最終更新:ID:IqvQszIrMQ 2017年07月20日(木) 18:23:39履歴
際限のない豊かさを求め始めた時、人は自然から外れてしまったのだろう。
本当の豊かさは、掴み取る物ではないと言うのに。
1890年代半ばのイギリス。
探索者はある一通の手紙を受け取り、あるいは協力者として、その手紙の指示に従いヨークシャー地方の漁村を訪れる。
奇妙な伝承の残る寂れた漁村にやって来た探索者たちは、村の入り口で少女と出会う。
どこか厭世的な雰囲気を漂わせた少女は、探索者に対して警告を行う。
「この村は、呪われているのよ」
探索者はある一通の手紙を受け取り、あるいは協力者として、その手紙の指示に従いヨークシャー地方の漁村を訪れる。
奇妙な伝承の残る寂れた漁村にやって来た探索者たちは、村の入り口で少女と出会う。
どこか厭世的な雰囲気を漂わせた少女は、探索者に対して警告を行う。
「この村は、呪われているのよ」
まずは4日間お疲れさまでした。初回&原作者が見学と、KP自身も結構緊張した状況であり、少なからずご迷惑をおかけしたのではないかと思います。にもかかわらず、終了後には有り難いお言葉をいくつもいただき、感謝に堪えません。
元々私がとても気に入っているシナリオでありますが、そのまま回したのでは単なる劣化番になるだけかと思い、私の持ち味としている時代卓に改変するという、やや博打勝負ではありました。しかしながら、終わってみると皆様の協力もあり上手くいったのではないかと思っております。今回のセッションでは自分なりの反省点や改善案も見つかりましたので、次回以降は今回とはさらに違った雰囲気になるかもしれません。そういった意味でも初回は皆様だけの特別なセッションとなるでしょう。
皆様のTRPGライフの1ページに、今回のセッションが少しでも残るようであれば幸いです。また機会があれば、よろしくお願いします。
元々私がとても気に入っているシナリオでありますが、そのまま回したのでは単なる劣化番になるだけかと思い、私の持ち味としている時代卓に改変するという、やや博打勝負ではありました。しかしながら、終わってみると皆様の協力もあり上手くいったのではないかと思っております。今回のセッションでは自分なりの反省点や改善案も見つかりましたので、次回以降は今回とはさらに違った雰囲気になるかもしれません。そういった意味でも初回は皆様だけの特別なセッションとなるでしょう。
皆様のTRPGライフの1ページに、今回のセッションが少しでも残るようであれば幸いです。また機会があれば、よろしくお願いします。
豊饒の加護を失ったイルマ村は、また不作不漁が続くことになるだろう。また指導者を欠くことになり、全体的な舵取りに支障をきたすことは想像に難くない。そんなことを考えながら、少女は煤煙で濁ったロンドンの空を眺める。
とてもこの空が故郷に繋がっているようには思えない。ここはあまりにも世界が違い過ぎる。まるで世界中の人間を集めたかのようなにぎわいを見せる街路、見たこともないような様々な機械、華やかな文化。人伝には聞いていたが都会とはこんなものだったのだ。最初の頃は義父の付き添いなしでは、近くの買い物ですら迷子になりそうだった。幸いにもあの事件の際に知り合った人々が、気にかけて引っ切り無しに様子を見に来てくれたおかげで、義父が仕事中で手が離せない状況あっても不都合を感じることはなかった。故郷もそうだったが、どうやら自分は人の縁に恵まれているらしい。誰かがいつも助けてくれるおかげで、本当に困った事態になったことがないのだ。それに気付いたのは、ロンドンに来てからだと言うのは皮肉なものである。
過保護過ぎる義父は有り難くもあり迷惑でもあった。育ての親である祖父とは違ったタイプだが、同じくらい大切に思ってくれているのだろうことは理解できる。だが、娘とは言えさすがに17歳になる少女に過剰なスキンシップを求めてくるのは辞めてほしい。まぁ、今の状況は彼のおかげなのだから、多少の不満はあっても、以前のように家出をするわけにもいかないのだが。
大学に通うには、本年中の入試には間に合わなかった。早くても来年になるが──そもそも自分の学力で合格するかが問題になる。まぁこれも、あのお節介な知人たちが協力してくれるので、その期待に応えないわけにもゆくまい。しかもそのうち一人は一緒に入学するとまで言い出しているのだから。初めての場所に知人──いや、友人がいると言うのはそれだけで心強く感じる。彼女と一緒に学び舎に通えることは、何よりの励みになるだろう。
一見無愛想な医師は実は一番心配症なのだろう。暇を見つけては、何かしら適当な理由でやや強引に自分を誘い出し、困ったことはないか、助けは必要ないかと質問攻めにしてくる。必要ないと言うと、かえって長引くことに気付いたので、最近はほどほどに頼ることにしたが……それならそれで、もう少し愛想よくして欲しいのが実のところ、一番の要求かもしれない。人の事を言えた義理でないのは重々承知だが。
もう一人は忙しいのか、他と比べれば直接会う機会は少ない。それはそうだ。彼女にとっては売り出し中の今こそが、一番大事な時期なのだから。だが忘れた頃にやってきては、高価なチケットを渡してくれる有り難い存在だ。都会の流行などにも敏感なようで、そちらのアドバイスも貰えるのは──特にこの点では義父はまったく頼りにならないのだから──非常に助かっている。また、生い立ちが特殊な彼女は他よりも自分の境遇に共感できるのだろう。
