蜜で溢れた秘唇を肉棒で滅茶苦茶にかき回してほしい。。
そして、うち放たれる熱い精液を体の奥で味わいたい・・・
想像しているうちに、体がそれに反応して愛液が溢れていく。
ゼオラは虚ろな瞳のまま立ち上がると、足の間を濡らしたままアラドの部屋へ歩き出した。

ゼオラがふらふらとアラドに部屋へ歩いていたころ、入れ違いになる形で誰もいなくなった二人の部屋にオウカが訪れた。
昼寝したのがまずかったのか、それとも夕食で出たスッポンのせいか気が妙に昂ぶって眠つけない。
そこで妹達が起きていたら少しだけお喋りをし、あわよくば一緒に寝ようかとも目論んでいたのだが・・・
「ふたりとも・・・って、あら?」
ふすまは開けっ放しになっていた。中を覗いてみると二人ともいない。
温泉は終わった時間だし多分お手洗いだろう、と思い勝手に入らせてもらったが、しばらく待ってみたが、帰ってくる気配がない。
ということは、アラドの部屋だろうか?
ゼオラがアラドの部屋に行くのはむしろ自然だがラトのほうは特に理由はないはずだ。
二人で行ったにしても、それにしても、自分をおいていくのは不自然な気がするし・・・気を遣ったのだろうか?
仕方がない。とりあえず、アラドの部屋に行ってみよう。
最悪でもアラド一人はいるはずだ。
気を取り直し、オウカは部屋のふすまを閉めるとアラドの部屋へ向かった。

そして、二人の女性が自分の部屋に向かっているとは露知らず。
アラドは、劣情に我を忘れそうになるのを必死で堪えながらラトゥーニを愛撫していた。
まずは肌の感触を確かめる意味で首筋から胸、腹、太ももとと指を這わせてみたが、性感が未開発なラトゥーニは、指で触るだけではまだ感じるところまではいかないようだ。
時々短く「ふぁっ」と声を上げるが、それ以外はくすぐったそうにしていることのほうが多い。
下着の上から秘所を触ってみても、まだあまり湿っていなかった。
指を止めるとアラドはラトゥーニの顔を引き寄せ、再びキスをした。
ラトゥーニも目を閉じ、体を寄せてくる。
次の瞬間、アラドは唇を割って舌を侵入させた。
ラトは突然の異物感に驚き暴れだそうとしたが、
アラドはそれを押さえつけ舌を更に動かし口中を嘗め回した。
舌と舌とを絡め、時々溜まったつばを流しこむ。
最初は戸惑っていたラトもやがて違和感と息苦しさ以外のもの感じてきたらしく、自分から動かしはじめ、アラドの口内へそれを差し込んできた。
ラトが感じ始めたことを確信したアラドは遠慮なく
「ちゅっ・・・ちゅる、ちゅる、ちゅる・・・んふっ・・・・ふぁぁ・・・」
舌が離れる瞬間、名残を惜しむように唾液が糸を引く。
性経験のないラトゥーニにディープキスは実に効果的だったようで、顔を上気させ恍惚とした表情で口を半開きにしたまま放心していた。
「気持ちよかったか?」
ラトは惚けた表情のまま、首を上下させ答えた。
より強い刺激を与えようと、アラドは先程指でなぞった箇所を今度は唇と舌で愛撫し始めた。
首筋に口付けされるたび、舌が細い腰を軟体動物のように這い回るたびラトは高い声ををあげた。
「んっ、ああ、あっ、ん、やだ、へんになっちゃう・・・ふぁ、ああ・・・」
先程のキスで性感が目覚め始めていた彼女はアラドの舌の感触に酔いしれ、されるがままになっていた。
やがてアラドの舌が、蜜に溢れ始めていた幼い秘所の割れ目を下着越しになぞった。
「・・・あっアラド、そこは・・・あっ、ああ、ああっ、ふぁあああん!」
ディープキスと愛撫で敏感になったラトゥーニは、その一舐めでイってしまったようだ。
頭が空白になるほどの快感。口を半開きにしたままその余韻に浸っていたラトに、行為を続けるべくアラドはささやく。
「下着脱がすぜ、いいな?」
絶頂の余韻で頭が朦朧としていたラトゥーニにその声が届いていたのかどうか。
ラトは霞がかかった思考のままもっと気もちよくなれるんだな、とだけ直感し、アラドの声にうなずいた。
アラドは指や唇で尖りきった乳首に軽く刺激を与え続けながら、愛液でびしょびしょになったパンティを脱がした。
そして、熱く溢れたラトの秘所を慣らすために指を挿入しようとした瞬間─
不意に、部屋のふすまが開いた。
アラドが驚いて振り向くと、そこにはゼオラが立っていた。
気付いているのかいないのか、ラトは快楽の余り夢うつつのままだ。
部屋の中に脱ぎ散らかされた女物の下着、布団に横たわっているはだけた浴衣の下は全裸のラトゥーニ、そしてそれに覆いかぶさっているアラド。
ゼオラは体の火照りに引きずられ頭も上手く回らない状態だったが、この部屋の状況でそれが一気に冷めた。
この不可解な状況を自分なりに把握しようとするゼオラだったが、ラトゥーニがアラドに迫るとは想像も出来なく。
よって、怒りの矛先が向かうのは当然─
「アラド、あんたねぇ!!」
「誤解だ、ゼオラ!話を聞いてくれ!」
ゼオラの甲高い叫び声は、少ししょんぼりしながらアラドの部屋に向かっていたオウカの耳にも届いた。
やっぱりみんなで遊んでるんじゃない。
姉さんにだけ声を掛けてくれないなんて、ひどい。いくらなんでもあんまりだ。
一言って、長姉の存在を思い出させてやろう。
そう思いながら、オウカはアラドの部屋に向かう足を速めた。
そして、部屋の前にたどり着くと、怒りを込めてふすまを開いた。
「あなた達、姉さんに内緒で・・・って・・・え?」
部屋の中では、半裸のラトゥーニが布団の上で放心している。
そしてその上ではゼオラがアラドにつかみかかっていた。
いつもの仲良しモード、という雰囲気ではない。
険悪さすら漂っている。
何でよりによって姉さんまで来るんだよ。
ゼオラに絡まれたれたまま、アラドは更に混迷していく事態を憂えた。

