とある豪華な一流ホテルの一室

庶民からしたら一泊するだけで月給が吹っ飛ぶその最高級ロイヤルスィートにイスルギ重工社長、ミツコ・イスルギはいた。
豪奢な椅子に腰かけ優雅にティーカップを口に運ぶさまは地球圏を代表するまでの企業に押し上げた風格充分といったところ。
好んで着るチャイナ風のドレスも一着幾らとばかりにふんだんに刺繍が施されていた。
そしてスリットから覗くスラリとした脚は余の男を魅了する。

そんな彼女は先ほどからチラチラと壁にかかった時計を見やっていた。
企業人である以上時間厳守が当たり前、これが会社の契約なら遅れた相手を待つことなく席を立ち「御機嫌よう」と立ち去るのが常なミツコが、
もう20分もこうして待ちぼうけをくらっている。
そうこうしているうちに…

コンコン

ドアから聞こえてきたノックの音にミツコはふうと一息ついて立ち上がり服にしわが寄ってないか確認したのちに「どうぞ」と声をかけた。
カチャ、とおそるおそる開かれたドアから姿を見せたのは柔らかそうな茶色の髪に童顔の青年だった。
紫のシャツに黒のベストを羽織った姿はその顔と相成って政府要人も使うこのホテルにはあまりに不向きに見えた。
しかしミツコはそんな青年の格好など気にもせずうっすらと笑みを浮かべたまま彼が歩み寄るのを待っている。
青年はどこか緊張した面持ちで彼女を眺めつつ歩を進める。
あと数歩で手が届く範囲にまできたときである。
常にどこか他人を惑わせる仮面のような笑みを浮かべるミツコがぱっと本心からの笑顔を見せ両手を広げた。

「リョウト」
「姉さん!」

その腕の中に感極まって飛び込む青年、リョウト・ヒカワはミツコに走りよりギュっと抱きしめた。

「久し振りですわねリョウト」
「姉さん、姉さん」

もうすっかり背も逆転し抱きしめられる側になったことに心地よさを覚えつつミツコは数年ぶりの対面となる実の弟を見上げる。

「ふふ、もうこんなに逞しくなって。見違えましたわ」
「姉さんこそ。もっともっと綺麗になったよ」
「あら、私なんてもうオバサンですわよ?」
「そんなことないよ。本当に、凄く綺麗だ」
「うふふ、そんなことが言えるなんて、あの頃の甘えん坊だったリョウトは何処にいったのでしょう。さ、こっちにきなさい」

手を握ってテーブルに行こうとするミツコだったがその背にリョウトはしがみついた。

「ああ、姉さん…姉さんの香りだ。とても懐かしいよ」
「もう、これからディナーを取ってますのよリョウト。まだ待ちなさい」

そんな姉弟にあるまじきスキンシップにもミツコは咎めるどころか逆に嬉しそうに肢体をくねらせるだけだった。
名残惜しげに自分を解放するリョウトを見やりつつミツコはやはりこの弟だけは愛おしさに変わりがないことに安堵した。


そう、ミツコ・イスルギは本来ならヒカワ家四人姉妹の三女なのだが、幼少の折にイスルギへと養子に出されたのだ。
長女:一美(かずみ)
次女:不二子(ふじこ)
三女:三津子(みつこ)
四女:四葉(よつば)
そして末っ子にして長男の諒斗。
旧知の仲だった父と前社長にして義父のイスルギとの間にどのような約束事があったのか、今でも分からない知ろうとも思わない。
自分は14のときにイスルギへと貰われ、それと同時に名前も三津子から石動光子(イスルギミツコ)へと変えさせられた。
正直そのことについてはどうでもいい。
自分の今のこの立場は文字通り神が与えた天職と思うし、家族の情というのもあまり感じなかったから。
ただし、この末弟を除いては…。
自分でも何故かとは思うが、血を分けた実父にも姉妹にも養父にも感じない肉親の情は何故かリョウトにだけは遺憾なく発揮された。
いや、そのぶんのすべてが彼に向けられたとみるべきか、とにかく可愛くて可愛くて仕方がないのだ。
彼女が数字でなく唯一の生身の人間として見れるのは彼だけと言っても過言ではない。

「姉さん…でも、僕もう」
「もう、仕方のない子…。我慢できませんの?」
「無理だよ…姉さんに会えると分かってから、ずっと辛抱できなかったんだ」
「そう…分かりましたわ」

そう言うとミツコはリョウトの前にしゃがみ、ズボンの上からでもはっきりわかる形で押し上げている股間を撫でさすった。
うう、と耐える弟を悩ましげに見やりつつベルトを外しチャックを下げ戒めを解く。
するとブルン、と長大な逸物が先走りをミツコの顔にに飛ばしつつ臍まで反り上がった。
「素敵…」とウットリとそれを眺め鼻を近づけると濃厚なオスの匂いが鼻孔を刺激する。

