東方キャラとウフフにイチャつくまとめ

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「う……んっ……ふぅ!」

その男が抱えていた箱のようなものを床に降ろすと、随分重かったのかドサリ、と鈍い音が響く。
ごつく骨の角ばった男の掌には、箱の取っ手が重みから深く食い込んだ痕が赤く残り、その額には汗がだらだらと流れている。
すぐに立ち上がれないのか、荷に降ろした腕を支えに俯き、厳つい体は喘鳴に合わせて似合わず力なく揺れている。
それでも、いつまでもそうしていては前に進まないと思ったのか、何とか丹田に力を込めて、箱を持ち上げるのだった。

「っ……く……」
「大丈夫? それ、変わろうか?」

それを心配そうに見つめるのは二対の翼と獣耳を生やした少女。
透き通るような声、折れてしまいそうな程に細い腕の持ち主は、
どう足掻いても男が悲鳴を上げて持ち上げている重荷を代わりに運ぶことなど出来そうにないのだが、
ここ幻想郷では、そんな常識も通用しない。背中に生やした妖威の証と、紫炎揺らめく瞳の色が、何よりの証だ。
そんな人とは違う存在が、優しく助けを差し伸べるも、男は……

「大丈夫……僕だけで出来るよ、僕だけ……で」

男は、頑固だった。そういう生物なのだ。少女もそれをよく分かっていた。
そうして、無理しすぎて体を壊すことも。彼以上に、人間の限界というものを良く分かっているのだ。
だから、虚勢を張って徒労を重ねる男の姿を……小動物を見るような、愛しい、といった眼差しで見つめることができた。

「……」
「っ……あれ、かる……く?」

夜雀の少女、ミスティアは呆れを表情にだすこともせず、そっと箱の片側に手を添えた。
手を添えた……細長い端整な指は、しかし大の男が持ち上げるのに苦労している重荷を、軽々と支えてしまう。
外れかけた蓋から着流しが零れそうになると、慌ててそれを片手で戻して見せるのだった。

「あ……えっと……」
「まあ○○だけでも運べるかもしれないけれど」

こういうとき、お礼を言うべきなのだろうか。自らの分を弁えぬ無謀さに恥入り謝るべきなのだろうか。
バツが悪そうに言葉を詰まらせる○○と呼ばれた男に、ミスティアは微笑みかけて、

「二人の方が、もっと速く運べるから……ね?」
「……うん、ありがとう」

優しく、諭すのだった。



「ふぅ……お疲れ様」
「お疲れさま、○○」

抱えていたものを地面に降ろすと、○○は気の抜けた炭酸のような溜息をついてミスティアを労う。
返しに、ミスティアもなんだか楽しそうに労いの言葉をかけるのだった。
荷物は今運んできた衣服の入った収納箱で最後だった。他には布団やら、食器やら、同じくらいの箱が二、三置かれている。
これが引越しの荷物であるならば、あるいは少なめなのかもしれない。
それでも、慣れない一人の男が一度に全て片づけてしまうには、多すぎるのだった。

「ミスティア……ありがとう、それと……ごめんなさい」

すっかり疲れきっていて、言葉に覇気を感じられない。
それでも表情は大きなことを成し遂げた達成感に満たされていて、そんな○○が口を開く。

「ん〜? なんで謝るの?」

ミスティアが不思議そうに訊ねる。あるいは意地悪な表情を浮かべて。
本当は自分の心情を全て分かった上で、弄ぶ為にあどけなげに訊ねているミスティアを、少しずるいと○○は思う。

「その、お手伝いさせちゃって……あと色々危なっかしくて」
「ふふふ……」

○○の言葉に、ミスティアは穏やかに微笑む。
――私の為に何でもしようとして、結局失敗して二人の労力を増やして、
その結果全て自分の行いが迷惑だと思い込んでいる○○。
私と長いこと付き合ってきて、誰よりも人間の限界と妖怪の差を分かっている筈なのに、
まるで理解することを拒むように分不相応な無理する○○が、
――そんな○○が、ミスティアは大好きだった。

「またそうやって謝ったりして……」

項垂れる○○の頭を両手で包み、そっとなでさする。
小さな身体、小さな腕に男の大きな頭……
でもその本質は、案外ちっぽけな男を、大きな存在が包んでいるのだ。

「私は、別に怒っても手を焼いてもいないよ」
「ぁ……」
「私の前ではしゃいで、頑張っちゃう○○も可愛い♪ ……大好き」

ミスティアの指が○○の頬をなぞり、表皮を擦りあげる。
妖しい色香を湛えた瞳には、呆けた○○の表情を写し、あるいは獲物を見定めする猛禽のように、
捕らえた獲物を、自慢の○○を自ら誇るように、指先一つ一つで肌の感触を得るように。

「私の目の前で、いくらでもいいトコロ見せようとすればいい」
「……うん」
「そしたら私がそんな貴方を挫いて、手を差しのべて、○○の目論見を台無しにしてあげるわ」
「はは……ミスティアは意地悪だ……」

そんなミスティアの意地悪が、何よりも大きく深い愛に基づくものであることを、
○○もまた分かっているのだった。

「あ、でも私の見てない所で無理するのはだーめ」
「うん、……約束する」
「ふふ……それで、いいんだよ♪」

意地悪の中の優しさに、ミスティアの全てを包み込むような愛に浴して、
○○もミスティアの愛に応えようと安らぎの中で決意を新たにするのだった。

「さておき、無事引っ越し終わりだね〜♪」

○○の引っ越し、それは恋人になり伴侶になった二人が待ち焦がれた、同居でもあった。
これまで、○○はミスティアの家に通い妻ならぬ通い婿を平安人のごとく行っていた。
結局のところ、屋台業を終えて朝早く帰るミスティアのために朝食を作ったり、
お風呂を沸かしたり、はたまたそのまま抱き枕にされてしまったりと、
○○は自宅を空けて彼女と過ごすことのほうが多かったのだが。
ミスティアにとっては引っ越しというよりも増改築である。
屋台にキッチンと就寝スペースがあることから、
ミスティアの自宅は屋台の格納に必要な最低限の施設しか揃っておらず、
実際○○も屋台で寝ていたのだ。人間抱き枕は狭い空間で添い寝する合理的な就寝方法なのである。

「その、ミスティア」
「ん〜?」
「ありがとう、な」
「ふふ、なんのことかしら」
「分かってる、でしょ」
「ん〜、何のことやら♪」

引っ越しの提案は、○○にもっと人間らしい文化的な生活をしてほしい、
ミスティアの提案であった。

「何はともあれ、お疲れ様」
「ミスティアこそ、お疲れ様。僕だけのお引っ越しなのに、手伝わせてごめんね」
「だからぁ、それはもういいの。貴方のお引っ越しは、私にとってもお引っ越しよ?」

ミスティアは、申し訳なさそうな表情を浮かべる○○の額を、そっと擦り髪を持ち上げる。
丁寧に諭されてしまうと、なんだか子供扱いされているみたいで、○○は少し恥かしくなる。頬に熱が篭るのを感じる。
そしてそんな自分の反応を、ミスティアは楽しんでいるのだと分かっていた。
だから、もう恥かしいからよして、と拒むのも忘れて久しい。

「それに、○○の役に立つことだったら、何でもしてあげたいしね」
「あー、それはずるい。僕だって、ミスティアの役に立ちたいのに」
「あら? ふふふ」

拗ねるような男の声に、ほんの少し、幽かなくらいに、哀しさや無念が込められているのを、ミスティアは聴き逃さない。
何でもミスティアに助けられてしまう無念。ミスティアに何も出来ないしてあげられないという悔しさ。
そんな○○の心情が見え隠れする度に、ミスティアは○○を可愛いと思うのだった。

「大丈夫、ちゃんと役立ってるよ♪」
「えっ?」
「こうして、側に居てくれて、いつも帰りを待ってくれている○○が、
 私の、元気の源……なんだよ」
「ぁ……ぅ……」

腰を抱かれ、まじまじと見つめられて、視線を逸らすことすら許されず、
微笑みながらも神妙に真心を囁くミスティアに、堪らず○○はくぐもった声をあげてしまう。
恥ずかしくて、あるいは自分でも気持ち悪くて、出したくなんてないのに、
熱い抱擁があまりにも気持ちよくて、喘ぎのような声が溢れてしまう。
そんな○○自身が拒んだ矯声も歌姫には心地よいと受け入れられて、
ミスティアは、少し嗜虐の隠った微笑みを返した。

「○○……大好き♪」
「ミスティア……僕も、大好きだよ」
「ふふ……」

○○の返事に、ミスティアは嬉しそうに微笑んで、抱きついたまま男の胸板へと顔を埋める。
堅くて厚いだけの、柔らかさの欠片もない胸板。荷物を運んだばかりの○○は少し汗ばんでいて、
牡の匂いがミスティアの鼻腔をくすぐると、満足そうに頬擦りを始めるのだった。

「あ……ミスティア、くすぐったい……」
「○○……いい匂いがする……」
「そんなことないよ……臭いだけだよ。せめて体を洗わせてよー」

ミスティアにマーキングするような頬擦りをされて身をよじる○○。
だが一向に離れないのは、ミスティアが妖怪じみた力で抱き抱えているからか。
○○もまんざらではないからなのか。

「ダメなの? 残念ねぇ……じゃあ代わりに」
「……?」
「一緒にお風呂、入りたいな♪」

代わりに、と彼女は言った。代案を受け入れると、大抵彼女のペースに飲まれることは、
○○はよく分かっていた。実際、上目遣いに○○を見つめる瞳は、妖しく揺らめく紫煙の奥に、
獲物を見るような眼光を湛えているのだ。
そして○○は逃げられない。ミスティアはずっとこの時を待っていたのだ。

「うん、いいよ。入ろうか……」
「ふふふ……」

妖しく微笑むミスティアに導かれながら、
なにかされてしまうことを期待してしまっている自分に、
○○は、すっかりミスティアに毒されてしまったなぁ、と思うのだった。



「おー、いいお風呂だ」

先に浴場へと入った○○は、新しく増設したその造りの良さに一人ごちる。
板に使われている木は檜だろうか。幻想郷では特別珍しいものではないものの、
香ばしい匂いはそれだけで、湯浴みの一時を贅沢なものにしてくれる。
一方で水捌け周りや蛇口には金属が使われている。こちらは少々珍しい。
何でもミスティアの屋台客の河童に依頼して作らせたものらしかった。

「シャワーついてる……便利なもんだ……」
「○○〜? 入るよ〜♪」
「あ、うん。おいで……入り口狭いから翼に気をつけて」

そうこうしているうちに、着替えていたミスティアが浴室に入ってくる。

「あら〜立派なお風呂ねぇ、いつも行水で済ませる鳥風情にはもったいないかしら〜?」
「そう言わずに、ミスティアもゆっくり楽しもうよ」
「ふふ、冗談♪ 結構私も、楽しみにしてたんだよね〜」

ミスティアはバスタオルを巻いて入ってきたが、これまた際どい肌の露出具合である。
そもそも、これまでも

「ん? どうしたの♪」
「いや、その……綺麗だなぁって」
「あらぁ、まだ見るところ見てないのに、ふふ……貴方も素敵だよ」
「ああ……ありがと……」

バスタオルの上端は、双丘にそびえる桜色の突起がぎりぎり隠れる程の所で締まり、
その豊かな鶏胸肉、もとい肉丘の山と谷が強調されるようになっている。
下端はというと、これまた際どく秘裂と鼠径部がなんとか隠れるといった具合で、
汗とも別のナニかとも見分けがつかぬ透明の液体が滴る太ももの間からは、尻たぶが見えそうな程である。
○○との仲である。全裸でもあえて防御力と破壊力を両立した出で立ちで臨む辺り、
自分は無事にこの浴場を抜けることはできないのだと○○は悟った。

「とりあえず、ミスティアの体を洗わせてよ」

そう○○が口を開いたのは、早く純白のベールをひん剥いて、
隠された濃艶な肢体を情欲のままに貪りたいわけではない。
それは別に、○○に性欲が無いわけではなく、
本気のミスティアに体力も欲求も敵わないのを知っているので、
先に手を出した所で啼かされるのが自分だと分かっているだけである。
ただ、○○は労ってあげたかったのだ。自分の荷物を、嫌な顔一つせずに運んでくれたミスティアに。
しかし、