そして、更に三十分後。
最初こそ混乱したものの、流石は長姉というべきかすぐに冷静さを取り戻したオウカの仕切りによって状況は一応の収拾を見ていた。
ラトゥーニが正気を取り戻したことも幸いした。
彼女は手早く浴衣を整え、違うの、と必死でゼオラを制止し、それからは柿のように顔を真っ赤にしながら事情をオウカとゼオラに説明していた。
そもそもこんな荒唐無稽な話、アラドの口から出たものであればゼオラどころかオウカすら「アラド、嘘はもっと上手につくものよ?」といって一蹴したであろう。
「信じらんない!ラト、いくらなんでも早まりすぎよ。しかもよりによってこいつに、なんて・・・」
自分の男に手をつけられた嫉妬もあってか、ゼオラは珍しくラトゥーニにきつい言葉を浴びせる。
「ごめんなさい・・・でも、こんなこと頼めるの、アラドしかいなかったから・・・」
涙ぐみ、詰まりそうになりながらラトゥーニは答える。
その様子を見かねたようにオウカが口を開く。
「ゼオラ、悔しいのはわかるけどラトにあたるのはおやめなさい。ラトだって、必死に考えて決めたことだったんだから。」
「だって・・・」
ゼオラは反射的に口答えしようとするが、ラトの泣き出しそうな顔を見て口を閉じた。
嫌な思いをしているのは、自分だけではない。
ラトだって、それがわかっているから秘密にしようとしていたのだ。
アラドは欲望に流されラトを抱こうとしてしまったことに責任を感じているらしく、先程からずっと押し黙っている。
言葉は途切れ、気まずい沈黙の中でラトの静かな嗚咽だけが響いていた。

耐えかねたようにため息をつくと、オウカが口を開いた。
「ラト、もう泣くのはおやめなさい。大丈夫だから。」
ラトゥーニに向かって慰撫するように優しく微笑み、背中をさすりながら声をかける。
「・・・オウカ姉様・・・」
「確かに今回のあなたの行動は少し過激だったけど、私は責めたりしないわ。
ゼオラからアラドを奪おうとか考えていたわけではないでしょう?」
ラトゥーニは黙ってうなずく。
「だから、ゼオラもそんな怖い顔をするのはやめなさい。せっかく久しぶりの水入らずの旅行なのに、仲たがいしたままなんて悲しすぎるわ。」
「・・・はい」
ゼオラはまだ不満そうに口を結んでいたが、一応は納得したようだった。
アラドは押し黙ったままだったが、内心では好転した状況に安堵しつつオウカに感謝していた。
空気が少しだけ和らごうとした、その瞬間─
「だから、私はこれからみんなでラトに男の子の扱い方を教えてあげたいと思うの。」
オウカの一言が、空気そのものを破壊した。

再び空間が凍りついた。
今度の沈黙は今までの沈黙の比ではない。
ラトゥーニは衝撃のあまりか、無表情。
ゼオラとアラドは完全に引いている。
オウカだけが、にっこり微笑んでいる。
長い沈黙を破ったのは、少しだけいつもの冷静さを取り戻したラトゥーニの声だった。
「・・・姉様、本当にいの?」
不安そうに、問いかける。
しかし、その口調は何かがずれているような気がする。
アラドとゼオラに、夕立前の雨雲のような不安が立ち込めた。
「もちろんよ。あなたのためなら、私はなんだって出来るわ。アラドも、ゼオラもそうよ。」
オウカは微笑みながら、ラトゥーニに安心させるように答える。
すると、ラトゥーニもにっこりと笑顔になる。
どうやら、さっきの無表情は「嬉しすぎて」衝撃を受けたものだったらしい。
なにやら勝手に事態を進行させていく二人。
勝手に決めないでください。
アラドとゼオラは同時にそう心の中で突っ込んだ。
いや、確かにラトのためなら何でもしてあげたいと思う。
だがこれは、何かが激しく間違っている。
心の中の何かがそう叫んでいる。
しかし、夢見るようなラトゥーニの笑顔を見るととてもそんなことを口に出すことは出来ない。
詰んじまった。チェックメイトだ。
アラドは心中でそうつぶやくと、本日二度目の覚悟を決めた。
「じゃあ、まずはアラドとゼオラがするところを見せてもらいましょうか。
その間、私はラトが痛くないように準備をしてあげるから。」
オウカはその間にも話を進めていく。
「ちょっとまってよ!いくらなんでもそれは・・・」
覚悟完了したアラドとは対照的に、ゼオラは再びくらいつく。
そりゃそうだ。いくら姉妹同然のオウカやラトゥーニとはいえ、自分の痴態を見せるのは抵抗がある。
以前プレイの一環として鏡に姿を映しながらまぐわった事があったが、その時見た自分の姿は死にたくなるほど恥ずかしいものだった。
それを人前でさらすなんて・・・出来るわけがない
「もう、ゼオラったら・・・困ったわね。じゃあ・・・」
言うが早いか、オウカはゼオラを組み敷いた。
「ちょっと、大人しくしててね。」
そして唇を奪うと、呆気に取られているゼオラの隙を突き浴衣の帯を抜き取る。
そのまま浴衣を脱がせ全裸にすると奪った帯を細め、器用に使いゼオラが動けないように縛り上げた。
しかも足を大きく開かせ、秘所が丸見えという壮絶に恥ずかしい格好だ。
「ね、ねぇさん、やめて・・・」
消え入りそうな声でゼオラは哀願する。
「ふふっ、じゃあアラドとしてくれる?」
「・・・っ!」
究極の選択を突きつけられ、ゼオラは絶句する。
「してくれる気になったら、放してあげるわ。さてと・・・」
パンパンと音を立て手を払うと、オウカは戦慄し歯をがちがちと鳴らしているアラドに向き直った。
「順番が前後しちゃうけど、はじめましょうか。それじゃアラド、こっちにに来てくれる?」
一応お願いの形になってはいたが、もはやアラドに拒否権はなかった。
断ったら何をされるかわかったものではない。
ゼオラという実例が目の前にいる。
アラドは怯えながら布団に腰掛けた。
「姉さんとするのが久しぶりだからって、そんなに緊張しなくても・・・」
オウカはそう言うと、妖しく微笑みアラドの縮こまった股間に目を落とした。
「しようにも、このままじゃ無理ねぇ・・・でも、ちょうどいいか。」
言葉が終わるか終わらないかのうちに、オウカはアラドを押し倒していた。
そしてゼオラと同じようにキス→帯抜き→全裸のコンボを再び繰り出す。
恐怖のあまり抵抗できないアラドは、あっという間にあられもない姿にされてしまった。
そしてオウカはアラドに覆いかぶさったまま、初めて見る異性の裸にきゃっと可愛い悲鳴を上げ指の隙間からそれを凝視しているラトゥーニに視線を移し語りかける。
「まずは、男の子への『御奉仕』から。ラトもアラドにちょっとしてもらったでしょう?
これから私がお手本を見せるから、よく見てるのよ。」
そういうとオウカは顔を下げ、アラドのまだしぼんだままの肉棒をつかんだ。
目を閉じ、チュッ、と音を立て軽く先端にキスをする。
同じ行為をしばらく続けた後、オウカは深く口の中にくわえ込んだ。
「じゅぽ、じゅぽ、ちゅぽっ・・・んっ、ん、んん・・・」、
オウカはつばをたっぷり含んで、わざと大きく音を立てながら口を上下させ刺激で硬くなり始めたペニスに更なる熱を与えていく。
しばらく行為を続けてから口を離すと、今度は舌先で裏筋を根元から舐めあげた。 
そのまま亀頭に舌を動かし、にじんだ先走りを味わう。
口の端から溢れた唾液を少しこぼしながら、オウカは顔を耳まで真っ赤にしているラトゥーニに振り向いた。
「さ、ラトもいらっしゃい。私がやり方を教えてあげるから、その通りにすれば大丈夫。」

