ここは、クトゥルフ神話TRPGのオンラインセッションに関する各種情報がまとめられているWikiです。

はじめに

本シナリオは現代日本を舞台としております。時期は8月のお盆の頃で、山の中の散策が中心です。
所要時間はオフラインセッションで4〜5時間程度(キャラメイクは除く)となっております。推奨PL人数は3人前後、生存難易度は普通〜やや高めとなっております。自由度が高い上にデストラップが存在するので、KPは探索者たちが突然死しないよう、うまく情報を調整して出してあげてください。また、日付管理を必要とするため、キーパリングの際には注意が必要です。
推奨技能は<英語><心理学>です。また、必須戦闘があるのである程度の戦闘技能を身につけておいたほうがよいでしょう。
探索者たちは全員高校時代の親友であるという設定でキャラメイクをお願いします。

本シナリオの使用には特に制限を設けません。オンセ・オフセ問わずご自由にお使いください。なお、もし動画などにお使いいただける場合は、その旨をコメントにてご一報いただけると製作者が喜んで拝見しに参ります。
その他ご質問ございましたらコメント欄へお願いします。拝見次第返信させていただきます。

本シナリオの流れ

季節は8月の終わり頃。探索者たちの元担任である高校教師の相沢 義明との連絡が取れなくなり、行方を探すところからシナリオが始まります。彼は、実はカルトの教信者である同僚の長見 光一に教えられた大鳥山の鍾乳洞へ行き、そこに棲みついていたアイホートに雛を植え付けられてしまいました。彼は使われていない山道のバンガローに身を隠し、そこで独り着実に忍び寄る死の脅威と戦っています。長見はさらに連絡の取れない相沢を気にかける探索者たちに目をつけ、贄にするため探索者たちに大鳥山へ行くよう頼みます。相沢の身体から雛を取り除き、大鳥山から無事に連れ帰ることが本シナリオの目的となります。

各種データ

探索者の人数や希望難易度に応じ適宜変更してご使用ください。

NPC

相沢 義明 アイザワヨシアキ(57)
STR 12 CON 9 SIZ 12 INT 14 POW 9 DEX 8 APP 13
EDU 19 現在正気度 25 耐久力 10
<地質学>80 <回避>50 <目星>60 <博物学>50 <天文学>30

探索者たちの高校時代の担任。真面目で面倒見の良い性格で、人気のある先生だった。
地理を教える高校教師だが、地学が大好きでよく地質巡検に行く。
長見に唆されてアイホートの棲む鍾乳洞に踏み入り、雛を植え付けられてしまう。
長見 光一 ナガミコウイチ(55)
STR 9 CON 9 SIZ 9 INT 14 POW 17 DEX 10 APP 9
EDU 18 現在正気度 0 耐久力 9
<回避>20 <人類学>60 <オカルト>55 <クトゥルフ神話>30 <法律>30
社会科の高校教師。相沢の同僚。探索者たちの副担任だった。
探索者たちの卒業後、神話的事象に触れて神話的存在を狂信するようになり、カルトに入信した。大鳥山の鍾乳洞に召喚され住み着いていたアイホートの存在を知り、相沢を生贄として捧げ、さらに探索者たちも餌食にしようと目論んでいる。

神格及び神話生物

アイホート
STR 44 CON 80 SIZ 50 INT 25 POW 30 DEX 12
移動 地表8/地中1 耐久65 db 5D6
<噛みつき>70 5D3ダメージ+麻痺性の毒(POT15)
<押しつぶし>85 半径3m以内のすべての者に5D6ダメージ
装甲:物理攻撃は最低値のダメージしか与えられない。1ラウンドに耐久力が3回復する。
正気度減少値…1D6/1D20

かつて誰かの手によって大鳥山に召喚され、鍾乳洞に住み着いている。5年前の崩落で鍾乳洞の入り口が開き、長見によって発見され崇拝されている。生きた人間に雛を植え付ける習性を持っており、植えられた者は悪夢に苦しめられ、衰弱の果てに死に至る。
ムーン=ビースト
STR 16 CON 13 SIZ 20 INT 16 POW 11 DEX 10
移動 7 耐久力 17 db 1D6
<槍>25 1D10+1+db
装甲:火器でのダメージは最低値しか与えられない。
正気度減少値…0/1D8

