PCより
せつな後日談
魚籠椨良と彼の生み出したAIRIが引き起こした事件、そのことについて、ふと思い出していた。
せつなは自宅で淹れたコーヒーを片手に、南の空を仰ぎ見る。
南のひとつ星は今夜も綺麗に輝いている。
ふぅ、とまだ熱を持つコーヒーへ息を吹きかけ、窓枠に体を預けた。
家族。
今回の事件は、父親の娘への愛情の強さゆえに引き起こされたものだったのだと思う。
もう目を覚ますことのない、もう言葉を交わすことのできなくった娘。
その子と、もう一度言葉を交わしたい、触れ合いたい。
生きて、生きていてほしくて、彼は娘のデジタルクローンを作り、その結果があれだったのだろう。
AIRIを本当の娘として扱い、彼女の望みのままにすべてを行って…妻を殺害しても、とまることなく、彼は凶行を続けた。
笑えない。
その行いを心のどこかで肯定しているようで、笑えない。
家族と、そう、もう言葉を交わせなくなった家族ともう一度会えると言われたら…。
私は、その選択を…諦めることができるだろうか?
「本当に、笑えない話だよね」
コーヒーを口に含む。
相変わらずの苦味が口の中に広がった。
なんて自分勝手で、なんて自己中心的で、なんて愚かな選択だろう。
彼女がそんなことを望むはずなんてないとわかっているのに、心のどこかで考えてしまっている。
それでも、もう一度会いたい、と。
彼女が望んでいなくとも、言葉を交わしたい。
例え、なにかを犠牲にしてでも、私は…。
ひゅう、と夜風が部屋に吹き込んできた。
「…何を考えているんだろうね、私は」
ため息をつき、頭を振る。
「本当に、笑えないね…」
と、苦笑しつつ、窓をしめた。
こんな思考をするほど、私は馬鹿だっただろうか。
そう思いながら、コーヒーを飲み干したカップを片付けにいく。
「どうせ家族のためになにかをするのなら、まだ生きている家族を大切にすべきだと何故忘れていたのだろうね」
誰もいないキッチン。
そこへ入ると、視界に冷蔵庫が映る。
そこに張られた写真を見て、せつなは頬を緩めてしまう。
「そういった意味では、あなたはちゃんと、家族を大切にしてましたよね」
写真の中には一組の親娘が映っていた。
その親娘は、うん、本当に幸せそうに笑っていた。
PLより
おつかれさまでした!
三日間おつかれさまでした!
今回はファンブルとスペシャルの嵐に見舞われたセッションで、ほんとにすごい展開になりましたね…。
最後のDB時空の展開…うん、戦闘ありってコワイデスネ。
女神様には少し自重という言葉を覚えてほしいような、このままでも良いような、不思議な感覚です。
ともあれ、なんとか全員で生還できてよかったです。
またみなさんとどこかで出会いましたら、よろしくお願いしますです。
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