忘却からの帰還〜Intelligent Design - 育種の設問と回答
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「育種の設問と回答」

問題1-3:

トウモロコシはまったくの人的な食物である。数千年かけて、ネイティブアメリカンが目的を持って、特別な耕作技術で、中米に生息する野生の草(ブタモロコシ)を変化させて、トウモロコシを作り出した。1本の穂軸に数百の実をつける現代のトウモロコシと比べると、ブタモロコシは数個の小さくて硬い実をつける。以下は、トウモロコシの栽培植物化に関係があったり、なかったりするかもしれない6つの要素である。関連性の順に(1. 最も関係がある ... 6. 最も関係がない)並べてほしい。

(a) 同じ世代のトウモロコシの類似性の程度

(b) 各々の植物が直射日光を浴びた平均時間
(c) どのトウモロコシの実を栽培するか決めた人々の選択
(d) トウモロコシの実が植えられた土壌の豊かさ
(e) 年間平均降水量
(f) 次世代の栽培に使う実の比率

問題1: 要素(b)の順位
問題2: 要素(d)の順位
問題3: 要素(e)の順位

回答1-3

「変異」な回答(スコア+1) :
(b)(d)(e)を4,5,6位にランクさせた

「変容」な回答(スコア−1):
(b)(d)(e)を1,2,3位にランクさせた

回答状況1-3

NoContent-10+1平均
1直射日光を浴びた平均時間16NA290.29
2植えられた土壌の豊かさ22NA230.02
3年間平均降水量18NA270.20

個々の順位は問題ではなく、選択に関する要素(a)(c)(f)を上位に持ってこれるかどうかが正解・不正解を分けている。わりと明白なかんじがするが、(d)の土壌の豊かさに惑わされる傾向がみられる。



問題4:トウモロコシからブタモロコシのような植物を作れるだろうか?その理由は?

回答4

「変異」な回答(スコア+1) :
(可能): ブタモロコシに最も似たものを選択的に栽培できるから。
(不可能): 栽培によって、ブタモロコシの望ましくない性質を除去してしまったから

「変容」な回答(スコア−1):
(不可能): 進化は逆転できないから。
(可能): 発展したテクノロジーを使えるから。

回答状況4
NoContent-10+1平均
4トウモロコシからブタモロコシへの変化1511190.09

可能・不可能はどうでもよくて、理由が重要。実際に可能かどうかはわからないが、変異な回答のいずれもが仮説として成り立つ。



問題5:次の3つから仲間はずれを選択して、その理由を言ってみよう。

(a) 選択的に栽培された紫の実をつけるトウモロコシ
(b) 遺伝子工学で作られた紫の実をつけるトウモロコシ
(c) 特別な土壌で紫の実をつけるトウモロコシ


回答5

「変異」な回答(スコア+1) :
(c): これだけは遺伝子が変えられていない。
(c): これの子孫は紫の実をつけない

「変容」な回答(スコア−1):
(b): これだけは遺伝子を変えられている
(b): これがもっとも不自然

(c): これがもっとも自然


回答状況5
NoContent-10+1平均
5紫の実をつけるトウモロコシ197190.00

自然・不自然という価値観や遺伝子工学の意味を持ち込むと回答がおかしくなってしまう例。生徒・学生たちは、かなり惑わされている。

出典