(いばらき かせん)
(いばらかせん)

茨木華扇(茨華仙)

  • 茨、茨木
    • 茨木童子(いばらきどうじ)
      • 平安時代に大江山を根城にして暴れまわった鬼の一人。
        大将の酒呑童子(参照:伊吹萃香)に次ぐ副大将的な立場であったとされる。
        酒呑童子一派が源頼光らによって討ち取られた際に、茨木童子のみが逃げ延びることに成功した。
        のちに、茨木童子は渡辺綱と戦い腕を切り落とされて奪われる。さらにその腕を綱から取り返すことになる。(詳細は後述)
      • ちなみに茨木童子は実際に女性であったという説もある。
  • 扇(せん)
    • 仙(せん)。
  • 華仙
    • 何仙姑
      • 八仙の一人。女仙。
        何仙姑は霍青娥が憧れていた女仙でもある。
        京極夏彦の「塗仏の宴」に何仙姑をもじった華仙姑処女という少女が登場するが、「華仙」はそこから取った?

備考
  • 「茨木華扇」は本名。「茨華仙」は仙人としての名称。この二つはどちらもキャラ名として使用され、原作では両方で表記されている。
  • 「茨歌仙」(東方茨歌仙)は漫画の作品名。キャラ名としては使用されない。

二つ名

  • 片腕有角の仙人
    • 片腕
      • 茨木童子は源頼光の部下の一人である渡辺綱と戦い片腕を斬り落とされた。
        その後、綱の母親に化けて綱に近づき、腕を取り戻す。(詳細は後述)
    • 有角
      • 茨華仙は頭にシニョンキャップを付けており、角の有無は確認できない。
  • 脅威!願いを訊く仙人 (深秘録)
  • 神仙思想で動物好きな仙人 (憑依華)
  • 奸佞邪智の鬼 (茨歌仙)
    • 奸佞邪智(かんねいじゃち)
      • 性格が捻くれて、ずる賢く立ち回ること。
      • 「奸」:心がねじれて邪(よこしま)であること。【用例】:奸計(かんけい、邪な意図を持った計略)
        「佞」:媚びへつらうこと。 【用例】:佞言(ねいげん、相手を都合よく誘導するための口先だけの甘い言葉)
        「邪」:正しくない。曲がっている。【用例】:鬼人正邪の邪。
        「智」:知恵 邪智は「悪知恵」のこと。
  • 山の仙人 (鬼形獣ED)

茨木童子と渡辺綱の戦闘及び奪われた腕に関する物語
  • 『平家物語』「剣巻」

『平家物語』「剣巻」における該当部分のあらすじ

    • ただし、この話に登場する「鬼」は「宇治の橋姫」(参照:水橋パルスィ)のことで、茨木童子ではない。
      が、のちに腕を斬られた鬼のストーリーが茨木童子の物語にほぼそのまま流用される。
    • このストーリーでは、鬼と綱が出会ったのは一条戻橋で、腕を斬られたのは北野天満宮上空。
  • 謡曲『羅生門』