と、自分が物思いに耽っていることに気付き、ペンを取り直す。分かれる前に仲直りのできた、故郷の従姉のような友人に宛てた手紙を書いている最中だった。田舎と違って様々なことがあり過ぎて、書きだしたらキリがないだろう。それに自分の性分から言っても、素っ気ないくらいで充分だ。いつか──数年は先になりそうだが──直接顔を合わせて語り合うことができた時のために、話したいことは取っておけば良い。それまでに故郷がどうなってしまうのか不安はあるが……今は、振り返るわけにはゆかない。だから、手短に近況を説明した後に一言だけ付け加えておくのだ。『また会う日まで』と。
とてもこの空が故郷に繋がっているようには思えない。ここはあまりにも世界が違い過ぎる。まるで世界中の人間を集めたかのようなにぎわいを見せる街路、見たこともないような様々な機械、華やかな文化。人伝には聞いていたが都会とはこんなものだったのだ。最初の頃は義父の付き添いなしでは、近くの買い物ですら迷子になりそうだった。幸いにもあの事件の際に知り合った人々が、気にかけて引っ切り無しに様子を見に来てくれたおかげで、義父が仕事中で手が離せない状況あっても不都合を感じることはなかった。故郷もそうだったが、どうやら自分は人の縁に恵まれているらしい。誰かがいつも助けてくれるおかげで、本当に困った事態になったことがないのだ。それに気付いたのは、ロンドンに来てからだと言うのは皮肉なものである。
過保護過ぎる義父は有り難くもあり迷惑でもあった。育ての親である祖父とは違ったタイプだが、同じくらい大切に思ってくれているのだろうことは理解できる。だが、娘とは言えさすがに17歳になる少女に過剰なスキンシップを求めてくるのは辞めてほしい。まぁ、今の状況は彼のおかげなのだから、多少の不満はあっても、以前のように家出をするわけにもいかないのだが。
大学に通うには、本年中の入試には間に合わなかった。早くても来年になるが──そもそも自分の学力で合格するかが問題になる。まぁこれも、あのお節介な知人たちが協力してくれるので、その期待に応えないわけにもゆくまい。しかもそのうち一人は一緒に入学するとまで言い出しているのだから。初めての場所に知人──いや、友人がいると言うのはそれだけで心強く感じる。彼女と一緒に学び舎に通えることは、何よりの励みになるだろう。
一見無愛想な医師は実は一番心配症なのだろう。暇を見つけては、何かしら適当な理由でやや強引に自分を誘い出し、困ったことはないか、助けは必要ないかと質問攻めにしてくる。必要ないと言うと、かえって長引くことに気付いたので、最近はほどほどに頼ることにしたが……それならそれで、もう少し愛想よくして欲しいのが実のところ、一番の要求かもしれない。人の事を言えた義理でないのは重々承知だが。
もう一人は忙しいのか、他と比べれば直接会う機会は少ない。それはそうだ。彼女にとっては売り出し中の今こそが、一番大事な時期なのだから。だが忘れた頃にやってきては、高価なチケットを渡してくれる有り難い存在だ。都会の流行などにも敏感なようで、そちらのアドバイスも貰えるのは──特にこの点では義父はまったく頼りにならないのだから──非常に助かっている。また、生い立ちが特殊な彼女は他よりも自分の境遇に共感できるのだろう。
と、自分が物思いに耽っていることに気付き、ペンを取り直す。分かれる前に仲直りのできた、故郷の従姉のような友人に宛てた手紙を書いている最中だった。田舎と違って様々なことがあり過ぎて、書きだしたらキリがないだろう。それに自分の性分から言っても、素っ気ないくらいで充分だ。いつか──数年は先になりそうだが──直接顔を合わせて語り合うことができた時のために、話したいことは取っておけば良い。それまでに故郷がどうなってしまうのか不安はあるが……今は、振り返るわけにはゆかない。だから、手短に近況を説明した後に一言だけ付け加えておくのだ。『また会う日まで』と。
今こうして記録を残しながら振り返ってみると、運命とは数奇なもので、宿命とは存在するものだと思わざるを得ない。
シャーロック・ホームズが暴き、ジョン・H・ワトソンが世間に公表するまで、あのジェイムズが犯罪に関与してると
思っていた人などほとんどなかったのではないだろうか。まあ、それは少しはいたということでもあるし、私もその1人ではあるのだが。
自分で言うのもなんだが、私には対人交渉術とでも言うべきものの才能があるようだ。法律家ではなく演説家だと揶揄されるくらいには。
そして――その才能を目当てにジェイムズに勧誘されたこともある。もちろんその勧誘は撥ね付けたし、その反動のようにもともとあった
犯罪への嫌悪感は増すことになったのだが――その私が、まさか人を殺すことになろうとは。その上で、イルマ村を領地とする男爵の法的
な弱みを探ろうとしている。やはり『モリアーティ』は犯罪に関与する宿命なのかもしれない。とはいえ後悔はしていない。あれが彼の最後
の頼みであったのだし、男爵の件は……可愛い娘のためならば仕方がないのだ、うん。
ロンドンに来た当初は故郷との違いに戸惑っていたようでうはあるが、わが娘は実に意欲的に勉学に取り組んでいる。大学には問題なく
入学できるだろう。ハミルトン嬢も同じく入学を希望しているというし、年の近い同性の友人との大学生活は間違いなく充実したものになるはずだ。
最近親子の触れ合いを嫌がるようになったのが寂しい限りだが。
レックス君は相変わらずの無愛想ではあるが、娘のことをよく気にかけてくれている。有難くはある。しかしね、君。すこし距離が近くないかい?
ぶっきらぼうな君にはアリス嬢の方が似合っていると思うよ?