「だめ、私が先に○○を洗う番よ」
「えー、どうして?」
「どうしても、よ。ほら、早く背中を向けなさい」
「むぅ……ミスティアばかりずるい。僕も、ミスティアを労ってあげたいのに」
「ふふ、ありがと♪ 別に逃げないわ……後で洗わせてあげるから、ね?」

そう諭すと、○○はしぶしぶと無防備な背中をミスティアに晒した。
否、決してミスティアに体を洗われるのが嫌な訳ではない。むしろ、幸せすぎてどうにかしてしまいそうなのである。
そしてそれ以上に、完全にミスティアのペースに嵌ってしまうのが、不安で仕方ないのだ。
ミスティアの手中に堕ちるとき、大抵○○は“シアワセ”にさせられてしまう。前も後ろも分からない程に。
でも○○はそれだけで終わってしまうのが嫌だった。自分も、ミスティアに何かしてあげたい。
こんな自分を選んでくれたミスティアに、自分を選んで良かったと思ってもらえるように……
……それが、○○のなけなしの矜持。

そんな○○の一面が微笑ましくて、愛しくて、なおのこと○○を幸せで何も見えなくしてしまいたくなる、
そんなミスティアの、夜道で人を惑わし暗闇に陥れる怪としての一分。

「っ!? ひゃっ!!」
「んふ、どうしたの? そんな声あげちゃって……」
「た……タオルは……っ!?」

ミスティアが、ソープを泡立てた手のひらをそっと○○の背中に這わせると、○○は甲高い声をあげて身震いした。
その○○の反応を予想していたように、更には期待していたかのように、ミスティアは動きを止めることもなく、
ゆっくりと表皮を滑らせるようにして泡を塗り拡げてゆく。肩へ、腰へ……鎖骨へ、鳩尾へ……
爪を収めた御本の指に、その小さな面積に意識を集中して、○○の肌を、表皮を感じるように、鋭敏にさせて滑らせる。
抗議する○○の耳に口元を寄せて、生温かい吐息を篭らせた言葉を、焦らすように責めるように囁く。

「タオルなんて……使わないよ」
「ぁ…、っ、はぁ……」
「○○の大切な肌を……傷つけちゃ、いけないからね」

泡をたっぷりと乗せた手のひらで、ぬめり、ヌメリと○○の肌に塗りつけてゆくミスティア。
指は表皮を傷つけまいと繊細に、しかし撫でられる○○にははっきり分かるほどにいやらしく蠢いて、
触れられるたびに、○○が身震いして声を荒げる経絡を探り当てては、
そこを集中的にくりくりと刺激して感度を開発してゆく。

「っ……ん、ミスティア……くすぐ……ったい」
「ん〜? 本当に、くすぐったいだけなのかな?」
「っ……ぁぁぁ」

直接、性器や乳首に触れるようなことはせず、それ以外の、性感帯に指をねっとりと絡み付ける。
あるいは、彼女が触れた場所が○○の新たな性感帯となるのだろうか。
上気する○○の感度に合わせるように、ミスティアの手は上へ上へと上り詰めてゆく。
肋骨、胸板、鎖骨の窪みで一旦立ち止まり、性感を弄ぶようにくりくり……
そして、首。薄皮隔てて温かいモノが流れる、首筋。

「ぁ……」
「ここ、洗い残すと毛穴が詰まって汗疹になるからね♪」

指はまさに、後ろから首を絞める形で、暫く泡の上を滑らせてから、ピタリとその動きを止める。
軽く力を込められて、きゅぅぅと首が絞まる。端から見れば、紛れもなく絞首の現場である。

「ん……く」
「しっかりと洗わないと、ね」

勿論、ミスティアが○○の首を絞める筈もなく、軽く、皮膚の上にただ指を乗せる程である。
そのすぐ下では熱い血潮がドクドクと流れていて、○○自身の脈動をミスティアの指を通じて肌で感じることができる。
自分の命をミスティアに握られている……そこにあるのは苦痛でも恐怖でもない、快感と幸福。
命の危機には種を残そうと性感が昂ると云われるが、そうではない。
自分が信頼して愛した女性に命を預けている、その安心感と誇り、それを感じることができるのが、幸せであり、快感でもある。

「ふふ、首筋は特に弱いのねぇ」
「ぁ……ぁ、っ……」

ミスティアの指は、弦を震わせるように敏感な首筋を擦り、○○は媚悦を帯びた音色を奏でる。
指に摩られた場所が熱くなる……ふつふつ、血管を流れる血液が沸騰しているかのような錯覚を覚える。

「んふ、鳥肌立ってきた。気持ちいいんだ♪」

○○の耳に口元を寄せて、生温かな呼気をたっぷりと含んだ声を、耳孔に注ぐように囁くミスティア。
五本のしなやかな指は使いなれた得物のように肌を擦り、その度に○○の体が震えると、○○を苛む感触を恍惚と得てゆく。
首筋の柔肌、薄皮隔てて温かいモノが流れる血管の感触が小気味良いのか、ミスティアは青筋をなぞりながらうっとりと目を細め、
ほぅっと熱い吐息を零す――それがまた○○の耳に絡みついて、○○は切なげに啼く。

「ミス……ティア…、っ!」
「んー? どうしたの」
「首…、ぁ……ばっかりっ……ぁぁぁ」
「ふふ……じゃあ前も洗うために、もっと体近付けて……っと」

○○の体に腕を回し、キュゥと抱きしめる――華奢で細い少女の腕……なのに力強く、圧を放つ妖の腕。
ミスティアは神経を使う、生身の人間である彼を傷つけないように、
大好きな彼を思いっきり心の底から抱きしめたい欲求との間でせめぎ合いながら。

「あ…、ん♪」
「っ!?」
「タオル、肌蹴ちゃっ……た。 ふふ♪」

ミスティアが身に着けていたバスタオルは、はらりと舞い降りて――あるいは態とずりおろして、
瑞々しくハリのある生肌が、○○の背中に密着する。
ぷるんと弾力のある豊かな双丘の感触を、その中心で硬く聳える乳嘴の感触を、○○は否応が無しに意識させられてしまう。

「背中に……っ、当たって……ぁ」
「こうすれば、前も後ろも……洗えるわね♪」

ゾクゾク……背筋を震わせる○○を、ミスティアは深く抱き、耳元で淫蕩に囁いて○○の官能を煽る。
○○に塗りたくられた泡を自らの柔肌に乳房に馴染ませるように、そしてそれをまた○○の背中に塗り拡げるように、
体全体で、○○の上半身を扱きあげるように、器用にすりつけてゆく。

「ねぇ…、これって、もう体を洗うとは……ぁ、っ…、言えないんじゃ……ないかな?」

頬を紅潮させ息を荒げる○○の言葉は、語彙こそ抗議の言葉で出来ているものの、
その語調からは批判の意を汲み取ることはもはやできず、ただひたすら快楽の波に煽られ、溺れ喘ぐのみ。

「あら? 失礼ねぇ、少なくとも生肌で洗った方がお肌に良いというのは本当よ?」
「ぁ……ぅ、確かに…、っ…、血流よくなって、新陳代謝とかよくなりそう……だよねっ…、ぁぁぁ……」

背中に自らの生肌を擦るだけではなく、首筋を虐げていた指もしだいに蛇行しながら焦らすように肩へと滑り降りて、
鎖骨をコリコリと弄び、期待させるような手つきで、胸板に渦を描くようにして撫で擦る。
耳に吐息を吹き注ぎながら、○○の吐息、零れる喘ぎに耳を傾け、少しずつ“核心”に迫ってゆく。

「っ…、ぁ……指が…、ぁぁ……ひ」

一たび、そしてまた一度、ミスティアの細くて端整な形をした指が、○○の胸板に聳える小麦色の突起を弾き、磨き、撫で擦る。
男にとって意味を成さない、○○の其の場所に、ミスティアの指が新たな意味を与えるように。
頭では、其処が男にとっても立派な性感帯であると理解し、割り切ろうとしても、
心のどこかに残る恥かしさや切なさが――男が感じてはいけない快感、恥かしい快感――○○の身心を責め立てる。
乳首責めで官能を擽られ、あられもない痴態を晒してしまうことに対して、
胸の中で燻る羞恥心が、背徳感が、○○の理性を苛み、頭の中を更なる快感で蕩かしてしまう。
そんな○○の顔を、誰よりも近い場所で、可愛いものを見つめるような眼差しでミスティアは見つめ、
得意の料理のように指を躍らせ、徐々に硬さを増す乳嘴を、そして○○の嬌声を掬いとる。

「ふふ、柔らかいおちんちんが、んっ…、少しずつ硬くなるのを……手で感じるのもいいものだけれど……」
「はぁ…、ぅ…、ぁ……」
「ふにゃってした乳首が、少しずつコリコリしだすのを指で感じるのも、いいもの…、ねっ♪」

乳嘴の屹立を育てるように、優しく渦を描き、掬い積み上げるような指使いで刺激を与えつつ、
自らも○○の背中に押し当て、擦れ合う双丘から伝う穏やかな快感に、そして○○のあられもない痴態に、
興奮を隠しきれないと言った様子で、ミスティアは艶かしい声を上げながら、婬猥に体を擦りつけてゆく。

「ふふっ……ん…、アハ♪ 気持ちい♪ ぁ……私も、勃ってきちゃう♪」

○○の背中に、柔らかな乳丘の中心で聳えるモノがあてがわれ、ゆるゆる、ゆらゆらと上下に揺れては背筋をなぞる。
柔乳が揺れる度に、ミスティアの口からこぼれる生温かな吐息が零れては○○の耳を震わせ、背筋を震わせる。
そして乳首を苛んでいた指は、泡に塗れた肌を滑りながら下降してゆき……

「んふ♪」
「っ……!? ぁ……」
「こっちは、触る前から硬くなってる、ね……」

○○の股間で屹立する剛直にミスティアの指が触れる。裏筋をなぞる。
肉棒を構成する海綿体に、熱い血液が欲望と共に充満しているのを確かめるように、愛でるように、
小さな指の腹をめいいっぱい密着させて、ゆっくり、ゆっくりとなぞり上げる。
張り詰めた弦を指で弾くように……そして振るえる琴線は○○の口から呻きとして、音色を奏でる。

「ぁ…、っ! はぁ…、ミスティアっ……これも、体……洗ってるの、か?」
「当然じゃない♪ ん♪ 一番大事なトコ♪ これから洗ってあげるのよ?」
「その物言いが既に、っ…、ぅ……ヱロの言いまわしじゃ、ないか?」
「まぁここまでくれば……もう○○は逃げられないわねぇ♪」

ミスティアは細く、しかし妖怪の良質な筋を備えた腕で○○の体を抱きしめて、がっちりと体を固定しながら、
手首を器用にスナップさせて、泡を肉棒にたっぷりと擦りつけながら扱き立てている。

「別にっ…、逃げたりなんて、っ……しない……」
「アラ……腰が引けてるように見えるんだ、け、ど♪」
「ぁ…、っ……んっ…、ぁ……」

肉棒へと打ち寄せる快感に体を震わせる○○を、逃がすまいとするようにミスティアは抱きしめる。
ぴったりと体を密着させて、充血した剛直を扱くたびに○○が震え喘ぐ様子を全身で感じながら、
淫蕩な眼差しを、顔と肉棒とに交互に注ぐ。

「理性と体は私から逃げようとして……でも、心では私に、犯されたがってる♪」

○○の耳元で、情欲とほんの少しの冷たさを込めた声を囁くミスティア。
こんな瞬間を、彼女は心地よいと感じる。妖怪として、人間を襲うという本能に従う一時。
屠り、喰らうという本来の姿とは形が違えど、妖怪としての自分を、
大好きな○○に曝け出せる喜びが、ミスティアを興奮させてゆく。

「手、なんかじゃ、ちゃんと洗えないね……もっと凄いトコロで、洗ってあげる」
「ぁ…、どういう意味……っ!?」

ミスティアは○○のペニスから手を離すと、一旦抱きしめていた腕を解き、
そして背後から○○の正面へと移動して、股間の上に跨った。
無論、服もタオルも身にまとうことなく、つま先立ちになって、陰唇と鼠蹊部を曝け出すような格好で。

