インテリジェントデザイン概説
インテリジェントデザインは、「地球も宇宙も6000歳で、世界は字義どおり6日間で創造された」と主張する"若い地球の創造論"(YEC=Young Earth Creationism)と「宇宙と地球について通常科学どおりだが、生物は常に創造され続けてきて人類創造を以って創造終了」と主張する"古い地球の創造論"(OEC=Old Earth Creationism)の両方と互換になるような主張によって構成される。
これは"Big Tent"と呼ばれる方針であり、インテリジェントデザイン支持者で"若い地球の創造論者"であるPaul Nelsonは次のように述べている:
元テキサス州教育委員長Don McLeroyも、在任中にはここで高らかに、創造論者たちに、インテリジェントデザインの旗のもと、神の存在を否定する自然主義との戦いでの、共闘を呼びかけている。
インテリジェントデザイン理論家Dr. William Dembskiと仲間たちのブログUncommon Descentの執筆者のひとりでモデレータでもあるDenyse O'Learyは、カトリックであり、"若い地球の創造論者"のような聖書解釈をしていない。福音主義キリスト教徒であるDr. William Dembski自身も"若い地球の創造論"のポジションをとっていない。インテリジェントデザイン理論家でカトリックのDr. Michael Beheも同様。
であるなら、"Big Tent"構想を捨てて、"若い地球の創造論"を粉砕しつつ、通常科学における地質学・古生物学の時系列のもとで、インテリジェントデザインを実装しなおすという選択肢があってもよさそうだ。が、実際にそのような選択肢はない。
その理由をDenyse O'Learyは2つ挙げている。そのひとつは、そんなことをしても、インテリジェントデザインが科学界に受け入れられるようにはならないこと:
しかし、それは、「たとえ、"間違った科学"であっても、叩いても自陣営に有益でなく、むしろ共通点があるなら容認する」と言っているに等しい。それでは、「超自然もあり」という科学の再定義を行ったとしても、なおインテリジェントデザインは反科学であり続けることになる。
インテリジェントデザインは、「地球も宇宙も6000歳で、世界は字義どおり6日間で創造された」と主張する"若い地球の創造論"(YEC=Young Earth Creationism)と「宇宙と地球について通常科学どおりだが、生物は常に創造され続けてきて人類創造を以って創造終了」と主張する"古い地球の創造論"(OEC=Old Earth Creationism)の両方と互換になるような主張によって構成される。
これは"Big Tent"と呼ばれる方針であり、インテリジェントデザイン支持者で"若い地球の創造論者"であるPaul Nelsonは次のように述べている:
Until recently, the majority of active dissenters from neo-Darwinian (naturalistic) evolution could be classified as “young-earth” (or what I call “traditional”) creationists. Their dissent could be dismissed as motivated by biblical literalism, not scientific evidence. While this criticism of traditional creationists is unfair to the actual content of their views ― many prominent creationists are outstanding scientists ― the absence of a wider community of dissent from Darwinism hindered the growth of scientific alternatives to the naturalistic theory. Such a wider community now exists in the “intelligent design” (ID) movement.
最近まで、ネオダーウィニズム(自然主義)進化論の主たる反対勢力は、"若い地球の創造論者"(あるいは私の言うところの伝統的創造論者)に分類される人々だった。彼らの進化論に対する異議は、彼らの動機が聖書の字義どおりの解釈によるものであるとして、退けることができた。多くの著名な創造論者たちは優秀な科学者であるのだが、このような批判は伝統的創造論者たちを不当に扱うものであり、ネオダーウィニズムに対する異議のより広いコミュニティが存在しないことにより、自然主義的理論に代わる科学的な理論の成長を遅らせることになった。しかし、今や、幅広いコミュニティがインテリジェントデザイン運動に存在する。
Within the past decade, the ID community has matured around the insights of UC Berkeley professor Phillip Johnson, whose central insight is that science must be free to seek the truth, wherever it lies. The possibility of design, therefore, cannot be excluded from science. This outlook has deep roots in the history of Western science and is essential to the health of science as a truth-seeking enterprise. Under the canopy of design as an empirical possibility, however, any number of particular theories may also be possible, including traditional creationism, progressive (or “old-earth”) creationism, and theistic evolution. Both scientific and scriptural evidence will have to decide the competition between these theories. The “big tent” of ID provides a setting in which that struggle after truth can occur, and from which the secular culture may be influenced.
