否定論・陰謀論を信じる理由>被害者叩き
「被害者叩き」の同様の現象・行為として「貧困者叩き」がある。その一つの形態であり、政治的に作り出されると指摘されるのが「貧困スティグマ」である。
Joseph Rowntree Foundation(英国の貧困の解決を目的とした研究を実施し、資金を提供する慈善団体で、「貧困のない豊かな英国を創り出すための行動と変化を促すこと」を目標とする)は、英国の貧困について、2024年5月に報告書を出している:
この報告書はLancaster Universityのスティグマの第一人者Imogen Tylerを主筆とするもので、
「被害者叩き」の同様の現象・行為として「貧困者叩き」がある。その一つの形態であり、政治的に作り出されると指摘されるのが「貧困スティグマ」である。
Joseph Rowntree Foundation(英国の貧困の解決を目的とした研究を実施し、資金を提供する慈善団体で、「貧困のない豊かな英国を創り出すための行動と変化を促すこと」を目標とする)は、英国の貧困について、2024年5月に報告書を出している:
エグゼクティブ サマリー
英国は世界で最も裕福な国の一つだが、「1980年代以降、英国では前例のないほどの貧困の増加が見られ」、それが「逆転したことは一度もない」上、「現在の貧困レベルは 1970年代より約 50% 高い」(JRF, 2024a)。これらの貧困統計は衝撃的で恥ずべきものだ。しかし、英国における貧困は政治的な選択であることはわかっている。貧困は、意図的に設計された政策の結果である。
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・貧困と貧困スティグマは互いに強化し、促進し合う、密接に絡み合った社会問題である。
・貧困と貧困スティグマは同時に取り組む必要がある。貧困撲滅活動は、根本的に、そして英国における貧困撲滅に向けた集団行動のあらゆる分野において、スティグマ撲滅活動でなければならない。
・福祉と支援の体制からスティグマを排除することが、経済的正義と経済的安全保障のための戦いに不可欠である(Cooke、2023)。
・スティグマは貧困を固定し、富、健康、機会の不平等を可能にし、悪化させる強力な接着剤である。スティグマの束縛を緩めることは、より広範な進歩的な社会変革の重要な手段である。
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推奨事項:
・貧困を経済的不正義の問題として、また富の不平等に関連して再定義し、交差的アプローチで対処する。
・貧困緩和に対する権利に基づく理解とアプローチを作る。
・障害者や無給の介護責任を負っている人を「経済的に非活動的」と分類するスティグマ的な分類を否定する。
・低賃金労働を「低技能」と烙印を押すのに異議を唱え、実質生活賃金、賃金平等、最高賃金比率を求める運動を展開することで、就労貧困の増加と闘う。
・公共部門、第三セクター、慈善部門向けの反貧困戦略とトレーニングツールの作成を通じて、政策設計とサービス提供の烙印を消す。
・ジャーナリスト、アーティスト、クリエイティブな実践者、コミュニティ活動家、実体験を持つ人々と協力して、貧困の烙印を押す物語に異議を唱えるイメージとストーリーを作成する。
[ Joseph Rowntree Foundation: "Poverty stigma: a glue that holds poverty in place" (2024/05/08) ]
この報告書はLancaster Universityのスティグマの第一人者Imogen Tylerを主筆とするもので、
“The stigmatisation of people living in poverty works to shift the blame onto individuals and families experiencing poverty and this helps justify the shockingly high rates of poverty and destitution we are now seeing in our society. To combat poverty, we need to stop the stigma.”と語っている。そして以下のように結論付けている。
「貧困に苦しむ人々に対するスティグマ化は、貧困を経験する個人や家族に責任を転嫁するものであり、これが現在我々の社会で見られる驚くほど高い貧困率と極貧率を正当化する一因となっている。貧困と闘うには、スティグマをなくす必要がある。」
[ "Report looks at ‘stigma’ through a new lens to stamp it out of society" (2024/05/08) on Lancaster Univ ]
· Not a 'natural outcome' of poverty – rather it is socially produced.
· Manufactured by the powerful, including politicians and media.
· Frames public perceptions about the causes of poverty, shifting blame away from the systems that created it onto individuals.
· Shapes how people living in poverty are represented and how people experience poverty.
· Designed into systems and programmes of welfare and support, and functions as both a deterrent to help-seeking and a tool for rationing resources.
· Seeps into everyday interactions and, for those on the receiving end, the psychological impact can be as devastating as the struggle involved in surviving a low-income.
・貧困の「自然な結果」ではなく、むしろ社会的に生み出される。
・政治家やメディアを含む権力者によって作り出されたものである。
・貧困の原因に関する一般の認識を形作り、貧困を生み出したシステムから個人への非難を転嫁する。
・貧困に苦しむ人々の表現方法と人々が貧困を経験する方法を形作る。
・福祉と支援の体制と計画に組み込まれ、助けを求めることへの抑止力と資源の配給ツールの両方として機能する。
・日常のやり取りに浸透し、貧困者にとっては、低所得で生き残るための苦労と同じくらい心理的な影響が壊滅的になる可能性がある。
[ "Report looks at ‘stigma’ through a new lens to stamp it out of society" (2024/05/08) on Lancaster Univ ]
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