ここは、クトゥルフ神話TRPGのオンラインセッションに関する各種情報がまとめられているWikiです。

(2019/03/10)誤字脱字の修正

はじめに

このシナリオは2016年5月に行われたStarbuck(元Sailor)の身内でのセッション「バークレー・スクエア50番地」をシナリオ投稿用に書き直したものとなっています。
当初はキャンペーンの第一弾としても想定していたので、新規探索者が初めてクトゥルフ神話体系の一片に触れる、というようなコンセプトになっています。
舞台はヴィクトリア朝ロンドン、1889年。推奨プレイ人数は3-4名。想定プレイ時間はテキセで12〜14時間。
中規模のシティシナリオであり、シナリオ改変、プレイングの自由度はそれなりに高いと思います。
難易度は推理自体は難しくはありませんが、出目次第でロストの可能性もあります。単体シナリオとして回す場合にはKPはこれらの難易度を調整してもかまいません。
KPは「クトゥルフ・バイ・ガスライト」さえあれば、このセッションを行えますが、神話生物や一部シナリオ背景は「クトゥルフ・ダークエイジ」からもデータを引用しています。

シナリオの使用、改変、動画化については許可を取る必要はありません。
しかし使用報告・講評・質問などいただけると嬉しく思います。ネタバレなど十分に配慮してください。
借用する際は、募集要項に作者であるStarbuckの名前を出していただけるようお願いします。
シナリオの質問に関しては以下にDMでお願いします。

Starbuck(Sailor)

推奨する探索者

探索者はチャールズ・ディケンズ氏の親族や友人であるか、探偵やジャーナリストなど外部からの依頼を受けるにふさわしい職業であると導入がスムーズにいくでしょう。
技能は御三家や交渉技能の他にラテン語、オカルト、戦闘技能などを振る機会を想定しています。大きめのSANチェックが道中にもあるので精神分析の出番もあるでしょう。
ディケンズ氏についてのデータは下記に記載。

チャールズ・ディケンズ

(史実では1870年没ですが、ゲームですから年齢は適当に決めていただいて構いません。)

