ここは、クトゥルフ神話TRPGのオンラインセッションに関する各種情報がまとめられているWikiです。

シナリオ情報


プレイ時間:2〜3時間
推奨人数:2〜3人
推奨技能:目星、(精神分析)
難易度:☆☆(細かいSANチェック多め、ロストエンドなし※)
※ロストがないという意味ではありません。

シナリオの背景


このシナリオは一人の青年の生死をかけた、人魚とニャルラトホテプの勝負です。
幼い頃は仲が良かった青年と人魚ですが、青年が大人になるにつれて人魚の姿は見えなくなり、やがて青年は人魚のことを忘れてしまいます。しかし、人魚のほうはそんな青年をずっと見守っていました。
そして数年後のある日、青年が海で事故に巻き込まれます。人魚は急いで青年を助けに行きましたが、青年のもとにたどり着いた時には、彼はすでに息をしていませんでした。
そんな時、人魚と青年の奇妙な友情に興味を持ったニャルラトホテプが、「君が勝てば青年を助けてあげるよ。でも負ければ…」と人魚を勝負に誘います。人魚はその誘いに乗り、数人の人間を連れ込み助けを求めます。それがこのシナリオの背景です。

シナリオMAP


KP用にシナリオMAPを用意しておきますが、探索者には配布しないでください。
セッションが終わった後に、公開するのは大丈夫です。


導入


季節は夏。探索者たちは海水浴場へ来ている。夏真っ盛りということもあって、ビーチは人で賑わっており、海の家では様々な夏らしい食べ物が売られていた。

探索者たちは好きな行動ができる(海で泳いでも、砂浜で何か作ってもいい)。
その際行動によっては、次のような情報が手に入る。
<目星>した場合
海岸沿いの少し離れた所に、大きな家がみえる。
大きな窓が海に面していて、眺めは最高だろうと予想できる。
海の家で話を聞いた場合
海岸沿いにある家の青年が、数日前から行方不明ということを聞ける。

探索者がやりたいことの処理を済ませると、シナリオが進む。
海の中にいる探索者の場合
突然何者かに足を引っ張られ、そのまま海中へと引きずりこまれる。足元をみると青白い手が自分の足首を掴んでいるのがわかる。呼吸をしようと藻掻く間もなく意識が薄れ、暗転する。
0/1(青白い手を見ているものは1/1d2)のSANチェック(この手は人魚のもの)
海の中以外にいる探索者の場合
突然めまいを感じる。探索者が立ち眩みか…?などと思っている間にどんどん意識は薄れ、やがて目に映る世界は完全に暗転する。
全員に共通すること
意識が途切れる直前に<聞き耳>を振らせる。
成功すると、「たすけて…」という女性とも男性ともとれるような声が聞こえる。
(この声は人魚が探索者に助けを求める声)

探索場所

〔楹个瓩良屋

探索者たちが目覚める部屋。左側に扉と右側に螺旋階段以外は何もない。
一面砂でできているが、崩れることはない。螺旋階段はサンゴで出来ている。
天井は7mより高いくらい。

目が覚めると探索者たちは、見知らぬ部屋に倒れていた。部屋は長方形で壁も天井も床も白い。持ち物は何も持っておらず、服装は全員白いシャツに青いデニム、足元はビーチサンダルという格好になっている。
部屋の中には家具などはなく、左に扉がひとつ、右には螺旋階段があった。
(螺旋階段部屋の中にあります)

部屋全体について
<目星>をすれば、真っ白だと思っていた壁や床だが、よくみると黒い粒のようなものが混じっていて、触るとジャリジャリしているのがわかる。<アイデア>→砂浜の砂に似ていると感じる。
螺旋階段について
勘違いのないように、螺旋階段は部屋の中にあると探索者に必ず告げてあげること。
螺旋階段は上のフロアのその先までも続いている。壁などと同じく真っ白だが、上へいくにつれて青みがかかっているのがわかる。(この階段はサンゴで出来ているが、見ただけでは石だと思うだろう。<生物学>などに成功すればサンゴだと気づいても構わない)。先は【青の部屋】に続いている。
扉について
<聞き耳>→鼻歌が聞こえる。(探索者から聞かれれば男のものだとわかってもいい)。
先は【空の部屋】に続いている。

