聖白蓮
(ひじり びゃくれん / Hiziri Byakuren)


聖白蓮

  • 聖(ひじり)
    • 元々は高い学徳を持った僧侶をさした。
      • 転じて、官僧ではない遊行僧を指すようになる。
        公式な僧位はないが広く尊敬される僧侶を敬う意味で使用することも多い。
        信貴山縁起における命蓮は、上記の意味の尊称として聖命蓮と表記されることがある。
  • 聖(せい)
    • 星蓮船の「星」(せい)。聖輦船と星蓮船は同音。
      • 宝船の正体、聖輦船(せいれんせん)。
ムラサ船長  聖をお乗せする為に作られた船だから聖輦船
 ―東方星蓮船 霊夢 4面
      • 『輦』とは『てぐるま』のこと。複数の人が担ぐ長柄がついた輿も輦の一種。身分の高い人を乗せる。
  • 蓮(はす)
    • ハス科の多年生植物。ヒンドゥー教や仏教では神聖な花とされる。
    • 命蓮に合わせたネーミング。
  • 白蓮(びゃくれん)
    • 白い蓮のこと。
    • 仏教における蓮
      • 蓮は「泥の中より出でて泥の汚れに染まらぬ花を咲かせる」事から、
        「汚れ(煩悩)の多き世から出でて汚れ(煩悩)無き境地に至る」事の象徴として使われる。
        その境地に至った人物の象徴としても使われ、特に純白の白蓮は仏陀を、紅蓮は菩薩を象徴する。
    • 白比丘尼(しらびくに)
      • 八百比丘尼(やおびくに、はっぴゃくびくに)の別名。
        人魚に肉を食し、不老長寿の身(正確には800年の寿命の身)となった伝説上の女性。
      • 人間が後天的に不老長寿の身となったこと、尼であること、年齢を重ねても若々しい姿のままであったこと、などが白蓮と共通する。
      • 参考:wikipedia:八百比丘尼

備考
  • ひじり
    • 仏教伝来以前から「ヒジリ」という言葉は使われており、元々は村などの共同体にいた呪術者に近い存在を指していたとされる。
      • 語源については以下の二説がある。
        「火知り」(火を支配、管理する者の意)から。*1
        「日知り」(日々の現象を記憶し語る者の意)から。*2*3
    • 仏教が伝わった後に、「聖」の漢字あてられ僧侶をさす言葉として定着したとされる。
  • 白蓮
    • 柳原白蓮
      • 大正三大美人の歌人。
    • 白蓮華経。法華経の別名。
      • 正式名称は「妙法蓮華経」。法華経はその略称として用いられる。
      • 日本最古の法華経の解説書は聖徳太子によって書かれた「法華義疏」。
        聖徳太子は朝護孫子寺の開基であり、毘沙門天信仰にも深い関わりがある。
      • 妙法蓮華経のサンスクリット語における題名は「saddharma-puṇḍarīka-sūtra」(サッダルマ・プンダリーカ・スートラ、सद्धर्मपुण्डरीकसूत्र)だが、
        この"puṇḍarīka"(プンダリーカ、पुण्डरीक)は白蓮を意味する単語。
      • ただし、朝護孫子寺は真言宗の寺院であり、真言宗では法華経は「顕教」(けんきょう)の経典であるとしてそれほど重視はしていない。
        真言宗(東密)では「顕教」の教えより「密教」の教えを優位と位置付けているため。
        一方、同じ平安仏教でも天台宗(台密)では、法華経を教義の中心としたうえで、密教や禅などの他の要素も融合した四宗兼学の「総合仏教」としての立場を取っている。
        後の時代の鎌倉仏教では、日蓮宗が法華経至上主義ともいうべき立場を取っているほか、禅系宗派の曹洞宗も法華経を根本経典の一つと位置づけている。
      • 法華経は「全ての人は平等に仏になりうる(成仏できうる)」と説いているところに特徴がある。
        仏教史的には従来より救済されうる対象を広く定義しなおした教典とされ、大乗仏教の成立過程で重要な役割を果たしたとされる。
    • 李白蓮
      • 藤木稟『上海幻夜』の主人公「朱雀十五」の中国名。
        上海で橙こと貞美鈴と出会う。
      • 神主は藤木稟のファンであり、神主紹介にも記述がある。
        蓬莱人形のフレーバーテキストなど様々な強い影響を受けており、東方紅魔郷の発案の切欠になったとも考えられる。
    • 白蓮教
      • 中国の南宋〜清の時代(12世紀〜19世紀)に存在した仏教浄土教系の宗教。
        起源は東晋時代(5世紀)に設立された念仏結社白蓮社であり、これが中国における浄土教の始まりとされる。
        その後、白蓮宗を経て白蓮教が成立した。