「体洗いだったはずのものが、いよいよ行為へと変わってきたな……」
「ふふ……物分かりが良くて、助かるわ♪」
「まあこんなことになるのかな、とは思ってた」
「偶には、お風呂プレイもいいかな、と思ってねぇ」

屈淫蕩な眼差しで囁くミスティアに○○はたじろぎつつも、露わになった妖艶な肢体に、興奮と恥かしさを隠しきれない。
前傾して屈んだその姿勢が、豊かな乳房を、柔らかそうな脂肪に程良い腹直筋を強調させ、
愛すべき伴侶の美しき裸体とは言え、目のやり場に困りただ視線を泳がせる○○に、
ミスティアはちょこん、と額を重ねた。そして濡れそぼる秘所も、屹立した剛直の先端へとあてがい……

「っ…、ミスティアっ……」
「ふふ、じゃあ挿れちゃうよ……んっ♪」
「ぁ……」

既に濡れそぼっていたミスティアの陰唇は、少女相応の小さな穴には大き過ぎるようにも思える○○の肉棒を、
しかし難なく飲み込んでしまう。

「んぁ…、挿入ってくる♪ あは♪」
「っ…、ぁ……」
「んぅ♪ 奥に当たっちゃっ……た♪」

淫らな水音をたてながら肉棒の根元まで恥丘に包み込まれて、ついにその姿を確認することはできなくなった。
充血し屹立しきった○○の剛直は、色香を放ち愛涎を滴らせる女陰の深さよりもずっと長く、
ミスティアが体重を載せて股間同士を触れあうように押しあてると、肉槍の先端がグニグニと子宮口を押し上げる。
硬くて熱を放つモノが、お腹の奥を持ち上げる感触に、ミスティアは軽く身震いして湿っぽい吐息を漏らした。

「ふふ……ナカで震えてる♪ ん♪ ぁ♪」
「っ…、ぁぁぁ……」
「あぁ……○○、いいカオしてる♪ でもきっと私も人のこと、言えないわねぇ」

○○の分身はミスティアの中、肉竿は膣肉の襞に愛されるように絡み付かれ、亀頭の先は子宮口に捕食されるように食まれる。
ヒトを襲い、ヒトを愛したミスティアの二面性を表すような女性器の抱擁が齎す快感と多幸感に、○○は切なげに顔を歪めた。
快感が○○を支配したのを表情から見て、ミスティアは満足げに微笑んだ。

「あぁ…、今すぐ動きたいけど……こうして繋がったまま静寂を楽しむのもいいわね」
「はぁ……ぁ、ミスティアぁ……」
「ふふ、可愛い顔♪ こんなにも、近い……」

○○の紅潮した頬を、ミスティアの掌がそっと包みこむ。
呆けて半開きになった○○の口元に、ミスティアの親指が滑り込んで、唇の皺を伸ばしてゆく。
興奮で敏感になった○○のカラダは、もはや頬でさえも性感帯のように、ミスティアに触れられれば熱く、疼く。
あるいは、ミスティアの指使いの巧みさが、○○の官能を昂らせ、身も心も震わせてしまうのかもしれない。

「ね、キス……しよっか♪」

もう既に触れてしまいそうな程に近い、二人の唇と唇。ミスティアの唇が淫蕩に動き、妖しく囁く。
勿論情欲に任せて無理矢理奪っても良かったのだろう。しかし、あえて合意を取り付けるのがミスティア流。
接吻の宣告に期待、そしてミスティアの毒気を帯びた吐息に中てられて、
○○は己の唇が熱く疼くような、腫れあがるような、あるいは、熟れて蕩けるような錯覚を覚える。

ミスティアの提案に、○○は固定された顔を縦にも横にも振ること叶わず、言葉も喘ぎに遮られて意味を為さず、
ただ彼女の華奢な体を精一杯抱きしめることで、合意の意思を示そうとするのみ。
○○の合意を受け取ると、ミスティアは軽く押さえつけるようにして体重を乗せて、
まずは啄むように軽く……

――ちゅ♪

軽く、触れた。
ただ触れ合うだけの、挨拶のようなキス。
潤った粘膜同士が触れあい、僅かに形を変える。膨らんだ唇に詰まった幸せが、快感が弾けて、溢れだす。
○○とミスティアは二人、体を震わせる。
それは背筋だけでなく、ペニスを優しく包む柔肉の襞も、秘裂に深々と挿しこまれた一物も例外なく。

「ん、ちゅ……キス……きもちいいね♪」
「ぁ…、っ……」
「でも○○って、キスするとちょっと困った顔するよね」
「そんなことは…、ない……と思う」
「実はキス、あまり好きじゃない?」

唇はすぐに解放されたが、○○は虚ろに眼差しを仰ぎ呆然としている。
そんな○○に、少し意地悪っぽい視線を注ぐミスティア。耳元に艶のある声で囁く。

「嫌いじゃないけど……大抵ミスティアに良いようにされるから、悔しい」
「ああ、そういうこと。ふふ、可愛いわね♪」

また○○に顔を近付けて、○○の頬をそっと手の平で包み、男の短い髪を掻き上げるミスティア。
再びキスをされてしまう……悔しがる言葉とは裏腹に、○○の表情には期待と興奮が入り混じる。

「でもすぐに、悔しさなんて考えられなくなるわ……ん、ちゅ♪」

唇同士が触れる。初々しさ溢れる軽いキス。初心とは異なり、二人の瞳は見開かれている。
とても近い距離、互いの瞳孔が虹彩に映り込む程に近い距離で見つめあう。
唇に生温かな吐息があたってくすぐったい。甘い香りが鼻腔に広がる。
匂いに遅れて、お互いの熱が唇の先端に伝わる。ミスティアの温もりは少し熱く、○○の熱はミスティアには少しぬくい。

――ちゅ……ちゅう♪

再び唇が触れる。今度はもっと深く、形が潰れるほどに。
もっとも近い距離で見つめあい、口づけ合う多幸感に、性器同士で繋がっていることを一瞬忘れるも、
すぐに接吻の快感から性器に血流が巡り、○○とミスティア、二人は繋がっていることを思い出す。
ミスティアの媚肉が貪欲に締めつけてくるのを感じる。○○の肉棒が中で暴れているのを感じる。

「はぁ…、ん……ちゅ…、ふっ…、ん…、ちゅ……」

今度は何度も口づけを繰り返す。口づけては離れ、互いの蕩けた表情を確認して、また口づける。
音も立たないような静かなキス……二人の胸の鼓動だけが聴こえる。
唇同士が触れる感触に意識が集中して、どんどん敏感になってゆく。二人の影が重なる度に、小刻みに震える。

「ちゅ……んふ、キスするたびにおちんちんがビクビク震えてるわね♪」
「ぁ…、はぁ……ぁ……ミスティア……」
「可愛い唇……吸ってあげる♪」

薄桃色の健康的な唇……その狭い隙間がゆっくりと開く。
唇の奥は吸いこまれそうな深い闇に隠れ、中の様子を窺い知ることはできない。

――ちゅうぅ♪

柔らかいミスティアの唇が、○○の唇に齧り付き、温かく包み込む。
○○を煽情ように、態とらしく口吸いの音を立てて、今度はすぐに唇を解放することなく、○○の反応を楽しむ。
両手で抱きしめている○○の体が、唇を拡げる度に震え、
自らの内奥で膣肉に苛まれる○○肉棒が、唇で挟むのに合わせて律動する様子を、
快感を共有しながら、どこか楽しみつつキスを続ける。

「ちゅう…、はむぅ……ちゅる……もっと、深く♪」
「ぁ…、っ!? ぅ…、んむぐ」

顔を傾けて唇を深く交叉させるミスティアのキスの様子は、人間を貪る妖怪のようでもあり、
雛鳥に食餌をやる親鳥のようでもある。唇の感触で、唾液が絡む音で、触れてしまいそうな程に近い眼差しで、
○○に残されたなけなしの悔しさを潮解させて、接吻の快楽を享受できる心と体に作り変えてしまう。

「ちゅう…、ちゅ……んふ、腕に力が入らなくなってきた?」
「はぁ…、ぁ…、っ……」
「ん♪ そう指摘されると、すぐにぎゅって抱きしめてくれるんだぁ。大好き♪ ん、ちゅう」

唇を強くいやらしく吸われて、○○の体から力が抜けてゆく。
ミスティアを抱く腕は力なく痙攣して、時折思い出したかのように力を込めてミスティアに縋りつく。
キスの合間に零れる二人の吐息が、喘ぎが、荒々しくなってゆく……

「ぷぁ…、ハァ……ミスティアぁ……」
「ふふ、凄くいいカオだよぉ♪」
「ミスティアだって……気持ち良さそうな顔してる」
「あは♪ ね、唇を開けて……下のおクチのように、上のおクチは私が挿れてあげる♪」
「あ……ぁ」
「ん、覚悟を決めたようないい顔♪ それじゃあ、いただきま〜す、ん……」

口を開かせる……その理由は一つしかない。
ミスティアの小さな唇の隙間、暗闇の中でのたうち蠢動するモノが、○○の無防備に開かれた口腔に狙いを定める。
ミスティアは勿体ぶるように、改めてゆっくりと唇を近付けてゆく。
ゆっくりと、ギリギリまで○○の恍惚に染まる瞳を見つめる為に。
そしてゆっくりと触れあう唇と唇。でもまだ止まらない。二人の距離はもっと近付く。
柔らかい唇同士が重なり合って、潰れあって、隙間なくぴったりと交わって……

――ちゅる♪

明らかに自分のものとは異なる粘膜質のナニかが口腔内に滑り込んでくる感触に、○○は体を小さく揺らす。
もう恋人になって、夫婦になって、何度も経験した筈の濃厚で深いキスなのに、つい初々しい反応をしてしまう。
否、何度もしているからこそ、その快感が、多幸感が魂にまで刻まれていて、体が反応してしまうのかもしれない。
そんな○○の反応を眺めるミスティアもまた、飽きることなく楽しくって、幸せで、何度もキスをしたくなってしまう。
人間を蹂躙し欲望のままに貪る妖怪の本能、形は違えど――食べる為でなく愛する為に――たしかにその姿が、此処にはある。

「ちゅる…、れろ……ちゅ、ちゅう…、ぴちゃ♪」

いやらしい唾液の絡む音を立てながら、ミスティアの舌が○○の歯茎を、舌の付け根を、上顎を這いずりまわる。
口内を乱暴に掻き回され、蹂躙される快感に、○○の肉棒がミスティアの肉壺内でビキビキと反応する。
怒張の律動に合わせて、ミスティアの舌が突き挿れされる――ジュブ…、じゅぶ……奥に、奥に。
舌を丸出しにしたミスティアのキス顔は、あるいは情けない煽情的で品のない表情なのかもしれないが、
目と目がくっつきそうな程に近い距離で濃厚な接吻に応じる○○には、それを確認する術はなかった。

「ちゅるる…、れちゅ…、はむぅ…、ん…、ちゅるる」

○○もまた、ミスティアの舌に自らのを重ね、濃厚に絡ませる。
それはこれ以上ミスティアに好き勝手させないための、ささやかな抵抗なのかもしれないし、
やられっぱなしは悔しい故の小さな反撃なのかもしれないし、本当は単にミスティアに対する感謝の奉仕なのかもしれない。
どうであれ、○○が舌を絡めてきたことにミスティアは瞳を緩ませて笑い、より激しいキスへと誘う。
淫らな舌の動き、なにか生物の交尾や睦みあいを連想させるような、濃厚で激しくて、思いやりだけでできた舌同士の絡み合い。

「ん、ちゅぅぅ…、ちゅう……ぷぁ……んふ♪」

ミスティアが唇を離す。でも触れてしまいそうな僅かな距離で。唾液はまださらさらとしていて、後引くものは何もない。
○○の口腔に新鮮な空気が入る。その涼しさに、呼吸をするのも忘れてキスしていたことに気づかされる。
ミスティアはというと、やはり上手なのか、顔を紅潮させながらも得意げな表情で息を荒げる○○を見つめている。