ヴィクトリア朝時代を代表する国民的作家。代表作品は「クリスマス・キャロル」「オリバー・ツイスト」「大いなる遺産」など。

KP向け情報

シナリオの背景

ネタバレ注意

NPC

エバンナ

エバンナ、死神犬

カーネル

カーネル、有望な魔女の弟子

チャールズ・ディケンズ

チャールズ・ディケンズ、国民的作家

主要施設データなど

ハイゲイト墓地 

ロンドン郊外・北部のハムステッドの荒れ地に位置する共同墓地。1839年に完成したヴィクトリア朝様式の共同墓地である。

バークレースクエア50番地

ロンドンのハイドパークのすぐ東、メイフェア区のバークレー・スクエアという公園の目の前に建つ。

サマセット・ハウス

コヴェント・ガーデンの東を通るメインストリート、キングスウェイの突き当りに存在する政府施設。

大英博物館・読書室

コヴェントガーデンの北、ホルボーンに位置する。

グリム(死神犬)伝承

大きな黒い犬の姿をした妖精。イギリスに古くから語り継がれる「死」を象徴した妖精である。

導入

ディケンズ氏からの依頼

探索者はチャールズ・ディケンズ氏からバークレー・スクエア50番地にある屋敷の謎を解いてほしいと依頼されます。
「クリスマス・キャロル」や「オリバー・ツイスト」などの作品を執筆した彼は国民的作家であると同時に、イギリスを代表する無類の幽霊マニアで、こうした噂には目が無いそうでした。
もし探索者の中に文学に明るい者がいれば<知識>や<芸術>でそういった背景知識を与えて話を弾ませるのもよいでしょう。
彼は今回もそうした幽霊の調査・取材としてこのバークレースクエア50番地に目を付けているのですが、その取材をあなたに探索者に依頼をします。
ディケンズ氏がいうには、その屋敷に一週間前まで住んでいたブラック一家が馬車事故によって全員死亡したという痛ましい事故があったのですが、その屋敷は昔からいわくつきのものだったらしく、
住んでいる人間が尽く不幸な目にあい、死亡、失踪するという噂話を聞いていたのです。
ディケンズ氏は幽霊の謎を調査、人が住むのに安全であるかどうかを証明して、その一部始終を報告してほしいと探索者にお願いするでしょう。
彼はこれが幽霊の仕業と考えている一方で、幽霊にかこつけ隠れ住む浮浪者による仕業についても可能性の一つとして危惧しているからです。
いくら幽霊好きとはいっても、人が一方的に呪われなぶられたり、人間の手によってだまされ、殺されることを望んではいないのです。
幽霊退治にしろ、浮浪者退治にしろ、この脅威について捜査してほしいとのことです。報酬の代わりに冒険を本にしたため、探索者を主人公にすると息巻いています。つまりギャラが依頼料としてもらえるわけです。
KPは馬車事故の新聞記事をディケンズに持たせてもよいですし、探索者に<知識>などのロールを行わせて思い出させてもよいでしょう。

一週間前の新聞記事

新聞記事 描写


ここでいう「ナイチンゲール」とは鳥のこと。美しい音でなく野鳥です。人名ではありません。
クリミアの天使ことナイチンゲールはこの頃メイフェア在住の70〜80歳なので、登場させようと思えばできないことはありません。
キャンペーンの登場人物としても検討の余地はあるでしょう。

新聞記事中の安否不明の男性はカーネルのことです。
彼は事故当時も魔術的な試みのために様々なオカルトグッズを持ち歩いていて、取り調べを受けることを避けたいがために事故現場から姿を消したのです。
彼は馬車事故に巻き込まれそうになったところを偶然にもグリムと化していたエバンナに助けられます。カーネルはもちろんエバンナがグリムになっていることを知りません。
彼自身グリムという精霊のことは知っていますが、人の命を奪うはずの死神犬が自分の命を助けたことについて困惑しています。

調査で明らかになること

依頼を受けた探索者はそのまま家に潜入するでもいいし、下調べをして待ち受ける危険に備えてもよいでしょう。
順番は探索者によって様々かと思われますが、最終的には50番地の地下でエバンナに会い、儀式を行うための魔導書を探すことになります。

50番地を管理する不動産、またはサマセット・ハウス

サマセット・ハウスか、50番地を管理する不動産の元へ向かえば、これまで住んでいた人間についての出生、死亡についての情報を得ることができるでしょう。
探索者がこれらの行動を思いつかない場合はディケンズ氏からそれを奨めるか、<アイデア>ロールなどを行わせるとよいでしょう。
一週間前のブラック家を最後に家は空き家になっています。サマセット・ハウスや不動産で適切に情報を得ることができるでしょう。
ここの家に住んでいた住人については一部フィクションであり、実在の住民とは関係ありません。メタ知識で住人のことをググったりなどで知っている探索者がいたら、そのことを伝えておいてください。

戸籍情報 描写


このように居住した人間たちは遅かれ早かれふとした理由で厳重に隠された地下階の秘密を知っていまい、失踪、もしくは発狂からの変死を遂げてしまいます。
戸籍に書かれている犬の遠吠えとはグリムのうなり声のことです。不動産管理人は聞かれても、近隣で犬を飼っている家があったかどうかは知らないと答えます。
二人の男は初めからこの家に隠されたエバンナの研究成果を盗むはずでしたが、グリムを見て発狂し、彼らの計画は失敗します。
彼らの雇い主を手がかりにほのめかすことで、エバンナの研究成果を狙う黒幕をキャンペーンのために用意することもできるでしょう。

探索者は1830年のエバンナという女性が住んでからこの幽霊騒動が起こっているということに気が付くでしょう。
このエバンナという女性について尋ねれば、戸籍の管理者は「ジプシーの女性であったが、資産については問題がなかったのでそのまま家屋を提供した」と回答する。
<オカルト>や<人類学>に詳しい探索者がいれば、ジプシーという存在について以下の情報を知っていてもよい。ジプシーはおまじないや占いを得意としていて、白人たちからは忌み嫌われる存在でした。
トラブルについてはここに詳細な記録は残っていないので調べようがありません。
裁判所や図書館に向かい裁判の資料を得るか、バークレー・スクエアで当時を知るお年寄りの住民に話しかければ、抗争の様子が聞けるかもしれません。