「とぉっても濃いオスの匂いですわ…あら?」

嗅ぎなれた匂いのなかに違和感が混じる。

「…リョウト?」
「ご、ごめん、姉さん。とても我慢できなかったから」
「まぁ…それは、リオ・メイロンと?」
「うん」
「そうお…」

ぎゅっ!と憎らしげにリョウトのそれを掴む。
親指と人差し指がつかないほど太く、両手で握っても亀頭が丸ごと顔を出すほどの大きさ、その経験を示すどす黒い色。
これで一体どれだけ泣かせてきたのか…
しゅ、しゅとしごきつつミツコは詰問する。

「いつから抱いていたのかしら?」
「き、昨日の夜から」
「10時間以上も…何度放ったんですの?」
「数えきれないよ…。リオも途中から白目剥いちゃったし。数えるのも億劫だったし」
「そんなに………憎たらしいですわね」

リオ・メイロン…マオインダストリー重役の娘、そしてリョウトの恋人。
そう思うとふつふつと胸のなかの奥からなにかが溢れ出そうになる。
それを努めて顔に出さないようにしつつぺろりとにじみ出る先走り液を軽く舐める。
うう、と悶える様を眺めつつちろちろと小鳥がつつくような軽い愛撫で済ませる。

「ねえさん…っ」
「モチロン、その様子は録ってますわね?」
「う、うん…」

リョウトが女性と性交する際には必ずそれを隠し撮りしておくよう言いつけてある。
弟が牝に覆いかぶさり、啼かせ、蹂躙する様子を観ることが普段会えないミツコにとって最大の娯楽のひとつなのだ。
そのライブラリ・コレクションは多岐に渡り、
あの慎ましい母性の塊の長女を獣のように喘がせ、男勝りで不器用な次女を隷属させ、消極的な四女を娼婦顔負けにさせるシーンを撮ったものが棚いっぱいに広がる。
その中に近年リオという少女が加わり、数週間前など地底世界の王女サマとのショットまで追加された。
誰にも見せはしない、ミツコだけの宝物。

「クス、良い子ですわ」

そう言うやいなや、ミツコは貴婦人にあるまじきOの形に口を開けペニスを呑みこんでいく。
じゅるるるる!
頬を凹めてはしたなく間延びした顔をしながら顔を前後に振る。
んじゅる!じゅるる!じゅぞぞぞぞ!!
贅を凝らした一室にAVもかくやな下品な音が響く。
奥まで飲み込もうとすると食道を刺激しえずきそうになるが我慢しひたすらフェラに没頭する。
数千人を従えるイスルギ重工の社長の自分が跪いてオトコのモノにこうもはしたなく奉仕する姿を想像し膣から愛液が溢れだす。
なにより久し振りの弟のそれを愛撫できることに幸せを感じる。
それらの思いを込めて更に奉仕に熱がこもる。
じゅっぷじゅっぷじゅっぷじゅっぷ!!

「姉さん…出るよ。飲んでくれる?」

リョウトのその声に微笑むと更に勢いを増して顔を振る、頬を引き締める、舌を亀頭に絡ませる。
ドビュドビュル!ドグゥ!ドクンドクン…
ぶるぶると腰が震えて白濁液が噴き出すと同時に根元まで咥えこむ。
食道を通る灼熱のどろどろした固まりに恍惚となりミツコも絶頂に達した。
勢いが少しおさまるまでじっと精子を飲み込みながら、少しずつ顔を引いていく。
それにつられて唇と頬が間延びして浅ましいフェラ顔になっても頓着しない。
最後の一滴まで出し切るまで溜める、溜める、溜める。

じゅぽん
ふぅーふぅー

リスのように頬を膨らませながらやっと解放する。
そしてゆっくりと文字通り噛み締めるようにねちゃねちゃと精液を味わいゆっくりと嚥下していく。
はぁぁ〜〜〜…
そして満足するまで味わいようやく全て飲み込んだ。

「凄いよ姉さん、リオはまだ全部飲めずに途中で吐いてしまうのに」

む、っとある意味不謹慎なリョウトの言葉に年甲斐もなく拗ねた表情をしてしまうが、あれだけ放ってもまだびくんびくんと衰えることなく勃起する逸物にうっとりと相好を崩してしまう。

「…なら今度はわたくしを楽しませてくださいまし?」

貴方は女性を待たせたりディナーを取らせなかったりいきなり欲情したりと甚だ不名誉な姿しか見せておりませんのよ?と挑発し、
キングサイズのベッドへと誘う。
きっと今夜は眠らせてもらえないだろう、積もる話はいろいろあるが、まずは精一杯愉しませてもらおう。


(待たされてるあいだに、面白いことを思いつきましたしね…。当分退屈しないで済みそうですわ)

にんまり、とリョウトに見えないよう顔を歪ませるミツコの脳裏には、マオ・インダストリー社長リン・マオの澄ました顔が浮かんでいた。
自分の企みにより彼女がどのような表情を見せるのか、それを想像するだけでアソコが濡れてくる。
出会ったその日からリョウトに抱く愛情とは真逆の屈折した感情を彼女に感じていた。
全てを奪い全てを蹂躙し全てを与えるその日を夢見てミツコは血の繋がった実の弟に抱かれる。

その一室からは、ベッドの軋む音と女性の喘ぎ声、そして変声期前の少年の嘲笑うような声が途切れることはなかった。

続く

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