長見が召喚し、使役している神話生物。拷問を好む残虐な性格。長見には呪文の効果で従っているだけなので、長見が気絶するなどして支配から外れると好き勝手に行動する。

アーティファクト

『怪物とその眷属』
長見の持っていた魔導書。英語で書かれている。アイホートに関する記述を読むことができ、【雛を取り除く】の呪文を習得できる。シナリオの報酬として、KPはこれ以外の呪文および記述をこの魔導書から習得できることにしても良い。
全て読むためには36週間必要。全て読んだ場合は<クトゥルフ神話>が8%上昇、正気度喪失1D4/1D8

シナリオ本編

1. 導入 相沢 義明の失踪

日付は8/13。探索者たちは恩師の相沢 義明に何らかの用事があり、高校の職員室を訪ねることになります。この訪問の内容はKPもしくはPCが自由に決めてくださって構いませんが、半月ほど前から事前にアポを取っておいたことにしておいてください。
卒業生ということもあり、守衛は特にロールをしなくても探索者たちを快く校内に入れてくれます。夏休み中なので構内に生徒の姿はなく、校庭で運動部が活動しているのが見えます。
しかし、事前に約束したとおり職員室に行っても、相沢の姿はなく、当直の若い教師が1人いるだけです。
若い教師は探索者たちの卒業後にこの高校に赴任されたので探索者たちと面識が無いため、いきなり現れた探索者たちに警戒しますが、RPでちゃんと事情を説明すれば、「ああ、そういえば相沢先生が、もうすぐ卒業生の子たちが会いに来るんだと楽しそうに話していたよ」と快く会話に応じてくれます。
相沢について尋ねると、
・夏休みの当直を決める際に彼が「8/8〜8/11は旅行に行きたいから開けておいてほしい」と言っていた。
・彼は今日当直のはずなのに無断で休んでいる。
・自分は相沢先生とそこまで親しくないのでそれ以上のことは分からないが、長見 光一先生なら何か知っているかもしれない。相沢先生と同じく古参の先生だからあなたたちも知っているだろう。彼は今視聴覚準備室にいる。
  と教えてくれます。
職員室ではこれ以上見つかる情報はありません。相沢および長見のデスクはありますが何も見つかりませんし、あからさまに漁ったりしようとすれば若い教師から顰蹙を買って早々に追い出されてしまうことでしょう。
また、相沢に電話をかけても電話はつながりません。数日間充電していないせいでバッテリーが切れているためです。

若手教師の話を聞いたあと、視聴覚準備室の長見を訪ねることができます。
扉をノックすると、すぐに「どうぞ」という返事が帰ってきます。
視聴覚準備室内にはスチールのデスクがいくつかあり、個人用のスペースごとに区切られていてその内のそのひとつが長見の席になっています。机には本や資料が山と積まれていて散らかっています。
<目星>を振ると、長見のすぐ足元に鞄が置かれており、慌てて突っ込まれたかのように、非常に分厚く古い装丁の本(怪物とその眷属)の背表紙が覗いているのが見えます。半分隠れている上に英語なので、タイトルを読むことはできないでしょう。
長見は、「久しぶり、よく来たね」と探索者たちを笑顔で迎えます。
探索者が相沢について尋ねると、
大鳥山に鍾乳洞があるという噂を訊いたので、地質学の好きな相沢さんなら興味があるんじゃないかと思って教えたんだ。そうしたら、ぜひ見に行きたいと言ってらしてね。ついでだし多めに日をとって、ゆっくり旅行でもしようかと言っていたけど…。もしかして、まだ帰ってきてないんだろうか。まぁもしかしたら鍾乳洞が思った以上に面白くて、ついつい君たちとの約束を忘れて長居しまっているのかもしれないが…」と答えます。
ここで長見に対し<心理学>を振った場合、彼があまり相沢のことを心配していないことが分かるでしょう。
そして探索者たちに「明日からはお盆だし、もし暇なら、大鳥山に行って探してみてくれないか。そんなに遠い場所でもないし」と頼んできます。KPは探索者が大鳥山に行くよう上手く誘導してあげてください。