アボット嬢は順調に女優としてのキャリアを積んでいるようだ。時たま公演のチケットを渡しに訪れてくれる。娘と一緒に見に行くのが、ここ
最近の日々の心の潤いだ。彼女の名がイギリス中に知れ渡る日もそう遠くないのかもしれない。
娘が大学でなにを学ぶつもりなのかはまだ聞いてはいないが、卒業した後にどうするかはわかっている。きっと、私がこれを書いている今この時にも
故郷の友人へ近況を知らせるために筆を走らせているはずだ。……大分そっけない文体になっているのが容易に想像できるのだが、それもまた可愛げである。うむ。
この年になって再び守るものを得た私は、あのような旅に出ることもうはないだろう。いつか、娘と共にイルマ村に引っ越して隠居するのもいいかもしれない。
ただ、それは少し先の話。暫くはこの街で、悪徳貴族相手に稼がせてもらうとしよう。可愛い娘のために頑張らなくては。……パフェで散財してしまったしネ。
そして、もしやり口が汚いと言われたらこう返してやるのだ。
『私は平凡な弁護士だよ君ィ。ただ、モリアーティではあるのだがネ!』
いつかこの呪われた名が、ある村を見事に発展させた祝福の名になると信じて。
シャーロック・ホームズが暴き、ジョン・H・ワトソンが世間に公表するまで、あのジェイムズが犯罪に関与してると
思っていた人などほとんどなかったのではないだろうか。まあ、それは少しはいたということでもあるし、私もその1人ではあるのだが。
自分で言うのもなんだが、私には対人交渉術とでも言うべきものの才能があるようだ。法律家ではなく演説家だと揶揄されるくらいには。
そして――その才能を目当てにジェイムズに勧誘されたこともある。もちろんその勧誘は撥ね付けたし、その反動のようにもともとあった
犯罪への嫌悪感は増すことになったのだが――その私が、まさか人を殺すことになろうとは。その上で、イルマ村を領地とする男爵の法的
な弱みを探ろうとしている。やはり『モリアーティ』は犯罪に関与する宿命なのかもしれない。とはいえ後悔はしていない。あれが彼の最後
の頼みであったのだし、男爵の件は……可愛い娘のためならば仕方がないのだ、うん。
ロンドンに来た当初は故郷との違いに戸惑っていたようでうはあるが、わが娘は実に意欲的に勉学に取り組んでいる。大学には問題なく
入学できるだろう。ハミルトン嬢も同じく入学を希望しているというし、年の近い同性の友人との大学生活は間違いなく充実したものになるはずだ。
最近親子の触れ合いを嫌がるようになったのが寂しい限りだが。
レックス君は相変わらずの無愛想ではあるが、娘のことをよく気にかけてくれている。有難くはある。しかしね、君。すこし距離が近くないかい?
ぶっきらぼうな君にはアリス嬢の方が似合っていると思うよ?
アボット嬢は順調に女優としてのキャリアを積んでいるようだ。時たま公演のチケットを渡しに訪れてくれる。娘と一緒に見に行くのが、ここ
最近の日々の心の潤いだ。彼女の名がイギリス中に知れ渡る日もそう遠くないのかもしれない。
娘が大学でなにを学ぶつもりなのかはまだ聞いてはいないが、卒業した後にどうするかはわかっている。きっと、私がこれを書いている今この時にも
故郷の友人へ近況を知らせるために筆を走らせているはずだ。……大分そっけない文体になっているのが容易に想像できるのだが、それもまた可愛げである。うむ。
この年になって再び守るものを得た私は、あのような旅に出ることもうはないだろう。いつか、娘と共にイルマ村に引っ越して隠居するのもいいかもしれない。
ただ、それは少し先の話。暫くはこの街で、悪徳貴族相手に稼がせてもらうとしよう。可愛い娘のために頑張らなくては。……パフェで散財してしまったしネ。
そして、もしやり口が汚いと言われたらこう返してやるのだ。
『私は平凡な弁護士だよ君ィ。ただ、モリアーティではあるのだがネ!』
いつかこの呪われた名が、ある村を見事に発展させた祝福の名になると信じて。
まずは皆さんセッションお疲れ様でした!そして感謝を皆さんに。
HappyEnd至上主義の自分としては、考えうる限り最良の結果だったのではないでしょうか。
個人的なEDとしても、イヴちゃんをお持ち帰りできて大変満足しております。笑
セッション中はとにかくPL全員の出目が要所要所でよかったですね。かなり楽に探索できた
とは思いますが、すびえさんや三日月さんの仰るとおり、少しだけ失敗しても面白かった
かも。なんてことも思ったり。笑
PCとしての後日談としては、ジュークはこれで探索者としては引退になります。その事情として
も、守るべきものができたから、という納得できる理由になりました。
……別に、情報提供役のNPCとしてイヴと一緒に他のシナリオに出てきてもいいのよ?(チラチラ
KP、PL、PC、そして原作者様。皆さんのおかげで素晴らしいセッションになりました。間違いなく
自分のTRPG経験の中で最高のセッションでしたし、これからも最高の思い出として残り続けるでしょう。
改めまして、皆さん楽しい時間を本当にありがとうございました!
HappyEnd至上主義の自分としては、考えうる限り最良の結果だったのではないでしょうか。
個人的なEDとしても、イヴちゃんをお持ち帰りできて大変満足しております。笑
セッション中はとにかくPL全員の出目が要所要所でよかったですね。かなり楽に探索できた
とは思いますが、すびえさんや三日月さんの仰るとおり、少しだけ失敗しても面白かった
かも。なんてことも思ったり。笑
PCとしての後日談としては、ジュークはこれで探索者としては引退になります。その事情として
も、守るべきものができたから、という納得できる理由になりました。
……別に、情報提供役のNPCとしてイヴと一緒に他のシナリオに出てきてもいいのよ?(チラチラ
KP、PL、PC、そして原作者様。皆さんのおかげで素晴らしいセッションになりました。間違いなく
自分のTRPG経験の中で最高のセッションでしたし、これからも最高の思い出として残り続けるでしょう。
改めまして、皆さん楽しい時間を本当にありがとうございました!
