創造論とインテリジェントデザインをめぐる米国を中心とする論争・情勢など

関連ネタ

ダニング·クルーガー効果についてのwikipediaの記述


2014/05/08時点で日本語版はスタブ状態なので、英語版から。

wikipedia:ダニング·クルーガー効果(Dunning–Kruger effect)

ダニング·クルーガー効果とは、以下の2つのいずれかの形で現れる認知バイアスである:
  • 未熟な人が、誤って自らの能力を平均よりも、はるかに高いと評価して、幻想上の優位性を患う認知バイアスである。このバイアスは未熟な人が自らの能力不足を認識できない、メタ認知能力のなさによる。[1]
  • 単一スキルあるいはスキルセットを容易に習得した人は、他者が自分と同等の理解をしていると誤って仮定して、自信を弱めるかもしれない。Impostor syndrome参照。

Cornell UniversityのDavid DunningとJustin Krugerは「自身についての誤りによる無能な人のキャリブレーション失敗と、他者についての誤りによる有能な人のキャリブレーション失敗」と結論している。[2]
提唱

現象は1999年に、Cornell University.の心理学科のDunning and Kruger[2][3]にって実行された一連の実験で検証された。DunningとKrugerは、非常に多くの無能の背景に、能力の標準についての無知があることを初期の研究が示唆していることを指摘した。スキルの研究では、読解から車の運転からチェスやテニスまで広範囲にこのパターンが見られる。この研究は、レモン汁を顔に塗ると監視カメラに記録されないと誤って信じて、2つの銀行強盗をしたMcArthur Wheeler事件にインスパイアされた。[4] 彼らは、能力基準の無知が巨大な無能の背景にあることを示唆する初期研究を挙げている。このパターンは、運転や読解やチェスやテニスなど多様なスキルの研究でも見られる。

DunningとKrugerは、所与のスキルについて、無能な人々は:
自分のスキルレベルを過大評価する傾向がある
他者の持つ本物のスキルを認識できない
自らの不適切さが極端であることを認識できない
そのスキルのトレーニングを行うと、トレーニング前はスキルがかけていたことに気付く[5]

Dunningは、脳損傷によって身体障害を被った人が、失明や麻痺などの劇的な障害についても、障害の存在を知らない、あるいは否定することとのアナロジー("日常生活の病態失")[1][6]を描いた。
If you’re incompetent, you can’t know you’re incompetent. […] the skills you need to produce a right answer are exactly the skills you need to recognize what a right answer is.
もし自分が無能なら、自分が無能であることを知りえない。正しい答えを出すために必要なスキルは、まさしく何が正しい答えであるか認識するために必要なスキルである。 David Dunning[7]
これを支持する研究

Dunning and Krugerは、この仮説を検証する実験をCornellの心理学の学部学生に対して行った。一連の研究で、彼らは、論理的な推論のスキルと文法的なスキルとユーモアについての被験者の自己評価を調査した。テストの得点を見せられた後、被験者は再び、自分自身のランクの評価を求められた: 有能な人々は正しく自分自身のランクを評価したが、無能な人々はそれでもなお、自分自身を過大評価した。これについてDunningとKrugerは対のように書いている。
Across four studies, the authors found that participants scoring in the bottom quartile on tests of humor, grammar, and logic grossly overestimated their test performance and ability. Although test scores put them in the 12th percentile, they estimated themselves to be in the 62nd.
4つの研究にわたって、我々は、ユーモアと文法とロジックのテストの得点の下位1/4の被験者は、テストの得点と能力を過大評価した。テストの得点は12パーセンタイルだが、彼らは自らを62パーセンタイルだと自己評価していた。[2]

一方、真に能力を持つ人々は、自身の相対的能力を過小評価する傾向があった。おおよそ、タスクが簡単だと誤って仮定していた被験者は、ある程度、そのタスクが他人にとっても簡単にちがいないと考えていた。[2]