ジプシー(ロマ)について 描写


失踪について気になる探索者がいれば警察で失踪人の捜査について話を聞くこともできるでしょう。
ほとんどの失踪者が一切の手がかりや目撃証言も無し、神隠しのように消えていくという話だけが聞けます。
また馬車事故について聞くのなら、目撃者の証言で、現場からいなくなった男性が老人の男であったという話も聞けます。
この失踪者は不運にもエバンナによって究極の門へと旅立つことを余儀なくされてしまったのです。
エバンナの遺留品
勘の鋭い探索者はエバンナの私物についてどういう物があったのかを尋ねるかもしれません。
管理者は「まるで自分の死期を悟っていたのか、不自然なくらい私物は少なかった」ということと、「売り払ったのは大抵が書物と無意味なオカルトグッズの類であり、ほとんどを売却したり、大英博物館に寄贈した」とだけ回答します。
その書物の中に「ネクロノミコン」ラテン語版も含まれていました。
探索者の中にエバンナの本の売却リストが気になる探索者がいれば、さらに以下のハンドアウトを提示してください。
当時の管理者がメモした、エバンナの売却品のリストです。

エバンナの売却品リスト 描写


当時のエバンナの遺留品の売却リストに、何冊か価値の高いオカルト本が残っていました。
不動産はそれらをすべて売却しようとしましたが、表題無しの本が一冊残っていました。その一冊が「ネクロノミコン」です。
その装丁の気味悪さから売却ができず、結局当時の不動産管理者は大英博物館に寄贈されることになったのです。
50年前の売却先は様々で、その足取りは店の閉店などにより掴めなくなっています。

図書館、および裁判所

裁判所や大英図書館などで裁判の記録を見ることができます。
裁判所なら<法律>などのロールに成功したり裁判官に<言いくるめ>する必要があるかもしれません。

エバンナと近隣住民のトラブル、その裁判の記録


このように彼女が訴えられていたのは半ば人種差別的な、一方的なものでした。
裁判所もまた、彼女が魔女ということを恐れて実力行使に出ることができず、慰謝料の支払い以上のことを命ずることはありませんでした。

メイフェア区、バークレー・スクエア

バークレースクエア周辺は静かな住宅街です。50番地のすぐ前には十字路があり、道路を挟んですぐ目の前に公園があります。
朝から昼間にかけてなら、歩いている住人に話を聞くこともできるでしょう。身なりの良い人間を選べばこのあたりに住んでいますから、事故のことについても知っていることでしょう。
老人たちはこのあたりに住む人々はブラック一家もまた、50番地の呪いによって不幸な死を遂げたと考えているでしょう。実際この件に限っては偶然だったのですが。
もし探索者の中で念には念の入れて馬車の会社に行きたいとか、御者にお金を積んで事実を知りたいというのであれば、御者たちは「守銭奴のオーナーが維持費を渋ったために、馬車に問題があった」と告白します。
事故が起きた時に現場にもう一人いた人物について老人たちはその人物が50〜60歳ほどの身なりのよい老人だったとだけ知っているでしょう。
カーネルという少年
また年寄りであれば、エバンナの名前について尋ねれば、彼女の裁判や少年時代のカーネル・マスグレーヴのことについても話が聞けるでしょう。
エバンナとカーネルはさしづめ祖母と孫のような仲だったと話してくれます。いわゆる不思議ちゃんで、彼女とはそういうところが共通点となったのかもしれないと語るでしょう。
カーネルはエバンナが病没する少し前に勉学のために家族でエディンバラに引っ越したということも知っています。
その他の50番地の事件については、新聞記事を読んでわかる程度のことしか知りません。
事故現場
事故現場を捜索するならば、<目星>などのロールに成功することで、現場のすぐ近くの茂みに財布が落ちていることに気が付くでしょう。
中には身分証明が入っていて、カーネル・マスグレーヴという名前と年齢、彼のロンドンの住所が載っています。