「はぁ…、ぁ……」
「あはぁ……○○、捕まえちゃっ……た♪」
「ミスティア…、ぁぁぁ……」
「もっと…、食べちゃお♪ あぁむ…、むぐ……ちゅぅぅ♪」

○○の頭に酸素が回ってきた所で、再びミスティアが唇を塞ぎ、舌と共に吐息を○○の口腔へと流し込む。
唇は斜交いに重なり合って、みっちり密着して吐息が零れる隙間はない。吐息に乗せて、いっぱい、いっぱい、○○に注ぎ込む。
行き場を失ったミスティアの呼気は、鼻腔に充満して、○○の頭を甘い嗅覚で満たしてゆく。

「ちゅる…、ちゅく…、ぴちゃ……レロレロ」

舌の付け根、頬肉、上顎……ミスティアの舌が○○の至る所を這いずりまわる。
忙しなく、でもゆっくりと○○の粘膜を舐り、舌のざらつきを味あわせてゆく。

「ちゅ…、ちゅむ…、はぁ……れろ…、はぁむ♪」

○○の口内を一周した後は、唾液を舌に乗せてもう一周。たっぷりと唾液を○○の粘膜に塗りつけてゆく。
ほんのり甘いミスティアの唾液。自分のとは異質な粘液を塗り込まれた場所が熱く疼く。
細胞の中にまでミスティアの唾液が浸透していって、敏感な性感帯へと作り変えられてゆく。

「はちゅ…、ぷぁ……体が震えてる♪ それにおちんちんも、ん…、ちゅく…」
「っ…、んぐ……ぁ」
「気持ちいいね……素敵だね……大好き、だね……はぁむ♪ ちゅ…、ちゅるる」

ミスティアの舌に舐られて、ミスティアの体液を芯まで浴びて、○○の口腔は唾液の分泌を促進させ、溢れかえらせる。
○○の口内に満ちる唾液を、ミスティアは舌をおわん状にして器用に掬いあげ、啜りあげる。
じゅるじゅる…、ちゅるちゅる…、淫らな音が部屋に響き、頭の中に響く。頭の中までかき混ぜられる。
もっと○○の唾液を啜りたい、○○を味わいたい……貪るように吸付くミスティア。

「ちゅ…、ちゅる……私の唾液も、飲んで♪ ちゅく…、ぴちゃ」

今度はミスティアが○○の口内に唾液を注ぎ込む。先程のように頬に塗りつけるのではなく、
喉の入り口まで舌を挿し込んで、熱い唾液を抵抗出来ぬ喉奥に注ぎ込んでゆく。
柔らかくて滑らかな喉粘膜にミスティアの舌が触れて、優しく突く。
喉を這いずりまわる異物感と嘔吐きに、○○の体は反射的にミスティアの唾液を飲み干してゆく。

「ん…、はむぅ…、ちゅう…、くちゅ……れろれろ」

どろどろ……トロトロ……ミスティアの唾液が、促されるままに○○の喉をゆっくりと流下する。
唾液を飲み込んだ喉が熱くなる、疼く。喉の粘膜が媚薬のようなミスティアの唾液に犯され、焦がされてゆく。
濃厚な唾液は○○の体内に吸収され、気化したエキスは鼻腔を、そして肺の中を満たしてゆく。
甘いミスティアの香りが脳髄を支配し、肺胞から血中に溶け込んだミスティアの体液が、○○の全身に拡がる。
喉の火照りは唾液の拡散と吸収に従って、全身へと広がってゆく。
手足の末端に。そしてミスティアのナカで溺れる肉棒にも。やがて訪れる吐精の時に備えるために。

「ちゅう…、ちゅるる……ぷぁ……♪」

解放される唇。離れる唇と唇。今度は唇同士の間に、透明なものが架かる。
橋ではない。ミスティアは上から一方的に覆い被さり、○○の顔を真上に向けさせているから。答えは透明な柱。
離れてもなお、○○の唇にミスティアの雫が伝う。微かに白い吐息が篭る。

「ぁ…、はぁ……ぁぁ」
「ふふ、出来あがり♪」

何が、と○○は微かに問いかける。
半ば放心して、言葉も発せず、けれどもそれはきちんとミスティアに伝わったようで。

「○○のえっちなトロ顔♪ 大好きだよ」
「ぁ…、ぅ…、っ……!」
「あん♪ 素に戻っちゃった。恥かしがり屋さんね。でもそうこなくっちゃ♪」

ミスティアに惚気られ、あわてて○○は気力を振り絞り、意識を回復させる。
なけなしの力を全身から振り絞り――その過程で剛直もぶるんっと震えて、ミスティアが少し戦慄く。

「ミスティアに……」
「ん?」
「ミスティアに、追いついて見せるからっ」
「っ…、ぁ♪ あんっ♪」

○○がゆっくりと腰をしゃくりあげ、揺すり始める。硬く充血して、カウパー腺液を膣内に撒き散らした怒張を抽送し始める。
それは乱暴のない、ゆったりとした、しかし確実に丁寧に内奥を肉の冠で小突いて、ミスティアの体を揺さぶる。
胎の入り口から伝わる抽送の快楽に、ミスティアは喘鳴を漏らしつつも、どこか余裕な表情を浮かべ――
――そしてその裏では、ここまで官能を昂らせてもなお冷静に、理性的に振る舞おうとする○○を、少し尊敬していた。

「あはぁ♪ そうこなくっちゃ♪ ふふ」
「っ…、僕だけが気持ち良くなるなんて、ごめんだよっ!」
「やん♪ 献身的ぃ♪ それなら、私も応えて、っ…、んっ♪ ア、ゲ、ル♪」
「ぁ…、っ…、ぁぁぁ」

○○の突き上げに応えるように、ミスティアも腰を揺すり、膣肉の締めつけを強める。
ぱんっ、ぱんっと太腿同士がぶつかる音とともに、ぬぷ、にゅぷとミスティアの秘裂が剛直を扱き立て、○○に音をあげさせる。
熱り立つ肉棒に絡みつく柔らかい襞肉、それは両腕両脚、両翼で○○を抱きしめるように、男性器を捕らえて、愛して、離さない。

「あ…、ん♪ 気持ちいい、ね♪ ぁ、はぁ…、ん」
「ぁ…、ぁ…、っ……ぁ」
「幸せ…、だね……♪ ぅ…、んぁ♪」

○○のペニスが蜜壺を掻き回す度に、ぐちゅ…、ぬぷっ…、と淫らな水音が風呂場に響く。
がまん汁と愛液で混ぜこぜになった液体は、溢れる量が多すぎて泡立つ暇もない。透明なラブジュースだけが二人の太腿を伝う。
淫靡な水音と二人の喘鳴。脳髄にまで絡みつく淫らな音に、二人は時を忘れ、乱れあってゆく。

「ん…、ぁ……♪ おちんちん、奥に届いて♪ はぁ…、ぁ…、ん♪」

ミスティアが腰を落とした所に○○が肉棒を突き上げ、亀頭に子宮口のコリコリとした感触が当たる。
子宮は○○の精を強請るように収縮して、弾力ある子宮口がぱくぱくと○○の亀頭に食みつく。
尿道内の空気を吸い尽くそうとする女陰の締めつけに、○○は快感のあまり腰を浮かせてしまう。
痙攣する腰の動きが、ミスティアの内奥を小刻みに突いて、ミスティアは歓喜に頬を紅潮させ熱い吐息を漏らす。

「んふ……震えてる♪ 体も、おちんちんも…、っ…、あは♪」
「ぁ…、ミスティア……ぁぁ、っ! 〜〜っ!」
「はぁっ…、んっ♪ ふっ…、ふふ、素敵な啼き声……もっと聴かせて……もっと囀って」

快楽でもみくちゃになった○○の顔を、両手で囲んで固定しながら、見下ろすミスティア。
人を襲う妖怪としての本性が垣間見える、○○好みのゾっとするような眼差し。
人を狂わせてしまう魔性の言の葉を○○の耳にたっぷりと注ぎ、外から中から○○を犯してゆく。
あるいは、自らも膣襞を雁首にめくられ子宮口を肉の槍に小突かれる快感で表情がニヤけてしまうのを、
悟られまいとするミスティアの照れ隠しなのかもしれない。

「ぁ…、ん♪ 感じてる顔も…、可愛い♪ もっと、見たくなる……声、聴きたくなる」
「っ…、ミスティア…、だって……可愛い、から…、っ! ぁぁ」
「んふ♪ ソコでそれを言えるなんて、ん♪ やるわねぇ〜♪ ぁは」

視線を宙に泳がせ舌を突き出し、甲高い喘ぎ声をただ漏れにする○○。すでに意識は混濁し理性はミスティアの妖気に犯されて。
それでもミスティアに惚気の一言を放ってみせる○○を、ミスティアは内心尊敬していた。
ミスティアに何一つ勝てない○○の、せめて愛の大きさだけは、という心意気。
根のところで負けず嫌いな○○を微笑ましく思いつつ、でもその愛の大きさこそが、彼女にとっても負けられない所だった。

「大好きだよ…、可愛い○○」
「っ…、僕、だってっ……ぁ……ミスティアが、好きっ」
「い〜や、私の方が○○のことが好きだねっ! ほら、啼かせてあげる♪」
「ぁ…、ぁぁぁ……」

腕と翼の中で愛を叫びもがく○○に、心も内奥もキュンっとさせられつつ、
ミスティアは体の中に挿入っている○○のモノを、柔らかな襞肉で優しく抱擁し、キリキリと締め上げる。
激しくいやらしく、そして何よりも優しい膣肉の抱擁に、○○の悲鳴が風呂場にこだまする。
背筋を反らし口を開閉させて喘ぐ○○を、熱い視線で見つめるミスティア。
人間の悲鳴は、妖怪としての嗜虐心を煽り、雄の囀りは、雌の本能を疼かせる。
○○は歌う、ミスティアを悦ばせる為に。ミスティアに喜悦を恩返しするために。

「ん…、ぁ……そんな声で啼かれちゃうと、ん♪ もっと感じちゃう♪ あは♪」

○○の嬌声と雄々しい肉棒の突き上げがミスティアの体で響いて、官能の糸を結ぶ。
張り詰めた弦を弾き、震わせるような快感、子宮を小突かれる牝の悦びとヒトを手中にいだき悲鳴を上げさせる愉しみ、
二つの本能に導かれ、奇妙な調和の中、ミスティアは上り詰めてゆく。
熱く滾る肉棒が絶えることなく抽送を繰り返し、膣襞をかき分けて内奥に接吻を繰り返す。
太腿同士が、鼠蹊同士がぶつかる、ぱんっ、ぱんっという柔らかい音とともに、電撃のような快感が内奥から脳天へと駆け上る。

「ぁ…、くぅ…、ん♪ ぁ、キちゃう♪ ぁ♪」
「ッ…、っ…、ぁ…、ぃ……」
「何も言わなくて…、ぁ……いいよ。○○も、ずっと限界、なんでしょ?」

ぐるぐる、○○の根元で熱をもった白濁が渦巻く。ミスティアの襞肉に抱かれながら分身が身悶えする。
ピクピク……精管が脈動を始めたのが伝わってくる。精嚢内の行き場を見失った欲望が、渦を巻きながら精道を目掛けて殺到する。
感度高まる肉棒を苛むように、ミスティアの襞肉はポンプ状に蠢動を繰り返しながら締めつける。

「いつでも…、んっ! ぁ……いつでも、射精して……いいんだよ♪ ぁ…、はぁっ……♪」
「ぁ…、っ…、くぅ…、ぃ……ぁ!」
「私も、イっちゃいそう……ん♪ 一緒に、イこう?」

喘鳴をあげて、力なく、けれども使命を果たすようにただ腰を揺らす○○を、ミスティアはそっと抱きしめて、
秘所から拡がる快感に意識を集中してゆく。○○の分身が膣肉をかき分け、子宮の入り口に接吻を重ね、
カウパー腺液をただ漏れにしながら開閉を繰り返す尿道から、精液を吐き出そうとしているのを感じる。
肌に触れる○○の温もり……内奥に包まれて鼓動する肉棒の息づき、○○が与えてくれる快感と幸せの全てを、全身で受ける。
絶頂に昇りつめる為に、文字通り気をやる。○○の儚い嬌声も、掠れ掠れの吐息も、全てを快感へと昇華させた。