扉がない方の壁について
ここの壁だけは脆くできており、スコップで壊すことができる(素手では不可)。
壊すとその先に部屋が現れる。→後述【秘密の部屋】

空の部屋

妙に天井が高い(15mくらい)正方形の空色(水色に近い)の部屋。
この部屋の壁や天井や床は石でできている。
青い目の青年以外は何もないし、誰もいない。

探索者たちが扉を開けると、太陽の光で色のとんでしまった空のような、少し白けた青が目に飛び込んできた。その部屋は見渡す限り空色一色で、正方形に近い形をしていたが、天井だけがやけに高い。
そして、部屋の中央では足枷に繋がれたあおい目をした青年が鼻歌を歌っていた。

部屋全体について
手触りから、この部屋が石のようなもので出来ているとわかってもいい。場合によっては螺旋階段とは微妙に違う手触りだと伝えても面白いかもしれない。
<目星>をすれば天井に二つの点を見つける。よく見るとそれはこちらをジッとみている瞳だった。
1/1d3のSANチェック。(この目は青年を見張るニャルラトホテプのもの。瞳の色は「遠すぎて見えない」と誤魔化すのをオススメするが、誤魔化しきれない場合はKPの判断で好きな色にして良い。)
足枷について
鍵穴がついている。鎖の長さは扉に届くか届かないかくらい。
青年について

青年に質問する
探索者の話はちゃんと聞いてくれるが、基本的に何を尋ねても「わからない」「覚えていない」と返す。
名前に関しても同様だが、不便だから呼び名が欲しいといえば「空」と答える(部屋の色から)。
何か覚えていることはないかと聞かれると、「歌が好きだった」「誰かに会いたかったようなきがする」と答える。「誰か」について言及すると、「あお…あおい、あいつに…」と呟く。
青年をそとへ連れ出そうとする
足枷に繋がれている場合はどんなに頑張ってもでることはできない。
足枷を解いてあげると、特に何事もなく外に出られる。基本的に探索者についていく。

青の部屋

探索者が目覚めた部屋と同じくらいの広さ、高さの青色の部屋。
この部屋は砂でできています。
蒼い目をした人(正体はニャルラトホテプ。男か女かはハッキリさせない方が面白いと思う)が手枷で繋がれている。
同じような色の椅子、机、本棚がある。

階段をあがるとそこは青い部屋だった。壁も天井も床も青で、まだ上へと続く螺旋階段も真っ青だった。まるで、ひとつ下の部屋に絵の具やペンキをぶちまけたかのような印象を受けるほど似ていたが、大きく異なる点が幾つかあった。
まずこの部屋から続く扉はなく、代わりに部屋と同じように真っ青な机、本棚、椅子が置かれている。
そして、その椅子の上では長い髪のあおい瞳をした人が静かに本を読んでいた。

部屋全体について
その部屋は青い砂で出来ている。
<目星>を振ると本を読む人の手首に手枷がついているのがわかる(この情報は探索者が本を読む人に近づいたらロールなしで気づいてもよい)。手枷はその人と壁を繋いでいる。
足枷に<目星>→鍵穴はついていない。手枷の鎖はこの部屋を自由に歩けるくらいはある。

本棚に<目星>または<図書館>
様々な本が置いてあるが、表紙や背表紙は日本語でない(正確にはこの地球上の言葉ではない)言語でかいてあるため何の本かはわからない。本を開いてみると、同じようによくわからない文字が並んでいるが、挿絵が書かれているページが幾つかある。探索者が挿絵のページをみていると、挿絵の人物の目が動きこちらを見る。0/1d2のSANチェック
<アイデア>または<知識>→挿絵からここにある本が童話だとわかる。

机に<目星>
本棚に置かれているものと同じような本が数冊と何も書いてないメモ用紙とペンがある。

本を読む人について

本を読む人に質問をする
「他にも人がいるの」といった外の様子の質問には、一貫して知らないふりをする。
確信に迫るような都合の悪い質問は笑って誤魔化す。
名前を聞かれると、「名前はない。決めてもらって構わない。」と書く。
「なんでここにいるの」と質問すると、「待っている」と書く。何を?と聞くと笑う。

