TRPGOnlineWIKI 100万の剣の欠片 - GMの心得

ゲームマスターの心得 スキル

概要

TRPGにおいてGMの役割と責任の大きさは、一般的な参加者であるPLよりも大きいと言えるでしょう。
参加者たち全員が楽しむための準備や気配り、ルール・世界観への理解度、文章・演出面の技術などはPLに求められるそれよりも遥かに高いのです。
しかし、シナリオ作成や、モンスターの配置、ダンジョンとそこに敷かれた様々なギミックの用意、キャラクター達が楽しめるような裁定などといった、PLとして参加するだけでは味わえない、GMにしか楽しめないTRPGの最も特徴的な部分を直に体感出来るということは、求められる難易度と比してもなお魅力的と言えるでしょう。
TRPGというゲームが持つ「想像力」との親和性、その突端こそがGMという役割であり最大の魅力かも知れません。

GMのコツ〜初級者編〜

ルールの理解・覚えてみる 

GMのコツ〜中級者編〜

時間配分に対する考え
裁量のに対する考え方 拡大解釈と独自ルール。

GMのコツ〜上級者編〜

PLの意見を取り入れ、より高品質な作品を作るには

GMをやる上でのコツ(分類待ち)

みんなで楽しむ
GMをやる上で一番大事・・・というかGMもPLも遊びに来ているのだから、楽しめなければ意味が無いでしょう。
ルール間違えようが、誘導ミスろうが、終わった後で、GM含めてみんな「楽しかった」といえればいいのです!
寝不足と連日のセッションの疲弊に注意!!
TRPGをどっぷりと楽しむということは、GMにとっても非常に重要なことです。
GMが楽しみ、PLも楽しむ…これが、TRPGの本来的で理想的な遊び方なのです。
しかし、一度のセッションにかかる時間は決して短くはありません。
特に、開始時間が夜遅くからの場合は終了時間が深夜になってしまう…ということもざらでしょう。
GMとしての楽しさに目覚めると、連日のようにセッションを行うようになり、結果睡眠不足に陥ってしまうという方も少なくないのです。
GM、PL、TRPGを遊ぶということに限らず、寝不足は注意力や判断力が問われるもの全ての天敵です。
また、健康面から考えてみても、「睡眠不足は万病の元」といわれるように決して褒められた状態ではないでしょう。
GMという役割を担う上で楽しむということは確かに重要ですが、それで体調を崩してしまっては元も子のありません。
まずは、健康第一にということを忘れずにTRPGを楽しみましょう。
参加者に初心者の多い卓では基礎的な部分からのサポートを!!
PL初心者の方にとって、まず最初のハードルになるのは判定の計算でしょう。
遊ぶものによっては判定の仕組みも複雑になりがちで、結果、周囲の熟練者の方々に置いていかれてしまう…或いは、逐一説明の時間をとらざるを得なくなってしまい他のPL達を待たせてしまう、といった結果を招いてしまう場合も多々あります。
TRPGを楽しむという点においても、ルールへの不慣れは初心者のPLにとって大きな足枷です。
なので判定の計算式や、複雑なルールなど、初心者の方々が躓きやすいと思われる部分については予め目に見える部分に解説のテンプレートを用意すれば、初心者の方にとってのハードルは格段に低くなり、より純粋にセッションが楽しんでもらえるようになるでしょう。
参加者の立場になって考える、ということが直接TRPGを皆で楽しむための一助となるのです。
色々なGMさんのセッションに参加しよう!!
GMという役割を担う、ということにおいて、まずはPLとして他のGMが取り仕切るセッションに参加することはとても重要です。
たくさんのGM達の技術を直接見て、自分が良いと思ったところは積極的に取り入れましょう。
それを繰り返していけば、自分がどんなGMになりたいのか…という理想像が見えてくるはずです。
また、自分以外のGMとしての技術を取り入れることは、更に多くの人にその技術を広げることとなり、結果、技術の共有が促進されます。
技術の共有は技術の進歩へと繋がり、更にはTRPGをもっと楽しいものにすることに繋がっていくでしょう。
GM=ルールという事に「こだわりを捨てる」こと!!
現在は、様々なTRPGのルールブック・サプリメントが普及し、それをもとにたくさんの人がTRPGを楽しんでいます。
しかし、TRPGとは必ずしもその「ルール」に従って遊ぶ、という楽しみ方しかないというわけではありません。
まずは、皆で楽しむこと。
この一点は、TRPGにおいて最も重要なことなのです。
ルールブックはある程度の基準として、状況に応じてアドリブを利かせましょう。
それが、参加者達の柔軟な発想を促すことにもなるでしょう。
ちょっとした気配りも忘れずに!!
シナリオを進める中で、なかなか会話に参加できないという方が出てくることも少なくありません。
初心者の方の場合は緊張しているのかもしれませんし、アドリブで言葉を返すのが難しいという方もいるでしょう。
しかし、それでは十分にセッションを楽しむことができません。
そんな人を見かけた時は、GMとしての気配りを忘れずに行動しましょう。
誰でも気軽に会話に参加できるように、あえてそのPLに判定を振るなどして、自然な流れで相手の言葉を引き出してあげるのもいいかもしれません。
判定を自分なりに砕いてみる!!
TRPGで固有の技能などがあり、それぞれに役割の分担がなされている場合でも、テンプレート通りの展開を用意するだけでなく、そこにもう一捻りしてみるのも一興かもしれません。
特定の技能の有無にだけで反応や対応をせず、他の技能で補えそうな場合などを考えて、あえて定石から外すために判定を砕き、参加者に方法を与えてみると参加しているPLにとって新鮮であったり、又はシナリオという面から考えても新しい展開を引き出すことが出来るかもしれません。
時間管理を怠らずに!!
オンラインでのセッション(以下オンセ)は、オフラインでするセッション(以下オフセ)よりも多くの時間を必要とします。
マイクを使用する場合を除き、会話を全てタイピングで交わさなければならない、というオンセでの大きな特徴がその原因だと予想されます。
一つのセッションに多くの時間がかかってしまうと一日でそれを終了させることは難しく、数度のセッションに分割し、日数をかけてそれを消化していくことになりますが、リアルの都合などでなかなかメンバー全員の日程があわないということも間々あり、結果的にセッションが空中分解してしまうということも少なくありません。
よって、オンセではオフセとは違い、一定の時間内に一つのセッションを納めるという技術が求められる場合も多いのです。
例えば、3時間のセッションを行う場合
・導入:30分程度が目安
・調査:30分程度を3〜4か所
・戦闘:1時間
ということを念頭に置いてゲームを進めていくと、セッションを上手く時間内に納められるかもしれません。
時間配分は人それぞれですが、上述した例のように『一つの工程にかける時間』というのを、意識しながら行うことが重要です。
また、マスタリング上の処理では
・短時間の単発のセッションの場合、中途半端に敵を設定するとその後ろに敵がいるんじゃないか、とPLが悩んでしまうので敵をきっちり決めてしまったほうが安定する。