窓の外から見えるロンドンの町は、今日も薄暗い。少し前まであの、青空の広がる漁村にいたのが夢幻かの様に思えた。
そろそろ頃合いかしらと、香ばしい匂いのする黒い液体を、お気に入りのティーカップになみなみと注ぐ。
………今日のは、上手く出来ているといいのだけれど。
先月久しぶりに我が家に遊びにきた、兄の様な存在である「彼」に練習を積み重ねた一品を飲ませた所、開口一番に「まずい」と言われてしまった事を思い出して、苦々しい気分になる。
あのお店のコーヒーみたいに、すぐには上手く出来ないものね。
淹れたばかりで、ふわふわとまだ湯気のたっているそれを肩を竦めながら冷ましている間に、私は朝に届いたばかりの、友人からの手紙の封を開ける事にした。
私達4人ーー1人増えて5人、がロンドンに戻ってから、もう数ヶ月が立とうとしている。あの村で出会ったイヴさんは、少し過保護気味ともとれる養父のもとで、仲良く穏やかに過ごしている様だった。
同じ大学を目指そうと決まってからは、私はよく、イヴさんの今の住居であるモリアーティ教授のお宅に伺うようになった。次の入試試験に向けての勉強会をするためにだった。
初めて村で出会った時は、少し怖そうな女の子だな、と思っていたけれど、ああやって普通にお話ししていると、本当は根が優しくて可愛らしい普通の女の子だったのね、というのがよく分かる。
難解な部分は教授に教えを請い、教授がどこかに出掛けられている時は、お互いに頭を捻らせて教えあいながら勉学に励む。
こうして誰かと顔を付き合わせて勉強をするなんて、数年ぶりかしら、と懐かしくて口許がほこびそうになる。
大学に行けばこれが毎日あるのよね、今からでも楽しみで、心が踊るわ。
大学に通おう、と思ったきっかけは、あの村での出来事があったからだった。
帰って来て開口一番に、医者を目指すために大学へ通いたい、と頭を下げてお願いした時の、お父様とお母様の驚いた顔がまだ脳裏に残っている。確かにとても難しい道ではあるけど、前々から、父の仕事の手助けをする為に考えていた道ではあったのだけれどね。
医者、と言われて思い出すのは、軍医をやっているレックスの事だった。今回の件は少し、彼の背を追っている部分もあるかもしれないし。
あの時、怪我人はいるかと慌てて走っていった彼を追いかけた時に、彼の医者の顔って、こういうものだったのね、と意外に思ったものだったわ。私の記憶にあるのは、まだ二十歳にも満たない医者のたまごの彼だけだったから。
それと同時に、この人って少し危ういなって思った。戦場でもこんな風に走り回っているのかしら、って。
事件の終幕で私が発した冗談に、「怖い」と返答した時の彼の声色を思い出す。ーー走り回って、そのまま死んだらどうするつもりなのかしら。自分が死ぬ恐怖より、患者を診る方が先決だ、とでも言うのかしら。
半分、心配というか、せめて死なない様に私が見ておかなければ、という、あの時に芽生えた義務感によるものだと思う。
追いかけるだけの私に何が出来るんだ、と言われてしまえばそれまでだけど、私が同じ道を目指す事で、お父様とレックスの力に、少しでもなれたら幸せだわって、そう思うのよ。
本人の目の前にしてはそんな事、口が裂けても言えないけれど。
さて、と鋏を取り出し、ピリピリと丁寧に封筒を破いて出てきたのは、送り主のアデラ・アボットのものの、女性らしくもあり、溌剌とした筆癖の手紙だった。
なんと、今度の舞台でヒロイン役を演じることになったらしい。思わぬ大抜擢に、私も思わず我が身の事の様にその場で大喜びしてしまった。
ーーアデラがヒロインをやるんですもの、きっと素敵な舞台になるんでしょうね。
少し気を早くして、舞台で華麗に映えるアデラの姿を頭の中で思い浮かべて、私はうふふと笑みを漏らした。
そのヒロインは男装もするらしい。アデラの男装姿は始めてみる事になるけど、きっと凛々しくて格好いいんでしょうね。男装したアデラが女の子にモテ始めたらどうしましょうーーあら、アデラは私のお友達なのよ。
想像して、ちょっとムッとしてしまった。アデラが活躍するのは嬉しいけど、私から離れていくみたいで、ちょっとさみしい。
そうだわ、イヴさんと3人でお出かけする時に、何かお祝いのプレゼントでも買おうかしらね、何にしようかしら、アデラの好きなお店のお菓子あたりが良いかしらね。前に欲しがっていた帽子も喜んでくれるかもしれないわ。
そう先の予定に向けてのウキウキした気持ちを胸に、お手紙のお返事をさっそく書こうと、椅子からよろよろと立ち上がる。
舞台は絶対に見に行く事、レックスの見張りは任せてねという事、教授も見に来るのかしらという事。手紙に書く事を頭に張り巡らせながら、封筒と万年筆が置いてある、書き物机の収納棚に手を伸ばす。
そして、開いた中にある、無数の白いものたちを目にして、体を硬直させ、友達との約束への胸の高鳴りを一瞬忘れて、
ーー相変わらずね、と、自分自身に深いため息をついた。
そこには、既に封のしてある無数の手紙が、ぎっしりと詰まっていた。奥にしまってある物の程、幼い娘が書いたようなつたない筆癖で宛名が書かれている。