螺旋階段に<目星>
上へいくにつれて白くなっている。階段の先は【白の部屋】。

で鬚良屋

探索者が目覚めた時と同じくらい広さ、高さの真っ白な砂の長方形の部屋。
部屋の両端に扉、中央にメモが置かれた机。

そこは最初に目覚めた部屋と同じように真っ白な部屋だった。
部屋の左右には扉、中央には机が置かれていて、それ以外は何もない。

・机に近づく
一枚のメモを見つける。

・扉に<聞き耳>
左側→ギッギッガッガッという金属音が聞こえる。(【ダ屬良屋】)
右側→何も聞こえない。(【Τい良屋】)

ダ屬良屋

一面真っ赤な正方形の部屋。
石でできている。
鉄格子で二つに分かれており、鉄格子の向こうに紅い目の少年がいる。

その部屋は目に痛いくらい真っ赤だった。見渡す限り赤一色で、赤くないものといえば部屋を二つに分けている鉄格子と、その向こう側にいる少年、そしてその手にあるナイフくらいだった。そして手にしたナイフで必死に鉄格子を削ろうとしている少年の瞳は、この部屋のどの赤よりも鮮やかな赤色に染まっていた。その狂気的な行動をみた探索者は0/1d2のSANチェック

部屋全体について
<目星>をすると鉄格子の向こう側の壁に二つの点を見つける。それはこちらをジット見ている瞳だった。1/1d3(空色の部屋でこれをみている探索者は0/1)のSANチェック(この目も空の部屋と同じく、紅い目の少年を見張るニャルラトホテプのもの。瞳の色は誤魔化すのをオススメする)。
また、扉側の壁に赤い鍵と張り紙をみつける。これは「鍵を探す」と宣言してもらった場合はロール無しで発見できてもいい。
張り紙→「開けるならそれなりの覚悟をするように。」と書かれている。
赤い鍵→この鉄格子の錠前の鍵

鉄格子について
錠前がついている。部屋にある赤い鍵を見ている場合はその鍵で開きそうだとわかる。
また少年がナイフで削ろうとしているが、鉄格子には傷一つついていない。
(紅い目の少年を出してしまうと、ほぼバッドエンドルートなので、KP次第では錠前を開けようとすると「本当にいいの?」と頭の中で声(男か女かはわからない)が聞こえてもよいかもしれない。)

少年について

少年に質問する
ナイフで檻を削るのに夢中なため、話しかけるまで探索者に気づかない。
探索者に気づくと、「ここから出して!お願い!!」と訴えてくる。
どうしてここにいるのかと尋ねると「気づいたらここにいたんだ!ねぇ早くだしてよ!」と言う。
探索者が悩んでいると、「早く!僕はあいつを殺して、早くあの人を助けなきゃいけないんだ!!」と叫ぶ。あいつ→「あの人に酷いことをしてるやつ」あの人→「美しい碧の人」と言う。
空の部屋の青年の特徴を告げると、「それ、あいつだ!!」と言うが、誰からその青年の情報を得たのかは記憶を消されており思い出せない。

出してあげると探索者たちに「あの人を探して」と頼んでくる。ナイフは手放そうとしない。
探索者に<説得>されると渋々手を離すが、実はもう一本ナイフを隠しもっている。

また、<精神分析>をすると彼がすでに正気を失っていることに気づく。

Τい良屋

一面が濃い青色の砂で出来た正方形の部屋。水槽のようになっており、水が溜まっている。
深さは15mくらい。
水中にはバニップが泳いでいる。探索者に危害は加えない。

その部屋は正方形で壁、天井ともに濃い青色をしていた。しかし本来床があるべき所にそれはなく、探索者の足元には静かに揺れる水面が広がっている。まるで大きな水槽のような部屋だった。

水中に<目星>
大きな生き物(バニップ)がゆったりと静かに泳いでいるのが見える。

それは巨大なアザラシのようで、どこかクロコダイルにも似たような生物だった。
体は毛皮とウロコと羽が組み合わされたような不自然な皮膚で覆われており、時間を超越したような大きく、悲しげな目が、まるで石炭が燃えるように光っていた。