恥ずかしがりながらも、ラトゥーニは姉の手招きに応じアラドに近づいていく。
「こっちよ・・・・さあ・・・」
ラトは初めて見る男性器に好奇と羞恥の入り混じった視線を注ぎながら、顔を近づけていく。
そしておっかなびっくりといった表情で、先程の姉の行為を見よう見まねでなぞっていく。
恐る恐る亀頭に口付けし、そのまま覚悟を決めたように目を硬く閉じくわえ込む。
「そう、歯を立てないように。舌を使うのを忘れないで。時々つばを出して濡らしてあげるといいわ。」
隣でオウカがやり方を教えていく。
処女のラトゥーニはフェラチオをするのも初めてなので、オウカの指導があるとはいえ口戯そのものはそれほど巧みなものではなかった。
しかし、まだ幼さを残したその清楚で可憐な顔の口元に自分の肉欲でそそり立ったペニスが飲み込まれていく様は、どこか背徳的な印象すら与え、アラドの劣情を激しく燃え上がらせていく。
「ちゅっ、じゅる、じゅる・・・ん、んふっ、ちゅぽ。ん・・・ちゅっ、ぺろ、れろ・・・」
口を離す瞬間唇がカリの辺りに触れ、ぎこちない舌の動きが裏筋を舐めはじめる。
そうやってラトゥーニ本人同様不器用な、しかし真摯な口による愛撫を受けるたびアラドの肉棒は少しずつ怒張していった。

「ふふ、上手よ、ラト。アラドも興奮してるわ。」
二人の痴態を浴衣の中に手を突っ込み胸と股間を弄りながら眺めていたオウカが満足げに声をかける。
事実、アラドは完全にラトの奉仕に酔いしれ、声をあげることしか出来なくなってしまっていた。
初めはびくん、びくんと肉棒が動くたび驚いていたラトゥーニも、それが快感によるものだとわかるとその事実に自信を得たらしい。
自分から再び肉棒をくわえ込み、先程よりも深く激しく愛撫し始める。
先程よりも積極的で、濃厚な口唇愛撫。
それを続けながらも、これでいいの?と問いかけるように時折上目遣いで見つめてくる。
その仕草の愛らしさに、アラドの性感は絶頂直前まで昂ぶった。
「やべ・・・ラト、もう出ちまいそうだ・・・」
そういって、アラドはラトゥーニの口から己の剛直を引き抜こうとする。
だが、フェラチオに酔っているラトにその言葉は届かなかったようで、ペニスを喉奥にあたるまでくわえ込み動きを一層加速してゆく。
「だめだ、出る、出ちまう!」
程なくして、アラドはラトゥーニの柔らかな口の中で射精した。
「じゅる、じゅる、ちゅる、じゅぽ、じゅる、じゅるる・・・んんぅ!?」
初めて経験する射精に驚いたラトゥーニは、思わず口を離してしまう。
それによって、まだ止まらず噴出し続けていたアラドの精液はラトゥーニの妖精のような美しい顔に降り注ぎ、白い化粧を施していった。

ラトゥーニは何が起こったのかよくわかっていないようで、精液が零れ落ちる口を開いたまま放心している。
アラドの方は文字通り精根尽き果てたという感じでぐったりしている。
その様子を見ていたオウカが、ラトゥーニに近づき声をかける。
「ふふ、アラドったらこんなに出しちゃって・・・ラト、これが射精よ。アラドが気持ちよかった証拠。」
「これが・・・」
知識では知っていても勿論見るのは初めてのラトゥーニは、ものめずらしげに自分の顔についた白濁液を掬い取り、手元で弄ぶ。
「うわっ!ラト、ごめん!」
ようやく絶頂後の虚脱状態から回復したアラドは、ラトの精液にまみれた顔を見て狼狽する。
「・・・ううん。それよりよかった、アラド気持ちよかったんだ。嬉しい・・・」
ラトはそういうと、心底嬉しそうに微笑む。
実際彼女の心に嫌な感情はなかった。
確かに射精には少し驚いたが、それよりも自分の奉仕でアラドを絶頂に導いたという悦びの方が勝っていた。
「ラトったら、初めてなのにここまでしちゃうなんて。口での奉仕は文句なく百点満点ね。」
嬉しそうな調子でそういうと、オウカはラトの隣にやってきて軽くキスをした。
そのまま舌を出し、ラトゥーニの顔に残っていた精液を少しずつ舐めとっていく。
そしてラトの顔を清め終わると、口の中に残った液体を口の中で転がし、喉を鳴らして飲み干した。
「さあ、ラトも手についた分を飲んであげて。こうしてあげると、男の人ってすごく喜ぶのよ。」
オウカに促され、ラトも手の中の精液を口に運び嚥下しようとする。
「んん・・・ん、けほっ、けほっ・・・」
しかし、その味に不慣れなラトは途中でむせてしまう。
それでも必死で飲み込もうとするラトのけなげな姿に、アラドは肉棒に再び熱が集まっていくのを感じていた・・・