過去の10年にわたり、UC BerkeleyのPhillip Johnson教授の洞察のまわりでインテリジェントデザインコミュニティは成熟してきた。彼の洞察の中心は、科学は、いかなる真理をも探索する自由があらねばならないというものである。したがって、デザインの可能性は科学から排除できない。この見方は、西欧の科学史に深く根ざしたものであり、真理を探索する科学界の健全性のために不可欠のものである。経験的可能性としてのデザインのテントのしたで、伝統的創造論や進歩的創造論(あるいは"古い地球の創造論")や有神論的進化論を含む、複数の理論が許容される。これらの理論のどれが正しいかは、科学的証拠と聖書の証拠に基づいて判断される。インテリジェントデザインの"Big tent"は真理を見出すことが可能になった後での論争の場を提供する。そして、それは世俗文化に影響を及ぼせるだろう。
[ Paul A. Nelson: "Life in the big tent: Traditional creationism and the intelligent design community" (2004/11/04) on Christian Research Journal ]
元テキサス州教育委員長Don McLeroyも、在任中にはここで高らかに、創造論者たちに、インテリジェントデザインの旗のもと、神の存在を否定する自然主義との戦いでの、共闘を呼びかけている。
インテリジェントデザイン理論家Dr. William Dembskiと仲間たちのブログUncommon Descentの執筆者のひとりでモデレータでもあるDenyse O'Learyは、カトリックであり、"若い地球の創造論者"のような聖書解釈をしていない。福音主義キリスト教徒であるDr. William Dembski自身も"若い地球の創造論"のポジションをとっていない。インテリジェントデザイン理論家でカトリックのDr. Michael Beheも同様。
であるなら、"Big Tent"構想を捨てて、"若い地球の創造論"を粉砕しつつ、通常科学における地質学・古生物学の時系列のもとで、インテリジェントデザインを実装しなおすという選択肢があってもよさそうだ。が、実際にそのような選択肢はない。
その理由をDenyse O'Learyは2つ挙げている。そのひとつは、そんなことをしても、インテリジェントデザインが科学界に受け入れられるようにはならないこと:
That said, I don't agree that ID would be better accepted if the ID guys blew off the YEC guys.そして、二つめの理由として、非唯物論という点で共通していることを挙げている:
To a materialist, ID would be "anti-science" if YEC had never existed, because a materialist understands science as applied materialism.
インテリジェントデザイン支持者が"若い地球の創造論者"を粉砕すれば、インテリジェントデザインはより受け入れられるようになると言うかもしれない。しかし、それに私は同意しない。
"若い地球の創造論者"が存在しないなら、唯物論者にとって、インテリジェントデザインが反科学になる。というのは、唯物論者は科学を応用唯物論と考えているからだ。
...
I'm not even an ID supporter in the conventional sense. That is, I am not sure that current ID hypotheses are the correct way to understand the large amount of information in life forms that is obviously not adequately accounted for by Darwinian fairy tales. So I describe myself as a post-Darwinist. ... My main stake in this controversy is to promote a more responsible debate, less dependent on the US culture wars.
私はふつうの感覚ではインテリジェントデザイン支持者ですらない。私は、「インテリジェントデザインが、ダーウィンのおとぎ話では適切に説明できないことが明らかな、生物における大量の情報を理解する正しい方法」なのか確信していない。それで私は自らをポストダーウィニストと称している。... この論争における私の主たる役割は、米国の文化戦争にあまりかかわらない、より信頼できる議論の促進である。
But if you think for a moment that I am less likely to be attacked by materialists, Darwoids, et cetera, on that account, well, google my name and see what you come up with.
しかし、それで、唯物論者が私をあまり攻撃していないと思うなら、私の名前をぐぐってほしい。
[ Should the ID guys dump the young earth creationists? Participate in studies? (2007/03/28) on O'Leary個人ブログ ]
the reality is that all non-materialists have something in common that they do not share with materialists. I think that ID types of whatever flavour would do well to keep that in mind.インテリジェントデザイン運動では、「科学の原則たる方法論的自然主義=超自然に言及しない」と「形而上学的自然主義=唯物論=超自然は存在しない」を同一視する。「超自然=超越的神をも科学の対象とする」という科学の再定義を支持するという点で、"若い地球の創造論"と一致しているというのがO'Learyが、"若い地球の創造論"を粉砕しない第2の理由ということらしい。
すべての非唯物論者は共通して、唯物論者と共有しない何かを持っていることである。私はいかなるタイプのインテリジェントデザインも、そのことを覚えておくことが賢明であると思う。
[ Should the ID guys dump the young earth creationists? Participate in studies? (2007/03/28) on O'Leary個人ブログ ]
しかし、それは、「たとえ、"間違った科学"であっても、叩いても自陣営に有益でなく、むしろ共通点があるなら容認する」と言っているに等しい。それでは、「超自然もあり」という科学の再定義を行ったとしても、なおインテリジェントデザインは反科学であり続けることになる。
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