落ちていた財布 身分証明

大英博物館

信用ロールに成功して管理者と交渉するか、夜の大英博物館に忍び込んで盗むことで、魔導書「ネクロノミコン」を読むことができます。信用で借りた場合は持ち出しができません。
ラテン語(探索者にラテン語持ちがいない場合は本を持ち出してカーネルやエバンナに読ませるか、最悪英語にしてしまってもかまいません)に成功することで4時間かけて読むことができます。
その中の「究極の門」について言及された章に儀式の呪文が載せられているのです。呪文の内容をメモに移すなどして記憶することができます。正しく写すにはさらに4時間かかるでしょう。
また、魔導書を読むことによるSAN喪失はここでは1d10とします。さらに5%の神話技能を取得します。呪文については下記参照。
さらに魔導書には以下の章についても記載されています。これも下記参照。

呪文「深淵の継承」(オリジナル)


古ぶるしきものの章より抜粋 描写


なおエバンナにネクロノミコンの特徴(人皮の装丁で、題名が書かれていないこと)を教えてもらわずにここへ来たとしても
「せめて本の特徴や著者がわからなければ、探しようがない」などと言われて魔導書を探すことはできません。
<クトゥルフ神話>に成功すれば知っているかもしれませんが、エバンナと接触する前にこうして魔導書を探索者に読ませる場合はシナリオにいくらかの修正が必要になるかもしれません。

魔導書を夜中に盗む場合、KPは侵入に<登攀>、<忍び歩き>や、<隠れる>をロールさせるとよいでしょう。先に50番地に来ている場合、栄光の手が役に立つかもしれません。
そして読書室の中から人皮装丁の魔導書を見つけるために<目星>や<図書館>に成功する必要があります。
大きな音を立てるなどして警備員に見つかった場合は戦闘になるか、目的を果たせずに失敗するか、最悪逮捕されて身柄をヤードに確保されてしまいます。
逮捕された場合には<法律>などを振らせて解放させてもいいですが、5d4の<信用>を失うなどのペナルティがあるでしょう。

盗んだ魔導書を持ち帰って研究したいと申し出る命知らずな探索者がいれば、シナリオ後研究に66週を費やし、
さらに2d10の正気度を失ってクトゥルフ神話技能を10%、ルルブ108ページの「ネクロノミコン」から好きな呪文を一つ獲得するものとします。

カーネルの家

拾った身分証の住所に向かうことでカーネルに会うことができます。エバンナや、馬車事故があったときのことを教えてくれるでしょう。
彼は事故当時オカルトグッズなどを所持していて、取り調べの時それらが警官に見つかるのを恐れて現場から立ち去ったのです。
カーネルは事故のことについて聞かれるととても警戒します。<信用>などのロールに成功すれば打ち明けてくれるでしょう。
事故の時カーネルは突然現れた死神犬に突き飛ばされて無事だったことを打ち明けますが、内心ではなぜ死神犬が自分の命を救ったのかを疑問に思っています。
死神犬伝承のロールに失敗している探索者がいれば、ここでカーネルが話してくれるでしょう。

いくつかの調査結果と共に、黒い犬がエバンナであるということをカーネルに打ち明けると、彼は驚きながらも嬉しい表情をします。
カーネルは今でもエバンナのことを尊敬していて、得意げに「彼女こそ自分がオカルトや魔術の世界にのめりこむきっかけだった」と話してくれるでしょう。
当時カーネルがエバンナから受けていたのは魔術の手ほどきでした、彼には目に見えないマナを自在に指で干渉することができる、素質のある魔術師だったのです。
彼は今の自分が魔術を正しく扱えるようになったのが彼女のおかげだと豪語し、彼女の役に立ちたいとさえ思っています。

探索者が儀式を行う人間を探していると伝えれば、彼はよろこんでその儀式への参加に名乗り出てくれるでしょう。
探索者の中にPOW14以上の人間がいなければ彼を継承者にしてもよいし、彼を介添え人にして探索者の中から誰かが最初の継承者になってもよいものとします。
POWの高さで儀式の成功率が変動することはありませんが必ず14以上の強い人間でなければなりません。