同じ論文に書かれているフォローアップ研究は「おおよそ無能な学生は、実際のスキルの向上は無に等しくても、最小限の指導で、もともと欠いていた自分自身のランクを評価する能力を向上させる」ことを示唆した。[2]

2003年に、同じくCornell UniversityのDunning and Joyce Ehrlingerは、外部の手がかりの影響を受けて自分自身についての見解のシフトの詳細についての研究を発表した。研究の被験者はCornell Universityの学部学生で、意図的に自己評価がポジティブあるいはネガティブに影響されるようにして、地理のテストを受けさせられた。そして、自分の得点を予測させられた。ポジティブに影響された学生は、ネガティブに影響された学生より、有意に高い得点を予測した。[8]

Daniel Ames and Lara Kammrathはこの研究を他者への感受性に拡張し、被験者の認識がいかに影響を受けるかを調べた。[9] 

Burson et al (2006)による研究は、Kruger and Mullerが論文"Unskilled, unaware, or both? The better-than-average heuristic and statistical regression predict errors in estimates of own performance,"で提示したコア仮説の一つ「いかなる成績の人も自分の相対成績を正しく評価できない」を検証しようとするものであった。[10] この仮説を検証するために、彼らは「タスクの難易度認識を操作し、それにより相対成績を操作した」3つに実験を行った。[11]  著者らは、被験者に中難易度のタスクを提示した場合、最高成績者と最低成績者に自分の成績の予測精度に違いはほとんど見られないことを見出した。さらに、著者らはより難易度の高いタスクで、最高成績者が最低成績者よりも、自分の成績の予測が正確でないことを見出した。これらの結果は「全てのスキルレベルで同程度に判定が誤っていること」を示唆していると、著者らは結論した。[12]

Ehrlinger et al.[2008]は別の説明を検証しようとしたが、元の研究と定性的に同様の結果になった。この論文は「これらの根本原因が、高得点者と対照的に、低得点者が改善の必要性を示すフィードバックから学ばないことである」と結論した。[13]

ダニング·クルーガー効果についての研究は、米国の試験科目に集中する傾向がある。一部の東アジアの被験者に関する研究では、ダニング·クルーガー効果とは逆の何かが自己評価と、向上努力への動機に対して働いていることが示されている。[14] 東アジア人は自分の能力を過小評価する傾向にあり、成績が悪いことを自己研鑽の機会と捉え、他人とうまくやっていく。
受賞

Dunning and Krugerは彼らの論文"Unskilled and Unaware of It: How Difficulties in Recognizing One's Own Incompetence Lead to Inflated Self-Assessments"に対して、イグノーベル心理学賞を受賞している。[15]
歴史的文献

ダニング·クルーガー効果は1999年に提唱されたが、DunningとKrugerはConfucius 「Real knowledge is to know the extent of one's ignorance."(真の知識とは自分の無知の範囲を知ることである)」,[3] やBertrand Russell 「"One of the painful things about our time is that those who feel certainty are stupid, and those with any imagination and understanding are filled with doubt and indecision"(我々の時代に辛いことの一つが、自らが確かに愚かだと感じている者と、想像力と理解力を持つ者は、疑いと優柔不断に満たされてる)」[13] や、原論文でも引用しているCharles Darwin 「"Ignorance more frequently begets confidence than does knowledge"(無知は知識より、しばしば自信を生む)」[2] などの哲学者や科学者の同様の歴史的観察を挙げている。

