創造論とインテリジェントデザインをめぐる米国を中心とする論争・情勢など

[批判サイド]] > 創造論者の主張

Claim CG202.2:
The Hihking, a Chinese classic, tells a story of a flood very like the Biblical story. The family of Fuhi, including his wife, three sons, and three daughters, survived aboard a boat a great flood which covered the entire land. After the flood, they repopulated the world. An ancient temple in China shows Fuhi's boat in raging waters with dolphins swimming around it and a dove flying toward it.
中国の古典えあるHihkinは、聖書の物語に非常によく似た洪水の物語を伝えている。妻と3人の息子と3人の娘からなるFuhiの家族が舟で、全陸地を覆う大洪水を生き延びている。洪水後に彼ら世界に広がっていった。古代の中国寺院は、まわりにイルカが泳ぎ、まわりをハトが飛んでいるFuhiの舟を示している。
Response:
1. この洪水の物語は中国起源ではなく、米国起源である。我々はNelsonのThe Deluge Stoy in Stone (1931, 181-182)にまで遡った。Nelsonは「Hihkinによれば、Fuhiは洪水を逃れ、妻と3人の息子と3人の娘とともに、再生された世界の始祖となった」と書いている。しかし、そこに舟についての記述がない。寺院のイラストはNelsonがGutzlaffによる別の話しについてのものである。Gutzlaffとは、185年頃の中国におけるルーテル教会宣教師Karl Gutzlaffのことと思われる。GutzlaffはそれおFuhiではなく、Noahの絵だと書いている。これらをチェックするための参考文献は挙げられていない。

Nelsonの言う"Hihking"とは山海経(Shan hai ching, or Classic of Mountains and Seas)のことと思われる。しかし、そこにある洪水伝説はNelsonの記述とは大きく違っている。山海経によれば、鯀は帝の息壌を盗んで洪水をふさいだ。ただし帝の命令を待たなかったので、帝は祝融に命じて、鯀を羽山の郊野において殺させた。後に鯀はよみがえり、禹を生んだ。帝はそこで禹に命じ、ついに国土を分かち、九州を定めさせたという。[Birrell 1999, 195-196; Walls and Walls 1984, 94-100]。Nelsonの"Hihking"と山海経の物語はあまりにも違っており、Nelsonの物語がどこから来たのか憶測するしかない。おそらく、彼は、聖書の洪水伝説と混じって、語りなおされた、また聞きに依存していると思われる。おそらく、いずれもが文明の祖と考えられる、伏羲(Fuhi, Fu Hsi, Fu Xi)が、禹の代役になっているのだと思われる。

Nelsonの"Hihking"が別の著作のことを指している可能性もあるが、それらしいものを発見できなかった。伏羲が著者だとされている易経(I Ching)があるが、それには洪水伝説はない。

References:
  1. Birrell, Anne (transl.). 1999. The Classic of Mountains and Seas. London: Penguin.
  2. Nelson, Byron C., 1931. The Deluge Story in Stone. Minneapolis, MN: Augsburg Publishing House.
  3. Walls, Jan and Yvonne Walls. 1984. Classical Chinese Myths. Hongkong: Joint Publishing Co.


オリジナルページ

これはIndex to Creationist Claims, edited by Mark Isaakの和訳です。

なお、山海経の鯀(こん)については、狂仙洞による解説記事を引用した。





コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

Menu

サブメニュー

kumicit Transact


管理人/副管理人のみ編集できます