最近のものまでは細かく数えていないけれど、確か2000枚は軽く越えていた筈だ。これは、8年前から毎日かかさず、ずっとあの子宛にとしたためてきた、私宛のラブレターなのだから。
引っ越したあの子の元には届けずに、この中にずっと書きためて、この歳になるまで未練たらたらに日課のように書き続けてきた手紙。
あの漁村での一件以降は、私もあの村の結末で思うところがあったのかしら、憑き物がとれた様に書くのもやめてしまったけれど。
この引き出しの中の、煮詰まってドロドロとした思いは、金輪際読むことも書くことも、誰に読ませるつもりもありません。何度捨てようと思っても捨てきれないものだから、墓まで持っていくつもり。
ただ、と、ここで一緒にあの旅をした3人と、出会った1人の女の子の事を思い出す。あの人達にこの手紙を読まれてしまったら、どうなるのかしら、と。
昔の私を知って、本当の私を知って、怒るかしら、悲しむかしら。
もしくは、あの子の様に、怖がって逃げ出してしまうかしら。ーーああ、それはなんて、恐ろしい、
そろそろ熱も引いただろうティーカップを手にとって、ゆっくりと口につける。思いの外冷めてしまったコーヒーを、喉の奥に一口一口、最後の一滴まで流し込む。
ああ、やっぱり自分が淹れたものって、苦くてまずいのね。本当に。
そろそろ頃合いかしらと、香ばしい匂いのする黒い液体を、お気に入りのティーカップになみなみと注ぐ。
………今日のは、上手く出来ているといいのだけれど。
先月久しぶりに我が家に遊びにきた、兄の様な存在である「彼」に練習を積み重ねた一品を飲ませた所、開口一番に「まずい」と言われてしまった事を思い出して、苦々しい気分になる。
あのお店のコーヒーみたいに、すぐには上手く出来ないものね。
淹れたばかりで、ふわふわとまだ湯気のたっているそれを肩を竦めながら冷ましている間に、私は朝に届いたばかりの、友人からの手紙の封を開ける事にした。
私達4人ーー1人増えて5人、がロンドンに戻ってから、もう数ヶ月が立とうとしている。あの村で出会ったイヴさんは、少し過保護気味ともとれる養父のもとで、仲良く穏やかに過ごしている様だった。
同じ大学を目指そうと決まってからは、私はよく、イヴさんの今の住居であるモリアーティ教授のお宅に伺うようになった。次の入試試験に向けての勉強会をするためにだった。
初めて村で出会った時は、少し怖そうな女の子だな、と思っていたけれど、ああやって普通にお話ししていると、本当は根が優しくて可愛らしい普通の女の子だったのね、というのがよく分かる。
難解な部分は教授に教えを請い、教授がどこかに出掛けられている時は、お互いに頭を捻らせて教えあいながら勉学に励む。
こうして誰かと顔を付き合わせて勉強をするなんて、数年ぶりかしら、と懐かしくて口許がほこびそうになる。
大学に行けばこれが毎日あるのよね、今からでも楽しみで、心が踊るわ。
大学に通おう、と思ったきっかけは、あの村での出来事があったからだった。
帰って来て開口一番に、医者を目指すために大学へ通いたい、と頭を下げてお願いした時の、お父様とお母様の驚いた顔がまだ脳裏に残っている。確かにとても難しい道ではあるけど、前々から、父の仕事の手助けをする為に考えていた道ではあったのだけれどね。
医者、と言われて思い出すのは、軍医をやっているレックスの事だった。今回の件は少し、彼の背を追っている部分もあるかもしれないし。
あの時、怪我人はいるかと慌てて走っていった彼を追いかけた時に、彼の医者の顔って、こういうものだったのね、と意外に思ったものだったわ。私の記憶にあるのは、まだ二十歳にも満たない医者のたまごの彼だけだったから。
それと同時に、この人って少し危ういなって思った。戦場でもこんな風に走り回っているのかしら、って。
事件の終幕で私が発した冗談に、「怖い」と返答した時の彼の声色を思い出す。ーー走り回って、そのまま死んだらどうするつもりなのかしら。自分が死ぬ恐怖より、患者を診る方が先決だ、とでも言うのかしら。
半分、心配というか、せめて死なない様に私が見ておかなければ、という、あの時に芽生えた義務感によるものだと思う。
追いかけるだけの私に何が出来るんだ、と言われてしまえばそれまでだけど、私が同じ道を目指す事で、お父様とレックスの力に、少しでもなれたら幸せだわって、そう思うのよ。
本人の目の前にしてはそんな事、口が裂けても言えないけれど。
さて、と鋏を取り出し、ピリピリと丁寧に封筒を破いて出てきたのは、送り主のアデラ・アボットのものの、女性らしくもあり、溌剌とした筆癖の手紙だった。
なんと、今度の舞台でヒロイン役を演じることになったらしい。思わぬ大抜擢に、私も思わず我が身の事の様にその場で大喜びしてしまった。
ーーアデラがヒロインをやるんですもの、きっと素敵な舞台になるんでしょうね。
少し気を早くして、舞台で華麗に映えるアデラの姿を頭の中で思い浮かべて、私はうふふと笑みを漏らした。
そのヒロインは男装もするらしい。アデラの男装姿は始めてみる事になるけど、きっと凛々しくて格好いいんでしょうね。男装したアデラが女の子にモテ始めたらどうしましょうーーあら、アデラは私のお友達なのよ。
想像して、ちょっとムッとしてしまった。アデラが活躍するのは嬉しいけど、私から離れていくみたいで、ちょっとさみしい。
