創造論とインテリジェントデザインをめぐる米国を中心とする論争・情勢など

創造論ネタ

6000光年より彼方の星が見える


"若い地球の創造論"では、世界が6000年前に創造されたことになっている。にもかかわらず、6000光年より彼方が星が見える。それが説明がつかないなら、創造論は根本的に間違っていることになる。

創造論の宇宙モデル

若い地球の創造論者John G. Hartnettは次のようにモデルを整理する。
  1. 創世記は見た目(Appearance)を記述したもの: 数百万光年あるいは数十億光年の彼方の星は数百万年前あるいは数十億年前に創造され、その光が創造第4日に地球に到達したと考える。この説はRobert Newton (2001)によるものだが、これは聖書の解釈が違うというのがJohn G. Hartnettの考え。

  2. 創造6日間の宇宙の時間は地球上の時間より10兆倍も速く流れた:これはStuart Burgess (2001)の説で、John G. Hartnettは、もしそうなら青方偏移が観測されるはずだが、実際は赤方偏移が観測されているので、これは間違いだと考えている。

  3. 創造6日間の地球上の時間は宇宙の時間より10兆倍も遅く流れた:これはRussel Humphreys (1994)説で、地球上の時間の方を創造6日間限定で遅らせてしまうことで、青方偏移が観測されない問題を解決する。諸般の都合により、地球が宇宙のほぼ中心に位置する必要があるらしい。

  4. 光速は現在よりも1000億倍から1兆倍も速かった:これはSetterfield and Norman (1986)の説だが、それを裏付けるような観測事実がないのでこの説は排除される。これの派生として、光速は無限だったが、アダムとイブの楽園追放時に有限になったというHarris (1978)の説ある。これも青方偏移が観測されないことから棄却される。

  5. 神は星から放たれた光も創造した:超新星1987Aが十数万年前に爆発したかのような光を創造した(実際には超新星1987Aは存在せず、残骸が創造されている)。いわゆる"Appearance of Age"という考え方である。かつての創造科学の主導者Henry Morrisが自著「Scientific Creationism」で1974年にこの説を述べている。ただし、これは検証不可能。

John G. Hartnettは「創造6日間の地球上の時間は宇宙の時間より10兆倍も遅く流れた」を修正採用している。

なお、創造6日間は何でもありなので、何故そうだったか理由を説明する必要はない。それでも、現在の物理法則や観測事実は無視できないので、"決定版な理論"は作れない。

Harris, D.M., A solution to seeing stars, CRSQ 15(2):112–115, 1978

地球をブラックホールに入れる創造論者Dr. Russell Humphreys

Dr. Russel Humphreysは「創造6日間の地球上の時間は宇宙の時間より10兆倍も遅く流れた」の派生バージョンとして、地球上の時間の流れを遅くするために、ブラックホールの中に地球を入れた。
Dr. Humphreys claims that the "deep" of Genesis 1, verse 2, started within a black hole. This was due to the size of the deep (containing the matter of the universe) and the gravitational force that it would exert. God then, by his divine power and direct intervention, stretched out space causing the ball of matter to expand rapidly thus changing the black hole to a white hole. There are numerous biblical references to God stretching out the heavens (e.g. Jeremiah 10:12, Job 9:8, Zechariah 12:1). As God stretches out the heavens, the ball of matter expands and the matter becomes less dense. The "waters above the expanse" eventually reach and pass beyond the event horizon which now shrinks due to the reduction of matter within it. On day four God creates the stars and all the heavenly bodies and the event horizon finally reaches Earth so that, suddenly, from the perspective of Earth, all the heavens are visible. When Adam and Eve gaze up on day six, they can see the Milky Way, the Andromeda Galaxy, and all the wonders of the heavens.

Dr. Hamphreysは創世記1章2節の"deep"は、ブラックホール内部から始まったと主張する。宇宙の物質を含んだ深淵(deep)の大きさと、それの及ぼす重力による。そして神は、神の力で直接介入して、空間を引き伸ばし、ブラックホールをホワイトホールに変えて物質の球体を急激に拡大させた。神が天上を引き伸ばしたことに言及する聖書に記述は多い。神が天上を引き伸ばすにつれて、物質の球体も拡大し、次第に疎らになってきた。上の水は最終的に、内部の物質の減少によって小さくなった事象の地平線に到達して、これを超えた。4日目に神は星とすべての天体を創造し、事象の地平線は地球に到達し、地球からみると、突如として、天界がすべて見えるようになった。6日目に天を見上げたアダムとイブは、銀河やアンドロメダ星雲や、その他の展開の驚異を見ることができた。
wikipedia: Starlight problem
あまり豪快だが、創造6日間なので、神が宜しくやってくれるのだろう。






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