それからしばらくの間、部屋には穏やかな空気が流れた。
アラドは絶頂の余韻に、ラトは自分の奉仕で男を絶頂に導いた達成感に、そしてオウカは愛しい姉弟達の性行為をリードしている事実に三者三様の満足感を感じていたのである。
しかし、一人だけその流れに取り残されたゼオラはたまったものではない。
屈辱的な格好で緊縛されて、自分の男が家族同然の存在とはいえ他の女二人に弄ばれる様を見せつけられたのだ。
しかもそんな状況にもかかわらずゼオラはその光景に性感を刺激されたらしく、開ききった秘唇からは愛液がとめどなく溢れていた。
しかし、どんなに欲情の熱が疼いても手足を動かすことの出来ない今のゼオラには、アラドに「行為」をねだって静めてもらうことはおろか自分で慰めることすら叶わない。
さらにそのじれったさ自体も、みっともない姿をさらしものにされているという恥ずかしさとあいまって欲情に油を注いでいく。
もう我慢できない。
オウカがラトゥーニとの長く深いディープキスを終え、指を浴衣に潜り込ませようとした瞬間、ゼオラは搾り出すように、蕩けた声で哀願した。
「ねえさん・・・なんでもいうことききますから・・・おねがい・・・アラドと・・・させて・・・」
オウカはそれを聞くと満足げに微笑み、ラトの体を弄っていた手を一旦止めるとゼオラの体に食い込んでいた帯を解いた。
「アラド・・・!アラドぉ・・」
その瞬間、ゼオラは堪えていた感情を溢れさせアラドに抱きついた。
目に涙すら浮かんでいる。
「ゼオラ・・・ってふぁ!?」
そのままゼオラは強引にアラドに唇を重ねる。
舌を挿入し絡めあい、その間にもたっぷり潤った股間を太ももをこすり付けていく。
「ちゅる・・ちゅっ・・・んふぁ・・・アラドぉ、アラドぉ・・・」
うわごとのように愛しい男の名を呼びながら、体全体を甘えるようにアラドに擦り付けていく。
体の所々に残る縛られた跡が痛々しい。
「ちょっ、ゼオラ・・・どうしたんだよ」
普段とは異なり、恥も外聞もなく触れ合おうとしてくるゼオラの様子にアラドは戸惑いながらも興奮していく。
それを自分のお腹を押す感触で感じたゼオラは、顔を下げるとそこへむしゃぶりつく。
先端の割れ目に口付け、それから亀頭全体を口に含む。
そのまま口を動かして深くくわえ込み、一心不乱にしゃぶり続ける。
亀頭に少し残っていた精液を味わった瞬間、
ゼオラはアラドの存在で胸の中が満たされるような愛しさを感じ、喉奥で味わおうと吸い上げる。
そして精液を飲み込む為に一旦ソレを離し、何のてらいもなく情欲のままに卑語を口にする。
「ああ・・・ちゅっ、ちゅぽ、じゅぽ、じゅる、じゅるる・・・んふぁ、んん、こく・・・アラドのおちんちん、すっごくおいしい・・・」
元々発情していたのを散々じらされたためか、ゼオラはいつもにまして積極的になっていた。
「・・・ゼオラ、お前今日に限って何でこんなに積極的なんだよ・・・」
「アラドがラトとHしたりするからよ・・・ほら、見て。私、もう溢れてる・・・」
言いながらゼオラは体全体を回転させ、足を大きく開いてアラドの目の前に秘所が丸見えになるようにする。
そして肉棒に頬擦りをすると、口での奉仕を再開する。
普段とは異なるゼオラの淫らな仕草に、アラドの陰茎に一層の熱が満ちていく。
「ん、じゅる、じゅる、ちゅ、ちゅる・・・アラドのおちんちん、私の口の中で大きくなってく・・・嬉しい・・・ねぇ・・・アラドも・・・して」
そういって、ゼオラはアラドを口でくわえ込んだまま尻を振りはじめた。
ただでさえ昂ぶっていたアラドがそこまで言われて我慢できるはずもなく、ぱっくり割れ開いた秘唇に口付け、舌で刺激を与えながら溢れてくる蜜を吸い上げる。
「ああん、んふっあ、らめぇ、きもち、よすぎて・・・」
待ち望んでいた舌の感触に、甘い声が上がる。
やがてアラドの愛撫に感じはじめたゼオラは、それに耐え切れず肉棒から口を離してしまう。
「ぷはぁ、ふぁ、ああ、もう、だめ、おかしくなりそう・・・あぁぁぁ!」
強く吸われる瞬間、喘ぎが一層高くなる。
ざらざらとした舌が割れ目を舐めあげ、唇でぷっくりとふくれたクリトリスを甘噛みする。
ゼオラはラトゥーニたちに見られていることも奉仕することも全てを忘れ、アラドが与えてくれる快感に酔いしれていた。
やがてゼオラが絶頂の予感を感じ始めたころ、突然アラドが愛撫を中断した。
「ふぁ!?アラド、どうして・・・」
刺激を中断され、持て余した中途半端な快楽に悶えながらゼオラが息も絶え絶えに問いかける。
「お前ばっかり気持ちよくっちゃ不公平だろ?俺のもしてくれよ。」
少し意地の悪そうな声で、あらどは挑発するように答える。
「いじわるっ・・・・・・ちゅっ、ぴちゃ、ぴちゃ、れろ・・・んん、ちゅる、じゅる・・・んん、んふぁ!」
口では文句を言いながらも、ゼオラはアラドへのフェラチオを再開した。
それにあわせてアラドもゼオラのヴァギナに再び口付ける。
そうして二人はシックスナインの体勢のまま、またしばらく相互愛撫を続けた。
少し離れたところで、ラトゥーニはオウカに背中から抱きしめられたまま、体中を這い回る指の感触に惚然となりながら、その光景を見つめていた。
(ゼオラ・・・すごく気持ちよさそう・・・)
「ひゃう!」
そうして熱に浮かされたようにアラドとゼオラの情事を見つめていたラトゥーニに、突然しびれるような快感が走った。
オウカがラトゥーニの小ぶりな胸を揉みしだいたのだ。
「ね、ねえさま・・・」
「ラトの体、少し硬いけどすべすべしてて可愛いわ・・・ほら、アラドたちをちゃんと見てて。」
「・・・はい。」
オウカはそれを切欠にラトゥーニへの愛撫をより激しいものへと変えていった。
掌で緩急をつけ胸を揉みしだき、指でとがりはじめた乳首をこね回す。
そして片手は胸を弄りながら、もう一方の手を蜜で溢れてはいるもののまだ硬く閉ざされた秘所へと移した。
薄くけぶり始めた陰毛に覆われたそこをオウカの指がなぞるたび、ラトゥーニの脳髄に今まで味わったことのない快楽が訪れる。
オウカの愛撫を紛らわそうと意識を視覚に向けると、目の前ではアラドとゼオラが体を重ねようとしているところだった。
ゼオラが布団にお尻を高く上げてうつ伏せになり、開ききった蜜壷にアラドが自分の剛直を挿入していく。
「んん・・・はぁ。アラドが入ってくるぅ・・・きもちいい・・・」
「うわ・・・いつもより締まる・・・ほんとにお前、なんで今日に限ってこんなにエロいんだよ。
恥ずかしくないのかよ。姉さん達に見られてるんだぜ?」
その責めるような言葉に、ゼオラは泣き出しそうになりながらも答える。
「恥ずかしいに決まってるじゃない・・・でも、それよりアラドと気持ちよくなりたい・・・
なんでかわかんないけど・・・ずっとアラドとエッチしたかったんだよ・・・ここに来る前も、その・・・自分で・・・」
予想外のゼオラの告白に、アラドの中で無意識に被虐的な欲望が満たされる。
はじめは体を触られることすら恥ずかしがっていたゼオラが、今では自分から女として求めてきてくれる。
その事実は、アラドの牡としての征服欲を十分に満たすものだった。
「マジかよ・・・嬉しいこといってくれるじゃねぇか。・・・・そろそろ、動くぞ。」
「うん・・・アラドのおちんちんで、私を・・・いっぱい、犯して・・・」
そこまで言うと二人とも余裕がなくなってきたらしく、アラドは腰を激しく動かし始めた。
アラドがゼオラに後ろから突き入れるたび、ゼオラはきびきびとした普段の著すからは想像も出来ないような声を上げる。
「ああん、あ、あ、ああっ!きもちいいよぉ・・・いっ、ちゃい、そう・・・もっと、ついてぇ!!」
その間にも、オウカとラトゥーニは姉妹同士の過激な睦み合いを続けていた。
目の前でまぐわう二人を見て、ラトを弄ぶ手は緩めずにオウカが後ろから囁く。
「ほら、見えるでしょう?あれが、セックスなのよ・・・」
ラトゥーニは後ろからの性感と衝撃、そして羞恥でくらくらしながらも、
目の前の痴態から目を離すことが出来なかった。
「うぁ!すげぇ・・・ラトゥーニ、俺達のこと見てるぜ・・・お前の格好見て興奮してるみたいだ・・・」
その視線に気付いたアラドが、戯れにゼオラをからかう。
行為を他人に見られている。
忘れかけていた事実をアラドの言葉で思い出させられたゼオラの胸に、急激に羞恥が蘇っていく。
実際はラトゥーニはその言葉で目をそらしてしまったのだが、うつ伏せになっているゼオラにはそんなことはわからない。
「やだぁ・・・言わないでよぉ・・・」
ついにゼオラは泣き出してしまう。
しかしその反応とは対照的に、肉棒が感じる締め付けは強まっていく。
ゼオラが見られていることで感じているのを確信したアラドは、本格的な言葉責めを開始する。
もちろん、腰の突き上げは続けたままだ。
「お前の膣、どんどん締め付けてくるぜ・・・セックスしてるところ見られて感じるなんて、ゼオラは淫乱だな」
「違うよぉ・・・アラドがエッチなことばっかりするから・・・気持ちよくなってきて・・・こうなっちゃう・・・」
子宮を突かれる刺激で絶頂に登りつめながら、ゼオラは必死で反論する。
「そうか、ゼオラは俺のせいで淫乱になったのか。嬉しいこといってくれるな。」
達しそうになるのをこらえ声に出さないようにしながら、アラドはゼオラをなぶる。
「もう・・・淫乱、なんかじゃないもん・・・やめてよぉ・・・」
ゼオラが涙声のままなおも反論しようとしたその時。
不意にアラドが腰の動きを止めた。
「・・・え?」
突然刺激を奪われたゼオラは自体が飲み込めない。
「やめて欲しいんだろ?淫乱じゃなかったら我慢できるはずだよなぁ。」
心底意地の悪い口調で、アラドは言う。
実際のところアラドもゼオラの膣をかき回したくて仕方がないのだが、そこは男の子の意地。
我慢である。
「ばかぁ・・・なんでそんなこというのよぉ・・・」
ゼオラはもう爆発寸前だ。
目を硬く閉じると、意を決したように叫ぶ。
「そうよぉ・・・ねえさんと、ラトにみられて、感じてたの。
わたし、淫乱なの・・・お願い、わたしのおま×こを、ついてぇ・・・
アラドのおちんちんで、いっぱいいかせてぇ・・・」
傍で聞いていたラトゥーニが耳まで真っ赤に染めるような過激な言葉をゼオラは大声で口にする。
「わかったよ・・・たっぷりいかせてやるから、お前もちゃんと受け止めろよ・・・」
そういうと、アラドはピストン運動を再開する。
「ふぁ!?ああぁ。あぁぁぁ!うん、アラドの、精液、わたしのおなかのなかにいっぱいだしてぇ!」
それから二人は言葉を交わす余裕すら失い、発情した獣のように腰をぶつけ合い、絶頂に向かって快楽をむさぼる。
あまりの激しい情事にラトゥーニは耐えられなくなり顔を背けていたが、急に視界が正面に向けられる。
「ほら、ちゃんとみて・・・二人とも、あなたに見せるためにしてくれてるのよ・・・」
そういってオウカはラトの頭に片手を回したまま耳元に息を吹きかけ、体が弛緩した瞬間を狙ってその開き始めた花弁に指を挿入した。
「あぁぁ!?ね、ねぇさま!?」
はじめての異物感にラトゥーニは声を上げる。
しかしオウカの入念かつ執拗な前戯のおかげか、その響きに苦痛の色はなかった。
「ほら・・・膣内に入っているのがわかるでしょう?ゼオラは今、指なんかよりずっと大きいのが入ってるのよ・・・」
そういいながら、オウカはラトゥーニの膣内の指をたくみに動かしはじめる。
その感触に、ラトゥーニは自分もゼオラのように背後から肉棒で突き上げられているような錯覚を覚えた。
「あぁん!姉様、もう、わたし、おかしくなっちゃいそう、わかんなく、なっ、ちゃ、う!!」
オウカの指が包皮をかぶったままのクリトリスを剥き上げ、ゼオラがアラドの発射した大量の白濁液を受けた瞬間、ラトゥーニは一度目とは比較にならないほどの激しい絶頂に達した。
体を激しく反らし、大量の愛液を分泌しながらラトゥーニは糸の切れた人形のように倒れこんだ。
その幼い体を、オウカの腕が受け止める。
「はぁ、はぁ、はっ、はぁ・・・」
やがて長い射精を終えたアラドのペニスがゼオラの性器から引き抜かれ、ごぽりと音を立てて溢れた精液が零れ落ちる。
(ゼオラ・・・中に出されちゃったんだ・・・アラドの・・・精液・・・)
その様を、ラトゥーニは荒い息を吐きながらじっと見つめていた。
若さ爆発のアラドだが、流石に二回の射精はこたえたようで、ゼオラの中から引き抜かれたペニスは力を失い萎れていた。
ゼオラは絶頂からまだ覚めないらしく、夢うつつで秘部を弄りながらぼんやりしている。
「さてと、ラトは準備できたけど・・・アラドは頑張りすぎちゃったみたいね」
それを見たオウカは困ったようにつぶやくと、一旦ラトゥーニから体を離しぐったりしているアラドに近づいていく。
「元気にしてあげないとね。」
悪戯っぽく微笑むと、オウカは浴衣を開きあらわになった乳房で粘液にまみれたアラドの肉棒を挟みこんだ。
「うぉお!?」
不意の刺激に、アラドが声を上げる。
柔らかい水風船のような感触。
更にオウカは、興奮でとがった乳首で亀頭やカリのあたりを刺激していく。
その巧みな愛撫によって、アラドのイチモツは少しずつ大きさを取り戻していった。
やがてアラドが再び勃起しきると、オウカは仕上げに双乳の谷間の間からその存在を主張する亀頭に口付け、残っていた精液を吸い上げる。
「んん・・・じゅぽ、ふふ、もう大丈夫ね・・・それじゃあ・・・」
そういってオウカはアラドを開放すると、絶頂の余韻で朦朧としていたラトゥーニを布団に横たえ、足を開かせた。
「さあ・・ラトを『女』にしてあげて・・・」
アラドは誘われるままに、 ラトゥーニに覆いかぶさる。
「・・・いいんだな?」
アラドはひどく真剣な表情で、最後の確認を取る。
「・・・うん。」
ラトゥーニは言葉少なげにうなずく。
それを聞いたアラドは、意を決したように力を取りもどした男根を開き始めたラトゥーニの秘所に挿入していく。
「んんっ!」
ラトゥーニがきつく目を閉じ、叫び声をあげる。
その声にはまだ快楽の響きはなく、異物を受け入れる苦痛が強くにじんでいる。
アラドはそんなラトのために、少しずつきつい膣に剛直を進めていく。
時折、強く擦れたらしくラトゥーニが短くうめいた。
そうして長い時間をかけ、アラドは肉棒をラトゥーニに根元まで埋めきった。
それからアラドが動かずにじっとしていると、ラトゥーニが不安げな調子でたずねた。
「アラド・・・その、気持ちよくない?」
アラドはラトゥーニの不意の問いかけに面食らう。
「・・・なんだよ、やぶからぼうに。」
「その、ゼオラのときみたいに動いてないから、もしかしたら、と思って・・・」
アラドはラトゥーニのことを配慮して大人しくしていたのだが、それが裏目に出たようだ。
「そういうわけじゃないけどよ・・・まだ動かすと痛むだろ?俺はもう二回も出してるし、そんな」
少し照れながらアラドが答える。
「でも、アラドがちゃんと気持ちよくなってくれないと、その・・・したことにはなららないと思うし。」
ラトゥーニが、それを遮って言う。
ここまで言われては、アラドのほうが我慢できない。
「じゃあ、動くぞ。遠慮しねぇからな。」
「・・・うん」
最後の確認を取ったアラドに、ラトゥーニが神妙な表情でうなずく。
そしてアラドは少しずつ埋めた剛直を動かし始めた。
最初は痛みにうめくだけだったラトゥーニだが、徐々に動きに慣れていくにつれその声に痛み以外の感覚がにじみ始めた。
「んんっ・・・ふぁっ、んん・・・あっ!?」
それにあわせてアラドの動きも早く、余裕のないものへと変わっていく。
「くっ、んん、ありえねぇ、すげぇ締まる・・・」
「あっ、ああ、ああ、だめ、へん、な、かん、じ・・・」
やがてアラドの腰の動きにすっかり順応したラトゥーニの声からは苦痛は消えうせ、快楽をむさぼる甘い響きだけが残った。
「あぁん、アラドぉ、わたし、おかしくなっちゃう、こんなの、はぁ、ああぁぁぁん!」
そしてアラドのペニスがその狭い膣の深奥を突き上げた瞬間、ラトゥーニは再び絶頂に登りつめた。
その瞬間一際強く膣が締まり、その刺激で続けざまにアラドも絶頂に達する。
アラドがあわててペニスを引き抜いたため、勢いよく発射された精液がラトゥーニの体中に飛び散る。
三度目の発射で精も根も尽き果てたという様子で倒れこんだアラドを横目に、ラトゥーニは体中に散った精液を指で掬い取り、口に含む。
(これが・・・アラドの味・・・苦くて変な感じだけど・・・なんだか・・・)
そのままラトゥーニは憑かれたように精液をすくい、口元に運び続けた・・・