ハイゲイト墓地

幽霊の正体がエバンナであると考えた探索者は、ハイゲイト墓地の彼女の墓を確認することを考えるかもしれません。
墓地の管理人に交渉系技能を振らせたり、管理小屋の帳簿を確認することでエバンナの墓石の位置は分かります。
ハイゲイト墓地はとても広く、森の中に広がっています。
名前の書かれていない墓石も多いので、KPが意地悪な気分ならナビゲートをクローズドで振らせて、失敗した場合に全く関係のない別人の墓石にたどり着かせるなどして惑わせることも可能です。
墓を掘り返すごとに探索者は1d2の正気度を喪失します。

エバンナの墓石にたどり着いた場合、墓石は倒れていて、ひっかき傷のような跡が付いているのを見つけるでしょう。<アイデア>や<生物学>でこれが大型の犬の引っかき傷だとわかります。
ここでさらに<アイデア>や<オカルト>をロールし、成功したならば探索者は墓場に犬という情報から、グリム(死神犬)伝承の話を思い出します。
土は一度地中側から何かがはい出て来たようにも見えます。もし掘り返したのなら、棺桶は空であることに気が付くでしょう。探索者はSANチェックを行い、0/1d3の正気度を失います。

グリム(死神犬)伝承 描写

バークレー・スクエア50番地

マップデータ
狭い庭と鉄柵に囲われたヴィクトリア様式の建物です。
カーテンはかかっていますが、窓からはリビングの様子などもわずかに見えることでしょう。
当然屋敷はまだ清潔感が残っています。
玄関前で<アイデア>に成功した探索者は二階の窓から探索者を見ているような視線を感じるでしょう。
探索者が窓を見上げると、すでにその視線の主は見えなくなっています。

玄関

ドアを開けると、一週間換気もなかったのでわずかにかび臭さを感じるでしょう。
カギは現在かかっていません。電気は通っておらず中は薄暗いことがわかる。
ブラック一家が使っていたと思われるコートかけ、傘などが置かれています。

 κ置

荒れ果てた棚の中を探すと、人間の手首を模したような像が手に入ります。
<オカルト>や<知識><アイデア>などのロールに成功した探索者はこれが「栄光の手」と呼ばれるアーティファクトであると気付きます。
切り取られた人間の本物の手首であるということに気付いた探索者はSANチェックを行い、1d2の正気度を喪失します。
このAFは二人組の夜盗が使っていたものでした。なので5本の指の内2本がすでに使われています。
AF「栄光の手」(ハンズ・オブ・グローリー)

栄光の手 説明

▲螢咼鵐

ブラック一家の写真立てが暖炉の上に置かれています。暖炉は最近火をつけたような跡が残っています。
またダイニングにはテーブルの上にパンの屑や、缶詰が置かれていることに気が付くでしょう。誰かがここで最近食事をとったようです。ここに住みついた浮浪者の物です。

・一階廊下

上の階へ上ろうとすると、聞き耳を振るまでもなく探索者は上の階から足音がするのを聞きつけるでしょう。

A・二階廊下

一階の廊下から階段を登ってくるとこの場所にやってきます。
二階に来て最初に<アイデア>に成功した探索者は建物の間取りに違和感を覚えます。一階の部屋として使っている部分が二階よりも狭いのです。

一階で不自然狭くなっていたそのスペースの場所には大きな本棚(マップ右下)が置かれているのですが、
この本棚のSIZ20と探索者のSTR合計で抵抗表で競わせて動かすことに成功すると、床に隠し扉を発見します。
二階の他の二つの部屋で本棚を見ている探索者はこの本棚だけ、他の物よりかなり古ぼけて年季が入っているということに気が付くでしょう。
隠し扉には人避けの魔術が施されていて、紋章を見ていると気分が悪くなります。SANチェックを行い、0/1の正気度を失うでしょう。
二階から地下階へ降りる階段をずっと降りていくことで、地下階へと向かうことができます。