<アイデア>に成功すると、大鳥山について以下の情報を得られます。
・大鳥山は、探索者たちのいる都市部から車で3時間ほど行ったところにある大鳥町の近くにある山。
・交通のアクセスはあまり良くないが、秋ごろは紅葉が美しく隠れた観光スポット。

2. 事前調査

大鳥山についてネットや図書館で調べてみても、アイデアで得られる以上の情報は出ません。
ただし、<オカルト>に成功、または警察・記者などの職業の探索者に限り<知識>に成功すると、5年ほど前から大鳥山周辺で行方不明者が数人出ていることが分かります。

必須ではありませんが、相沢の家を尋ねることもできます。彼は高校から電車で30分ぐらいの所にあるマンションで一人暮らしをしています。場所は長見に聞けば教えてもらえますし、卒業生の住所録などにも連絡先が載っています。
郵便受けを調べれば、新聞が何日分か溜まっており、最も古い日付が8/9であることが分かります。
マンションの入口には電子ロックがあるので、鍵を開けるなら<電気修理>、住人にまぎれて入るなら<幸運>などの技能ロールが必要です。また、部屋にも鍵がかかっているため無断で入るには<鍵あけ>が必要です。
室内は小さいながらも洒落た1LDKで、綺麗に片付いていて掃除がされています。冷蔵庫には日持ちのするものしか入っていません。水回りはよく乾いており、数日間人がいた形跡が無いことが伺えるでしょう。
室内で<目星>に成功すると以下の情報が手に入ります。
・大鳥山観光のパンフレットを見つける。<アイデア>時の情報に加え、旅館紹介の一軒にペンで○がつけられている。
・壁にカレンダーがかかっている。8/8〜8/11のマスに大鳥山とかかれており、8/13には探索者たちの名前が書かれている。

3. 大鳥町へ

大鳥町には車または公共のバスを使って行けますが、KPはなるべく探索者の自家用車を使うよう薦めてください。
まず現地についた探索者は、相沢が泊まっている宿を探すことでしょう。相沢の家でパンフレットを見つけていた場合は○のついていた宿にすぐ向かうことができますが、見つけていなくても順番に訊いてまわれば1時間ほどで見つけられます。
宿は小規模ながら小奇麗な印象を受ける宿です。探索者が宿に入ると女将が出迎えてくれ、そのまま話を聞くことができます。
相沢のことを尋ねると、「ご家族などからも連絡が来ないし、どうしようかと困っていたところだったんです」と言い、以下のことを教えてくれます。
・相沢は8/8の夕方から泊まりに来た。8/11の朝に飛び出して行ったきり戻ってこない。荷物もおきっぱなしになっている。部屋はそのままにしてある。
・9日、10日の夜はずっとうなされていた。

彼の宿泊していた部屋に入るには、女将に対し<説得>または<信用>を行ってください。探索者の対応が丁寧で女将に良い心象を与えたとKPが判断した場合は免除しても構いません。
部屋に入ると、ぐちゃぐちゃの布団や放り出された浴衣が目に入ります。几帳面な性格の相沢は、普通なら軽く畳むくらいはするはずだと探索者は思うことでしょう。室内には金庫・かばんが置かれています。
金庫は女将に頼めば開けてもらえます。中には財布などの貴重品が入れっぱなしになっています。
かばんに対し<目星>を振ると、荷物の上のほうに乱雑に突っ込まれた手帳・古いハイキングマップを発見できます。

手帳は小さなノートのようなもので、日記のような使い方をしていると分かります。記述は以下のとおりです。
[手帳]
7/22
 長見さんから、大鳥山に鍾乳洞があるという話を聞いた。
 興味があるので、来月にでも休暇をとって見に行ってみようかと思う。
8/8
 久しぶりに大鳥町へやってきた。かなり前に来たときは大鳥山には話に聞いたような鍾乳洞は無かったが、
 土砂崩れか何かで入り口ができたのだろう。
 明日の巡検が楽しみだ。  
8/9
 [日付のみ。何も書かれていない]
8/10
 あたまの中でやつらのおぞましい声がする やつらの見せるあくむからは 目をさますこともゆるされない。
 苦しい おそろしい いっそあのとき ひと思いにしぬことをえらべば良かったのかもしれない。
 しにたくない だがこんなのはたえられない
                 ここにはいられない でもかえることはできない

