ここは、クトゥルフ神話TRPGのオンラインセッションに関する各種情報がまとめられているWikiです。

はじめに

推奨人数:1人。
     過去になにかトラウマを持っていると楽しいかもしれません。
プレイ時間:1時間半〜2時間半
推奨技能<図書館>、<説得><言いくるめ>などの交渉技能
準推奨技能<精神分析><歴史>
<歴史>は<目星>で代用可能。難易度低め。RP重視気味。ロストエンドあり。
何かをすれば帰れる!というシナリオではなく、図書館を一周すれば帰って来れるようなシナリオですので、アトラクション感覚でお楽しみください。

探索者にNPCと関係を持たせてください。
【設定】幼い頃よく遊んだ幼馴染だが、しばらく連絡を取っていない。
※探索者に親しい人物がいるなら、その人にしてもかまいません。

導入

探索者は仕事や学校からの帰路についていた。普段と何一つ変わらない日常。
しかしその平凡な日常はいとも容易く崩れてしまう。
何一つ変わらないはずだった、いつもと同じ帰り道に、見慣れない小道ができているのを、探索者は見つけるだろう。
(イメージとしては、昨日までは壁だったところに突然道ができてる!って感じです。)

見慣れない小道

月の光も街灯の光も、どうしてだかその道には届いておらず、薄暗い。
道の先に、ぼんやりとしたオレンジ色の光がふたつ、宙に浮かんでいるのが見える。

<目星>
成功→道の半ばに看板が立っているのを見つける。
   看板には「やりなおしたい過去はありますか?」と書かれている。
失敗→道の半ばに看板が立っているのが分かるが、何を書いているかまでは分からない。
(技能を一回でも振れば、成功失敗に関わらず、下の描写に移ります)

薄暗い景色に目を凝らすうちに、体が動いてしまっていたのだろうか、気付けば目の前に、おぼろげに浮かぶオレンジ色の光があった。
曖昧にぼやけて、その境界さえ分からないような妖しい光に、探索者は意識を手放した。
(この小道に入ってくれないとシナリオが始まらないので、探索者が小道の向こうに興味がない様子なら、ニャル様に背中を押して(物理)もらいましょう。)

図書館ロビー

探索者は、体温を溶かすようなひんやりとした感触に目を覚ます。そこは床も壁も黒い大理石でできた、扇状の部屋のようだ。
(見覚えのない空間に飛ばされたことに0/1のSANチェック
部屋の中央(探索者の目の前)には木製の台が置いてあり、左右と後ろにガラスの扉がある。
探索者の後ろにある両開きの扉
扉には鍵がかかっており開かない。
外側(探索者とは反対側)のドアハンドルにはプレートが吊るしてあり、こちら側には「開館日」と描かれてある。
(<アイデア>もしくはリアルアイデアで「今日は閉館日?」と気付く。)
外は、太陽の光が燦々と降りそそぎ、芝生が青々と茂っている。木の枝には鳥の姿も見え、耳を澄ませばその囀りが微かに聞こえてくる。
扉は<鍵開け>でも開かない。キックなどで無理やり開けてもいいが、開けた途端、外の景色は歪み、探索者の視界は闇に包まれる。途方もなく続く闇の中を永遠に彷徨うことになりロスト。(なお、この先にある”外の景色が見えるもの(窓、ガラス扉など)”はすべて、無理やり出ようとすると、闇に包まれロストとなる。)
中央にある木製の台
(引き出しなどは特にない)
台の上にはメモが置いてある。

メモ


メモを持ちあげると、メモの下にカードが置いてあることに気付く。
 カードには「利用者カード」と書かれており、その下には探索者の名前とバーコードが書いてある。見覚えのない場所、見覚えのないものであるにも関わらず、自分の名前が書かれていることに恐怖を覚えた探索者は0/1のSANチェック
 カードの裏側を見ると、端のほうに小さく「有効期限:ずっと」と書かれている。