B・ブラック家、夫の寝室

ブラック一家が使っていた寝室があります。ベッドや机などはそのままで放置されています。
妻の方の部屋にはシナリオに関係する手がかりも残っていませんが、夫の方の寝室には鍵のかかった引き出し付きの机が残っていて、
鍵開けや筋力対抗などで開けた場合に手帳が残っているのを発見するでしょう。手帳の中に以下の抜粋を発見します。

ブラック家で見つけた手帳 描写

C・ブラック家、妻の寝室

ベッドの下にみすぼらしい恰好の子どもが隠れていて、探索者が高圧的な性格で会ったり恐ろしい容貌をしていた場合には襲い掛かってくるでしょう。
子どもがかくれているのはアイデアなどのロールを降らせるとよいでしょう。組み付きや素手技能で攻撃した場合にはすぐにおとなしくなります。
子どもには失業した浮浪者で、探索者がまだ気づいていない手がかりについてしゃべらせたり、一階と二階の違和感について知っていることにしてもかまいません。

物足りないと思うKPはこの子どもの代わりに、例えば「屋根裏部屋の怪物」のレッド・ジェイクのような浮浪者にして、戦闘ラウンドに移行するなどでもよいでしょう。

地下へ続く階段

隠し階段を下りていくにつれて探索者に奇妙な感覚が迫ることでしょう。
どれだけ歩いたのか感覚があやふやになり、進んでも進んでも降りている気配が全くしません。
後ろを振り返ると次第に上からの明かりが入らなくなるところまでやってきました。
探索者がふと足元を照らして見ると、階段の踏み場が歪んでいくのが見えるでしょう。

地下階・門の領域での邂逅

地中深くに降りると、そこは家の地下室よりもずっと広い神殿のような領域が広がっていました。
探索者のはるか前方には大理石のような質感の巨大な門がそびえたっているのです。
クトゥルフ神話技能に成功した探索者がいれば、これが人間を様々な次元へと送ってしまう究極の門であることに気が付くでしょう。
探索者は門の領域に足を踏み入れてしまったのです。

究極の門

何らかの因果で探索者が門に近づこうとすれば1d100をロールさせます。
96〜00が出た場合は探索者は即座に究極の門へと導かれ、次元の旅人としての人生が始まることになるでしょう。
KPは旅立った探索者のその後の処遇をPLと相談して決めなければなりません。

しかし普通は探索者が近づく前に、タウィル・アト=ウムルとなったエバンナが立ちはだかることでしょう。
物陰から体長5〜7メートルはあろうかという大型の黒い犬が目の前に姿を現すのです。
タウィル・アト=ウムルの犬の姿であるエバンナを目撃したことによる正気度喪失は0/1d10です。
彼女は何も知らない探索者たちを追い返そうとしますが、探索者が彼女の正体に気付いていいることを教えてやればひとまず話を聞いてくれるでしょう。

儀式の遂行に必要なもの

タウィル・アト=ウムルもまた、始めの方こそ復讐と称して楽しんでいましたが、それでも長い間ここを守っていて人間を襲い殺すことに疑問を感じていました。
この残された究極の門の守り手を別の魔術師に引き継がせる儀式の方法を探っているのですが、その儀式が書かれた魔導書「ネクロノミコン」が行方不明であり、
儀式を受け継ぐにふさわしい人間もいないと言うのです。「ダークエイジ」によれば、外なる神ヨグ=ソトースの化身ではありますが、その中でも悪性のない存在であり、人間との対話や交渉の余地もある存在です。
発狂して自ら襲い掛かるというようなことさえなければ、タウィルは探索者の要求を受け入れるでしょう。
そして門を閉じるために探索者に協力を、魔導書と魔術師にふさわしい人間を探すよう提案するのです。

ネクロノミコンを探して

エバンナは「ネクロノミコン」を探すように探索者に提案します。その特徴は「表紙に名前がなく、人間の皮でできた装丁」だと教えてくれます。
エバンナ儀式に継承者として参加できるのはPOW14以上を持っている者です。もしかしたら探索者にもその条件を満たす者がいるかもしれませんが、決断する際は慎重になりましょう。
儀式の準備ができたら、再びここに来るようエバンナは告げます。究極の門について尋ねる探索者がいれば、「あらゆる深淵につながる門」とだけ説明してそれ以上は話そうとしません。
聞こうとすれば「何なら今すぐここから旅立ってみるか? 帰ってこられる保証もないが」などと脅してPOW×1を振らせてしまうのが手っ取り早いでしょう。