その論文にコメントしたGeraint Fullerはシェークピアが"お気に召すまま"で、同様のことを書いていると指摘している。「"The fool doth think he is wise, but the wise man knows himself to be a fool." (V.i)(愚者は自らが賢明だと考え、賢者は自らが愚かであると知っている)」[16]
References
  1. Morris, Errol (20 June 2010). "The Anosognosic's Dilemma: Something's Wrong but You'll Never Know What It Is (Part 1)". New York Times. Retrieved 7 March 2011.
  2. Kruger, Justin; David Dunning (1999). "Unskilled and Unaware of It: How Difficulties in Recognizing One's Own Incompetence Lead to Inflated Self-Assessments". Journal of Personality and Social Psychology 77 (6): 1121–34. doi:10.1037/0022-3514.77.6.1121. PMID 10626367. CiteSeerX: 10.1.1.64.2655.
  3. Dunning, David; Kerri Johnson, Joyce Ehrlinger and Justin Kruger (2003). "Why people fail to recognize their own incompetence" (PDF). Current Directions in Psychological Science 12 (3): 83–87. doi:10.1111/1467-8721.01235. Retrieved 29 December 2012.
  4. "Why Losers Have Delusions of Grandeur". New York Post. 23 May 2010. Retrieved 19 March 2014.
  5. Chris Lee (2012-05-25). "Revisiting why incompetents think they’re awesome". arstechnica.com. p. 3. Retrieved 2014-01-11.
  6. Dunning, David (2005). Self-Insight: Roadblocks and Detours on the Path to Knowing Thyself (Essays in Social Psychology). Psychology Press. pp. 14–15. ISBN 1-84169-074-0.
  7. New York Times: Interview with David Dunning, 20. June 2010
  8. Joyce Ehrlinger; David Dunning (January 2003). "How Chronic Self-Views Influence (and Potentially Mislead) Estimates of Performance". Journal of Personality and Social Psychology (American Psychological Association) 84 (1): 5–17. doi:10.1037/0022-3514.84.1.5. PMID 12518967.
  9. Daniel R. Ames; Lara K. Kammrath (September 2004). "Mind-Reading and Metacognition: Narcissism, not Actual Competence, Predicts Self-Estimated Ability" (PDF). Journal of Nonverbal Behavior 28 (3): 187–209. doi:10.1023/B:JONB.0000039649.20015.0e. Retrieved 21 July 2013.
  10. Burson, K.; Larrick, R.; Klayman, J. (2006). "Skilled or unskilled, but still unaware of it: how perceptions of difficulty drive miscalibration in relative comparisons". Journal of Personality and Social Psychology 90 (1): 5. doi:10.1037/0022-3514.90.1.60. PMID 16448310. hdl:2027.42/39168.
  11. Burson, K.; Larrick, R.; Klayman, J. (2006). "Skilled or unskilled, but still unaware of it: how perceptions of difficulty drive miscalibration in relative comparisons". Journal of Personality and Social Psychology 90 (1): 6. doi:10.1037/0022-3514.90.1.60. PMID 16448310. hdl:2027.42/39168.
  12. Burson, K.; Larrick, R.; Klayman, J. (2006). "Skilled or unskilled, but still unaware of it: how perceptions of difficulty drive miscalibration in relative comparisons". Journal of Personality and Social Psychology 90 (1): 60–77. doi:10.1037/0022-3514.90.1.60. PMID 16448310. hdl:2027.42/39168.
  13. Ehrlinger, Joyce; Johnson, Kerri; Banner, Matthew; Dunning, David; Kruger, Justin (2008). "Why the unskilled are unaware: Further explorations of (absent) self-insight among the incompetent" (PDF). Organizational Behavior and Human Decision Processes 105 (1): 98–121. doi:10.1016/j.obhdp.2007.05.002. PMC 2702783. PMID 19568317.
  14. DeAngelis, Tori (Feb 2003). "Why we overestimate our competence". Monitor on Psychology (American Psychological Association) 34 (2): 60. Retrieved 7 March 2011.
  15. "Ig Nobel Past Winners". Retrieved 7 March 2011.
  16. Fuller, Geraint (2011). "Ignorant of ignorance?". Practical Neurology 11 (6): 365. doi:10.1136/practneurol-2011-000117. PMID 22100949.







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