<目星>
書かれている自分の名前は、間違いなく自分の字であると分かる。
このカードを持つことにより、左側のガラス扉が開くようになる。
左側のガラス扉
(中央の台の上にある「利用者カード」を持っていないと開かない(鍵がかかっているわけではない))
ガラス製の扉の向こうには、本棚にぎっしりと本が詰まっているのが見える。
扉を開けようとするなら難なく開くだろう。ちりんちりん、と扉に付いていた鈴が控えめに鳴る。
右側のガラス扉
扉の向こうに暗幕がかかっており、こちらからでは中の様子を見ることは出来ない。また、扉には鍵がかかっており開けることはできない。
<聞き耳>をしても何も聞こえない。

Room1―資料部屋

壁は白く、床には臙脂色のカーペットが敷かれている。ここもまた扇状の部屋で、背の高い本棚がずらりと並んでおり、そのどれもにぎっしりと本が並んでいる。突き当たりには扉がある。部屋の内側は一面が窓になっているようで、太陽の光がたっぷり部屋に刺しこんできている、とても居心地の良い部屋だ。
窓の向こうは外のようで、太陽の光が青々とした芝生に降りそそいでいる。
<目星>
青々と茂る芝生、伸び伸びと枝を張る木々の向こう側に、探索者が今いる部屋と同じような大きな窓、その向こうにたくさんの本棚が見える。
<アイデア>成功、もしくはリアルアイデアで、建物が円形になっているのではないかと思う。
本棚
<目星>
「図書館のルール」と書かれた張り紙が、本棚に貼ってある。

張り紙


<図書館>
○「夢と現」
白い装丁に、金色の箔押しで「夢と現」と書かれているハードカバーの本。


○本の中にメモが挟まっていることに気付く。

次の部屋へ続く扉
この扉もガラスで出来ており、向こう側は、この部屋と同じような壁と床の、扇状の部屋で、カウンターのようなものと、こちらの部屋よりも背の低い本棚が並んでいることがわかる。開けようとするなら、問題なく開くだろう。
<聞き耳>をしても何も聞こえない。

Room2―人生の本棚

先ほどの部屋と同じく、白い壁紙に、臙脂色の床、扇状の部屋だ。左手にはカウンターがあり、右手には背の低い本棚がいくつかある。突き当たりには扉がある。なんとなく、心が落ち着く部屋。
カウンター
図書館によくある木製のカウンターだ。カウンターの上には、パソコンやバーコードリーダーなどの機械が置いてある。
パソコンの電源は点いている。
(<コンピューター>を振っても特に何も分からない。探索者の名前があってもいいかも。すぐに貸出できる状態にあることが分かる。)

○カウンターの上にメモが置いてある。

メモ


バーコードリーダーにカードを通すと、どこからともなく手押しの台車が転がってくる。
台車の上段に分厚いアルバムのようなものが乗っている。白い装丁に金の箔押しで探索者の名前が刻まれている。
台車がひとりでに動いて自分の元まで来たこと、アルバムに自分の名前が刻まれていたことに言い知れぬ恐怖を覚えた探索者は0/1d3のSANチェック
アルバム
アルバムの中を見るなら、探索者の写真が貼られていることが分かるだろう。生まれたばかりの頃の写真。おもちゃを持って、楽しそうに笑っている写真。小学校の入学式の時の写真。運動会の写真……と、数々の思い出の写真が貼られている。不可思議な空間ではあるものの、その懐かしい思い出に浸りながらアルバムを捲っていると、奇妙なことに気付いた。初めは違和感かとも思ったが、捲っていくにつれ、その違和感は確信に変わる。自分の記憶にない写真、たとえばコンビニへ行く様子や、仕事をしている様子を撮った写真などが貼られているのだ。(探索者の過去にトラウマがある場合、その場面の写真ももちろん含まれているだろう)
自分の日常を覗き見られていたのではないか、自分の行動は何者かに操られているのではないか、探索者は嫌な想像をしてしまう。そんな想像をしてしまった探索者は1/1d3のSANチェック

