11/05/01(日)18:39:13

1

「あ、気が付いた?」
目を開くと、女の子の声と眩しい月明かりが見えた。
頭がぼーっとする。ここは一体どこなんだろう。この人は誰だろう。
「ここは私の縄張り。私はミスティアよー」
ミスティアと名乗った人はにっこりと笑いかけて、僕の頬を撫でた。
とりあえず、僕はどうしてミスティアさんと一緒にいるのかを訊ねてみた。

2

「そりゃ、近くにいた人間だから。私の歌は人を惑わすのよ?」
と、ここで、やっと僕はミスティアさんが人じゃないことに気付いた。
あわてて食べないで、とお願いすると、ミスティアさんは
「ああ、安心して。そのまま取って食うって訳じゃないんだからっ」
にこにこと笑顔のまま、後ろにまわって僕を抱き締めた。
初めてお母さん以外の人の……いや、人じゃなかった。なんて言えばいいのかな?
ええい、とにかく女の子のあったかさと、いい匂いにびっくりする。

3

「ありゃま、かわいい」
不思議なあったかさにボーっとしていたら、いつの間にかミスティアさんは
僕の下着を脱がせて、おちんちんを出していた。
「きみさー、ココ、自分でシたことある?」
僕が突然のことにびっくりしていると、ミスティアさんはおちんちんを握ってくる。
あまりにもわからないことが続いて僕はふるふると首を振ることしかできなかった。

4

「ふふーん。そうだろうね〜こんなに皮っかむりなんだから♪」
どこか嬉しそうに、ミスティアさんはおちんちんの上の方を触って
ぐりぐりとおしっこの出る穴を指の先でいじめてきた。
僕は思わず情けない声を上げて、わからないことだらけのこの何かが怖かった。
「だいじょーぶだいじょーぶこわくないよ。私がきもちいこと教えたげる♪」
ミスティアさんがそう言っておでこにちゅーをして、またおちんちんをいじめだした。

5

僕は信じられなかった。女の子が、僕の、その、おちんちんに
「んむ……ふふ、すっごいにおい」
顔を近づけて……るだけじゃない。な、舐めてる。もしかして食べてるのかな?
とにかくすごいあつくて、ぬるぬるしてて。とても恥ずかしい。
ぐにぐにした舌が、おちんちんを舐めていくたびに、変な声が出てしまう。
「そんなひぃひぃ言わないでよ……」

6

「っん、あんまりにもかわいくて、食べちゃいそうになっちゃうじゃない」
かり、とおちんちんに歯が立てられて、僕は一気に怖くなった。
このまま、食べられるんだ。そう思うと、胸がぎゅっと苦しくなった。
「冗談だってば。ほーらこわくないこわくない♪」
申し訳なさそうな、そんな顔をしてミスティアさんは僕をまた撫でる。
目の前がぐにゃっとゆがんで、僕は泣きそうになっていることに気付いた。
「それにさ、さんなんて付けないでよ、むずがゆいわー」

7

それじゃあ、ミスティア、って呼べばいいのかな?
そんなことを思っていたら、急にミスティアが触ってるおちんちんがむずむずして
どんどんとお腹の奥からなにかが上がってきてるような、なにかが
「ひゃっ……っもう! 出すなら先に言いなさいってば!」
お腹の中身が内側から引っ張られたような感じがして、僕はおもらししてしまった。
でも、なんだか色が違った。ねばねばしてるし、なによりすごい体がぐったりして。
僕は変な病気になってしまったのかと思った。

8

「っぷ、んっ……んく…………っっ、ぁ……、い、いっぱいでたね」
この、僕のおちんちんから出たへんなのを、ミスティアは、飲んでた。
おいしいのかと思ってミスティアの顔についてたそれを指で付けて舐めたら、死ぬほどまずかった。
「きみがあんまりにも、その、いっぱい出してくれちゃったからさー」
びくっと背中全体が震えた。前髪でミスティアの顔は見えなかったけれど
きっと怒ってる。だってへんなの、顔にかけちゃったし。ミスティアぷるぷるしてるし。