「ぁ…、んんっ! 〜〜、〜〜っ! ぁぁ、おいで……○○」

○○を抱いて抱かれて、○○の分身を最奥に感じて、ミスティアは絶頂に達する。
今まで肉棒を貪っていたのとは異なる快感が、ミスティアの華奢な体を下から上へと貫いてゆく。
それはまるで――ぐるぐる……くるくる……渦を巻くように、螺旋を描くように、婬悦がかけ上ってゆく。
渦巻く快感……合わせて姫処の襞肉が○○のぺニスを締め付ける。渦巻いて、絶頂に戦慄いて。
亀頭も雁首も裏筋にも、優しくいやらしく絡み付いて、絶頂へと導いてゆく……同じ世界、二人だけの幸せな世界。
――“逃がしはしない、私の獲物”――四肢で○○の背を固めて、天空へと連れ去ってゆく。

「ぁ……ぁ、っっ…、ミスティ……アぁぁ…、……っ、〜〜っぁ!」

ミスティアの上げた悲鳴を、○○の嗚咽が掻き消してゆく――同じ世界へ。
どちらが少女の声かもわからなくなりそうな、甲高い悲鳴。真夜中のコーラスマスターに導かれたリエゾン。
ブ男の女々しい悲鳴を、しかしミスティアはそれを可愛らしいと思う。聴けて良かったと思う。
――“私が奏でてやったのだ”という達成感に満たされる。

「ん…、ぁ♪ 膣内に射精てる♪ あは…、温か…、い♪」

ミスティアの絶頂に共鳴するようにして、○○は体を、肉棒を震わせて、ミスティアの膣内に屈服の証を放つ。
――どくん…、ドクン……尿道が脈打ちながら――どぷり…、ドプリ……新鮮な生命素が少女の子宮に注がれてゆく。
精液が前立腺にくるまれた精管を押し広げ、膣肉に搾られる快感に喘鳴をあげる○○。その音色をそばで聴きながら、
ミスティアはお腹の中に温かいモノが広がってゆくのをうっとりとした表情で感じる。温かい、○○と同じ温もり。
――どぷっ…、ドプっ……ミスティアの手足は、なおも○○の胴を抱き締めて離さない。

「ぁ…、ぁ……」
「まだ、っ♪ 射精てる♪ 精液、奥に当たって、気持ちい♪」

ミスティアに導かれるままに、無数の生命素が亀頭を食んだ子宮口を通じて胎に注がれ、下腹に吹き付ける。
所々に膠状の塊を有した汚らしい精液が、ミスティアの胎内を汚してゆく――
――否、ミスティアは○○の白濁を、汚らしいなどとは思ってもいない。それは○○が彼女を愛してくれた証。
彼女が○○を感じさせた証。屈服させた証。妖怪として、人間を襲い、そして屠った、名誉ある勲章。

「ぁぁ……はぁっ…、ぁ…、ぁぁぁ……」
「ん、温かい……ね♪」
「はぁっ…、はぁっ……」
「精液だけじゃなくて、○○のカラダ……○○の吐息、全部温かい。感じる」
「ッ……ミスティア……!」
「だめ、まだ離さない。○○も、もっと私を感じて……」

絶頂の余韻に浸りながらも弛緩することなく、ミスティアは○○を強く抱き締めて離れようとしない。
○○の怒張は肉襞に包まれながら、もう出なくなってしまった屈服の証を吐き出そうと、ピクピクと戦慄いている。
妖艶な眼差しで淫蕩に囁くミスティアに包まれて、○○には心地よい喪失感、屈服感が残される。
全て奪われて、後は埋めて貰うだけ。



「じゃあ今度は僕がミスティアを洗う番だね」
「あら、そんな気力が残ってたのね」
「僕からミスティアに何かしてあげたかったのに、ずっと僕の方がしてもらいっぱなしだからね」

暫く絶頂の余韻と、○○の胸の鼓動、咽び、息遣いを楽しんでから、ミスティアは○○を解放した。
今まで○○の肉棒を貪っていたミスティアの秘裂は、まるで新品のように小さく閉ざされて、
淡い桃色の媚肉の上を微かに白く濁った愛液が滴り落ちている。

「あらあら、さっきあんなにアンアン啼いてたクチからそんな言葉が出るなんて、頼もしいわねぇ♪」
「……っ、一応言っておくと、散々ヤられたからヤり返し、とか微塵も思ってない
 ただ純粋に、ミスティアの体を洗ってあげたいだけだから」
「あらあらいい子いい子」
「……敵わないもんだね、とりあえず背中から、洗わせて」
「ん、お願いしようかな」

余裕を含んだ笑みを、しかし嬉しさを隠しきれないといった笑みを浮かべて、ミスティアは○○に背中を預ける。
浮き出た肩甲骨や背筋の一つ一つが、女の子らしい柔らかさと丸みを備えつつ、妖魔の力強さを感じさせる。
健康的なのに扇情的で、もはや洗う必要がない程に完成されていて美しい。
そして、ミスティアの特徴的な翼が、彼女の息遣いに呼応するように揺れながら聳える。
ゆらゆら、ふさふさ、天使のように神秘的で、毒蛾のように禍々しい翼、○○の大好きな翼。

「えっと、一応聞いておく」
「ん?」
「タオルは……」
「あー、私はいいんだよー? 妖怪だからタオルぐらいじゃお肌傷つかないしー」
「……っ、是非とも手のひらで洗わせて頂きますっ!」
「あら、ありがと♪」

遠回しに生肌で洗ってほしいと言われ、○○は顔に熱がこもるのを感じつつ、
でも内心嬉しく思いつつ、泡立てた手のひらをそっと肩に乗せる。
美しく整った形の肩、うなじ、首筋は触れてしまうことすら躊躇われるのに、
○○の手は、ミスティアの肌に恐ろしく馴染む。魅入られたように、皮膚を構成する細胞一つ一つが融和するように。
触れているだけで落ち着く。止まり木に憩う小鳥のように。

「ふふ、どうしたの?」
「ぁ…、ごめん……洗うね」

止まったままの手のひらをミスティアに指摘されて、○○は慌てて肌の上を滑らせてゆく。
汚れ一つない肌の上を、せめて持てる愛を注ぐ為に。首筋、鎖骨、肩甲骨、
先程ミスティアがしてくれたように、丁寧にほぐしてゆく。

「ぁ♪ んっ♪」
「どう、かな。上手に……洗えてる?」
「んふ、何それ♪ 体を洗うのに上手も下手もないでしょ」
「むぅ……」

可笑しそうに笑うミスティアに、○○は困った顔をする。
それを背中越しに察してか、あるいは元々そうなるのが分かっていたのか、

「なんて、ね♪ マッサージ的な感想なら、気持ちいいけど、ちょっと弱い、かな」
「あっ……そ、そうか? ごめん」
「クスッ、○○のそういうところ、大好きだよ♪」
「っ……!」
「それに弱々しくて儚いものを感じて、全身が敏感になってくるの」
「なんだか、えっちだ」
「もっと、感じさせて……貴方を、全身で」

ミスティアの体に触れていると、それはとても光栄で、幸せなことなのだと○○は気づかされてゆく。
手のひらを通じてミスティアを感じる……キメ細やかな泡に○○の手とミスティアの肌を溶かして、心を重ねあう。
ズブズブ……体を洗う手のひらが、まるでミスティアの体に沈んでゆくよう。融和してゆくよう。
こうして○○は、ミスティアに食されてゆくのかもしれない。既に○○の手はミスティアのものになって……そして心も。

「その」
「ん?」
「翼も、洗っていい?」
「○○も好きだね〜♪ いいよ、洗って♪」

湿り気を吸って、なおふわふわと柔らかく温かい羽毛……超自然的な翼。
触れているものの理性をドロドロに溶かして、意識を丸呑みにしてしまう、妖異の大翼。
○○は泡を手の上にたっぷりと乗せて、翼に塗りつけてゆく。ずぶずぶ、羽毛に呑み込まれてゆく。
羽を構成する羽毛一本一本が、意思をもっているかのように○○の手に絡みついては、生気を吸い上げてゆく。
うつら……うつら、羽毛を鋤く手が重い。細かな毛が指先を刺しては撫でる度に、
○○の体に痺れるような快感が走り抜けてゆく。声が出てしまいそうな程に。

「私も、ね」
「…、んっ……?」
「○○にこうして翼を洗ってもらえるの、好き、なんだよ」

わしゃわしゃ……毛並みに沿って羽毛を手櫛で鋤いてゆくと、泡が柔らかくキメ細やかになってゆく。
空気を取り込んで厚みを増した泡の層は、ミスティアの毒気を帯びて○○の手に絡みつくようでもある。
油脂の泡がミスティアの翼を覆っては弾かれ、妖しく輝く羽毛が露になる。
白銀色に輝く羽に、菖蒲色の骨格。○○の目に美しく映るのに、ヒトとして本能的な恐怖を抑えられない。
ミスティアのことが好きで好きで大好きで、触れあって、それでも消えない恐怖は、○○をおかしくさせて、恐怖も快感に変えてしまう。

「○○に繕って貰った翼は私の誇りでね」
「……」
「これで空を駆けるのが、私の喜びなの♪」
「……」
「○○?」
「……」
「あらあら♪」

自らの翼に顔を埋めて、頬擦りするようにじゃれつく○○の姿に、
ミスティアは呆れつつも微笑ましいと言わんばかりに笑った。
○○は、顔を包む羽毛の温もりと彼女の優しい声にすっかり心地よくなってしまったのか、
彼女の呆れも顔にべっとりついた泡も気にならないといった様子で翼に顔を埋めている。

「○○♪」
「……ぁ、ごめんっ、夢中になっちゃった」
「後で水気を飛ばしてから、いっぱいしていいから、ね♪」
「うん、今他のところも洗ってあげるね」
「ほら、頬に泡がついたままよ」
「んっ」

ミスティアの細長い指が、○○の頬から泡をすくいとる。その指使いにゾクゾクとしたものを感じながら、
○○はミスティアの腰回りに泡を塗り広げた。細くて柔らかくて、でも上質な筋を感じる腰回り。
触れているだけで気品と力強さを感じる。艶麗なのに、興奮よりもただほぅっと溜息が零れだす。

「ん♪ 視線が熱い♪」
「ぁ、ごめん……ミスティアの背中に、また見とれてた」
「いいんだよ、○○に見つめられるの……私も好き」

泡を湛えた○○の指先が音もなくミスティアの背中を滑り、揉みほぐしてゆく。
ミスティアの指摘に○○は一瞬だけ視線を背中から反らすものの、
ミスティアに見られていないと知ると、また芸術品のような背中に目を移すのだった。

「もっと、見つめて欲しいな……目と目を合わせて、反らさずにさ」
「いや……やっぱり見つめ合うのは、恥ずかしい」
「あら、どうして?」
「……ミスティアに自慢できる顔じゃない」

会話を続けながら、○○は背中洗いを、否、マッサージを続ける。
ミスティアは背筋を拭う○○の指使いが心地よいといったふうに鼻息を漏らしつつ、
○○の言葉を愉快げに相槌しては、くすりと笑って、

「じゃあなおさら、もっと見たいな、○○の顔」
「えー」
「見つめる度にそんな困った反応してたなんて、ゾクゾクする。もっと○○が困るところ見たい」
「意地悪だ」
「んふふ♪ 大好き♪」

背中越しに惚気られて、彼はまた顔が熱くなるのを感じた。
――ミスティアには勝てない。彼はつくづくそう思うのだった。
彼よりも力も立場も上なのに、搦め手まで持ち出しては一切容赦がない。
そんな彼女の姿勢に、○○は捕食者としての妖怪本来の姿を、大自然の狩人たる猛禽の誇り高き姿を見いだす。
そんな姿にも、彼は惚れ込んだのであった。

「ん、そろそろ背中を流そうか」
「あら、前は洗ってくれないの?」
「ゑ?」

しれっと言ってのけるミスティアに、○○は思わず聞き返す。
何度行為を重ね、今も体を重ねあったばかりだとしても、何気ないところで誘惑されると何も反応できないのである。