SANチェックの後<POW*5>
成功→見覚えのないものもあるが、大切な思い出に懐かしい気分になる。
失敗→写真を見たことにより、嫌な記憶が鮮明によみがえる。HP-1(気分が悪くなった)

<目星>
アルバムの最初のページに、「君の夢はなあに?」と、最後のページに「夢は叶った?」と小さく書かれている。
背の低い本棚
<目星>、<歴史>どちらでも
本棚は新品とまではいかないが、図書館にしては新しいものではないかと気付く。
(探索者の年齢と同じくらい)

<図書館>
○「嘘のはなし」
淡い桃色の装丁に、金色の箔押しで「嘘のはなし」と書いてあるハードカバーの本。


○本の間にメモが挟まっているのを見つける。

メモ


<図書館>を振ったら<アイデア>
上記の本以外、置いてある本のほとんどに見覚えがある気がする。最近本を読んだならもちろんその本も置いてあるし、記憶の片隅にある、昔よく読んだ本も置いてある。
(内容を覚えているにしろ、覚えていないにしろ、「読んだ」という記憶がある本しか置いていない)
次の部屋に続く扉
重厚な作りの両開きの扉で、劇場の入り口のようだと感じる。扉には張り紙が貼ってある。鍵はかかっていないので、すんなり開く。

張り紙


張り紙に<目星>、もしくは張り紙の裏を見る
→張り紙の後ろに「惑わされないように」と書かれている。

<聞き耳>をしても何も聞こえない。

Room3―おはなしの部屋

床には変わらず臙脂色のカーペットが敷かれ、壁一面には暗幕がかかっている。暗幕のせいか、部屋は少し薄暗い(目星に補正が入るほどではない)。部屋の中央には真っ赤な1人掛けのソファが置いてある。ソファの前には台があり、その上には紙芝居枠がある。
紙芝居枠の置いてある台の向こう側に、入口と同じような重厚な両開きの扉が見える。
(次の部屋への扉は鍵がかかっていて開かない。紙芝居を見れば鍵が開く)
ソファ
深紅の1人掛けソファ。ふかふかで、とても座り心地が良さそうだ。
ソファに座ると紙芝居が始まる。
紙芝居枠
長年使われていて味わいのある木製の紙芝居枠。
<目星>
 紙芝居枠の扉の部分に「席についてお待ちください」という文字が彫り込まれている。
(ソファに座らないときの対策法なので、探索者が何も言わずにソファに座るのならこの情報は必要ありません)

ソファに座るとひとりでに紙芝居が始まる。紙芝居枠の扉が静かに開き、紙芝居が一枚、また一枚とゆっくり捲られていく。捲られるスピードは、早すぎず、遅すぎず、あなたの読むスピードに合わせて物語が進んでいく。
しかしあなたは、紙芝居が勝手に進む、そんな奇妙な事象を気にする暇もなく、その物語に目を奪われるだろう。その物語は、あなたの人生そのものだったのだから。
1/1d3のSANチェック

生まれてから現在まで。年齢に関わらず、今までいろんなことがあった。もちろん、いい思い出ばかりではない。後悔していること、出来ることなら忘れてしまいたいこともある。
それらの記憶に思いを馳せていると、いつの間にか紙芝居は終わっていた。

紙芝居が終われば1d100を振ってもらう。
<POW*5>
成功→こうして振りかえってみると、いろんなことがあった。それらを経て今の自分がある。そのことを再び認識してあなたはまた新たな気持ちで生きていこうと、晴やかな気分になるのだった。
失敗→紙芝居は終わったが、すぐには動くことができない。確かに大切な記憶であることに違いはないが、その分、嫌な記憶がまた探索者の心を抉ったのだろう。しばらく物思いに耽りながら、床の一点を見つめるのだった。

