創造論とインテリジェントデザインをめぐる米国を中心とする論争・情勢など

批判サイド > 創造論者の主張

Claim CI001:
Intelligent design theory is science.
インテリジェントデザイン理論は科学である。
Source:
Dembski, William A., 1998. The Design Inference. Cambridge University Press.
Response:
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  1. デザイン理論で使われる用語が定義されていない。デザイン理論の「デザイン」は普通に理解されている「デザイン」とは何の関係もない。デザインはエージェントが意図的に何かを配置したと定義されているが、「インテリジェントデザイン」の意味でデザインを識別する過程には、そのような概念は登場していない。Dembskiは(法則と偶然ではないという)何かではないという形でデザインを定義しており、そのことでインテリジェントデザインは"Argument from incredulity"(疑いからの論)になっている。Dembskiは決してデザインが何であるか言わない。
    ~ある問題に対する答えは、問題のパラメータを指定しないと、何もしたことにならない。デザインについてのどんな理論も何らかの形でエージェントや目的に触れる。でないとデザインについての論にならない。インテリジェントデザイン理論家はデザインの科学理論にはエージェントや目的を含めない。それらは理論に取り入れられないと明言する者もいる[Dembski 2002, 313]。したがって、インテリジェントデザイン理論がデザインを証明できても、実効的には何の役にも立たない。デザインについて普通の意味では何も言っていない。
    ~還元不可能な複雑さもまた、デザインとは何の関係もない"Argument from incredulity"(疑いからの論)になっていて、科学として成功していない。
  2. インテリジェントデザインは主観的である。Dembskiの数学的な込み入った定式化であっても、彼の指定された複雑さの仕様は、主観的な概念として仕様を作ってからしか、定義できていない。Dembskiは今では「見かけの指定された複雑さと本当の指定された複雑さがあって、後者のみがデザインを示す」といっている。しかし、原理的にこの両者を識別する方法は存在しない[Elsberry n.d.]。
  3. インテリジェントデザインは常識とは逆の結果を意味する。クモの巣は見かけ上は指定された複雑さの基準に合致し、そのことはクモはインテリジェントであることを意味する。そう言う代わりに、複雑さはクモの中および能力に対してデザインされたと言うことは可能だ。しかし、そう主張すると、クモのデザイナーはインテリジェントではなく、クモのデザイナーのデザイナーはインテリジェントであるとも言えてしまう。したがって、クモがインテリジェントであるか、インテリジェントデザインは「すべてのデザインは宇宙の始まりに注入された」という弱い理神論になるか、「指定された複雑さ」は役に立たない定義になるかである。+インテリジェントデザイン運動は科学について意図を持っていない。運動を広げ率いたPhillip Johnsonは何度も、これが宗教と哲学ついてであって、科学についてではないといっている[Belz 1996]。
Further Reasing:
Elsberry, Wesley, 2000. The anti-evolutionists: William A. Dembski.
Frank, Patrick, 2004. On the assumption of design. Theology and Science 2(1): 109-130.
Pennock, Robert T., 2003. Creationism and intelligent design. Annual Review of Genomics and Human Genetics 4: 143-163.


オリジナルページ

これはIndex to Creationist Claims, edited by Mark Isaakの和訳です。




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