二人の情事をずっと見つめていたオウカは自分も興奮してきたらしく、
ラトゥーニの絶頂にあわせて自分の体を抱きしめ、瞳を閉じて恍惚の表情を浮かべた。
そのほろ酔いしたような表情のまま、
今だ惚けた表情を浮かべているラトゥーニとその隣に倒れこんだアラドに近づいていく。
「二人ともすごく可愛いかったわ・・・大好きよ。」
ささやく様に声をかけ、それぞれに軽くキスをする。
そしてアラドから唇を離しながら体を寄せると、耳元で息を吹きかけるようにしながら囁きかける
「ねぇ、私も火照っちゃってきちゃった・・・アラド、お願い・・・」
仕草もさることながら燃え上がるルビーのように熱く蕩けたその声の響きは、男であれば耐えられないほど妖艶なものだった。
しかしそれは健常な状態ならば、の話である。
既に連続で二人の少女を抱き、三回もの射精を経たアラドの肉欲は既に砂漠の井戸のように枯れ果て、うつ伏せになったままオウカの誘いに反応することすら出来なかった。
「ねぇ、アラド・・・アラド・・・アラドったら!」
いくら呼びかけても答えないアラドにしびれを切らし、オウカはうつ伏せのままの体を無理やり引き起こして顔を向かせた。
はだけた浴衣から覗く胸の谷間がちょうど視線に来る位置になったが、それでもアラドの反応は薄い。
「勘弁してくれ・・・もう無理だよ。」
挙句にはうつむいて情けない声を出すと言う始末である。
この様子を見たオウカは唇をとがらせ、不機嫌そうな顔でなにやら思案し始めた。
やがて何か閃いたらしく、両手を叩き大きく目を見開いた。
そして閃いたアイデアを実行するべく、次の瞬間にはいまだぐったりしているゼオラの方へ向かってよつんばいの姿勢のまま向かっていった。