9

僕が怒ったとき、いや、お父さんやお母さんも怒るときは震えてた。
だから、僕はきっとこれから怒られるんだ。思わず、ごめんなさいって謝って
「ごめん、スイッチ……はいっちゃった」
そしたら、ミスティアはすごい速さで僕のおちんちんに噛み付いて
いや、噛まれてないから……これはなんて言えばいいんだろう?
噛まれたけど噛まれてない。すごく、あつくてヘンだ。
「ほら、ほら……はやく、もう一回だよっ」

10

今度は、すごい勢いで、なんだかなめたり吸ったりしていた。
ぴりぴりと痛くて、でも、なんかよくて、なんだか、すごくいけないような気がした。
ミスティアがおちんちんから口を離すと、それは今まで見たこともない形になってた。
「あはっ、はっ、いい子……いくよ? ……ひゃぁッ!」
すると、ミスティアがスカートを持ち上げたかと思ったら僕の上に座っ
な、なんだ こ れ
「あッ、く、あつい、のッ」
あつい? あつい。 さっきのミスティアの口みたいにあつくてぬめぬめで
でもあついのがもっとすごい。おちんちんだけお風呂に入ってるみたいな

11

「なかで、まだ、おっきく……はあッ」
それでいて、なんだかやさしく噛み付かれているみたいな、なんだろう きもちいい
とにかくきもちいいだけだった それ以外頭に浮かばなかった
「でるッ? はッ、でちゃう? いいよ、くぅッ、この、ま、まぁ……ッ!」
ミスティアがぎゅっと抱き締める、僕も抱き締める、またお腹の奥でなにかくる
ミスティア ミスティア ミスティア バカになったみたいに僕はそれしか言えなかった

12

「あッ!! あひ、あぁ、はああぁぁ……んッ♪」
目の前がちかちかと雷でも落ちたかのような、そんなしびれが体を抜けていく。
おちんちんがちぎられるかと思うくらいに、どうにか……どうにかなっていた。
「一回あんなに出したのに、またこんなに出してくれたんだね……♪」
はぁ、はぁ。 この苦しそうな息はどっちのなんだろう。
耳の中がキーンとする。目が開かない。息が苦しい。僕のか。
ただただ、疲れて、すっごく、あつかった。

13

「ありがと、これだけなかにくれたら私も満足だよ」
ミスティアはお腹をさすりながら、最初のやさしい顔で笑っていた。
僕はミスティアの膝に頭を乗せられてて、やっぱりまた撫でられていた。
「ほんとごめんねー? いやー、最近お仕事ばっかしてたら欲求不満でさー」
よっきゅうふまん? 僕のまだ知らない言葉だ。
たぶん、お仕事って言ってるから、きっとなんだか辛かったんだと思う。

14

「ほんとはね? ちんちん弄るのさえ初めてだって言うから、
 一回口で愉しんでおしまいにしようと思ってたの」
楽しむって……楽しかったのかな、あのすごい疲れるやつ。
たしかにおちんちんを触られたのは初めてだったけれど。
「でもきみがさ、あんまりにも可愛かったから……つい本番まで……えへへ」
ほんばん……? まったく僕の知らない言葉ばかり使わないで欲しい。
あと僕は男なんだからかわいいのは違う、と言っておいた。

15

「そう? でもごめんね。今夜は遅いからもう眠りなさい。子守歌歌ったげるからさ」
ミスティアがそう言うと、透き通るような、でもやさしくてあったかい歌が
そうだ、思い出した。僕は森の中、帰り道を急いでいたらこの歌声が聞こえて、そこから
そこから……何があったんだろう。思い出せない。あと、なんだかすごく、ねむい……。