そうだわ、イヴさんと3人でお出かけする時に、何かお祝いのプレゼントでも買おうかしらね、何にしようかしら、アデラの好きなお店のお菓子あたりが良いかしらね。前に欲しがっていた帽子も喜んでくれるかもしれないわ。
そう先の予定に向けてのウキウキした気持ちを胸に、お手紙のお返事をさっそく書こうと、椅子からよろよろと立ち上がる。
舞台は絶対に見に行く事、レックスの見張りは任せてねという事、教授も見に来るのかしらという事。手紙に書く事を頭に張り巡らせながら、封筒と万年筆が置いてある、書き物机の収納棚に手を伸ばす。
そして、開いた中にある、無数の白いものたちを目にして、体を硬直させ、友達との約束への胸の高鳴りを一瞬忘れて、
ーー相変わらずね、と、自分自身に深いため息をついた。
そこには、既に封のしてある無数の手紙が、ぎっしりと詰まっていた。奥にしまってある物の程、幼い娘が書いたようなつたない筆癖で宛名が書かれている。
最近のものまでは細かく数えていないけれど、確か2000枚は軽く越えていた筈だ。これは、8年前から毎日かかさず、ずっとあの子宛にとしたためてきた、私宛のラブレターなのだから。
引っ越したあの子の元には届けずに、この中にずっと書きためて、この歳になるまで未練たらたらに日課のように書き続けてきた手紙。
あの漁村での一件以降は、私もあの村の結末で思うところがあったのかしら、憑き物がとれた様に書くのもやめてしまったけれど。
この引き出しの中の、煮詰まってドロドロとした思いは、金輪際読むことも書くことも、誰に読ませるつもりもありません。何度捨てようと思っても捨てきれないものだから、墓まで持っていくつもり。
ただ、と、ここで一緒にあの旅をした3人と、出会った1人の女の子の事を思い出す。あの人達にこの手紙を読まれてしまったら、どうなるのかしら、と。
昔の私を知って、本当の私を知って、怒るかしら、悲しむかしら。
もしくは、あの子の様に、怖がって逃げ出してしまうかしら。ーーああ、それはなんて、恐ろしい、
そろそろ熱も引いただろうティーカップを手にとって、ゆっくりと口につける。思いの外冷めてしまったコーヒーを、喉の奥に一口一口、最後の一滴まで流し込む。
ああ、やっぱり自分が淹れたものって、苦くてまずいのね。本当に。
まずは皆様4日間お疲れ様でした。
私自身初めてのガスライト卓ということもあり、やや緊張しましたが非常に楽しいセッションでした。
初ガスライトがこのメンバー、このシナリオで本当に良かったと思います。
まぁ堅苦しい挨拶は置いといて、恒例の謝辞を
教授/min様
イヴちゃんのお持ち帰りおめでとうございます(?)
教授との絡みは印象的でしたが、見返してみると意外と教授と共に行動した時間は短いんですよね。
それだけ濃い絡みをすることができたということでしょうか。いいですね、胡散臭い老紳士と粗野な若者のコンビ。
今回で教授は引退ということで少々残念に思いますが、別のPCで再び会えることを楽しみにしています。
リリー/しゃみ子様
まさかAPP18の妹分ができてしまうとは…恐縮です。
リリーさんとの間の、友達や恋人とも違う独特な距離感が心地よかったです。妹キャラの淑女っていいですね…
次に会うことがあれば大学生になったリリーさんでしょうか。成長した彼女とまた会える日を楽しみにしてます。
アデラ/味噌様
分かれての行動が多かったこの卓、半分近くアデラさんと行動を共にしてましたね。お世話になりました。
レックスの言動に想像以上のリアクションを返してくれたため、探索中はとても楽しかったです。アデラさんもかわいいかわいい!
後日談では劇場のチケットをいただけたようで。自分の知らないアデラさんを見てレックスはどう反応するのか。また会える日を楽しみにしています。
KPすびえ様
4日間お疲れ様でした。
今まで気になっていたけど中々応募を出せなかった神海をサプリを買ったけど中々手を出せなかったガスライト時代で遊ぶことができるとは…
メンバー(+見学席)にも恵まれ理想的な卓でした。ガスライトはいいぞ!
次にお会いするときはKPとPLの関係か、同じ卓に参加するPL同士かはわかりませんが、また会えたらよろしくお願いします。
ところでシナリオ後に次回作のお話をされていましたね。CS作るんで早く募集ページを(ry
ありがとうございました!
原作者三日月様
このページを見ていらっしゃるか分かりませんが4日間見学に来てくださったので…
「神海」気になっていたシナリオだけあってとても楽しかったです。
多種多様なNPCの交流はシティシナリオの醍醐味ですね。多種多様すぎて見事に地雷も踏み抜きました。ありがとうございます(憤怒)
冗談は置いといて…次回作、もしくは他のシナリオも楽しみにしています。CS作るんで早く募集ページを(ry
ありがとうございました!
私自身初めてのガスライト卓ということもあり、やや緊張しましたが非常に楽しいセッションでした。
初ガスライトがこのメンバー、このシナリオで本当に良かったと思います。
まぁ堅苦しい挨拶は置いといて、恒例の謝辞を
教授/min様
イヴちゃんのお持ち帰りおめでとうございます(?)