エバンナは隠そうととしていた魔導書のいくつかが間に合わず命を落としてしまい、次にタウィルとして目を覚めたのがハイゲイト墓地であったために、
儀式に必要な魔導書「ネクロノミコン」の行方が分からなくなっています。
探索者が既に大英博物館に寄贈されたという情報を掴んでいるのであれば、あとは信用などの技能を使って読書室で「ネクロノミコン」を読ませてもらうか、
物置で手に入れたAFを使って無理やり、魔導書を盗み出すかして手に入れましょう。盗難がばれた場合にはもちろん逮捕され、信用の技能値を5d4%失うリスクはあります。
自分で探そうにも彼女には門を守る使命があり、バークレースクエアから離れることができません。

儀式の開始から終焉まで

魔導書と魔術師が揃ったら、50番地の地下にて儀式を開始するのみです。床に魔法陣を描いたら、中央にエバンナと継承者、その周りを介添え人が立ちます。
介添え人は継承の目撃者として自分の耐久1ポイント分の血液を流して、左手の甲に塗り付け前に突き出して指は広げておきます。
エバンナと継承者は魔法陣の中央に立って、POWとMPをコストに儀式を開始ます。エバンナが奇妙な発音の文言をつぶやくと、魔法陣が輝きだし、究極の門からは一陣の風が吹いてきます。
<アイデア>に成功した探索者は一陣の風の中に、嗅いだこともないようなおぞましい匂いがこちらに近づいてくることに気が付くでしょう。1d2の正気度を失います。
儀式が開始された後は介添え人がその魔法陣から離れても儀式は安全に継続されます。

門から現れし者

儀式は真夜中12時から始まり、朝の6時まで続きます。KPは二時間経過するごとに以下の遭遇表を元にダイスを振り、門の向こうから現れる生物を決定します。
つまりダイスを振る機会は2回あります。遭遇する生物はどれもが深淵の世界を彷徨うものであり、場合によってはカーネル含めてSANチェックを伴うことになります。
介添え人は儀式の妨害を阻止するために門から押し寄せてくる神話生物と戦闘を行い撃退しなければなりません。
KPが難易度を上げたい場合は下記の遭遇表を調整したり、新たに強力なリンボクリーチャーを遭遇表に追加してもよいでしょう。
戦闘が発生した場合、エバンナと継承者は契約の続行のために戦闘を行うことができません。

遭遇表

空鬼 データ

ガグ データ

結末

6時になった時点で儀式は完遂されます。
エバンナの魂が次第に門へと吸い込まれていったあと、門は輝きながらその形を徐々に小さくしていき、やがて最後に継承者の掌の上で銀色のカギとなって収まるでしょう。
カーネルは最後にエバンナに恩返しができたといって探索者に礼を言う。50番地にかけられた呪いは解かれ、その後この家が幽霊屋敷と呼ばれることもなくなるだろう。
探索者は幽霊屋敷の謎を解明し、ディケンズ氏にこの摩訶不思議な体験談を伝えることで、名声と、報酬と、さらに次の小説の出演料もらえることになる。
ディケンズ氏の小説のタイトルは「バークレースクエア50番地」として、数か月後に完成する。

探索者たちは関わってしまった、非日常に。この事件をきっかけに彼らの命運はさらにさらなる深淵へと加速していくだろう。

報酬

儀式を完遂させることで2d10の正気度を回復する。
他、ガグや空鬼を撃退した栄誉に応じて追加で正気回復を行ってください。
またこのシナリオをクリアした探索者はディケンズ氏の厚意により、その名声として5%の信用を得る。
また、儀式に参加した探索者は+5%のクトゥルフ神話技能を得る。
遭遇:タウィル・アト=ウムルの犬の姿、(ガグ、空鬼)

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