「明日の朝には、里に帰してあげるからね……」

ふにゃふにゃになってく頭の中で、ミスティアの声が聞こえた気がした。

16

気がついたら、僕は森の出口で里の入り口に立っていた。
目をこすってあくびを一つしてから、とりあえず家に帰ることにした。

家についたら、お父さんとお母さんにすごい怒られた。
やっぱり肩がぷるぷる震えていた。なんでかすごい泣いてるお母さんに抱き締められた。
夜の森は危なかっただろと言われて、僕はミスティアがいたから大丈夫だったって言った。
その後、心配して来てくれた慧音先生にもそのことを話したら頭突きを二回もらって僕も泣いた。

また……会えるかな。ミスティア。

11/05/10(火)21:37:29

1

――ざし、ざし、ざし。
真っ暗な夜の森の中を、木々の間から漏れた月光を頼りに歩いて行く。

結局あれから何年経ったんだろうか。僕はその後ミスティアには会えなかった。
どれだけ説教をしても毎日毎晩森へ行こうとする僕に、両親達は激怒して一晩中鎖を付けられ物置に入れられたこともあった。
しかし。それだけの目に遭っていても、やはり僕はミスティアにもう一度会いたいのだ。

あれから寺子屋も卒業して、ミスティアが僕にしたことや、ミスティアを先生に話して頭突きされた理由も理解出来る歳にもなった。
それは同時に、彼女が恐ろしい妖怪だと言う事の理解にも通じていた。

2

慧音先生に無理を言って、阿求さんの本を読ませてもらった。そこには紛れもなく、僕があの日に出会った少女がありありと書かれていて。
しかし、“人間にとって有害だ”とさも言いたげな情報の数々には全力で首を振りたい。
あの子は、いや、ミスティアはそんな妖怪ではないはずだ。僕が生き証人なんだから。

当てもなく、危険も省みず、ずんずんと森の奥へと進んでいく。
恐怖が無いと言えば嘘になる。だけど、今の僕にはもうミスティアしか見えていなかった。

やがて、歩き疲れてきた僕は手頃な木の根っこへと腰を据える。
その時だった。どこかで聴いた事のある音色が、僕の鼓膜を揺らした。

3

瞬間、僕の体は弾けたように飛び上がり、操られるかのようにその声の元へと駆け抜けていく。
微かな歌声が、どんどん近くなっていく。息がだんだん苦しくなっていく。横腹も痛み始めて来た。
それでも。脚は止まることを知らなかった。止めたくなかった。たとえ僕が死んだとしても。

「〜♪ 〜♪」

辿り着いたそこには、あの時とまったく変わらないミスティアが木に背を預けて歌声を周囲に響かせていて。
ふと、こちらに気付くと、にんまりと口端を上げてこちらにいたずらっぽく笑いかけてきた。

4

ミスティア! ミスティア! 逢いたかったんだよ  思わず震える声で叫びながら駆け寄り、
両手でミスティアの手を強く握り締める。嬉しくて嬉しくて、胸がいっぱいになってしまっていた。
「へ〜、名前を知ってるだけじゃなくて逢いたかっただなんて。私も有名になったものねえ♪」
にこにこと邪気の無い笑顔を向けてくるミスティア。こんな可愛くて優しい妖怪が有害な訳ないじゃないか。
と、思っていた矢先。急にすごい力で押されたかと思ったらそのまま組み伏せられてしまって。
「それじゃ、早速いただこうかしら♪」
ぺろりと舌を出したミスティアの表情が、これ以上無く淫靡に映り。僕はつい魂を抜かれたように、ただ見惚れてしまっていた。

5

「ん……っ ん、んっ」
頬と唇と、交互に啄むようにキスを落としながら、ミスティアは僕の下着に手を滑り込ませてやわやわとおちんちんを優しく揉みしだいてくる。
温かいミスティアの手が触れるたびに、僕はじくじくとおちんちんが大きくなっていくのを感じていた。
「わぁ……♪ こんな立派なの見せられたら……っ」
大きくなった僕のおちんちんを見ながら、恍惚としたいやらしい表情でミスティアはハァ、と溜息をついた。
そして真っ赤な舌を伸ばして一舐めして、目を細めそのまますっぽりと咥え込んでしまった。