○探索者の目の前に、メモが落ちていることに気付く。

メモ

次の部屋への扉
入ってきた扉と同じような、重厚な作りの両開きの扉。(紙芝居を見た後に鍵が開く)

<聞き耳>
誰かの楽しそうな声が聞こえる。

Room4―児童書部屋

一見、子ども部屋のようだと思った。今までと同じ、扇状の部屋の中央にはカラフルなクッションが敷かれた正方形のスペースがあり、その周辺にはまた、カラフルな四角いブロッククッションが置かれている。更に周りに、背の低い低い本棚が設置されている。
そのスペースの中央で、1人の青年(男女どちらでも良い)が、へたりこんでいる。それは、随分と連絡を取っていない、あなたの幼馴染であることがわかる。
青年が座っているスペースの横の壁には木製の扉があり、部屋の突き当たりの壁は暗幕で隠されている。


源(みなもと) このは(男でも女でも)
STR10 CON18 SIZ14
INT14 POW7 DEX13
APP13 SAN35(現在SAN25)
探索者と同い年。探索者の記憶にある源このはよりも、随分言動が幼いように思う。
要するに、幼児退行している。
部屋の真ん中で絵本を読んでいる。「何してるの?」等話し掛けると「絵本読んでたのー!」と嬉しそうに話をしてくれる。(読んでいる絵本に対して<幸運>もしくは<アイデア>で、源このはが昔よく読んでいた本であることを思い出す)
自分がこの空間に来たときのことを話すことはできない。今まで起こったことや、途中で見つけたメモについて聞いても「よく分からない。」「忘れちゃった」と言われるだけ。
探索者が「他にどこか行った?」といった意味合いのことを聞くと木製の扉を指差し「あっちに行ったよ!」と教えてくれる。木製の扉の向こうには何があるか尋ねると「あっちにはね、楽しいところがあるよ!」「お友達もいっぱいいるんだ!」といったことを教えてくれる。(昔の友だちの名前を挙げて「○○ちゃんも、○○くんもいるんだよ!」等言ってもいいかもしれない)
一定の量(KPに任せます)NPCと会話すると、突然探索者の腕を掴み、木製の扉のほうへ連れて行こうとする。引きはがすにはSTR対抗。もしくは<精神分析><説得>など。
<精神分析>をすると、狂気状態(不定)にあることが分かる。
探索者が目覚めた部屋のほう(外へ続く扉も)へ連れて行こうとすると「あっちは暗くて怖いから嫌」と言って拒否する。連れていくには<説得>もしくは<言いくるめ>

<説得><言いくるめ>のいずれかに成功しない限り、源このははこの部屋を去ろうとしない。且つ、頑なに探索者を木製の扉のほうへ連れて行こうとする。(納得できるRP次第では、<説得><言いくるめ>にプラス補正、もしくは自動成功でも可)
突き当たりの暗幕のかかった壁
<幸運>成功で、来たときに見た右側の扉の向こう側に、暗幕がかかっていたことを思い出す。さらに<アイデア>成功で、暗幕の向こうには扉があり、その扉をくぐれば、ここに来たときにいた部屋に戻れるのではないかと思う。
(リアルアイデアでも可)
暗幕は簡単に退けることができ、ガラスの扉にも鍵はかかっておらず、探索者が初めに来た部屋に戻ることができる。
(図書館を一周した時点でここと玄関の両開きのガラス扉の鍵が開く)
背の低い本棚
本棚には絵本ばかり並んでいる。
<図書館>
○真っ白な装丁の、タイトルの書かれていない絵本を見つける。

