否定論・陰謀論を信じる理由, 「アメリカン保守の心理」概観
怒りポルノ(Outrage Porn)とは...
怒りメディアが戦っている相手は、同業の怒りメディアである。彼らはイデオロギーなどではなく、ページビューを奪い合って戦っているのだと、Berry ' Sobierajは指摘する。
では、人は何故、「怒り」に盛り上がるのか。George Washington Universityの精神科臨床助教Jean Kim, M.D.によれば「神経系は怒りに対して褒賞を与え、他の依存症と同様になる。怒りは自分の弱さを一時は克服させてくれるが、最終的には自部自信を傷つけ不安は続き、怒りを再び求めることになる。」
メディアと同様に、支持を取り付ける必要のある政治家たちも同様に怒りを使う。
怒りポルノ(Outrage Porn)とは...
怒りポルノ(怒り言説(Outrage discourse1), 怒りメディアあるいは怒りジャーナリズム(Outrage Media, Outrage Journalism2))は、伝統的テレビ・ラジオ・印刷物や、ウェブトラフィックが増加しオンラインの注目が高まっているソーシャルメディアが、視聴者・読者の拡大を狙って、強い感情的反応を引き起こすことを意図してデザインされた、あらゆるメディアの記事である。憤慨ポルノ(Outrage Porn)という言葉は、New York Timesの政治漫画家でエッセイストであるTim Kreiderによる2009年の造語である。3,4,5,6
[ 2021/10/21 23:58時点のwikipedia:Outrage Porn ]
怒りメディアが戦っている相手は、同業の怒りメディアである。彼らはイデオロギーなどではなく、ページビューを奪い合って戦っているのだと、Berry ' Sobierajは指摘する。
It's a Businessそして、「怒りメディア」が「怒り」である理由は、「怒りコンテンツ」がもっとも拡散されるからだ。メディアの中の人が怒っているかどうかはわからないが、それがビジネスの方法として適している。
When we think about outrage media we think about the competition between left and right. We see those with whom we agree working to promote worthy ideas that compete with those advanced by the other side. The real competition in the Outrage Industry, though, is for advertising dollars. Each day producers, hosts, and bloggers try to fashion content to draw more viewers, listeners, and readers so that they can at least survive financially, if not prosper. This discussion of business practices within the cable, talk radio, and political blog sectors provides some context for determining why outrage has surged in recent years. The perfect storm may have provided greater opportunity for outrage but entrepreneurs had to find formats and content that would attract advertising revenue, which can only be done by delivering audiences.
怒りメディアについて考えるとき、我々は左と右の間の競争を考える。我々は『我々に同意する人々が、反対側が推進するアイデアと競争する、価値あるアイデアを推進するために邁進している』のを見る。しかし、怒り業界での本当の競争は、銭の宣伝である。 日々、プロデューサー、ホスト、ブロガーはコンテンツを作成して、より多くの視聴者、リスナー、読者を惹きつけて、繁栄とまではいかなくても、少なくとも経済的に生存できるようにしている。ケーブルテレビやトークラジオや政治ブログセクター内のビジネス慣行に関するこの議論は、近年怒りが急増した理由を判断するためのコンテキストを提示する。パーフェクトストームはより大きな怒りの機会を作れたかもしれないがが、起業家は広告収入を引き付けるフォーマットとコンテンツを見つけなければならなかった。それは視聴者を届けることによってのみ実現できる。
[ Jeffrey M. Berry, Sarah Sobieraj:"The Outrage Industry" (2016), p.95 ]
Jonah Berger, a professor of marketing at the Wharton School at the University of Pennsylvania, reached a similar conclusion after conducting a study in the United States. “Anger is a high-arousal emotion, which drives people to take action,” he says. “It makes you feel fired up, which makes you more likely to pass things on.” Berger and a colleague analyzed 7,000 New York Times articles published during a three-month period to see which ones made the most-emailed list. The likelihood of content going viral had less to do with the positive or negative tone of an article, they say, and more to do with how activated the person felt after reading it. Sadness, they observed (perhaps unsurprisingly), was a “deactivating” emotion. Unlike anger, people tend to power down and withdraw—which is why melancholy feelings don’t spread very far or very fast among online communities.
University of PennsylvaniaWharton Schoolのマーケティングの教授Jonah Bergerは、米国で研究を行った後、同様の結論に到達した。「怒りは覚醒度の高い感情であり、人々を行動に駆り立てる。それは人を興奮させ、物事を伝える可能性を高める。」Bergerたちは、3か月間に発行された7000件のNew York Timesの記事を分析し、最もメールされた記事のリストを作成して、確認した。コンテンツがネット上でバズる可能性は、記事のポジティブまたはネガティブなトーンとは関係がなく、それを読んだ後に人がどのように活性化したかと関係があると彼らは言う。彼らが観察した悲しみは(おそらく当然のことながら)、非活性化感情だった。怒りとは異なり、人々はパワーダウンして撤退する傾向がある。そのため、憂鬱な感情はオンラインコミュニティの間でそれほど遠くに、あるいは急速には広まらない。
[ Matthew Shaer: "What Emotion Goes Viral the Fastest?" (2014) on SMITHSONIAN MAGAZINE ]
では、人は何故、「怒り」に盛り上がるのか。George Washington Universityの精神科臨床助教Jean Kim, M.D.によれば「神経系は怒りに対して褒賞を与え、他の依存症と同様になる。怒りは自分の弱さを一時は克服させてくれるが、最終的には自部自信を傷つけ不安は続き、怒りを再び求めることになる。」
1. 神経生物学的に怒りに褒賞を与えるだからこそ、その怒りに性質に「怒りメディア」は付け入る。
問題の一端は、その瞬間、怒りで気分がよくなることだ。怒りは、やるべきことのように感じられる。怒りは、我々の原始的な外来の大脳辺縁系、すなわち、恐怖や欲望のような最も自動的な感情の脳の中枢に由来するため、脳内の他のすべての道徳的および理性的なブレーキを無効化する。大脳辺縁系は、戦うか逃げるかの応答システムに最も直接的なリンクがあり、アドレナリンラッシュ、覚醒、および戦闘や迅速な闘争の準備をするその他の本能への制御が含まれる。
2. 怒りは他の依存症と似ている
何が起こるかというと、危険が脳内のドーパミン報酬受容体を誘発するスリルを求める活動や、ギャンブルやエクスストリームスポーツ依存症や、さらにはコカインやメタンフェタインなどのドラッグと同様に、怒りは「ラッシュ」につながりうる。怒りはそれ自体の報酬になりうるが、他の依存症と同様に、最終的な結果は危険で現実のものであり、人々は全体像に関係なくその瞬間に衝動に従うことになる。
3. 怒りは自我の脆弱性を高める。
自己陶酔的な人格によく見られる、自我の脆弱性と自己愛損傷の心理的側面もある。怒りの背後にあるラッシュは、弱さや不安の根底にある感情によって引き起こされる可能性がある。これは、その瞬間に力強く感じ、それらの感情を克服する方法となる。また、通常は制御できないものを簡単に制御できるようになる。残念ながら、その余波は他人の目にあなたを傷つける否定的な結果を強化し、不安のサイクルは続く。それは、最終的に怒っている本人を傷つける、悪循環と罰の悪循環になる。
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[ Jean Kim M.D.: "Anger's Allure: Are You Addicted to Anger?" (2015/08/25) on PsychologyToday ]
メディアと同様に、支持を取り付ける必要のある政治家たちも同様に怒りを使う。
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