6

ずぢゅる、ずぢゅる。 ひどく淫猥な音を立てながらミスティアは僕のをしゃぶり尽くしていく。
この体験がずいぶん久しぶりな事もあって、溜りに溜まった僕の欲望は直ぐに込み上げてきた。
出る、出ちゃうよ、ミスティア。 情けない声色で僕が言うと、ミスティアは奥までずっぽりと咥えて
「んっく、んっ、んぐ、……んっ……ぅぶ、……っんん゙――――――!?」
溜め込んだ精液が口腔に放出されて、ミスティアはそれを喉をならして飲んでゆく。
も、量が多すぎたのか、途中で口を放して咳き込んでしまい。僕のおちんちんは吐精の度にびくりと跳ねて
ミスティアの口元や前髪、鼻の頭等を精液で染めあげてしまっていた。
「もッ、だしすぎ……げほっ! だってばぁ……ッ」

7

その淫ら過ぎる艶姿に、思わず僕は心底いかれてしまった。
出したばかりのおちんちんなのにまだ全然大きいそれを掴むと、片手でミスティアを地面に押し倒し
スカートを捲り上げる。やっぱりミスティアは下着を付けておらず、そこは不思議な熱にまみれていた。
「ちょ、ちょっと待って〜!? まだ、そんな、良いって言ってな……ッ」
不思議な熱と粘液を纏わり付かせたそこに僕のおちんちんの先を押し当てて、
衝動のまま、ミスティアの腰を掴んで引き寄せ、強引に膣内へと侵入させた。

8

「ひっぎぃぁっっぁあぁぁぁぁぁあああああああ!!」
甲高い声を上げて、ミスティアが啼き叫ぶ。
幾年ぶりかのミスティアの膣内はとても狭くなっていて、
まるで僕のおちんちんをきつく搾り取ろうとしているかのように感じる。
「あああああッ! ぁあああ、ア―――――」
熱くとろとろな壁が脈動して、僕のおちんちんを激しく煽ってくる。
ミスティアの中が信じられないくらい気持よくて、僕は本能的に腰を激しく打ち付けてしまっていた。

9

「すごッ、おっきくてぇえ! はげしくてぇッ! ダメ……、ダメぇ! ダメなのぉッ!!」
強く強く、僕の肩を掴みながら、ミスティアが頭を振り乱して喘ぎ散らした。
僕はと言うともうまったく歯止めが効かなくて、ミスティアの膣内で暴れ回るのを止める事が出来ず
再び射精感が込みあげるのに任せて、一際強く、重い突き込みに変えて抽送を繰り返していく。
出る! 出すよ! ミスティアの、中に!  僕が息荒くそう言い放ったとたん、
「出してえ! なかに全部ぶちまけてぇぇ!!」
同じように荒い息遣いでミスティアはガクガクと身体を震わせ、淫蕩にまみれた顔で僕にしがみついてくる。

10

何回目かの抽送。僕の身体も小刻みに震えて、びゅく、びゅるると卑猥な音を立てて
思い切りミスティアの膣内に精液を送り込んだ。炸裂する快楽。吹き飛びそうな意識。
「あッ、ひッ! ひぐぅ! はッ、あうううぅッ」
ひくんひくんと小柄な腰を痙攣させて、ミスティアは悦楽を貪っていた。
互いの接合部から漏れ出した白濁液はミスティアの内股を白く彩っており、僕の興奮を更に煽っていく。

11

――まだだよ。 僕はそう耳元で囁くと同時にミスティアの上着のボタンを外し、中のシャツを肌蹴させる。
形の良い乳房が姿を表し、僕は思わず感嘆の息を漏らす。そしてそれを鷲掴みにすると、腰の抽送を再開させた。
「ひッ!? やッ、あッ、だめ、ダメぇぇ! こわれるうう!!」
唾液でぬらぬらと妖しく彩られた舌をみっともなく出して見せながら、ミスティアは激しく啼いて。
そんなあられもない痴態を目の当たりにした僕は、もうどうにかなってしまっていた。
思考を掻き乱されて、上からミスティア一色に塗り潰されているような気分。