教授との絡みは印象的でしたが、見返してみると意外と教授と共に行動した時間は短いんですよね。
それだけ濃い絡みをすることができたということでしょうか。いいですね、胡散臭い老紳士と粗野な若者のコンビ。
今回で教授は引退ということで少々残念に思いますが、別のPCで再び会えることを楽しみにしています。
リリー/しゃみ子様
まさかAPP18の妹分ができてしまうとは…恐縮です。
リリーさんとの間の、友達や恋人とも違う独特な距離感が心地よかったです。妹キャラの淑女っていいですね…
次に会うことがあれば大学生になったリリーさんでしょうか。成長した彼女とまた会える日を楽しみにしてます。
アデラ/味噌様
分かれての行動が多かったこの卓、半分近くアデラさんと行動を共にしてましたね。お世話になりました。
レックスの言動に想像以上のリアクションを返してくれたため、探索中はとても楽しかったです。アデラさんもかわいいかわいい!
後日談では劇場のチケットをいただけたようで。自分の知らないアデラさんを見てレックスはどう反応するのか。また会える日を楽しみにしています。
KPすびえ様
4日間お疲れ様でした。
今まで気になっていたけど中々応募を出せなかった神海をサプリを買ったけど中々手を出せなかったガスライト時代で遊ぶことができるとは…
メンバー(+見学席)にも恵まれ理想的な卓でした。ガスライトはいいぞ!
次にお会いするときはKPとPLの関係か、同じ卓に参加するPL同士かはわかりませんが、また会えたらよろしくお願いします。
ところでシナリオ後に次回作のお話をされていましたね。CS作るんで早く募集ページを(ry
ありがとうございました!
原作者三日月様
このページを見ていらっしゃるか分かりませんが4日間見学に来てくださったので…
「神海」気になっていたシナリオだけあってとても楽しかったです。
多種多様なNPCの交流はシティシナリオの醍醐味ですね。多種多様すぎて見事に地雷も踏み抜きました。ありがとうございます(憤怒)
冗談は置いといて…次回作、もしくは他のシナリオも楽しみにしています。CS作るんで早く募集ページを(ry
ありがとうございました!
あのイルマ村での出来事から、数か月たったある日の事。
貴方達の下にはそれぞれ手紙が届く。
差出人は、アデラ・アボット。
そして『As You Like It』と舞台名が書かれたチケットが同封されている。
――――――――――――――――――――――――――
ジューク・シン・モリアーティ 様
イヴ・モリアーティ 様
ごきげんよう、教授に可愛いイヴ。
最近はめっきりお会いできなくて申し訳ないです。
2人とも元気にしているかしら?
今日は舞台のチケットを同封しています。
明るい恋のお話だから、きっと2人にも楽しんでもらえると思いますわ。
イヴ、この前貴方に似合いそうな帽子を見つけたの。
良ければ今度、リリーと一緒に行きましょう?
イヴの魅力が更に上がって、これで大学生活でも男子学生に……こほん。
なんでもありません。
それでは、いらしてくださるのを楽しみにしていますわ。
アデラ・アボット
――――――――――――――――――――――――――
親愛なるリリーへ
リリー!
今日は次の公演のチケットを送るために、この手紙を書いているの。
今回はヒロイン役をやらせてもらえることになったの。
覚える台詞がとっても多くて、びっくりしちゃったわ。
一時期、夢の中にまで台詞が出てきて大変だった……。ううう。
しかも、今回の役では男装もするのよ。
リリーに見て貰うのがとっても不安だけれど、精一杯舞台の上で演じてくるわ。
カッコイイと思って貰えると、とても嬉しいんだけれど。
そうだ。このチケット、レックスにも渡してあるんだけれど、
彼がうっかり寝てたら起こしてね…?
あと、今度イヴと一緒にショッピングに行きましょう。
それじゃあ、来てくれるのを楽しみに待っているわ!
アデラより愛を籠めて。
――――――――――――――――――――――――――
レックスへ
ごきげんよう、レックス。
今回は、舞台のチケットを送る為にこの手紙を書いているんだけれど……。
初めてヒロイン役を貰えて、すごく嬉しくて貴方にも送ってしまったんだけれど……。
よくよく考えたら、この舞台は明るくてちょっと笑える恋の話なの。
レックスの好みから外れてたら申し訳ない気分だわ。
好みじゃなかったら来なくても…うっ、いいけど…。
(何かを書いた後が、斜線を引いて消されている)
……そういえば、貴方の好みを聞いたことがないような気がする。
普段はどんなものを見るの?それとも見ない? 良ければ今度教えて。
それじゃあ、来てくれるのを待っています。
アデラ・アボット
――――――――――――――――――――――――――
それぞれへの手紙を書き終わると、書いた順に封をしていく。
ふう、と軽くため息を吐いた。
公演の初日は、もうあと1週間後に迫っている。
台詞も全て頭に入っているし、演技も今までにないぐらい気合が入って……
いるのだが、中々どうして理解できないところがあった。
「恋とは、ため息と涙か……」
この台詞を反す時の、「彼女」の心情がよく分からなかった。
いやこの問答の時、全部の返答に「やっぱり私はどんな女性にも、恋する気にはなれない」と
すげなく返すのだけれど。
やっぱり、男装している状態の気持ちなのかしら、とアデラは首を傾げて唸る。
――恋とはため息と涙。
そして、夢想、情熱、願望、崇拝、尊敬、試練、忍耐、焦燥。
「あとは前向きに押せ押せでがんば……これは違った」
ひとり、ふるふると首を振りながら、アデラはため息を吐く。
―−ああ、それにしても「彼女」は境遇のわりには、前向きで男装もして駆け引きもできちゃうし……。
―−シーリアは何となくリリーを思い出すわ。何となくだけれど。
思考がまばらに飛んでいく。こういう時は、早く休んだ方が良い。
手紙を出しに行くついでに、カフェでケーキでも食べてこよう。
一枚一枚、そっと手紙をハンドバックに入れていく。
その時、最後に封じた一通の手紙が目に留まる。
思わず、「来てくれるかなぁ……」と小さい呟きが漏れて、
誰にも聞かれずに消えて行った。
後日談を書くのが久々すぎて、これは後日談?本当に?と首を傾げてしまいそうですが、
改めまして、皆様ありがとうございました!