「ま、前も……洗うの?」
「○○が嫌なら……無理強いはしないよ? 私は、洗ってあげたんだけど……○○のコト♪」
「っ!? い、一生懸命洗わせて頂きますっ!」
「ありがと♪」

ミスティアの体を触るのは嬉しい。ミスティアに奉仕するのは楽しい。
そう思ってはいても、前戯ならいざ知らず、背中流しの延長線上でふっくら柔らかな女性の象徴始め体の前面に触れるとなると、
少し躊躇ってしまう○○。あるいは、触れるのを躊躇ってしまうその神聖さ故に触れた時の多幸感も際立つのかもしれない。

「ん、んふふ♪ 首元から、なんだ」
「ダメ、なのか?」
「ううん、ただ……○○らしい♪」

○○のごつい指先がミスティアの首をそっとなぞる。細い首、○○が少し力を込めただけで折れてしまいそうな、すらりと長い首。
指先を滑らせてゆくと、微かに喉仏の突起を感じる滑らかな首。滑り降りてゆくと、くっきり浮き出た鎖骨に触れる。

「ミスティアも大体同じ流れだった気がするけど」
「でも○○の手にはいやらしさがないわ」
「自覚はあったのか」

あくまで体を洗う目的で、○○はミスティアの肌の上、指を滑らせる。
淡々と泡を塗り拡げる彼は、別に彼女の裸体を見て、触れて、欲情しないわけではない。
ミスティアへ抱いた情欲、大好きの気持ち、いやらしい気持ち……その表現方法が奉仕なのだ。
淫らな方法でもいい。健全な方法でもいい。ただミスティアの為になにか出来ることをしてあげたい。喜ぶ顔が見たい。
ミスティアの体は豊麗で煽情的で、見て触って抱きしめることができるのは、とてもうれしい幸せなことだから。
○○は一つ一つ試してみる。ミスティアから貰った幸せを、恩返しする方法を。

「ん…、ぁ♪ でも、イったばかりで敏感だから、触れられてるだけで気持ちいい、かも♪」
「……ミスティアがそういうことシて欲しいなら……そういう方向で行くけど?」
「ん〜、でもさっきのえっちで疲労困憊な○○クンを更に疲れさせちゃうのは悪いし〜」
「もしかして煽ってる?」
「煽ってないよ、可愛がってるの♪」
「煽ってるよね?」

そんな○○が好きだから、ミスティアはつい○○彼を転がしてみたくなる。
あの手この手で幸せを伝えようとする彼に、もう十分伝わっているよと、私も○○が大好きだよと伝える為に、
直球変化球まぜこぜの愛情表現は続く。○○の見せる幸せの顔全てを見たい気持ちがミスティアの中で溢れる。

「ぁ……んふ♪」
「胸も洗うけど……」
「うん、洗って」

豊かで張りのある双丘に○○の手が触れる。手のひらで女性の象徴を覆おうとして、できない。大きすぎて、出来ない。
瑞々しい乳肉に指を微かに埋没させて、そして弾く。
その肉丘はどこまでも柔らかくて、どこまでも弾力がある謎の物性で出来ている。
○○の指が豊満な乳房に触れて、ぷるんと揺らすと、ミスティアはくすぐったそうに鼻息を溢した。

「どうかな……ちゃんと、洗えてる?」
「ん〜、いやらし……」
「いやらし……?」
「いやらしさが、足りない」
「足りないのかい……」

ミスティアのダメ出しに、少し呆れつつも可笑しく笑い、豊かな肉の丘に泡を塗りたくる○○。
体を洗う話など立て前ですらなくなり、今はミスティアに奉仕している。
乳肉に指を這わせ、やわやわと揉みしだきながら指を喰い込ませるのに、夢中になってしまうのは男の性なのか。
いやらしい気持ち……否、癒される気持ち。○○の全てを包んでしまいそうな女性の象徴の感触に、ただただ癒されてゆく。

「あ〜でも○○ってば本当におっぱい好きなんだね〜」
「分かるんだ」
「○○のは、あれだね。好きだからあまり激しくいやらしくしたくないってトコ?」
「そうかも……そもそも体洗ってたはずなんだけどね」

それでも、乳房に触れていると手の平も少し敏感になってゆき、
ゆらゆらと滑らせる度に何か硬いものが手の内側を擽るのを感じる。
小さくも固くなった乳嘴……○○が手の平でくすぐったいと感じる程なのだから、
揉み解されているミスティアの方はというと、恍惚とした表情を浮かべ、熱く甘い吐息をただ漏れにしている。

「ん…、はぁ……ぁ♪ ふふ……」
「ん?」
「その意地でも激しさに頼らないで、優しいまま私を感じさせようっていう○○の所、結構好きだよ?」

乳肉が揺れる、○○が力を入れると指に合わせて形を変え、そして力を抜くと形崩れすることなくすぐに元に戻る。
泡に塗れて摩擦のなくなった豊かなドームを御椀状の手のひらが滑り、乳芽を擦り、ぷるんと揺らすたびに、
ミスティアは笑みを浮かべながら、煽情的に喘ぎ声を零してみせた。

「まあ激しくしたところで、ミスティアには色々と敵わないと学ばせて頂いたので」
「あらあら……ん…、ぁ♪ 若いのに苦労してるのね〜♪」
「おかげさまで」

○○は皮肉を零しつつも、女性の象徴が齎す魔力に抗うことができず、もにゅもにゅと双丘を揉みしだいている。
豊かな乳肉の中心に聳える乳嘴を、コリコリと人差し指で擽りながら、反応して硬くなってゆくその過程を楽しむ。

「ぁ……ん、気持ちいい♪ なんだか熱くなってきちゃう…、んふ♪」

○○が彼女の華奢な体を抱きしめながら、溢れんばかりの豊乳を手で揉みしだくたびに、
ミスティアは彼の腕の中で小刻みに体を震わせながら、歓喜の声を口元から漏らす。
御椀状にした○○の手が下乳を支えるように包むと、ずっしりとした重量感が伝わってくる。

「はぁ…、ぁ……ぁは♪ ○○も、なんだか嬉しそうねぇ〜、っ♪ ぁぁ♪」
「嬉しいね……こんな近距離でミスティアに触れて触れ合って」
「んふ、なんだかんだで私に夢中になっちゃう○○可愛い♪ ぁ…、んぁ♪ っ…、んっ!?」
「ぇ、どうした?」

突然、ミスティアが驚いたようにふるりと体を震わせる。
既に○○の奉仕が齎すめくるめく快感に体を揺らしていたが、それとは違う、痺れのような震えを、
ミスティアを包むようにして抱きしめていた○○も気付いて、少し心配になり声をかけた。

「○○に注いでもらった精液……溢れだしてきちゃったね」
「あ……ああ」
「気持ち良くなっちゃって……ちょっと勿体無いね」
「勿体無いって……」

ミスティアの秘裂から、微かに白くくすんだ液体がタラタラと太腿を伝い流れ落ちてゆく。
先程まで○○の分身を貪っていた秘め処は、しかし健康的な桃色に映えつつも慎ましく閉じて、事後であることを感じさせない。
そればかりか、○○がミスティアの中に残した精の残滓までもが、ミスティアの輝きに照らされているようでもある。
双丘を覆う媚悦にミスティアが体を弛緩させ震わせる度に、たらり、たらりと○○の生命素が零れ落ちる。

「洗って貰っても、これじゃ汚れちゃうねぇ、ふふ、いっぱい射精したんだねぇ♪」
「そんな満足げに言われても……」
「ふふ、そうだ、いいコト思いついた」

ミスティアはその幼さすら残る陰唇を自ら拡げ、○○の残したものが膣内から垂れ落ちる様を見つめながら、妖しく微笑む。
指に精液を絡めては満足げに微笑む姿には、自分が○○を屈服させ吐精に導いたのだという誇りすら窺わせる。

「○○が指で精液、掻きだしてよ」
「なるほど……なにいってんのこの人」
「ふふふ……」

ミスティアの提案に、○○は呆れるあまり、半ば苦笑いで冗談めいた言葉を返す。
否、言葉では呆れて見せるものの、いつも突拍子もないことを言ってくれるミスティアに、○○は心の中から楽しくなっていた。
そして冗談めいた提案の中にも、最後までさせてくれるミスティアの優しさが見え隠れしていて、
故に、○○は敵わないものだなぁ……と内心呟くのだった。

「ね……ココも洗って…、んっ♪」

ミスティアの手が、○○の手首を掴んでは自らの秘所へと導く。
体の中で一番柔らかくて敏感な場所の感触、流れる湯水とは異なる粘液が指に絡み、淫らな音が響く。
くちゅり…、くちゅり……浴室に愛液の音が響く。○○の指先まで愛するように、蜜液がねっとり絡みつく。

「ぁ♪ ゆび…、触れられて…、気持ちいい♪」
「あまり、精液出てこないね」
「ね、膣内に指……挿れて」
「ぁ……うん」

おそるおそるミスティアの膣内へ中指を挿れてゆく○○。
もっと太くて凶悪なモノを先程まで咥え込んでいたミスティアの秘裂に、
しかし指を挿し込むのを躊躇してしまうのは、一方的に弄んでいるみたいで悪い気がするからか、
それとも美しい薄桃色の形崩れしない秘唇に、己の穢れた手で触れてしまうのを憂う故か。
だが、○○の戸惑いがどうしたと言わんばかりに、ミスティアの蜜穴は意思を持つかのように○○の指先をしゃぶり、
ちゅぷ、ぢゃぷと淫らな食み音を立てて根元に向けて丸呑みし始める。

「っ…、んっ……おちんちんも良いけどっ、指もっ……! きもち、いいっ……」
「はぁ……指で感じると、また……凄い吸付いて……」

色めいた声をあげるミスティア、熱く溜息つく○○を尻目に、
ミスティアの媚肉はあっという間に○○の中指を根元まで呑み込み、その姿を覆い隠す。
引き抜こうとすると別れを惜しむように肉襞が絡みつく。ミスティアの愛液に塗れ、ヌルヌルと光を反射させる。

「というか殆ど愛液だ……精液出てこない、掻きだすのは無理じゃないか?」
「んっ…、だからぁ……気持ち良くして、私が力を入れてなんとか♪」
「いつも僕の想像の上を行くね、ミスティアは」
「これも愛の共同作業、なんて…、ぁは♪」
「……敵わないもんだね」

ミスティアの淫蕩な振る舞いにも、○○はただその小さな体を抱きしめつつ、指で敏感な部分を優しくなぞることで応える。
――彼女の体の震えを、身に感じている快感を、広く触れあった肌と肌で感じる。
○○は、ミスティアに感謝していた。こうしてミスティアに何かしてあげることができる機会を作ってくれることに。
いつも自分を弄うように見えて、いつも自分を愛してくれて、気が付かない所で配慮してくれる彼女に。
だから、可笑しく、冗談めかしくというミスティアの趣向に、○○も是非乗って、そして奉仕してあげたいと思うのだ。
気持ち良く、幸せにして貰った恩返しに、すこしでも多くを返そうと、膣肉の中から彼女に奉仕してゆく。

「ぁ…、ぁ♪ ふぅ…、ん…、ふぁ♪ ぁぁ♪」

○○の指が――ミスティアの細長く端整なそれに比べ、ややごつごつとした指が、
膣壁を掻き分けながら中で蠢動するその感覚に、ミスティアは腹の奥から温かさに似た快感が広がるのを感じている。
指が優しくナカの一番弱い所を……ざらついた天井を円を描くように撫でると、
温い快感はゾクゾクとした寒気と、痺れるような快感となって、華奢な背筋を伝いながら脳天へと駆け抜けてゆく。

「あは♪ 気持ちいい♪ イイところに、指…、擦れて♪ ぁ♪」
「ぅぁ…、ミスティアの体……吐息、熱い……っ……」

火照るミスティアの体が、彼女以上に○○の理性を融かしてゆく。
夜の歌姫は、気の抜けた喘ぎ声でさえも人を狂わせる程度の能力を存分に発揮して、
彼女だけが悦楽を得るだけではない、○○と一緒に、二人が幸せになる睦みあいを演出してゆく。