キーパー情報として、相沢は8月8日にアイホートに遭遇し雛を植えられ、その日は宿に帰り10日までは宿で過ごしていましたが、悪夢に耐えられなくなって11日に宿を飛び出し、以降旧バンガロー群の一棟に立てこもっています。
<精神分析>を振ると、8/10の記述が尋常でない恐怖に襲われながら書かれたものであると分かります。
手帳を読んだ場合は0/1、精神分析に成功した場合は1/1D3の値でSANチェックです。

[古いハイキングマップ]
大鳥山周辺の旧版の観光マップです。新登山道は載っていません。バンガロー群のところから赤ペンで印がしてあり、相沢の字で鍾乳洞と書かれています。(図を参照)

改訂版の観光マップは、宿や案内所などの観光施設ならどこでもで手に入れることができます。新登山道が載っており、旧道のほうは×印で閉鎖していることが示されています。(図を参照)

また、女将に次の事柄について訊いた場合は、以下の様な返答が返ってきます。
・大鳥山について→5年前に土砂崩れがあって旧道が封鎖された。今でも封鎖されたままだが、緊急時のために道やバンガローの整備はされているようだ。行方不明者については、噂くらいなら耳にしたことはあるが詳細は分からない。
・鍾乳洞について→自分は知らないが、山菜取りのおばあさんなら何か知ってるかもしれない。

山菜取りのおばあさんに話を訊く場合は、女将に家の場所を訊くのが一番手っ取り早いでしょう。また、山に詳しい人について女将以外の人に尋ねた場合もおばあさんのことを紹介してもらえます。
彼女は町の一角で自宅を兼ねた小さな店を開いており、朝山で採ってきた山菜を売っています。店が開いているのは8:00〜16:00の間です。
彼女は客に対して愛想よく対応しますが、探索者が大鳥町に来た目的を伏せたまま大鳥山についてあれこれ尋ねた場合、自分の生活の糧を荒らされるのではないかと警戒してしまいます。
また、行方不明者や鍾乳洞について尋ねた場合、彼女は何かを恐れるように口をつぐみます。<心理学>に成功すれば、彼女が隠し事をしたいのではなく、探索者たちの身を案じて口を閉ざしているのだと分かるでしょう。
<信用><説得>ロールに成功することで、鍾乳洞について話してくれるようになります。話の内容は次のようなものです。
・行方不明者について→「行方不明になった者は、きっとあの洞窟に入ったんじゃろうと私は思うとる」
・鍾乳洞に何があるのか→「私も詳しくは知らん。じゃが、お前さんたちあの洞窟へ行くつもりなら、悪いことは言わん。やめておきなさい。あそこには何か悪いものがおる。私も入り口までは行ったが、気味が悪くって帰ってきてしもうた」
・鍾乳洞に行った者はいないのか→「…私のほかに山菜取りをしとる者がもう一人おったが、あるとき山から帰ってから急に頭がおかしくなって、最後は自分で自分の腹をかっさいて死んでもうたんじゃ。きっとあそこに行ったのにちがいない(この話を聞いたらSANチェック0/1)」

4. 大鳥山

大鳥山へは、町から車またはバスで20分程です。
相沢は8日に車で山へやって来て登山口の売店に立ち寄り、旧登山道を通って鍾乳洞へ行きました。11日にはどこにも立ち寄っていないため、登山口の売店員以外に彼を見たものはいません。
駐車場内で<目星>+<アイデア>の組み合わせロールに成功すれば、相沢の車を見つけられます。ドアは開いており、鍵が刺さりっぱなしになっています。
 車内に<目星>を振ると、運転席付近にストレスで抜け落ちた大量の頭髪を、車体に<目星>を振ると、所々にぶつけた真新しい跡があるのを見つけられます。
登山口の近くには売店があります。店員に相沢の相貌を伝えて尋ねた場合、「それらしい人なら9日に売店に来ていた。それ以外の日は見ていないが、売店に立ち寄っていないのかもしれない」と教えてくれます。
新登山道を通って山頂へ向かう場合
○バンガロー群
木造2階建てで、一階部分にテラスの備えられたバンガローが10棟ほど点在しています。カーテンは閉まっており、中を覗くことはできません。
シーズンオフなので人は泊まっておらず、静かです。
<目星>に成功すると、バンガローが比較的新しいものだと分かりますが、それ以上の情報はありません。