バニップを見た探索者は1/1d10のSANチェック
<幸運>→水底に人影が揺らめいているのに気づく。

水に触れる
普通の水。飲める。ただし水から手を出すと、普通では考えられない速さで水気が乾いていく。
服も同様に水に触れている間は濡れるが、水からでるとすぐに乾く。

水へ潜る
特に技能は必要ない。探索者は水中なのに息ができ、さらに会話もできることに気づく。
不思議な現象に触れた探索者は0/1のSANチェック
水底
碧い目をした人がいる(正体は人魚、男か女かは曖昧にしたほうが面白いと思う)。
底には砂が溜まっており、文字や絵が描ける。
壊れた机やガラクタの山がある。

探索者たちが水底へと潜ると、そこには壊れかけた机や椅子、他にも使用用途のよくわからないガラクタのようなものが山になっており、その傍らに青い石の耳飾りをした人が静かに佇んでいる。
その人の瞳もまた、耳飾りのようなあお色を湛えていた。

水底の人について


水底の人に質問する
出口の事とバニップのこと以外は基本的に何も答えない。
(ニャルラトホテプとの約束で確信に迫ることには答えられなくなっている)
バニップのことを聞くと、「何もしなければ平気」と砂に書く。
部屋の外の事についても首を振って答えないが、空の部屋の青年の特徴を話すと少し表情を変える。
「名前は」と聞かれると、探索者たちに決めてくれと書く。
<心理学>に成功すると、その人が何かを隠していることに気づく。

連れ出そうとすると首をふる。それでも無理やり連れ出そうとすると、バニップが探索者に敵意を向けてくる。その時点で水底の人を開放すればバニップから敵意は消える。そうしなければ、バニップに殺されロスト。

出口について尋ねると砂に図を描き始めるが、その意味については答えない。

この図はシナリオMAPを簡略化したもの(×印のところが秘密の部屋)。
リアルアイデアで閃いてもらうのが好ましいが、悩んでいるようなら<アイデア>を振らせてもいい。

壊れた机に<目星>
引き出しがついている。中に巻貝と青色の鍵(青年の足枷の鍵)が入っている。
巻貝に耳をあててみると、「どうして、なんで!!気づいて!ここに居る、ここに居るのにっ!!」というような悲痛な叫び声が聞こえる。0/1のSANチェック。
これは青年に向けた人魚の声。

ガラクタに<目星>
ほとんどゴミのようなものばかりだが、その中から使えそうなスコップを見つける。
(このスコップを見つけた時点で上記の簡易MAP情報を手に入れていないようなら、ここでスコップを目にした水底の人がおもむろに砂に図を描き始めてもよい)

秘密の部屋

黒に近い青色の砂でできた正方形の部屋。台座は石で出来ている。
台座に日記が置いてある以外は何もない。

壁の向こうに現れたのは、ほとんど黒に近い、暗い青色をした部屋だった。
中は薄暗く、中央に本のようなものを乗せた台座と部屋の奥に扉があるのが目に入った。

本を調べる
結構分厚い。開いてみると日記だとわかる。
最初のほうは拙い文字で、終わりにかけて文字も文章も少しずつ上達しているため、誰かが幼い頃から長い時間書き続けた日記だということがわかる。

日記の内容(最初のほう)

これ以降も暫くは「あいつ」についての事で日記は埋められている。
しかし、数年後の日付から日記の雰囲気がかわる。

日記の内容(中盤)

これ以降はずっと「あいつに会えない」ということが記されている。

日記の内容(最後のページ)