とても楽しい4日間でございました。
KPをしてくださったすびえさん、PLのminさん、しゃみ子さん、鯨付きさん。
皆さんと卓を囲める機会を得られて幸いでした。
以下、一言ずつ感謝の言葉を…。
リリーさん/しゃみ子さん
初対面から物凄く変な絡み方をしてしまったのに、仲良くして頂けて大変うれしかったです。
ありがとうございます。ありがとうございます。
卓中ちょいちょいお話を振って頂けて、あまり行動を共にしていなかったのに、
ずっとリリーさんと一緒に行動していたのでは、という錯覚にPLが陥る程でした。
リリーさん可愛い。ちょっと発狂したところを見てみたかったとも思っています。きっとそちらも可愛かったんだろうな、と…。
アデラは大学生になってスクールライフを送るリリーさんの様子を、それとなく心配げに眺めに行ってると思います。隠れながら。
またリリーさんと何処かでお会いできる日を、首を長くしてお待ちしております。
ジューク教授/minさん
すっっごく教授とレックス君のやりとりが好きです。
すっっごく親馬鹿な教授が可愛くて好きです。
卓中、殆ど一緒に行動をすることがなかったのですが、教授の言動には
いつもPLがときめかされておりました。教授素敵です。ファンです。末永くイヴちゃんと仲良し親子でいてください!
残念ながら教授は引退とのことですが、どこかで風の噂でも聞けたら嬉しいです(笑)
またPLとしてご一緒できる日が来る日を、とても楽しみにしています。
レックス君/鯨付きさん
すっっごくレックス君と教授のやりとりが好きです。好きです(大事な事なので二回言いました)
探索でちょこちょこお世話になりっぱなしで、レックス君の言動にいちいち突っ掛りまくりで、お世話になりました…。
レックス君はいちいち可愛いので、とてもご一緒していて楽しかったです。
イルマ村の事件のあとは、それとなく手紙を送ったり、偶にレックス君の話を聞きたがったりもしているかと思います。
危ないことをしそうだと勝手に思っているので、それとなく気にしています…(?)
また何処かでレックス君にお会いできる日を、楽しみにしております。
KPすびえさん
4日間のKPお疲れ様でございました。ありがとうございました…!
たっぷりガスライトの雰囲気を味わえ、シティの醍醐味もあり、とても素敵な卓でした。
よく時代卓でお名前を拝見していたので、いつか卓にお邪魔したいと勝手に思っておりました。
念願が適って良かったです。
また、同卓する機会に恵まれましたら、宜しくお願い致します。
改めまして、皆様ありがとうございました!
とても楽しい4日間でございました。
KPをしてくださったすびえさん、PLのminさん、しゃみ子さん、鯨付きさん。
皆さんと卓を囲める機会を得られて幸いでした。
以下、一言ずつ感謝の言葉を…。
リリーさん/しゃみ子さん
初対面から物凄く変な絡み方をしてしまったのに、仲良くして頂けて大変うれしかったです。
ありがとうございます。ありがとうございます。
卓中ちょいちょいお話を振って頂けて、あまり行動を共にしていなかったのに、
ずっとリリーさんと一緒に行動していたのでは、という錯覚にPLが陥る程でした。
リリーさん可愛い。ちょっと発狂したところを見てみたかったとも思っています。きっとそちらも可愛かったんだろうな、と…。
アデラは大学生になってスクールライフを送るリリーさんの様子を、それとなく心配げに眺めに行ってると思います。隠れながら。
またリリーさんと何処かでお会いできる日を、首を長くしてお待ちしております。
ジューク教授/minさん
すっっごく教授とレックス君のやりとりが好きです。
すっっごく親馬鹿な教授が可愛くて好きです。
卓中、殆ど一緒に行動をすることがなかったのですが、教授の言動には
いつもPLがときめかされておりました。教授素敵です。ファンです。末永くイヴちゃんと仲良し親子でいてください!
残念ながら教授は引退とのことですが、どこかで風の噂でも聞けたら嬉しいです(笑)
またPLとしてご一緒できる日が来る日を、とても楽しみにしています。
レックス君/鯨付きさん
すっっごくレックス君と教授のやりとりが好きです。好きです(大事な事なので二回言いました)
探索でちょこちょこお世話になりっぱなしで、レックス君の言動にいちいち突っ掛りまくりで、お世話になりました…。
レックス君はいちいち可愛いので、とてもご一緒していて楽しかったです。
イルマ村の事件のあとは、それとなく手紙を送ったり、偶にレックス君の話を聞きたがったりもしているかと思います。
危ないことをしそうだと勝手に思っているので、それとなく気にしています…(?)
また何処かでレックス君にお会いできる日を、楽しみにしております。
KPすびえさん
4日間のKPお疲れ様でございました。ありがとうございました…!
たっぷりガスライトの雰囲気を味わえ、シティの醍醐味もあり、とても素敵な卓でした。
よく時代卓でお名前を拝見していたので、いつか卓にお邪魔したいと勝手に思っておりました。
念願が適って良かったです。
また、同卓する機会に恵まれましたら、宜しくお願い致します。
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