○紅葉の道
沢山の椛の木が植わっていますが、ほとんどの葉はまだ色づいておらず、景色はいまいちです。降りてくるハイキング中の老夫婦に遭遇し、話を聞くと快く応じてくれます。
・大鳥山→自分達は毎年登山に来ている。5年前に土砂崩れがあったらしく、その時に今の登山道が作られた。わざわざ新しい登山道を作らなくても、古い登山道を整備すればよかったと思うが、崩落の危険もあるとかでそういうわけにもいかないらしい。
・相沢について→今まで見たことはないし、今日もそれらしい人は見かけていない。

○山頂
駐車場から徒歩で登って2時間程度で到着します。この付近では最も標高が高いので景色はなかなかに良く、紅葉の季節に来たのなら山の斜面の紅葉が一斉に色づいてさぞ美しいだろうと思われます。
ここで旧登山道の方に<目星>を行うと、旧バンガロー群の屋根が見えます。
登山口同様山頂にも展望台や休憩所を兼ねた売店があり、相沢について店員に聞きこみを行うことができます。しかし、相沢はここには来ていないため、店員は見覚えが無いと答えます。
旧道
○入り口
登山口付近、及び山頂付近の新登山道から分岐する形で道が続いています。いずれの道の入口にも「危険につき立ち入り禁止」の看板が立てられ、ロープが張られています。ロープは簡単にくぐったり跨いだりすることができます。
道に<目星>を振ると、草が折れており、最近誰かが通った形跡があることが分かります。良い出目ならば、その跡が少なくとも数回行き来しないとつかないものであることが分かるでしょう。
<生物学>を振ると、雑草の生育の様子から、道が5年間ずっと放置されていたのではなく、荒れ過ぎないように手入れされていることが分かります。

○旧バンガロー群
旧登山道の半ばには旧バンガロー群があります。最近は使われていませんが、緊急用に残されているのでライフラインは通っています。電気のメーターなどを調べるとそのことが分かります。
<目星>を振ると、一番手前の一棟のテラスに面した部屋のカーテンの隙間から明かりが漏れていることに、<聞き耳>を振るとその中から微かに呻き声が聞こえます。
このバンガローの中には相沢が潜んでいますが、アイホートの雛の見せる夢によって不定の狂気に陥っています。
バンガローのドアには鍵がかかっています。<鍵開け>に成功すれば入ることができますが、相沢は錯乱しているため、入った途端に鉱物用のハンマーを振りかざして襲ってきます。この時、探索者に<医学>もしくは<応急手当>を振らせ、『彼が非常に衰弱しており、下手に手荒な真似をしないほうが良さそうだ』と伝えて下さい。(相沢にダメージを与えると、トゥルーエンドにたどり着けなくなる可能性が高くなります。)
<組み付き>などで暴れられないようにしてから落ち着いて<精神分析>をかけると、彼は正気を取り戻します。
ドア越しに会話を試みる場合は、<説得>+<精神分析>の組み合わせロールを行います。成功すればまともに会話が出来るようになりますが、彼は絶対に自分からドアを開けようとはしません。
会話ができるようになっても、相沢は自分に何があったのかを語ろうとはしません。
「早く帰りなさい。ここにいたところで君たちには何も出来ない。私はもう帰ることができない」と繰り返し、探索者が一緒に下山しようと提案しても聞き入れません。
鍾乳洞での出来事について聞くと怯えた様子で、「何があってもあそこには近づくな」と探索者に言います。
この時、相沢に対して<医学>を振ると彼が重度の睡眠障害・摂食障害を患っており、衰弱状態であることが分かります。また、<心理学>に成功すれば、彼が何も話そうとしないのは恐怖からだけではなく、話すことで探索者たちを危険に晒すことを恐れているのだと分かります。