日記について
この日記は空の部屋の青年のもの。
日記の最初の日付は12年前、最後の日付は5年前くらいを目安に。
小学生の頃に書き始めて、高校生でやめた感じ。

扉から出る
【バッドエンド 曚
空の部屋にいた青年を連れて出る場合は、白い光に包まれて意識を失う。【ノーマルエンド】の海の家で目が覚める描写へ。

エンディング分岐

ベストエンド

青年が人魚のことを思い出して、水底の人に会いにいった場合のエンド。

青年に記憶を取り戻させる
日記を読ませればすぐに思い出す。また、探索者のRP次第では思い出してもいい。

二人は暫く黙ってお互いの姿を確認していた。揺れる水中で静かで穏やかな沈黙が流れる。
やがて、青年がその沈黙を破った。「ようやく、また会えたな。」
彼がそう告げた瞬間、あたりが白い光に包まれた。光は次第に強さをましていき、探索者たちはその光に意識を飲まれていくのを感じた。薄れゆく意識を必死に繋ぎとめながら、あたりを見回すと水底の人の深く澄んだ碧い瞳と目があった。しかしその人は先ほどまでの姿ではなく、腰から下が美しいウロコを持つヒレへと変化していた。それは、おとぎ話見かける人魚の姿そのものだった。

人魚は一度探索者たちから目をそらすと、青年に向き合い、自らの耳飾りを外しそっと青年の耳へとつけ、その耳元で何かを囁いた。そして、もう一度探索者たちの方をみると、「ありがとう。彼と…自分を助けてくれて…」と告げた。暗転する意識の中、探索者たちが最後にみたのは、溢れるような美しい笑みだった。

目が覚めるとそこは海の家の中だった。周りの人々に事情を聞くと、自分たちはどうやら突然意識を失ったらしい。海で泳いでいた探索者も幸い近くの人が助けてくれたようだった。
今までの出来事は気を失っている間の夢だったのか…。
そんなことを考えていると、背後から聞き覚えのある声が聞こえた。
「よかった!目が覚めたんだな!!俺だけ先に目覚めちゃってさ…すごい心配した。」
探索者たちが振り返ると、そこには空のように鮮やかな青の瞳をした青年が立っており、その耳には海のように深く澄んだ碧い石のついた耳飾りが美しく輝いていた。

人魚が青年の耳元で囁いたのは「再開の約束」の言葉。
その言葉と耳飾りの導きによって、青年と人魚は近いうちにこちらの世界でも再び出会うことになる。
このエンドでは青年はシナリオの中であったことをすべて覚えている。

ノーマルエンド

青年が人魚のことを思い出さずに、水底の人にあった場合のエンド。

青の部屋にて
青年の記憶がないまま海の部屋まで行こうとすると、途中の青の部屋で「俺の会いたい人って、この人じゃないか…?」と本を読む人をジッと見つめる。本を読む人は何も言わない。
探索者が「この人ではない」とRPや<説得>をすれば、本を読む人を気にしながらも「そうか…」とその場を離れてくれる。
(このイベントはベストエンドにたどり着く為のヒントのようなものであって、強制ではない。
KPやプレイヤーに合わせて発生させるかさせないか決めるのがいいと思う。)

二人は暫く黙ってお互いの姿を確認していた。揺れる水中で静かで穏やかな沈黙が流れる。
やがて、青年がその沈黙を破った。「えっと…はじめまして、だよな?」
彼がそう告げると、水底の人は目を見開き、続いて悲しそうに瞳を伏せた。
次の瞬間、あたりが白い光に包まれた。光は次第に強さをましていき、探索者たちはその光に意識を飲まれていくのを感じた。暗転していく意識の中で「ありがとう…彼を助けてくれて。」という寂しそうな声が探索者の頭に響いた。

目が覚めるとそこは海の家の中だった。周りの人々に事情を聞くと、自分たちはどうやら突然意識を失ったらしい。海で泳いでいた探索者も幸い近くの人が助けてくれたようだった。
今までの出来事は気を失っている間の夢だったのか…。
そんなことを考えていると、横から「う…」と誰かが呻くような声が聞こえた。
探索者たちが目線を向けると、そこには自分たちと同じように一人の青年が横たわっていた。意識が戻ったのか、青年はゆっくりとその目を開く。空のように鮮やかな青い瞳は不思議そうに探索者たちを見つめていた。

