複数デザイナー理論における複数のデザイナーはDembskiが"No Free Lunch"や"Intelligent Design Coming Clean"などの著作で書いた"インテリジェントエージェンシー"の推測に共通にある特性のひとつを持つ。その特性は下記の最初にある。追加の特性はデザイナーが複数であるという仮説に基づく。
A. 複数のデザイナーは肉体を持たない。 それ物質界あるいは生物世界のものではなく、Dembskiがインテリジェントエージェンシーが物質界に影響を与えるのと同じ方法で、生物世界に影響を及ぼす。Dembskiは"Intelligent Design Coming Clean"において、電磁波は波長が無限大の極限でエネルギーがゼロとなるので、肉体を持たないインテリジェントエージェントは原理的に、波長無限大のゼロエネルギーの信号を通じて情報(デザイン)を生物に対して伝送できると示唆した。そのような推論は私の知人の物理学者をいらだたせた。というのは、(極限での)純粋数学的な抽象化を用いて、肉体を持たないエージェントが、ゼロエネルギーの(従って伝送容量がゼロ)信号を、(波長が無限大なので) 焦点を合わさない電磁波放射を使って、物理的事象に作用する因果率効率を論じるているからだ。しかし、複数デザイナー理論の技術的詳細ができれば、その後作ることになるだろう。Dembskiが"Intelligent Design Coming Clean"において保証しているので、我々は実際にことが起きるまで、そのように起きるのかを理解する必要はない。Dembskiによれば、実際、それがどのように起きるか必要ない:
So too, we don't "understand" how a designer imparts information into the world, but we "know" that a designer imparts information.
従って、我々はデザイナーが情報を我々の世界にいかにして与えるか"理解"していない。しかし、我々はデザイナーが情報を与えたことを"知っている"。
これは、Dembskiが科学における"機械論的"説明と呼ぶものを拒絶することと合致している。この機械論的説明とは、現象がその結果として起こる物理変数を記述することで、現象の因果関係を説明を与える説明方法である。この拒絶によって、我々は説明のための手荷物なしに済ませることができる。
B. 複数のデザイナーは互いに異なる。 デザイナーの同一性を仮定することは複数デザイナー理論を、特殊例である単一の肉体を持たないデザイナーのインテリジェントデザインに帰着させるが、これは証拠が支持しない。複数のデザイナーはいくつかの潜在的に検知できる点において互いに異なる。成果が期待できる科学研究計画を補強できるので、これらの違いはとても重要である。私は以下で研究計画を論じ、パイロット研究の例を次のポスト"
Validating Designer Discrimination Methods"で提示する。
C. 複数のデザイナーは完全なデザイナーではない。 これは複数のデザイナーが互いに異なることから導かれる。定義上、完全なデザイナーたちは互いに同一であって、彼らのデザインを識別できない。従って、複数デザイナー理論では、"デザインのよさ"空間における最高点たる理想的に最適化したデザインを作れないという意味で、複数のデザイナーは不完全であるとする。さらに、彼らが互いにまさに不完全性において異なっており、これらの違いは複数デザイナー理論研究にくさびをいれる割れ目を提供する。複数デザイナー理論によって補強された研究計画の重要な部分はデザインの違いが異なるデザイナーの識別規準となるだろう点である。複数のデザイナーは彼らの作品に" 指紋"を残しているはずで、それは人間の指紋のように、適切な方法論的"レンズ"と分析ツールがあれば、識別できるかもしれないデザイナー間の差異の背後に複数のデザイナーが残した象徴的指紋と仮説する。
D. 複数デザイナーの数は有限かつ上限がある。 この前提は他のものよりも経験的証拠によって支持することは難しい。しかし、複数デザイナー理論研究が、デザインされた現象のリストあるいは宇宙的奇妙なデザイン店になったり、単一デザイナー理論にならないために、論理的に必要なことである。科学的理論は類似性クラスへ異なる現象を分類し、個別例ではなく、それの所属するクラスに対して一般的な法則を適用することで、クラスの実例の挙動を説明する。デザイナーの数が無限であれば、各クラスはたったひとつのメンバーしか持てない。その場合、複数のメンバーを持つクラスがないので、一般的法則は作れない。論理的には無限個のデザイナーがいてもよいが、しかしそれだとデザインについての科学的研究は不可能になる。従って、これは科学的に必要な推定である。同様に、デザインするエージェンシーが1個であれば、現象を分類するクラスは存在せず、1個のクラスに帰着するので、これもまた科学的一般化できない。従って、複数デザイナー理論は、インテリジェントエージェントの数は有限かつ上限があると仮定する。