5. 長見の正体

探索者が相沢を連れ帰ることを一度諦めて旧バンガロー群を離れようとすると、長見が現れます。
彼は「君たちが大鳥山へ出発した跡、自分も心配になって急遽追いかけてきた。相沢と話したのか?彼は何て言っていたんだ?」などと言って相沢のことを気にかける素振りを見せます。また、相沢の状態を聞くと「彼をそんな状態にした原因を探るため鍾乳洞に行ってみよう」と提案します。
この時、長見に相沢の説得を頼んでも、彼はかたくなに拒絶します。
長見の目的は探索者たちを鍾乳洞の中に踏み入らせ、その場でアイホートの贄にしてしまうことです。<心理学>に成功すれば、彼が鍾乳洞に行くことに固執していることが分かるでしょう。
探索者が長見の提案に乗り鍾乳洞へ向かうことにした場合は А‐疇洞 の項目へ移ってください。
探索者が長見を怪しんで従わなかった場合、彼は探索者の背後からムーンビーストをけしかけ襲いかからせます。D100を探索者全員に振らせ、最も値の高かった者に攻撃してください。
この時、<目星>に成功すれば、長見が自分たちの背後にこっそりとハンドサインを送ったのを見て<回避>1/3<聞き耳>に成功知れば、背後でムーンビーストが小石の敷かれた道を踏みしめる音を聞きつけ<回避>1/2の値で回避を試みることができます。また、襲われた人以外がロールに成功した場合には庇うチャンスを与えるなどするとよいでしょう。
ムーンビーストを見た探索者は0/1D8のSANチェックを行います。

「驚いて振り返った探索者の目に映ったのは、灰色がかった皮膚をもつヒキガエルによく似た生き物の姿だった。大きさは人間と変わらないくらいで、普通のヒキガエルとは違い目は存在せず、ボコボコした鼻面の先にはピンク色の短い触手が幾本も蠢いていた。その醜悪な生き物は、恐怖と衝撃に驚くあなた達の方を見て、嘲笑するように大きく裂けた口を歪ませた。
あなた達は直感する。目の前で笑うそれが、自分たちの関わってはいけない世界の住人であることを」

以降、戦闘に突入します。長見のみを無力化しても、ムーンビーストは彼の支配下から外れはしますが、探索者たちに対して敵対的であるため戦闘は終了しません。戦闘を終了させるには、長見とムーンビーストの両方を無力化する必要があります。
戦闘終了後、長見の持ち物を漁ると、『怪物とその眷属』を発見できます。視聴覚準備室で目星に成功し本を見ていた探索者は、同じ本であると気づけます。本には付箋を貼ったページが何カ所かあることがぱっと見て分かります。
本を読むには<英語>ロールに成功する必要があります。この情報は必須情報であるため、場合によっては、長見の翻訳メモが挟まっていたとしてロールにボーナスを与えるとよいでしょう。
本は非常に分厚く難解なため全て読み解くには途方も無い時間がかかります。付箋のあるページのみ読む場合は6時間(1/1D3の正気度喪失と神話技能2%上昇)で読めます。


[怪物とその眷属 付箋部分抜粋]
神格、迷路の神アイホートについて
・アイホートは犠牲者に、雛の宿主となる契約を持ちかける。
 契約を断った者は、その場でアイホート自身によって殺される。
 契約を受け入れた者は、体内に雛を埋め込まれる。
・雛は宿主に悪夢を見せ、その精神を破壊し、宿主をコントロールしようとする。
 宿主の体内で十分に成長した雛は、宿主の腹を割いて孵る。
・埋め込まれた雛は魔術によって滅ぼすことが出来る。
・雛を滅ぼす者よ、神の怒りを買わぬよう気をつけよ。

この内容を英語話者以外の他の探索者に伝える場合には、話し手は聞き手の<母国語>ロールに成功しなければなりません。これには4時間かかります。
また、この本の中には『雛を滅ぼす』呪文が記述されています。呪文の習得には<INT×3>ロールに成功したうえで、15-INT日(15以上ならINT1超えるごとに3時間ずつ短縮、例えばINT15なら21時間、18なら12時間)の時間をかける必要があります。また、INTロールに失敗した場合は呪文を習得することができず12時間消費することになります。

『雛を滅ぼす』
詠唱時間3ラウンド、詠唱参加者はひとりにつき1D3の正気度を喪失。
呪文を知っている者は呪文の使用者として任意のMPを、呪文を知らない者は協力者として1MPを消費する。MP合計と、対象が雛を植えられてからの経過日数を対抗させる。
対抗ロールに成功した場合、対象の体内の雛は完全に死滅する。ただし、対象は寄生されていた日数分の耐久を失う。