このエンドでは青年にシナリオ内の記憶はない。
人魚のことももちろん覚えていないので、青年と人魚は再開することは二度とないだろう。

バッドエンド

秘密の部屋の扉から外へ出た場合。
扉の先は白い光に包まれている。扉からでると探索者の意識は闇に飲まれていく。
⇒バッドエンド描写へ

バッドエンド

赤の少年を鉄格子からだして、水底の人に会わせた場合。

赤の少年は水底の人に会うと、「助けにきたよ!!はやくここを出よう!!!」と水底の人の腕を引っ張って、水中から出ようとする。
すると、今まで穏やかだったアザラシのような生き物(バニップ)が突然赤の少年に向かって突進し、長い鉤爪で抱き抱かかえるようにして、赤の少年を殺害。赤の少年を殺したアザラシのような生き物(バニップ)は詩のように恐ろしく陰鬱な叫び声をあげる。この叫び声を聞いた探索者は1/1d3のSANチェック

続いてアザラシのような生き物は、赤の少年を連れてきた探索者の方に襲いかかろうとしてくるが、水底の人が探索者とアザラシのような生き物の間に割り込み、部屋の扉の方を指差す。
次の瞬間、探索者の頭に「ドアの向こうまで逃げて」という声が響く。
探索者たちが扉の外に出ると、そこは真っ白な空間で、次の瞬間探索者の意識は暗転する。
⇒バッドエンド描写へ

バッドエンド

赤の少年を鉄格子からだして、青年に会わせた場合。

赤の少年は青年を目にした途端、目の色を変える。そして素早い動きで、手に持っていた(隠し持っていた)ナイフで青年の胸を一突きにした。何が起こったかわからない探索者の前で赤の少年は何度も何度もナイフを青年へと振り下ろす。それは、青年が息絶えても暫く続いた。0/1d3のSANチェック

赤の少年が漸くその手を止め、息を一つついた瞬間、赤の少年は背後から鉤爪のようなものに貫かれる。探索者が振り返ると、そこには本を読む人が立っていた。しかし、その腕は先ほどみた人間のものではなく、巨大な鉤爪のようなものがついた触手へと変わっていた。1d3/1d6のSANチェック
本を読む人は探索者ではない誰かに「残念だな。君の連れてきた人間たちは、どうやらとんだぼんくらだったようだ。」と呟くと、探索者の方に向き「君たちにはもう用はない。帰れ。」と言う。
次の瞬間、探索者たちは急な目眩に襲われて意識を手放した。
(ニャルラトホテプが話しかけた相手は人魚)
⇒バッドエンド描写へ

バッドエンド

探索者たちが間違えて、青年を本を読む人に再開させた場合。
水底の人に会いにいく過程で出会うのはこれに含まれない。

探索者たちが青年を連れて行くと、暫く二人で見つめ合ったあと、本を読む青年がフッ…と笑みをこぼす。次の瞬間、青年は鉤爪のようなものに貫かれ、大量の血を流しながら息絶える。0/1d3のSANチェック
探索者が本を読む人をみると、その腕は先ほどみた人間のものではなく、巨大な鉤爪のようなものがついた触手へと変わっていた。1d3/1d6のSANチェック
本を読む人は探索者ではない誰かに「残念だな。君の連れてきた人間たちは、どうやらとんだぼんくらだったようだ。」と呟くと、探索者の方に向き「君たちにはもう用はない。帰れ。」と言う。
次の瞬間、探索者たちは急な目眩に襲われて意識を手放した。
⇒バッドエンド描写へ

目が覚めるとそこは海の家の中だった。周りの人々に事情を聞くと、自分たちはどうやら突然意識を失ったらしい。海で泳いでいた探索者も幸い近くの人が助けてくれたようだった。
今までの出来事は気を失っている間の夢だったのだろうか。それにしてはやけに生々しい夢だった。

それから数日後、とあるニュースが話題になった。
それは探索者たちが行った海から、若い男の水死体が発見されたと言うものだった。
(バッドエンドい両豺腓鰐技弔併瓢死体に変更)

クリア報酬

・探索者が全員生還していたら1d3
・青年が生還していたら1d3
・青年が記憶を取り戻していたら1d6

KPをする際の注意など

長々と呼んでくださりありがとうございました。ここから先はちょっとした注意事項などになります。
まず一番にこのシナリオは、プレイヤーがMAPなしでこの空間の全貌をどこまで把握できるかがカギになります(でなければ人魚が書いた図を見ても閃くことができません)。その為にKPの人はなるべく丁寧に部屋の描写をしてあげてください。もしもプレイヤーから部屋の高さや広さを聞かれれば、それについても具体的に答えてあげるといいと思います。
次にこのシナリオに登場する「色」についてのメモですが、これは私が様々な辞書やサイトを見て個人的に解釈したものです。ここに書いてある色の説明が必ずしも正しいとは限らないのでご注意下さい。