などを意識すると、いいでしょう。
時間配分はGMの求められる技術の中でも特に難度が高く、失敗もおおく付きまとうでしょうが、それら全ても貴重な経験です。
同じことを繰り返さないことが一番大事、ということを忘れずに取り組みましょう。
予めシナリオの骨格を作る!
GMという役割を担う上で、その大きな割合を占めるのがシナリオですが、その内容や作成方法、運営方法は、予め決められているルールよりも遥かに自由度が高く、人それぞれの方式があります。
予め念入りにシナリオを練る方もいれば、多くをアドリブによって構成する方もいるなど、多種多様です。
不慣れなGMがシナリオを進めるのであれば、シナリオの基本的な骨格をあらかじめ決めておくことも重要です。
細部までびっしり設定する必要はありませんが、PCの目的、導入、起きるイベント、登場するNPC(敵味方含む)、GMとしての解決策、結末を予め決めておくと本番の進行がスムーズにできるでしょう。
無論、その中でもPL達のリアクションによってアドリブを求められる場面があることを忘れずに、GMという役割に臨みましょう。
上述したのは、ほんの一例です。
重要なのは、自分にはどんなシナリオ運営が適しているのかということを考えることです。
GMにとって、一番楽しい作業でもありますので、めげずに頑張りましょう。
PLさんの提案に「NO!」を言わない!!
TRPGの最も大きな特徴はその自由度の高さです。
参加者はGMの用意した舞台で、思うがままに振舞い、キャラクターを演じることが出来ます。
であるからこそ、基本的にPLさんから「〜したい」「〜できないか?」と言われたら「NO!」を言わないことも重要なことです。
参加PLの提案を広く受け入れることは、参加者にTRPGの自由度を堪能してもらうに繋がるでしょう。
また、PLさんからの要望を、より積極的に「いいね!」を超える「すばらしいね!」と言って取り入れていけば、自分のシナリオに提案してくれるPLさんは、自分のシナリオに興味を持ち、好印象を抱いてくれている可能性が大きくなります。
是非ともその好意を味方につけましょう。
ゲームルールに抵触しない限り、積極的にシナリオに導入してみてはいかがでしょうか?
あえて細い設定を用意する!!
シナリオを展開する上で、あまり事細かにデータを作りすぎると、それに自縄自縛されやすくなるのは事実です。
ですが、NPCやストーリーに出てくる町などの設定はあえて事細かく、様々な設定を用意することもシナリオを深める上で重要なことではないでしょうか?
たとえばとある町があるとしましょう。
この町の人口はどれくらいだろうか。主要な経済活動は何だろうか。村長はどんな人物だろうか。地理はどうだろうか。どんな施設があるのか。
これらは一見するとTRPGのデータとしては不要と思われる事項でしょう。
それも当たり前の話で、PLさんは冒険者であって英雄、ただの町人や村人、衛士ではありません。
それらの情報よりも、ダンジョンはどこにあり、ラスボスはどんな敵なのか。
というような情報のほうが遥かに重要です。
しかし、PLさんにその設定を事細かく説明できれば、RPの幅が大きく広がります。

町の鍛冶屋は頑固なドワーフ。腕は良いが無口で無愛想だ。彼は片足を引きずるように歩くクセがある。
これは昔冒険者をしていたころの古傷が元だ。彼はその傷をつけたモンスターを倒せる冒険者を密かに求めている。

これだけの設定でも、彼は冒険者に冒険を提供する依頼人になり得、武器の素材を集めるなどのサブクエストを提供することもできるのです。
こうするとただ武器を購入するときに機械的に存在していたNPCに、血が通い始めます。
すると描写も生き生きとしたものに変わり、PLさんがストーリーの中にグッと引き込まれるようになるでしょう。
単発セッションでは少し使いづらい手かもしれませんが、キャンペーンを展開するときなどは、是非「事細かな設定」を試みてみてはいかがでしょうか?