二つ名

  • 封印された大魔法使い (東方星蓮船
    • 聖白蓮の種族は魔法使い。
  • ガンガンいく僧侶 (ダブルスポイラー
    • ドラゴンクエストシリーズのAI作戦のひとつ「ガンガンいこうぜ」から。
      • 「ガンガンいこうぜ」はMPを気にせず、最大威力の攻撃で総攻撃する作戦。
      • AI作戦が初めて搭載されたドラゴンクエスト4には、この作戦にすると即死呪文を絶対に通用しないボス相手にも連発する事が半ばネタとなった僧侶(神官)がいた。
      • 白蓮は身体強化の魔法が得意。
  • 妖怪寺の魔住職 (東方求聞口授)
    • 命蓮寺は、聖白蓮を初め関係者全てが妖怪で構成されている。
  • 霊長類を越えた阿闍梨 (東方心綺楼)
    • 霊長類
      • 生物学的分類において、類人猿やヒトなどで構成される種。サル目。
      • レスリング競技で無類の強さを誇る最強王者は「霊長類最強」と称されることがある(アレクサンドル・カレリン、吉田沙保里)。
    • 阿闍梨(あじゃり、あざり)
      • 密教(真言宗、天台宗)における僧侶の称号。法を教授する師匠や僧侶をさす。
  • 極速!ライダー僧侶 (東方深秘録
    • 都市伝説『首なしライダー』、『ゴーストライダー』か
      • 首なしライダーは交通事故で死に、首を失ったバイク乗りの若者の霊といわれる。
    • 駐車場の無い或いは足りない檀家に容易に訪問することが可能なのでバイクを活用している僧侶は少なくない。バイクと僧侶は相性が良い。
  • 妖怪寺のマスタープリースト (東方鈴奈庵
    • マスター(master):熟練した者。主人。師匠。
    • プリースト(priest):各宗教の司祭をさす英語。仏教の場合は僧侶。
      ただし、女性の場合はプリーステス(priestess)とするのが英語としては正確。
    • マスタープリースト:(意訳で)住職。阿闍梨。
  • 念仏三昧の大阿闍梨 (東方茨歌仙
    • 念仏三昧(ねんぶつざんまい)
      仏教用語。心に仏の姿を描くことで、心から動揺が消え一定の状態に静止した精神集中の極地に至った状態をさす。
      (勘違いしやすいが、一般用語から連想される「念仏を唱えることに明け暮れている」というような意味ではない。下記に詳述。)
      • 念仏
        本来この用語における「念仏」は、「南無阿弥陀仏」と唱える「称名念仏」をさすわけではない。(称名念仏については備考参照)
        もともと念仏とは、心に仏の姿を念ずる修行のこと。
        この場合の仏の姿とは、物理的な姿のみならず仏の本質(法性)を含めた姿で、これを心に念ずることが修行としての念仏である。
        この念仏修行で目指すのが「三昧」の境地である。(詳細は下記)
        ただし、浄土教系宗派では「念仏三昧」を「称名念仏をひたすら唱えて邪念を振り払う」といった意味で使用することもあり、意味の混同には注意が必要。
        参考:wikipedia:念仏
      • 三昧(ざんまい)
        仏教用語における「三昧」とは、前述の通り「心から動揺が消え一定の状態に静止した精神集中の極地に至った状態」をさす。
        言い換えると、「身も心も仏と一体となった状態」である。
        「禅定」という用語もこれに近い意味で使われる。
        三昧には様々な段階があるとされるが、三昧の境地をさらに超えたところに「悟り」がある。
        誤解を恐れずに言えば、悟りの前段階と捉えることも出来る。
        この状態に至るための方法論の違いが仏教における宗派間の大きな違いともいえる。
        例えば、浄土教系宗派における称名念仏、日蓮宗におけるお題目、禅系宗派における座禅などがこれにあたる。
        真言密教ではご真言を唱え(口密)、手で印を結び(身密)、心に大日如来の姿を描く(意密)ことを説いている。これを密教では「三密」という。
        ちなみに、一般用語では三昧は「贅沢三昧」という様に、その状態に浸りきってることをさすが、これは仏教用語から派生した俗語である。
        参考:wikipedia:三昧
    • 大阿闍梨
      • 阿闍梨の中でもさらに徳の高い僧侶の称号
        密教(真言宗、天台宗)において用いられる。
  • 超人的で悟りを開く大阿闍梨 (東方憑依華

