少し前まで、アラドとゼオラは友達以上恋人未満という関係だった。
  だが、アラドがほんのちょっとだけ積極的になってからはそれもすぐに変わった。
  元々二人の付き合いは長く、相思相愛の仲だから、きっかけがあれば進展は早いもので、数度のデートを重ねる頃にはすでにキスも行い、初体験もほどなくして済ませた。

  最近ではすっかり恋人同士が板についている。
  アラドが自室にゼオラを連れ込んで、情事に耽るのはもはや日課となっていた。

  「じゅ…っ…ぷは…」
  「うっ…くっ…」
  ベッドに腰掛けたアラドの前に、ゼオラは跪き、陰茎を貪っていた。
  男の匂いと味に酔いしれた表情を浮かべ、膨らんだカリ首に舌を這わせて尿道を突付く。
  「はむ…ちゅ…ふぁ…」
  「うぅ…うぁ…あっ…」
  貪欲で激しい行為に、アラドは腰が抜けそうになってしまう。
  陰茎は大量の唾液と我慢汁で濡れ、ゼオラが口を動かすたびに淫らな水音が部屋に響く。
  このまま射精してしまうのも良さそうだが、彼は他にしてみたいことがあったので堪える。

  「ちょ、ちょっとストップ…」
  「ぷはっ…どうしたの?」
  盛り上がっていたところで制止されたため、ゼオラは怪訝そうな顔で見上げた。
  「あのさ。頼みがあるんだけど」
  「なに?」
  「胸で…してくんねぇかな」
  「えっ…胸って…」
  「だから、お前の胸で俺のを挟んで欲しい」
  「ええっ?いきなりそんな…」
  ゼオラが驚くのも無理はなかった。
  何度か身体を重ねてはいるものの、二人ともまだ経験が浅い。
  ゼオラがこれまでに前戯で行ったのは、手で陰茎を扱いたり、口で奉仕するくらいだった。

  「な、できるだろ?」
  「わかんない…やったことないから…」
  「お前の胸でしてもらえたら気持ち良さそうだと思ってさ…ダメか?」
  「…そんなにしたいの?」
  「うん」
  アラドはゼオラの大きな胸が好きだった。
  以前から年齢の割によく育ったその胸をからかったものだが、それは気になってしょうがなかったからだ。
  その胸が今は彼のものである。

  前戯では存分に揉みしだいた。
  繋がったときに、胸板に押し付けられた胸の感触も忘れられない。
  もっとゼオラの胸を味わいたいという思いは強くなるばかりだ。
  そんな彼が、パイズリを要求したのは当然の流れと言える。

  「わかったわ。やってみる。上手くできないかもしれないけど」
  「いいのか?ありがとうな」
  「べ、別にいいわよ。お礼なんて」
  承諾されたことが嬉しくて、アラドは屈託のない、いい笑顔でゼオラを見つめた。
  ゼオラは照れくさくなって思わず目を逸らしてしまう。

  「それじゃあ、やってみるわね。えっと…こうかしら…」
  ゼオラは豊かな乳房を両の手で持ち上げ、陰茎を挟んだ。
  挟むこと自体は簡単だった。
  ゼオラの胸はそれを行うには十分すぎるほどのサイズがある。
  そして、位置を整えると左右から乳房を押し付けた。
  「う…うぉ…」
  陰茎全体を包む柔らかな感触に、アラドは思わず息を呑む。

  「ど、どう?」
  「あ、うん。気持ちいい。続けてくれ」
  「ええ、そうするわ」
  「くっ…う…ぉっ…」
  ゼオラは遠慮のない動きで、陰茎を胸で圧迫した。
  繰り返される動きは単調だが、その気持ち良さは筆舌に尽くし難い。
  柔らかな乳房の感触、乳房から伝わってくる体温、しっとりと汗に濡れた皮膚、三重の刺激は心地よく、甘美な痺れが陰茎を包む。

  「…いい…ふぁ…ぁっ…」
  アラドは顔が緩んでしまう。
  暖かく柔らかな衝撃は、アラドの脳髄を官能で染め上げ、むず痒い感覚は腰全体に広がっていく。
  「気持ちいい?上手くやれてる?」
  「う…うん、すごく…いい…」
  呼吸を乱しながらも、なんとか言葉をつむぎ出した。

  ゼオラはアラドの反応を見ながら試行錯誤を重ねる。
  はじめは単純に左右から力を加えるだけだったのが、上下左右に乳房を動かしたり、挟んだ状態で上下に扱いたり、ぎこちない動きも多かったが、随時是正しながら行為を続ける。
  変化に富んだ動きは、概ねアラドの快感を増幅させる結果となり、
  アラドは腰が跳ね上がりそうになってしまう。