12

そのまま、僕達は獣のように幾度も性交を続けていると、不意にミスティアが
「はっ、はぁッ、ひぃ……ッ♪ 弄ばれてる……っこんな、顔も知らないような人間にぃ……っ♪」
と、喘ぎの中で漏らした。

そこからなにやら僕の脳みそがいやに冷やされていく。
顔も知らないだって? 嘘だ、嘘だと言ってくれ  僕がそう言うと
「え……? どこかで会ってたの? ごめん、おぼえてな……ひぁあ!?」

13

覚えてないだって? 僕は一日だってミスティアの事を忘れたことなんて無かったのに。
なんだか急速に悲しさが襲ってきて、僕はそれを振り払おうとまたミスティアを抱いた。

「……どうしたの? 気持ち良く、なかった?」

突然のミスティアの予想だにしてなかった言葉に、僕は思わず驚いて硬直してしまう。
そんなことないよ、なんでそんなこと……  言い終わる前に、ミスティアは僕の顔に手を伸ばしてくる。
「だって、ほら。こんなに涙出てる」

14

目元を拭われる。ミスティアの白くて綺麗な指には汗とは違った液体が確かにあって。
そこからは、もう駄目だった。感情が溢れ出してしまって、抑えきれなくて、
縋るようにミスティアを強く抱きしめて、子供のようにわんわんとミスティアの胸で泣き出してしまった。
「ごめん、ごめんってば……ちょっと、もう……一体なんなのよぅっ」
困ったようにため息をつかれてしまう。でも、ミスティアはそれでも優しく頭を包み、撫でてくれた。

そう言えば、僕は忘れていたんだ。もう一度逢えたら、伝えようと思っていた言葉があったんだって。

15

しばらく泣いてから、僕は、ミスティアの顔をまっすぐ見つめて、口を開いた。

君は覚えてないかも知れないけど、僕は子供の時に森に迷ってしまったんだ。
僕もなんで迷ったのかよく覚えてないんだけど、その後ミスティアが僕を見つけてくれて。
今みたいに抱き合って、僕を里に帰してくれたんだ。あの時はありがとう。

「…………?」

案の定、ミスティアは頭に?を浮かべていたけれど。そんなの構わなかった

16

それでね、僕は、その、 ……ミスティアの事が、好きになってしまって
ミスティアのことを思わない日は無かったんだ。頭から離れてくれなくって。
だから、その、なんて言えばいいのかわからないけれど、その

声が震える。また泣き出してしまいそうになるのを、僕は必死に堪えていた。

「ああ、なるほど!」
と、ミスティアはいきなり手をぽん、と叩いてみせる。
思い出してくれたのか……と、僕は多大な感激に打ち拉がれ
「それ、私の能力だよ。私しか見えないっていうの? それ〜」

今度は、僕が頭に?を浮かべる番だった。

17

「私はね、“歌で人を惑わす”能力を持っているの。だから多分、その時の私は歌であなたを操って、食べようとしたんだと思う」
衝撃的な言葉がミスティアの口から紡がれる。
僕の頭の中では、ぐるぐると慧音先生に見せてもらった資料が回っていた。
「あ、食べるっていってもアレよ? 精のほう。今日日人を食う妖怪なんて……あ、いるか」
結局いるのか。そんなことを思いながら、僕はミスティアの話に聞き入っていた。

18

話を要約するとこうだ。ミスティアは時折発情期が来てしまう季節があるらしくて、
幼い頃の僕は幸か不幸か、その季節にミスティアの人間を誘う歌に釣られてしまった。
そして存分に性欲を満たして、用済みになった僕を里に返したのだと。