オウカが離れて行った後、アラドは疲労でまどろみはじめていた。
そしてそのまま夢に落ちようとしていた瞬間、アラドの意識は足の間に感じる柔らかい感触で引き戻された。
水風船かマシュマロのような感触とそれが与えてくれる刺激は、アラドが良く知っているものだった。
しかし、今感じる感触はいつものゼオラによる愛撫や先ほどオウカがしてくれた行為とは少し違う。
その違和感に戸惑いながら目を覚まし視線を下に落とすと、ゼオラとオウカが左右からその豊かな乳房でアラドの萎えた欲棒を挟み込んでいた。
オウカはアラドの視線に気づくと、片目をつぶり悪戯っぽくウインクした。
その反対側のゼオラも気づいたようだが、こちらは顔を真っ赤に染めてうつむいてしまう。
予想だにしなかったシチュエーションにアラドは言葉もない。
それからもオウカのリードで、アラドへの愛撫は続いた。
波のようにうごめきアラドを包み込む二人の乳房は時々その尖りきった先端同士がこすれ、その度に興奮するようで二人の息が荒くなっていく。
自分を挟んで二人の少女が体をこすり合わせているというある種背徳的な光景の淫靡さに、アラドのペニスが硬さをとりもどしていった。
その事実を自分の胸に当たる感触で知ったオウカは満足げに微笑み、
次のステップに移るべく愛撫を中断し体を離した。
「あっ?」
体重を反対側のオウカの体にかけていたゼオラは、その反動で倒れこんでしまった。
先ほどのパイズリで興奮してしまったらしく、瞳がかすかに潤んでいる。
その間にもオウカはアラドを押し倒し、今にも襲い掛かりそうな目で見つめながらはあはあと息を吐いている。
その様子を見たゼオラは体を起こすと、弱々しくオウカに後ろから懇願した。
「姉さん、私もアラドと・・・」
オウカはその声に振り向くと口元だけで微笑みながらゼオラに冬の冷たい微風のような声で答えた。
「だめよ。今度は私がアラドを食べるの。ゼオラはさっきもしてもらったしいつでも出来るでしょう?」
「でもぉ・・・」
再び灯った欲情の火に焦らされ、もじもじと体を動かしながら食い下がる。
珍しいゼオラの駄々にオウカは短くため息をつくと、
寝返りを打ってうつぶせ担っていたラトゥー二に向かって声をかけた。
「しょうがないわね・・・ラト、ゼオラの相手しててくれないかしら?」
「はい、姉様・・・」
まだ初体験の余韻から醒めていないのか、どこか夢現な目でふらふらとラトゥーニはゼオラに近づいていく。
ゼオラはそれから逃げるようにじりじりと後退していったが、やがて壁にあたり動けなくなってしまう。
追い詰めたラトゥーニはゼオラに抱きつくと、何を思ったかその豊満な胸に顔をうずめた。
頬擦りをするように首を動かし、確かめるように手で触れながら先端の突起に口付ける。
「ああん!やめて、ラト・・・」
ラトゥーニは答えず、ただゼオラへの愛撫を続ける。
口では拒絶を続けるゼオラも体の芯にくすぶる本能には勝てないようで、結局本気でラトゥーニの愛撫を振りほどこうとすることはない。
そうして欲望のままに絡み合う二人の様は淫らな戯れでありながら、どこか母に幼子が甘えるような微笑ましさも醸し出していた。
「ゼオラはこれでよし・・・さあ、アラド・・・姉さんを楽しませて・・・」
その光景を横目で見ていたオウカは小さくつぶやくと、再びアラドを見つめ顔を近づけていった。
アラドは蛇に睨まれた蛙のように身動き出来ない。
視界に広がるのは夜の波のように揺らめく長い黒髪と、妖しさをたたえた琥珀色の瞳。
初めて抱かれた時からそうだった。
このひとにこうやって見つめられると、魅入られたように動けなくなってしまう。
そうぼんやりと目の前の女性を想いながら、アラドは彼女の口付けを受け入れるべく自分から顔を近づけていった。
そして唇と唇がぶつかる瞬間、アラドは目を閉じる。
心のどこかに残る、ゼオラへの後ろめたさから逃げるように。