  「すげ…ぇ…」
  アラドは、ゼオラの乳房を凝視していた。
  育ちすぎたその胸は、力を加えるたびに形を変えていた。
  その光景は凄まじく淫らで、見応え十分だ。

  見た目と同じく、陰茎を包む乳圧は圧巻の一言で、下半身は甘い痺れに包まれっぱなしだ。
  陰茎の先からは我慢汁がだらだらと漏れていた。
  事前に受けたフェラチオにより、陰茎はゼオラの唾液で濡れており、パイズリで流れ出た我慢汁とそれが混ざり合い、ねちゃねちゃと淫猥な水音が立っている。
  アラドはそのまま、豊かな乳房で己が分身を蹂躙される悦楽の時間を思う存分に味わう。

  「あっ…うぁっ…んっ…!」
  アラドが上ずった声を出した。
  パイズリの前から、すでにフェラチオで弄られてしまったこともあって、もう限界が近づいていた。
  アラドの口からは悩ましい吐息が漏れ、頬はすっかり上気して、陰茎はさらに脹らみ、ますます硬さを増している。

  豊かで柔らかな乳房の官能的な衝撃に、アラドはもう耐えられそうもなかった。
  すぐさま、熱く漲った精子が尿道を駆け上るのを察知した。
  尿道に走る灼熱感、射精寸前だった。
  「ゼオラ…出る…!」
  「え?出るって…きゃっ!?」
  申告とほぼ同時に、射精が始まった。
  ゼオラは避ける暇もなかったので、大量の精液が顔面や首筋にかかってしまう。
  アラドは胸に挟まれた状態のまま、射精し続けた。
  陰茎が脈打ちながら精液を激しく出しており、すぐには収まらない勢いだった。

  「ふ…はぁ…」
  精液が出されるたびに、視界がかすみ、頭が漂白される。
  アラドは強烈な快感に酔いしれ、虚ろな表情を浮かべる。
  4、5回ほどまとまった量を出すと、ようやく収まってきた。

  一方、いきなり顔面にかけられてしまったゼオラはたまったものではなかった。
  至近距離からいきなり射精されたわけだから、顔面が精液塗れである。
  匂いは強烈だし、口にも多少入ってしまった。
  精液の苦い味と、強烈な匂いのせいで、ゼオラは顔を歪めてしまう。

  「うー…ベタベタする…」
  「あ、顔に…」
  アラドははっとした。
  不満げな表情のゼオラに気付き、枕元に置いてあったちり紙を差し出す。
  「もう、気をつけてよね…」
  「あまりにも良かったんで…つい…ごめん…」
  アラドはしゅんとして、素直に謝った。
  ゼオラのことを考えず、いきなり出してしまったことを後悔する。

  「…そんなに気持ちよかった?」
  「うん。柔らかくて温かくて…最高だった」
  「そう、喜んでくれたみたいね。またして欲しい?」
  「これなら、何度でもやりたいな」
  「ふふ、じゃあ、今度もしてあげる」
  満足そうな笑みをゼオラは浮かべた。
  いきなり精液をぶっかけられたことは驚いたものの、彼氏を満足させることができたのだから、誇らしい気持ちになっていたのだろう。
  ゼオラはあまり怒っていないようなので、アラドは安堵した。

  「ねぇアラド。いいかな…」
  「え、なに?」
  顔と首筋を拭き終わったゼオラが口を開いた。
  「あなたの弄ってたら、私も欲しくなっちゃった」
  「え…」
  ゼオラの瞳は潤み、口は半開き、息は荒く、頬はすっかり上気していた。
  アラドの陰茎を弄んでいるうちに、彼女もすっかりできあがっていたようで、物欲しそうに腰をもじもじと動かしている。
  その姿を見て、アラドは生唾を飲み込んでしまう。
  射精で一時縮んでいたが、陰茎は硬さを取り戻した。

  「続き、できるわよね?」
  「おう。平気平気」
  激しく射精したのものの、続行は無問題だった。
  陰茎は天を仰ぎ、物欲しそうに脈打っている。
  アラドは若いし、健康そのものだ。
  性欲は無尽蔵にある。
  身体に火のついたゼオラを放っておくことなど、考えられなかった。
  アラドはそのままベッドにゼオラを引き込んで寝かせると、覆いかぶさり、身体と唇を重ね合わせた。

  その日も夜遅くまで、2人は性欲の続く限り求め合うのだった。

  終

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