6. 結末へ

相沢に『雛を滅ぼす』呪文を使いロールに成功した場合には、以下のように描写してください。

「目、耳、鼻、口、相沢の体中の穴という穴から、青白い半透明な液体が大量に溢れ出した。同時に相沢は絶叫し、苦痛に顔を激しくゆがめながら痙攣し始めた。彼の咽び、叫ぶ声があなた達の鼓膜を劈く。彼のあまりの惨状に良心を激しく苛まれながらも、あなた達は懸命に詠唱を続ける。それが恩師を救う方法だと信じて。
そして…やがて詠唱が終わる頃、青白い液体の奔流は急激に勢いを失い、止まった。相沢は一瞬安堵したような表情を浮かべたと思うと、ぐったりと目を伏せて動かなくなった」

この凄惨な出来事を目撃した探索者は1/1D6+1のSANチェックを行います。
呪文によるHP減少で相沢が死亡した場合、探索者は自分たちの行動が弱っていた相沢にとどめを刺してしまったことを悟り、更に1/1D6+1のSANチェックを行います。

呪文の行使に成功したら、すぐに探索者全員に<幸運>を振らせてください。この時、呪文の使用者は達成値が-10されます。
全員成功なら何も起こらず、そのままエンディングになります。
誰かひとりでも失敗した場合、以下の描写をしてください。

「突然、あなたたちの頭の中に耳障りな音が響き渡った。
それは猛禽のあげる鋭く甲高い叫び声のようでありながら、同時に地鳴りを思わせる激しく低い振動音のようにも聞こえる。頭蓋骨の中で何度も反響し、あなたたちの脳を、精神を揺さぶり、狂気へと誘ってゆく。
そしてどういう訳か、あなたたちは皆気づいてしまった。自身の頭の中に響き渡るその声に、激しい怒りの感情がこもっていることに。
雛を殺された親鳥の怨嗟の感情が、致死の刃のごとく、あなたたちに向けられていることに。」
アイホートの怒りの声を聞いた探索者は0/1D3のSANチェックを行います。

[6-幸運失敗した人数]ラウンド後に、アイホートが門を創造してその場に現れ、探索者を殺害しようとします。
アイホートを目撃してしまったら1D6/1D20のSANチェックを行います。

「あなたは見てしてしまった。節くれ立った木の幹のような幾本もの脚を動かし、青白く膨らんだ体を揺さぶりながら追ってくる醜悪な神の姿を。ぶよぶよの肉の中に埋まった数個のゼリー状の目玉は、瞬きもせずにあなたを凝視していた。嫌悪感が背筋をはい上がり、あなたの体の自由を奪う・・・」

アイホートとのDEX対抗に成功すると、1ラウンド分引き離すことができます。3ラウンド分引き離せば逃走成功となり、エンディングとなります。

7. 鍾乳洞

もし探索者たちが鍾乳洞に入ってしまった場合には、まず入り口付近で<POW×5>ロールを振らせてください。
失敗した探索者には以下の描写のハンドアウトを渡します。

[ハンドアウト]
「あなたは突然、視界がぐらりと暗転するのを感じた。気がつくと仲間たちはおらず、ひとりで真っ暗な空間に浮かんでいる。腹のあたりがざわざわする。違和感を感じた箇所へ視線を落としたあなたは、服が真っ赤に染まっているのを見て思わず絶句した。慌ててシャツをめくると、腹にばっくりと裂け目ができ、そこから握り拳ほどの大きさの白い蜘蛛のような生き物が幾匹も、血にぬれた体表をぬらぬらと光らせながら這い出してくるところだった。

ふと我に返ってみれば、貴方は鍾乳洞の入り口に、ちゃんと両足をつけて立っている。視線を落としても、もう違和感も無ければ、蜘蛛のような生き物も見当たらない。しかし、あの光景はあなたの脳裏に焼き付いたように鮮明に残っていた…。」
POWロールに失敗し幻影を見た探索者は、1/1D4+1のSANチェックを行います