次にバニップについてです(ルールブックの233ページに情報が載っています)。このシナリオではバニップは人魚を守る生物として扱われており、人魚に危害を加えない限り攻撃もしてきませんが、この設定はすべてオリジナルです。実際のバニップとは異なるのでご了承ください。
また部屋ごとに、砂で出来ていたり石で出来ていたり色が付いていたりとバラバラですが、すべてブラフです。特に意味はありません。
この空間に飛ばされた際に服が変わっているのも、水着のまま探索するのはどうなんだろう…と思った結果です。ちなみにNPCも全員同じ格好をしています。

このシナリオは基本的に改変自由です。難易度を下げようと思えば、ニャルラトホテプや人魚から得られる情報を増やしてもいいし、逆に上げようと思えば人魚をもの凄く怪しく演出してもいいかもしれません。KPの皆さんがやりやすいように自由に付け加えたり省いたりしてもらって大丈夫です。
このシナリオでは人魚とニャルラトホテプの性別は正確に決めていませんが、これも好きなようにして貰って構わないです。
さらにいうと、赤の少年が隠していたナイフまで奪われてしまったなど収集がつかなくなった場合はニャルラトホテプが「あきた。」と言って強制的にシナリオを終了させてしまうのもありだと思います。

クトゥルフ大好きな私としてはこのシナリオで皆さんに「楽しい」と思っていただけたら幸いです。

11/10追記
リプレイ動画に関する質問をいただくようになったので、こちらで記して置きます。
リプレイ、またはリプレイ風動画の作成などの二次創作については基本的に許可しております。ネットに投稿する場合も同じくです。
ただし他人が見て不快になるような表現が過度に含まれたものや、金銭が関わるものに関してはご遠慮していただいております。
また、作品のどこかしらにこのシナリオの名前を入れていただけるとありがたいです。
完成した作品については私の方に必ずしも知らせる必要はありませんが、連絡していただけると喜んで拝見させていただきます。 
もしご不明なことがございましたら、コメント欄かツイッターの方に連絡ください。長々と失礼しました。
     
おみかん(twitter:@omkn_trpg https://twitter.com/omkn_trpg )

このページへのコメント

初めまして。
シナリオをお借りしてリプレイ風動画を制作させて頂きました。スペアリブの名前で投稿しています。
とても綺麗なシナリオで身内でも何度かプレイさせて頂いています。
素敵なシナリオをありがとうございました。

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Posted by スペアリブ 2018年12月27日(木) 23:45:00 返信

最初見つけたときから、ずっとこのシナリオが好きでいつか回してみたいと思っていたのですが、ついにその機会が出来ました!
この素晴らしいシナリオをお借りさせていただきますm(_ _)m

0
Posted by 匿名希望 2018年12月05日(水) 16:21:06 返信

こんにちは!
沢山の方々にアオのあなたへを遊んでいただけて本当にうれしく思います。
感想やコメントも大変励みになります!
これからもよろしくお願いします。

ぺんた様、シナリオMAPの件気付くのが大変遅くなって申し訳ありません。リンクを張りなおしました。
他の方々にもご迷惑をおかけしました。

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Posted by おみかん 2017年08月31日(木) 13:32:55 返信

今度このシナリオを使いたいと思っているのですが
シナリオMAPの画像が見れないです
もしよろしければ再度画像を貼ってくれませんか?

0
Posted by ぺんた 2017年03月25日(土) 21:01:46 返信

こんにちは。

このシナリオを仮想卓小説で使用させていただきました。
作品はpixivの方でこのシナリオ名と著者:だにゃーで一致するものがあるはずなのでそちらです。

実は小説家前に、身内でもこのシナリオを使わせていただきまして、大変私の印象に残ったものだったので再度使用させていただくことになりました。

素敵なシナリオありがとうございます!

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Posted by だにゃー 2017年03月13日(月) 23:47:04 返信

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