むさぼるように唇を絡ませはじめた二人に軽い嫉妬を感じながら、ゼオラはラトゥーニの愛撫を受け続けていた。
乳首を口に含んでいたかと思えば、次はその舌で柔肉全体を舐め回してくる。
やがてラトゥーニの舌は徐々に下へと降りていき、おなか、へそ、太ももを経てまだ精液をあふれさせている秘唇にたどり着いた。
「んん、あっ、ああっ!」
割れ目を一筋に舐めあげ、そのまま唇全体で吸い付き舌を尖らせ秘裂に潜り込ませていく。
そしてそのままディープキスの要領で舌を動かし、花弁の狭間にたまった愛液と精液をすくいあげる。。
先ほどまで処女だったはずのラトゥーニだが、そのテクニックは絶妙でゼオラの体は体中に回った性感で動かなくなってしまっていた。
「ちゅっ・・・ちゅっ・・・ちゅる・・・じゅる・・・んん、んっく・・・ゼオラの、アラドの味がする・・・」
ラトゥーニはいったん口を離して吸い上げた混合液を飲みこみ、色彩を失った眼のままぼんやりと呟いた。
そして暴走する欲望に突き動かされるまま大きく開かれたゼオラの足の間に再び顔をうずめ、愛撫を再開する。
その舌の動きに合わせ、ゼオラは甘い声を上げた。
快楽と羞恥でかすんだ意識の中、ゼオラはぬかるむ底なし沼のような絶頂に溺れていった・・・