備考
  • 称名念仏
    • 「南無阿弥陀仏」と唱えること。
      「私は阿弥陀仏に帰依します」という意味で、阿弥陀仏を称える言葉となる。
      主に浄土教系宗派(浄土宗、浄土真宗など)において積極的に唱えられる。
      凡人には「仏の本質を心に念ずる」ことは難しい。
      そこで浄土教では、庶民にもできる称名念仏を広め、これが普及し一般には念仏=称名念仏として認識されるようなった。
      浄土教系宗派以外では、称名念仏をどう考えるかは宗派により大きく異なる。
      真言密教では大日如来を最も重要な仏と位置づけている。
      そして、全ての仏は大日如来の化身としており、「阿弥陀仏を尊ぶ=大日如来を尊ぶ」という解釈もできることから、少なくとも称名念仏を否定はしていない。
    • わかりやすく大雑把に「阿弥陀仏さまのご加護がありますように」という解釈でいいかもしれない。
    • ちなみに東方心綺楼において、豊聡耳神子ストーリーで聖白蓮が勝利すると白蓮が神子に対して「南無阿弥陀仏」と唱える場面がある。(ただし、場面的には皮肉としての意味合いが強い)

能力

  • 魔法を使う程度の能力(身体能力を上げる魔法を得意とする)
    彼女の魔法は肉体強化系で、呪文を唱えれば拳は鋼鉄よりも硬くなり、五感が研ぎ澄まされ、八卦炉の中でも平気な肉体を持つ事が出来るが、通常は非力な人間と同じである。
長い寿命も、年を負わない肉体も、全て魔法による物だそうだ。
―東方求聞口授 幻想郷縁起より
    • 西遊記の孫悟空は天帝に捕えられ、処刑されるが仙丹を食べ体が鋼鉄のようになっていたため死なず、八卦炉に放り込まれても無事だった(八卦炉の中で上手く身を隠したとも)。

種族

  • 魔法使い
    • 聖は元人間
    • 求聞口授では「いわゆる魔法使い」とぼかした書き方をされている。

見た目

  • 絵巻物
    • 『信貴山縁起絵巻(しぎさんえんぎえまき)』。
      朝護孫子寺に伝わる平安時代末期の絵巻物。全3巻で全てが国宝に指定されている。
      信貴山の中興である命蓮を主人公とした霊験譚。
      命蓮には尼公(あまぎみ)という姉がいる。なお、命蓮と尼公は信濃国(長野県)出身であり、これはZUN氏の出身地でもある。
      • 東方では、命蓮の姉は白蓮。
    • 魔人経巻(まじんきょうかん)
  • ポーズ
    • 転読
      経典の初めや終わりだけを読んで読み上げた事とするもの。対義語は真読。
      経典を空中に掲げて流し読むように高速で広げ畳み、この風に当たると功徳が得られるという行事にもなっている。
      • 幻想郷では「振りかざしただけで唱えた事になるオート読経モード」と認識されている。
  • カットインで乗ってる法輪
    • 『信貴山縁起絵巻 延喜加持の巻』の、剣鎧護法童子が清涼殿に着いた場面から。

備考
  • 非対称の髪質
    • トレジャー『シルエットミラージュ』の主人公シャイナ・ネラ・シャイナ。
      対立する二種族の能力を、左右の半身に分けて併せ持った人造の救世主。
      その表れとして、白蓮同様に髪の右半分が巻き毛、左半分が直毛になっている。
      • ただし、EDのイラストや星蓮船以降の公式作品では髪質は非対称では無くなっている。
        星蓮船の立ち絵では直毛の方も先の毛が多少巻き毛になっているので、掲げた腕の陰になっているだけの可能性もある。

スペルカード背景

備考

  • 毘沙門天信仰
    • 信貴山には飛鳥時代頃から続く毘沙門天信仰の歴史がある。
      朝護孫子寺の本尊は毘沙門天。
      朝護孫子寺は信貴山真言宗の総本山。
      聖徳太子が物部守屋討伐のために道中の山に願をかけた際、毘沙門天が降臨して必勝の法を授けたことから、その山を「信貴山」と命名したという逸話がある。
      東方神霊廟との関連
    • 毘沙門天を祀る日本最古の寺院は四天王寺であり、その開基は聖徳太子。
    • 毘沙門天のルーツ、クベーラ(ヴァイシュラヴァナ)は創造神プラチャーバティの孫、空飛ぶ乗り物プシュパカを走らせていた。→星蓮船のルーツの一つか?
    • 毘沙門天は妻または妹とされる吉祥天とセットで奉られる。
      • 吉祥天はヒンドゥー教ではラクシュミーと呼ばれる。美と豊穣と幸運を司る。
  • 東方星蓮船の頒布された2009年は、『平城京遷都1300年祭』のイベントとして『信貴山縁起絵巻 尼公の巻』が特別公開された年

スペルカード

登場

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