「ふぁぁ…、あ…、ぁは♪ 強くぎゅって抱きしめられるのも…、堪らないわぁ♪」

自らのよりも太くてごつい、男の腕。それでも、人間の力による抱擁は、ミスティアにとって物足りなくて。
でも、だからこそ、○○の優しさ温かさが伝わってくるのを感じることができて。
体だけは一周り大きい○○に包まれる快感に、ミスティアは至福を極めてゆく。

「ん…、ぁ……くぅ…、ん♪ っ…、ん♪」

○○の指がミスティアの膣内を掻き回すたびに、クチュクチュといやらしい水音がお風呂場に反響する。
ミスティアが体の中で感じる○○の指の動きは、とても何かを描きだそうとしているとは思えない、優しく繊細な動き。
膣壁の敏感な所を優しく奉仕する動きに、ミスティアは涎を垂らしつつ、腰をしゃくりながら歓喜に体を震わせている。

「はぁ…、んぁ…、ん♪ ぁ…、イキそう♪ んんっ…、あぁっ!」

ミスティアの体を快楽の波濤が揺らしてゆく。奥へ奥へと入り込もうとする指に、無意識に膣肉が絡みつく。
絶頂の予感に顔を紅潮させつつも、その笑みには余裕と期待が浮かんでいる。
○○を信頼しているから、いつものように気持ち良くしてくれて、絶頂へと導いてくれる○○を。
何度も乗りなれた大波に身を任せる波乗りのように、○○と、○○が齎してくれるめくるめく快感に、身を任せるミスティア。

「ぁ…、んんっ…、っ…、〜〜、〜〜ッ! っぁ! 〜〜ぁ!」

○○に抱かれ包まれ腰かけながら、法悦を極め絶頂に達するミスティア。
理性は淫悦に蕩け膣肉が指を締めつける。○○の精を蓄えていた内奥の穴もプルプルと震えながら弛緩する。
子宮の奥から沸き立つ快感に、○○がナカに残してくれたものが零れ出てしまうような感覚を覚える。
――もっとも、零れ出る愛涎は多すぎて、○○の生命素が混じっているのかは定かでない。

「んっ…、ぁは♪ ぁ…、っ♪ はぁ…、ぁっ……ふぁぁぁ♪」

絶頂の余韻に浸るミスティア。快感の波に揺られ、○○の体に揺られて、嬌声を浴室に篭らせる。
鼻に抜けるような喘ぎ声が収まらないのは、それも○○の興奮を誘い、少しでも楽しませようとしているから。
法悦に理性薄れて、それでも零れる喘ぎ声にも人を狂わせる歌声の力が残っていることを、彼女は理解している。
○○が付き合ってくれたから、ふざけた試みにも付き合いつつ奉仕してくれたから、恩返しに彼を楽しませようとする。

「はぁ…、ん…、イっちゃった♪ 気持ち……よかったよ」
「ん、それは……なにより」
「精液は、掻きだせたかな?」

ミスティアが悪戯っぽく微笑みながら、自らの秘所へと視線を移す。
差し込まれた指との隙間からは、澄みきった粘液がしとどに溢れている。

「分からない……多分意味はなかった気がする」
「あら、残念ね。いや、出てこないならこれで良かったのかしら?」
「この突拍子もない試み、いつも思いついてくれるミスティアが僕は好きだよ」
「そう、ありがと♪ ふふふ」

口元からは熱い吐息を零すたびに、ミスティアの華奢な肩がが上下に揺れる。
紅潮した頬、艶かしく息づきながらも、煽情的な眼差しで○○を見つめている。
法悦を極めたばかりの彼女は、しかし色事にそぐわぬ健気な余裕を表情に浮かべている。

「その、そろそろ体、流そうか」
「あ、ちょっと待った♪」
「っ……?」

体を洗い流そうと離れようとする○○を、ミスティアが意地の悪い笑みを浮かべて制止する。
そういう笑みを浮かべるときは、大抵良くないことを考えていることを、○○は良く分かっていた。
そして、ゾクゾクしてしまう自分にも。

「ここ……ふふ」
「ぁ…、っぁ……!」
「固くなってる♪」

後ろ手に○○の肉棒を撫でながら、艶然とした笑みをこぼすミスティア。
細く整った指に、熱り立つ剛直の熱が伝わる。ぷるぷると震える怒張を慈しむように撫で上げる。
裏筋をミスティアの指先がなぞり上げるのに合わせて、○○の背筋をゾクゾクとした痺れのような快感が駆け上ってゆく。

「あ……ぁぁ…、っ……」
「私の感じてる姿で、大きくなっちゃったの?」
「っ…、ぁ……」
「固いの……ずっと当たってたんだよ♪」

煽情的な物言いで○○の理性を揺さぶりつつ、ぷっくりと充血した亀頭を捏ね繰り回すミスティア。
予期せぬ事態、予期せぬ快感に、○○は口を力なく開閉させ、気の抜けた喘ぎ声を漏らしている。

「んふ、私がおクチで搾りだしてあげるね」

妖艶な笑みを湛えて、ミスティアは一旦体を退けると、だらしなく開いた○○の股の間にしゃがみ込み、
間近で改めて○○の怒張の屹立していること、充血していることを確認するかのようにまじまじと見つめると、
手の平でやんわりと包み込み、唇を近付けていった。生温かい吐息が漏れだしては敏感な肉棒に絡みつくと、
○○はその厳つい背筋を、小動物のようにふるりと震わせるのだった。

「ミスティアっ……その……」
「○○って、あんまりフェラチオさせてくれないよね」
「その…、やっぱり汚いというか、申し訳ないというか……」
「だから、こうして綺麗にした後なら、言い訳も無いでしょ?」

くすくすと笑いながら、ミスティアは息を、ただ漏れにしていた吐息を意識して、軽く○○の男性器に吹きかける。
熱り立つ怒張を、ミスティアの体温と同じ温もりの吐息が撫で上げる。それは空気で出来た舌のように、
確かな形、確かな意思を持って○○の剛直を愛撫し、口淫を受ける準備を整えてゆく。

「ぁ…、っ……ぁぁ……」
「ふっ…、ふふ、それに……○○はいつも、私のことをぺろぺろご奉仕してくれるのに、私にはさせてくれないなんて、ねぇ?」
「っ……ぁ…、ゃ……」
「それじゃあ、舐めちゃうよ」

ミスティアの小さな口がゆっくりと開かれる。薄暗い口腔内からは、紅色の舌が獲物に忍び寄るように蠢き、のたうつ。
唇から這い出て○○を焦らすようにゆっくり、上下に蛇行しながらペニスへと狙いを定める。
屹立する一物のはるか手前、舌が虚空を無意味に舐るだけで、裏筋を一舐めされたようなゾクゾクとした痺れが○○の背筋を伝う。

「ん……んぁ…、ちゅ」
「っ……、ぃ! ぁ…、は…、ぁ……!」

始めはキス、舌を出しつつ愛おしいものを見るような視線で男根に接吻をした。
柔らかい、ぷるりと瑞々しい唇が男性器に触れて、それは愚直に、素直に、ふるりと大きく震えた。
○○のペニスも、○○の体も、○○の声も、震えた、ミスティアによって震わされた。
自らの口づけで○○が悦んでいる様子を認めると、ミスティアは満足げに微笑んで何度もペニスに接吻を交わした。

「ちゅ…、ぴくぴく震えて♪ ちゅ……れる♪」
「……っ! ぁ…、ぁぁぁ……」

ミスティアの小ぶりな唇から、小さく舌が這い出て、遠慮がちに剛直の裏筋を舐める。
否、遠慮してるのではなくて、焦らしている。これも、ミスティアなりの口戯の作法。
唇の隙間から僅かに這い出た舌にチロチロと舐められるたびに、
○○をもどかしさと快感が交互に苛んでゆく。
丹田の奥でもやもやと渦巻く快感が、時折ピリッ、ピリッと背筋を伝い脳天へと突き抜ける、
その度に○○は我を忘れて喘ぎ声をあげた。

「ミス……ティアっ! っ…、ぁ……」
「れる…、ちゅ……んふ、もっと大きく舐めるよ……」

固く屹立した肉棒に浮かび上がる裏筋を、ミスティアの舌が這いずりながら舐め上げてゆく。
ゾゾゾ……と男性器の根元からせり上がる快感。○○の蕩けた眼差しを、ミスティアは見逃さない。
舌先だけから徐々に大きく、顎ごと顔ごと動かしながら○○の肉茎を愛撫する。

「ぅ…、ぁ……ああっ! っ……」
「れむ…、ん、あは♪ どんどん熱くなってるよ……おちんちん♪」

上目遣いに○○の表情を窺いながら男性器に舌を這わせるミスティア。その頬は興奮の為かほんのりと紅潮している。
それでも、舌の動きは激しさを押し殺し、ねっとりとした動きで○○を焦らしてゆく。

「ちゅ…、れろ……ふふ、○○のクチ、パクパクしてる……どっちのおクチも、ふふ♪」
「っ…、んっ……ぁ、っ!」
「タマ……舐めちゃうよ…、ん……ちゅ……れる」
「っっ! ぁ…、っ……」

ミスティアの唇が肉玉に触れ、舌が表面をなぞると○○の体が儚げに震える。
薄皮を隔てた○○の双丸の片側に、ちゅ、と唇を重ね、薄桃色の舌を這わせてゆく。
肉茎を舐められるのとはまた違った快感に、○○は間の抜けた喘ぎ声を漏らす。
キスと舐りを繰り返しながら、睾丸の形を浮き彫りにするように口戯を重ねてゆく。

「ん…、れろ……ちゅる……ふふ、大きくて、でもキュッって硬くなってる♪」
「ぁ…、〜〜っ! ぁぁっ」
「舌で…、れる…、ん……いいこいいこ♪ してあげる♪」

そう言って無邪気に微笑むミスティアの眼差しにの中には、ささやかな嗜虐の灯が宿っている。
もっと○○を愛でたい、可愛がりたい。啼かせてみたい。○○を快感の虜とすべく、唾液を湛えた舌を陰嚢に絡みつける。
敏感な肉玉を舌の上で転がされる、大事な所を口元に委ねるという恐怖の混ざった背徳感が、
ゾクゾクとした快感を背筋に走らせ、官能を高めてゆく。

「れろれろ…、んれ……ほら、クチのナカにも含んで上げる♪ あぁむ♪」
「〜〜、〜〜ッ!」

小さな唇を拡げて○○の精巣に吸付き、ついには口よりも大きいかと思われたソレを覆い包んでしまう。
温かい粘膜に、薄い皮を隔てて肉玉を包まれた○○は、その快感に声にならない喘ぎを漏らす。
ミスティアの口の中で、玉袋はキュっと収縮し、ぷるぷると怯えるように震えだす。

「はむっ…、ちゅる…、ちゅ♪ ちゅうぅ」
「ぁ……ぅ、はぁ…、あっ…、ぁ……」

二人だけの浴室に、ミスティアが熱心に玉袋を舐めしゃぶる音と、○○の語彙を失った嬌声だけが響く。
口腔に覆われた精巣の中で、無数の子種は温められ行き場を求めてぐるぐると渦巻く。
ピクピクと胎動を続ける肉玉の感触を舌の上で感じ、愛しむように目を細め、音を立てて啜る。

「ちゅう…、レロレロ……んふ、タマタマがヌルヌルになっちゃった…、ん、ちゅ♪」
「はぁっ…、ぁ、ぁぁ…、っ!」
「ふふ、また震えてる♪ いっぱい精液作ってね。はぁ…、む、ちゅぅぅ」

陰嚢を舌の上に乗せて口の中に招き入れる。ミスティアの目先には、限界まで張り詰めた肉棒が切なそうに痙攣を繰り返している。
その先に望む○○の蕩けた顔を上目遣いに見つめながら、ミスティアは玉袋の中で泳ぐ子種を育てるように、
優しく舌を這わせ、頬肉で包み込む。抱きしめるように、温め、抱擁するように。

「はぁむ…、ちゅう…、んむ♪」
「っ…、はぁ…、ぁ……っ」
「ちゅる…、あは♪ おちんちんすっかり大きくなった♪」

張り詰めた精嚢を口内で揉まれ温められ、熱いものがぐるぐると渦巻きながら泳ぐ快感に、
○○の肉茎は膨張を続けて、吐精前と比べても遜色ない程に自己主張をしている。
自分の愛撫で○○の分身が漲る様子を、ミスティアは満足げに眺め興奮に鼻を鳴らす。