入り口で<聞き耳>もしくは<目星(明かり無しなら-50、ありなら-20)>に成功すれば、鍾乳洞には縦横ともにかなり奥行きがあり、不用意に奥に踏み込めば迷ってしまいそうだと感じます。
鍾乳洞内はあちこち石筍が飛び出しており、水で滑りやすくなっているため、探索者はDEX-3扱いで行動することになります。また、<キック>や<跳躍>などの技能は足場が不安定なため、技能値が半減します。
探索者が鍾乳洞の奥へ進むことにした場合には、ほぼバッドエンド直行となります。長見が同行しているなら、彼は暗闇に紛れて行方を眩ませます。鍾乳洞の最奥にはアイホートが待ち構えており、のこのことやって来た探索者に雛の苗床となるか、その場で死ぬかを問います。
鍾乳洞の奥に進んでしまってから外に出ようと試みる場合には、3ラウンド連続で<ナビゲート>に成功する必要があります。このロールはアイホートに追いかけられている間も勿論必要です。

8. エンディング

探索者が相沢の体内の雛を滅ぼし、無事彼を帰ることに成功すればグッドエンドとなります。長見を殺さずに拘束し、警察に引き渡すことができればなお良いでしょう。
事件が収束してから一週間後、探索者がニュースなどをチェックすれば、ふたたび大鳥山で土砂崩れが起こり旧登山道が完全に崩落してしまったことを知ります。それ以降、大鳥山で行方不明事件が起こることはもうなくなるでしょう。
シナリオ報酬 SAN回復
・全員生還 1D10
・相沢の生還 1D6

登山道略図

このページへのコメント

ヒナト様

シナリオの閲覧ありがとうございます。
返信が遅くなってしまい申し訳ありません。
本シナリオは動画などへの使用、及び内容の改変などは自由としております。どうぞご自由にお使いくださいませ!

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Posted by まち 2016年10月31日(月) 20:28:39 返信

まち様、初めまして。
このシナリオを使って動画を作成したいと考えているのですが、二次創作卓なので、制作者様に許可をいただいておこうと思い、ご連絡させていただきました。
あと、もしかしたら数値や条件を少し変更するかもしれませんが、構いませんでしょうか?
回答いただけたら幸いです。
よろしくお願いします。

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Posted by ヒナト 2016年09月04日(日) 11:27:36 返信

シナリオ制作頑張ってください!
楽しみに待ってます!

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Posted by 白蛇 2015年11月22日(日) 00:40:47 返信

製作者のまちです。白蛇様、コメント読ませていただきました。至らないところの多いシナリオだったと思いますが、褒めていただけて非常に嬉しいです。ありがとうございます。
ムーンビーストについてですが、本シナリオは戦闘を重視していないため、ムーンビーストのステータスは最低値になっています。戦闘が物足りない場合は、ムーンビーストのステータスや数を変更したり、長見に呪文を持たせる等してご自由に調整を加えて遊んでください。
山の図については自分でも分かりにくいと思っているので、学校の見取り図と合わせてアップロードしたいと考えております。また、新作も制作中ですが、どちらも年が明けてからの公開となる予定です。ご不便をおかけしますが、しばらくは今の地図を参考に遊んでいただきますようお願いします。
改めて、本シナリオを遊んでいただきありがとうございました!

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Posted by まち 2015年11月21日(土) 00:33:10 返信

遊ばせていただきました
クトゥルフ神話TRPGの右も左もわからないであろう友人が楽しんでやれた、もう一度クトゥルフ神話TRPGをやりたいと言ってくれました
ありがとうございます
ただ1つキーパーをやった自分の感想ですが、最初の学校訪問の際、学校の軽い見取り図や大鳥山のマップを細かく書いてもらえたら今後やる方が楽になると思います
それとムーンビーストとの戦闘で、ムーンビーストがボコボコにやられてたのでもう少し強くしても良かったかとおもいます(神話生物の面目丸潰れって勢いでボコボコでした)
私のキーパーとしての技量が足りなかっただけかもしれませんが
まちさんの今後のシナリオ作りに参考になれば良いかなと思います
良いシナリオでした、ホントにありがとうございます
新作のシナリオを作っているのでしたら、ゆっくりと頑張ってください
期待して待ってます

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Posted by 白蛇 2015年11月19日(木) 16:20:59 返信

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