謡曲『羅生門』のあらすじ

    • この話では、腕を取り返しに来るパートは書かれていない。また、この話の鬼には固有名詞はなく、「茨木童子」の名称は登場しない。
      のちに、この羅生門の鬼が茨木童子と同一視される。
  • 『前太平記』
    • 巻第二十に茨木童子が登場。話の流れは以下の通り。
      まず謡曲『羅生門』と同じ内容で茨木童子は羅生門で綱に腕を斬り落とされ奪われる。
      その後は『平家物語』「剣巻」と同じ内容で、綱は義母に化けた茨木童子に腕を奪い返される。
    • 『前太平記』で謡曲『羅生門』と『平家物語』「剣巻」の二つが足しあわされ「茨木童子」の名称も初登場した。
      これにより「大江山から逃げ延びた茨木童子が羅生門で渡辺綱と戦い腕を奪われ、綱の義母に化けて腕を取り返す」というストーリーが完成する。
    • 歌舞伎『茨木』も『前太平記』の内容に準じている。
都良香と茨木童子
  • 都良香は平安時代の文人。(関連:宮古芳香
    • 『百鬼夜行拾遺』によると、都良香が羅生門の前を通りかかった時に「気霽風梳新柳髪(きはれてはかぜしんりゅうのかみをけづる)」と漢詩をそらんじた。
      すると、羅生門の鬼がこの続きとして「氷消波洗旧苔鬚(こおりきえてはなみきうたいのひげをあらう)」と詠んだとされる。
      同書では、「後に渡辺綱に腕を斬られるのもこの鬼」との記載があり、上記の羅生門の鬼(つまり茨木童子)と同一としている。
      • 歌の意味
        「気霽風梳新柳髪(きはれてはかぜしんりゅうのかみをけづる)」:空は良く晴れ、さらさらとした髪に櫛を通すかのように風は新しい柳の間を流れていく。
        「氷消波洗旧苔鬚(こおりきえてはなみきうたいのひげをあらう)」:(春の気候により)氷は融け、髭を洗うかのように水面の波は古い苔を濡らす。
      • 東方茨歌仙 第1話 片腕有角の仙人において、一部を改変したうえでこの漢詩が引用されている。
      • この漢詩自体は、和漢朗詠集に収載されている。伝承オリジナルではなく、本人(都良香)の作として伝えられている漢詩である。
      • 後に、渡辺綱が鬼の腕を斬った刀の名称は「鬚切(のちに鬼切と呼ばれる)」。鬼が「氷消波洗旧苔鬚」と返したのはそのことを暗示しているとも解釈できる。
  • 茨木童子の来歴のまとめ(上記逸話のまとめ)
    • 酒呑童子一味に副将として参加し、大江山を拠点に都を荒らしまわる。
    • 源頼光とその四天王により酒呑童子退治が行われる。他の鬼は全て討ち取られるが茨木童子のみが逃げ延びる。
    • 逃げ延びた茨木童子は羅生門に住み着き、都を荒らしだす。
    • 羅生門の前を通りかかった都良香と漢詩を詠み合う。
    • 噂を聞いて赴いた渡辺綱と羅生門で戦闘になり、茨木童子は腕を斬り落とされ奪われる。*1
    • 渡辺綱は安倍晴明の忠告に従い、腕を封印し物忌みを行う。
    • 茨木童子が綱の義母に化けて物忌み中の綱に近づき、腕を奪い返す。

見た目

  • 服装
    • 牡丹の花に、茨模様。
      • 仮タイトルの茨牡丹からか?
  • 右腕
    • 全体が包帯で巻かれており、包帯の中身が無いかのように描写されている。
      • 二つ名にある「片腕」。
    • 神主的には、鎖は鬼を象徴してるイメージ。
自分的に鎖は鬼の象徴(笑)
 ―東方書譜 2005年02月01日(火) 伊吹萃香の設定画より

スペルカード

登場

茨木童子の腕

二つ名

  • 断善修悪の怪腕 (茨歌仙)
    • 断善修悪(だんぜんしゅあく)
      • 仏教用語「断悪修善(だんなくしゅぜん、だんあくしゅぜん)」の改変。
        断悪修善とは、菩薩(修行者)が(最終的に)「悪行を断ち、善行を修(おさ)める」ことを誓うという意味。
        これは、最終的に「自分の中の煩悩の全てを消し去る」=「悟りの境地に至る」ことを誓うという意味でもある。
        出典:『華厳原人論』(中国唐の時代の仏教書)
    • 「断善修悪」は断悪修善の逆で、「善行を断ち、悪行を修める」「欲望(煩悩)のままに生きる」という意味と考えられる。

登場

このページへのコメント

大阪茨木市に伝わる民話で、それによると、茨木童子は生まれながらの鬼子であり、父親が手を焼いて丹波の山中に置いてきたとか。その後、その父親が今際の際に、生家に戻ってきて「自分が件の羅生門の鬼だ。」と語ったエピソードがあるんだとか、ゆえ、本文の来歴まとめのところも改善の余地があるやもしれません。

0
Posted by 一般大阪人 2020年03月28日(土) 00:49:11 返信

奸佞邪智の鬼は憑依華ではなく
茨歌仙の際の二つ名では?

1
Posted by 名無し(ID:e4sglcJGFg) 2019年04月25日(木) 07:48:10 返信数(1) 返信

ご指摘ありがとうございます
訂正しました

1
Posted by 名無し(ID:8hj2JGe1AQ) 2019年04月25日(木) 09:24:28

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