「さ、おまちかねの、おしゃぶり…、ん……ちゅ…、ぢゅぶ♪」
「っ!! ぁ…、っ!」

口蓋を拡げて唾液を湛えた舌を見せつけるように伸ばし、紅く充血した亀頭に狙いを定めてゆく。
口づけを、今度は裏筋にではなく、鈴口に対して行い、ゆっくりと埋没させてゆく。
唇のハリと潤いのある独特の感触が亀頭を優しく包み込んで、ゆっくりと奥に、温かいお肉が根元に向かって拡がってゆく。
吸付き、顎に力を乗せ、そして重力。自然に、ゆるりと、○○の分身はミスティアの口内に招き入れられた。

「じゅるる…、じゅぶ…、ちゅぅぅ…、ぢゅる」
「ぁ…、あっ…、ぁ……」

ゆっくりと唇が持ち上げられ、そしてまた肉棒を咥え込み……肉茎が隠れたり、現れたりを繰り返す。
奥へ奥へと挿れるときは唇の力を緩め、上へ上へと引き上げるときはキュっと締めつける。
それは何かを搾り上げる為に最適化された合理的な動き。唇を持ち上げるたびに、精液だけでなく○○の悲鳴をも搾り上げてゆく。

「ちゅる…、れる……ぢゅぅぅ…、ぢゅぷ」

ミスティアの唾液と○○のカウパー腺液が混ざり合い、泡立って、淫靡な音を浴室に響かせる。
鈴口から間欠泉の如く漏れだす透明な液体は揮発し、牡の芳香が口腔内に広がる。
大好きな男を感じさせた証の一部……その香りを、熱を帯びた○○の悲鳴と共にミスティアは愉しむ。

「ぢゅぷ…、じゅる…、じゅぼ……ん、張り詰めてる…、っ…、ぢゅるる」
「ぁ…、っ…、ぁ……ミス…、ティ……ア……っ!」

雁首に絡みつく舌の動き、肉茎を締めつけながら上下する唇の奉仕に、
肉棒の根元はピクピクと痙攣を繰り返し、込み上げてくる射精感に○○は腰を突き上げるように揺らす。
目尻には涙を湛え、口元からは涎を垂らし……人には過ぎた快感に、だらしなく緩む○○の顔。
決して他人には見せたくないであろうその顔も、
ミスティアにとってはヒトを襲う実感に満たされる妖怪としての本能が満たされるものであると同時に、
自らの口淫で愛する人を感じさせたという、誉れある証でもある。

「れろれろ…、ちゅぶ…、ぬぶ……じゅるる…、じゅぼ」

口腔内では○○の男根が頬肉に優しく包まれながら、舌が踊るように蠢動しては絡みつく。
カウパー腺液まみれの怒張を、舌で舐め取りながら、自らの唾液で上書きするように塗りつけてゆく。
私のモノだと……この男を啼かせ、貪っているのは、この私であると主張するように、
妖気に塗れた唾液を溢れさせてはペニスに塗り込んでゆく。

「じゅる…、じゅるるる…、ちゅ…、ぐぷ……じゅるるう♪」

淫らな水音を立てて、○○の肉棒を吸引するミスティアの唇。尿道の内圧が下がり、玉袋の精液が上へ上へと吸い寄せられる。
唾液から肉棒へ、そして体中へと浸潤したミスティアの妖気に中てられて○○の生命素は本能的に屈服し、
解放と安寧を希い行き場を求め精嚢を押し広げる。

「ちゅる…、ぢゅぷ…、ぢゅるるる……ちゅく……」
「っ…、ぁ…、ぁ…、ミス……ティア……もう…、でる……離れてっ」

首元まで浸って溺れそうになりそうな官能の波、耐えがたい射精感に呻き声をあげる○○。
せめて、せり上がる“汚い欲望”を愛する人にぶちまけてしまうのは避けようと、最後に腰を引かせて抵抗する。
――彼が誤解していた。ミスティアにとって○○の精液……愛する人の感じてくれた証、屈服の証は、
栄誉と達成感こそ抱かせるものの、決して“汚い欲望”にはなりえないということ。

「んふ…、だめ♪ 喉の奥まで咥え込んであげる…、全部、私に射精しなさい……んっ、んぐっ!」

意地悪っぽく流し目を向けながら、ミスティアは逃げる○○の腰を強引に抱え込み、
限界まで張り詰めた○○の怒張を根元まで咥え込んだ。
女性の中でも少し小柄な彼女の口腔に、消化管に、○○の対比して余りにも大き過ぎる男性器が突き刺さる。
喉の粘膜に異物が導かれ、ミスティアは軽く嘔吐きを覚える――苦しくは無い、仄かに気持ちいい……
もうすぐ屈服を迎える愛する人の男性器を、嚥下反射で柔らかい粘膜がキュンキュンと締めつけつつも、優しく包み込む。

「んっ…、んんっ…、んぶっ! んぐっ…、っ…、じゅぼっ! ぐっ!」
「っ…、ぁ…、ぁぁ……っ…、〜〜っ! ぁぁぁぁ」

舌のざらつきとも、頬のもっちりとした柔らかさとも違う……喉粘膜のなめらかで蕩けるような膚触が、
嘔吐きにキュンキュンと締まりながら、○○の肉槍を包み込む。
一物の径よりも狭い喉穴を強引に押し広げられ、ミスティアは唾液を口元から漏らしながら苦しげに呻く……
……否、大好きな人の分身、妖として渇望してたヒトの肉、苦しさに快感と悦びが勝る。

○○もまた、ミスティアの苦しそうな悲鳴交じりの頬張りに、罪悪感や申し訳なさを感じつつも、
心の中では沸々と燃え上がる興奮を抑えきれない……キュンキュン、切なさが胸を締めつけ射精感を高めていく。
――そんな、○○のジレンマに満ちた快感も、ミスティアの手の内。
○○が興奮してくれるのなら、彼女は喜んで嗚咽混じりの悲鳴を響かせる。そして屈服させるのだろう。

「ぁ…、ぁ、ぁぁ…、っ…、〜〜っ!」
「んっ…、ぐっ…、んむっ! っ…、ぢゅる!」

限界を迎え、○○のペニスが本格的にピクピク、痙攣しながら生命素を先端へと汲み上げる。
喉を押し広げる異物の律動に、ミスティアの喉肉が反射的に収縮を繰り返し、柔らかいお肉が亀頭を扱いて締めつける。
愛する人の屈服の証、獲物たるヒトの生命素を貪欲に求めて、なめらかな喉粘膜が雁首に絡みついて離れない。
確実に吐精させるために……ピクピク、上ってくる……キュンキュン締めつける、導いてゆく……絶頂に、
○○の身も心もドロドロに溶かして、溶け出た上澄みを精液に乗せて、絶頂する……射精する……

「ぁ…、っ…、い゛っ…、っ! 〜〜、〜〜っっ!」
「んんっ! っ、んんっ〜! 〜〜っ、〜〜ッ、〜〜っ!」



ドクっ…、ドクッ……二回目の吐精、濃厚な生命素がミスティアの喉奥に放たれ、熱く粘膜を叩く。
どくん……どくん……○○の屈服の証が、狭いミスティアの喉穴を更に埋め尽くして、溢れさせる。
――苦しい、でも温かい……○○と同じ温もりを持った白濁液を喉に受けて、
ミスティアは仄かな快感と、○○を二たび屈服させた達成感に酔いしれながら、その証を飲み干してゆく。

「ん…、んくっ……、じゅる…、じゅるるる!」

こくん…、ドクン……胸の鼓動に合わせて嚥下する。敏感な喉粘膜を焼きつくような白濁液が流下する。
味は決して褒められたものではない――たとえ大好きな○○のモノであっても――それでも一滴残さず飲み干す。
なぜなら大好きな○○のモノだから、人間を屈服させた証だから。
なにより……

「ぁ…、っ!! ぁぁっ! 〜〜っ!」

絶頂の余韻の中、尿道の中の残滓まで啜られ、悲鳴を上げる○○の声を、もっと聴いていたいから。
欠片も残さず吸い尽くして、代謝する。○○の生命素、○○の悲鳴、共に御馳走。自分のモノだという証。

「んんっ…、じゅる……ぷぁ…、はぁっ…、んふ♪」
「ぁ…、っ……ぁぁ……はぁ…、はぁっ…、はぁっ……」

長い時間をかけて、尿道、精管、そして精嚢に至るまで、
○○の生命素を全て飲みほして、ミスティアはゆっくりと○○の肉棒を解放する。
唾液の透き通った雫が糸を引く。白い濁りなど映らない。ミスティアが全て喉の奥に収めてしまったから。

「っ…、ぁ……くぁ……」
「ちゅ…、ぺろ……んふ♪」

再び○○の体が大きく揺れる。声が引き攣る。ミスティアの舌が、敏感なペニスに触れる。
粘液塗れの肉棒に、お掃除とばかりにミスティアの舌が這いずりまわる。
淫靡な水音が、○○の耳元を、聴覚を凌辱する。

「ぁぁ……っ、その……さ」
「ぺろ…、れろれろ……ん、なぁに?」
「ミスティアは……こういうの、好きなのか?」

快感に震える声を喉の奥から絞り出しながら、○○は口戯を続けるミスティアに尋ねる。
ミスティアは、唾液と精液に塗れた肉棒と、ふやけた○○の顔とを交互に視線を移し変えながら、悪戯っぽい表情を浮かべている。

「んふ、こういうのって?」
「精液舐めるのとか……汚いものを舐めさせているようで僕は……」
「その“嫌なのに嬉しい! 気持ちいいっ!”ってなってる○○の複雑なカオ、好きだから」
「やっぱりミスティアってば意地悪だ」

「○○が汚いという所も、私は洗い清めて、綺麗と主張してあげる……ん、ちゅ」
「ぁ…、くちび…、る……ぁぁぁ……」
「ふふ、おしまい♪」

最後に愛おしげに別れのキス。ミスティアの唇がぷるんっと弾け、
○○の体が大きく揺れる――未だ反り返り充血した分身もまた同様に……
でももう限界。これ以上出すものは出せず、絶頂の余韻から冷めれば、充血による疼痛が○○の肉棒を襲うだろう。
○○以上に、ミスティアは分かっていた。何処までも無理して私に付いてくる○○を、時には制する内に身につけた。

「はぁ…、ぁ…、ん……ぁぁ」
「ちょっと、やりすぎちゃった? ふふ♪」

二人を奇妙な達成感が包み込む。
片や白目をむいて虚ろに空を仰ぎ肩で息をする男。
片や獣性と愛欲火照り止まぬ眼差しで、愛おしげに男の顔を除く夜雀の怪。
何度となく体を重ね合っても、いつも新しくていつも挑戦的で、今日も二人幸せになれた、達成感。
いつも何処か手探りで、ときどき強引に道を切り開いて、そして幸せになれた。

「お風呂、あがろう♪ ほら、立って」
「自分で、立てるッ……っ」
「あ〜、またそうやって無理をする……頑固♪」

散々啼かされ喘がされて、そしていつも助けられて、
そうされればそうされる程、差し出される手が悔しくなってしまう。
○○は、男とは、そういう生き物なのだった。
たとえミスティアが妖怪であることを認めていても――妖怪だからこそ好きになったとしても
見た目少女な華奢な女の子に、いつも何時までも助けを借りていたくはない、頑固な生物。
そんな○○が、ミスティアはまた一つ好きになった。

「時間はいくらでもあるからねぇ、助けて言うまでずっと見守っていてあげるよ〜」
「言わないからな、絶対にっ…、っ…、どうだッ」
「おー、流石、で、歩けそう?」
「大丈夫だ、大丈夫……」
「今日はもうお休みだねぇ、新居で添い寝♪」
「嬉しそうで、なによりだ」

同じ褥の中、ある者は疲弊の中優しい温もりに包まれて、
またある者は二の腕と翼の中に愛する人を抱き、
夜が更けてゆく。新しい生活が始まる。


メガリス Date:2017/12/27 23:26:35

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