そんな二人の戯れを、アラドもオウカの愛撫に翻弄されながらも薄目で見ていた。
二人が色欲に侵されて絡み合う姿は普段の彼女達を知るアラドにとってはひどく淫らにうつり、キスを続ける間にも体中を這い回るオウカの指による巧みな愛撫と合わさって興奮の度合いが高めていく。
視覚と触覚から響く刺激の二重奏によりアラドのペニスは再び張り詰めていた。
やがて永遠にも思えた長い口付けが終わり、オウカがつむっていた目を開きながら唇を離していく。
「はぁ・・・アラド、上手になったわね・・・」
アラドとのキスで彼の成長?を感じたらしく、オウカは息を吐きながら満足げに呟いた。
しかし、この程度のふれあいはオウカにとっては前菜に過ぎない。
今度こそメインデッシュを楽しむべく、アラドを押し倒し馬乗りのような姿勢になった。
「さあ、今度は私の下の口を気持ちよくしてくれる?」
そして溶けた飴のような声でささやきながら、
乱れた浴衣の下のスキャンティーを自身の指でずらし、突き立ったアラドのペニスに自ら腰を落とした。
妹達の情事で興奮していたオウカの秘所は、怒張をスムーズに根元までのみこんでいく。
「ふぁああ・・・はいっただけなのに・・・こんなにきもちいいなんて・・・」
表では姉として余裕を見せていても、激しいセックスを見せつけられたオウカの欲情は散々に焦らされ、すでに爆発寸前だった。
そんな状態で味わった胎内を貫く男根の感触に、オウカは軽く達してしまいそうになる。
「ねえさん、動くぜ。いいよな?」
持て余す快感から顔を大きく反らし、中空を見上げていたオウカに下のアラドが声をかける。
「いいわ、アラドのでわたしの中をかき回して、気持ちよくして・・・」
みずから肉棒を誘い入れ、性感に震えるオウカに断る理由などあるはずがなかった。
さらにオウカ自身も言葉が終わるのを待たずに自分から腰を上下に動かしはじめ、更なる性感をむさぼろうとする。
それを受けたアラドは下から突き上げを開始した。
「あ、ああ、ああぁん!いっちゃう、だめ、もう・・・あっ、ああぁん、また、だめ、いってるのに、とまらない・・・」
「んっ・・・くっ、はあっ、はあっ・・・」
自身の肉にアラドがぶつかる感触でオウカはあっさり絶頂を迎えたが、その感覚はとどまることなく暴れ続けた。
アラドも自身で開発しぴったりと馴染むようなゼオラのものとも
つぼみの様に閉ざされていたラトゥーニのそれとも異なるオウカの蜜壷の感触に酔い痴れていた。
くわえこんだまま放そうとしない秘所自体もさることながら、
更に履いたままの下着が突き入れる度にペニスとこすれ、刺激にアクセントを加えてくる。
この二重の刺激には三回の射精を果たしたアラドも堪えきれず、マグマのような欲望が股間に集まってくるのを感じた。
「ん、はぁ、また・・・アラド、もう・・・だめ、わたし、壊れちゃう、んんっ!?あ、ああ、ああぁぁぁぁ!!」
オウカの中で暴れ馬のように動き続けていたペニスが子宮の入り口を叩き、その感触でオウカはより深い絶頂に達した。
「くっ、俺も・・・」
どくっ、どく、どくん・・・
その瞬間一際強く締め付けてきた肉襞の刺激がとどめとなり、四度目とは思えない激しさでアラドは射精した。
「はぁん・・・わたしのなかで、せいえき、いっぱいでてる・・・あったかぁい・・・」
まったく衰えることなく噴き出す白濁液をオウカは全て膣内で受け止め、体の深い部分が満たされていくのを感じた。
やがて長い射精を終え肉棒が引き抜かれると、あふれ出した精液がこぼれオウカの黒い下着にシミを作った。
絶頂の中にいたオウカはその引き抜かれる時の感触に震え、こぼれた精液が太ももを汚していく感覚に惚然となる。
そして支点となっていたペニスを引き抜かれ、
うつぶせに倒れこんだオウカは、そのまま波のよう寄せては返す絶頂にたゆたっていた・・・

一方のアラドもちょうどオウカの反対側に倒れこむ形になり、今度こそ眠りに落ちようとしていた。
しかし・・・
「ねぇ、アラド・・・」
目を閉じようとしたまさにその瞬間、視界に鮮やかなすみれ色が飛び込んできた。
ラトゥーニだ。
「ねぇ、これからさっきしたことの復習したいの。お願い・・・」
そういって大きな瞳で上目遣いに見つめながら、
まだわずかに硬さを持っているペニスを握り、そのちいさくなめらかな指でしごき始めた。
射精直後で敏感になっていたペニスは、そのどこか控えめな手の刺激に反応して再び膨張し始めた。
視線をふと横に向けると、すねたような表情でゼオラがこちらを凝視している。
姉弟たちの蕩けるような熱帯夜は、まだまだ終わりそうになかった・・・

END

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