「でもねえ、長いことこうして誰かでうっぷん晴らさせてもらってきたけれど」

不意に、ミスティアの顔が近づく。
さっきまで僕はあんな事をしていたというのに、途端に気恥ずかしくなってしまった。

19

「好きだ、なんて言われたのは、これが初めてかもね♪」
そう言って、ミスティアの唇が僕の口を塞いだ。
間髪入れずに、唇の間から舌を滑り込まされて、咥内へと侵入してくる。
「んっ、ちゅ……んん……っ」
器用に動くミスティアの舌に僕の舌が絡め取られて、気持ち良くて
ぬるぬる、にちゃにちゃとした感触にまた僕の昂ぶりが鎌首をもたげていった。

20

甘い吐息が喉へと直に送り込まれて、鼻腔へと抜けるごとに僕はくらくらと混濁していく。
熱くて、甘くて、いい香りで、気持ち良くて 身体中が天国に着ているのかと錯覚するほどで。
「んちゅ……っは、……ふふ、また元気になってきちゃったね?」
先刻あれほど好き放題暴れたというのに、僕のおちんちんはまた大きくなってしまっていて。
柔らかなミスティアの手に包まれて、貪欲にびくびくと脈を打っていた。

21

「今度は私から……ね♪」
そう囁くと、ミスティアはあっという間に僕を押し倒し、そこをにゅぱっと広げて見せて
硬度を取り戻した僕のおちんちんに跨って、一気に咥え込んでしまった。
「くぅぅ……ッ! あは、カワイイ顔してるよ……っ」
放蕩した表情でミスティアが腰を打ち付ける。否が応でも送られてくる快感の形に、
僕はもう為すが儘にされてしまっていた。

22

柔らかで、ぬめり気があって、熱くて、それでいて締め付けてくる肉壁の感覚。
おちんちんを掴まれて、そのまま引き摺り込まれてしまいそうな恐怖すら感じるくらいに暴力的な快楽。
「ふぁッ、ああッ、ね、きもちッ、いい……?」
切れ切れにミスティアに問いかけられる。僕は首を振ることでしか、答えることが出来なかった。
これは、まるで、ミスティアに犯されているようだ。そんな倒錯した考えが過ぎる。

23

「あはぁッ、こしッ、うごかしちゃ……ああッ! だ、だめ、だめだってばぁッ」
下から突きあげるとミスティアの奥へと刺さって、呼応するように膣内が締まって。
甲高い嬌声が上がり、お互いに情欲を奮わせていく。
何もかもが、ミスティアと一つになっていくかのような、奇妙な連帯感。
「だめ、はッ、ぅあッ! ひ、いくッ! いくのぉぉッ! きちゃうのぉぉ……ッ!!」
絶頂へ向かう足並みすら、揃ってしまったかのように思えた。

24

「はッ、あッ、あ、あ、ああぁッ」
ミスティアの喘ぎが細かくなっていく。動きはもう互いに獣じみたものになっていた。
暴走していく律動に合わせて、余裕の微塵も残っていない抽送が繰り返される。
がくりとミスティアが覆いかぶさってくる。僕はそれを抱き締める。きつく、きつく。
「ふぁッ、あッ、あああッ! ひにゃああああああああ――――ッ!!」
そして二人同時に声を搾り出して、僕はミスティアの最奥で、僕の残っていた全てを射精した。

25

――気が付けば、またあの時と同じ、里の入り口に寝かされていた。
いやはや、あのまま文字通り精根尽き果ててしまったのだろう。恥ずかしい話だ。
それにしても……また、お別れを言えなかったことが心残りではある。いや、それはやわな僕が悪いんだけども。

ぎらぎら眩しい朝日が、未だ寝ぼけている目に沁みる。腹がたつくらいにいい天気だった。


いったい次は、いつミスティアに会えるんだろう?
そんな事を思いながら、僕はこれから待ってるであろう説教への心の準備をしていた。

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