胡蝶の夢

絵本を読んだら<アイデア>
成功で探索者は、この絵本の内容は、自分の行く末を表しているのではないか、と嫌な想像をしてしまう。0/1d3のSANチェック

○絵本にメモが挟まっているのを見つける。

木製の扉(鍵はついていない)
木製の扉の向こうは、これまでの<POW*5>ロールの成功失敗の数により、見え方が異なる。

・一度も失敗していない場合
木製の扉の向こうにはただ暗闇が広がるばかりだ。床も壁も天井もない。源このはが先行して扉の向こうに行っているならば、その暗闇の中を平然と歩いている。その奇妙な光景に0/1のSANチェック
<目星>
暗闇の向こう、一瞬過去の源このはが見えた気がする。立ち並ぶビルと喧騒に押し流され、それでも必死に生きる姿。紙とファイルの束の中、毎日必死に働く源このはが、あなたの目に映る。

・一度だけ失敗している場合
木製の扉の向こうに、一瞬懐かしい光景が見えた(戻りたい過去があるなら、その前の景色)。が、その景色が映ったのは一瞬だけで、今は暗闇が広がるばかりだ。床も壁も天井も見えないが、その向こうには懐かしい景色が、楽しげな空間が広がっている気がする。
探索者がその「楽しげな空間」を見ようと<目星>をしても、上記の源このはの過去が見えるのみで、「楽しげな空間」は見えない。
また、上記と同じように、源このはが先行している場合、暗闇の中を平然と歩く姿を見てしまうため、SANチェック

・2回すべてに失敗している場合
木製の扉の向こうに、懐かしい景色が広がっている。(やり直したい過去があるなら、その時の景色が、今があまり幸せでないなら、楽しかった頃の景色がそこに広がっている。)
今では疎遠になってしまった友人たちと、過去の自分が楽しそうに笑いあっている。探索者にはその光景が、ひどく甘美なものに見えるだろう。
ここでもう一度<POW*5>のロールをして、過去に誘われるか、踏みとどまるかの判定をしてもいいかもしれない

木製の扉の向こうに行く場合

木製の扉をくぐった瞬間、浮遊感が探索者を包む。周りにあるのは、塗りつぶしたような闇ばかりだ。振りかえってもくぐってきたはずの扉はなく、光も差し込まない。目を開いているはずなのに、瞼を開けているのか閉じているのかさえ分からなくなるほどの暗闇に、探索者は不安に包まれ、やがてその精神は崩壊するだろう。いつの間にか、探索者には向こう側で見た過去の景色が見えていた。夢幻の友人たちが、こちらに楽しげに笑いかけている。
探索者は現実世界で二度と目覚めることはないが、あなたは夢の中、仮初の友人たちと永遠に生き続けるのだった。
【過去を生きる】――BAD END(ロスト)

最後に―現実へ帰る

探索者が最初に来た部屋(図書館ロビー)に戻ると、鍵がかかっていたはずの両開きのガラス扉は開き、その扉の隣に「返却ボックス」と書かれた箱が置かれている。
返却ボックス
<目星>
 返却ボックスの側面に文字が書かれているのを見つける。

両開きのガラス扉
 扉のその向こう側にのどかな景色はなく、ただただ黒い闇があるばかりだ

1人で進む

暗闇の中を進んでいたあなたは、気付けばいつもの帰り道に立っていた。後ろを振り返っても、あの小道は見当たらない。あれは夢だったのだろうか。
日はもうとっくに落ちて、あたりは夜の静寂に包まれている。あぁ、そういえばお腹がすいた。今日の晩ご飯はどうしようか。それにしても、今日の月はなんだかとてもきれいだ。そんなことを考えながら、探索者はまた日常に戻っていくだろう。
【思い出とともに今を生きる】――GOOD END

源このはを<説得>した上で共に二人で進む

源このはとともに暗闇の中を歩く。先も見えず不安に駆られそうにもなるが、隣にこのはがいるというだけで心強く思える。気付けばあなたはいつもの帰り道に立っていた。隣に源このははおらず、後ろを振り返っても、あの小道は見当たらない。
彼(彼女)はどうなったのだろうか。そう考えたとき、あなたの携帯に電話がかかってきた。画面には「源このは」の表示。
「もしもし?元気にしてた?僕(私)は元気にしてるよ。しばらく連絡を取ってないなぁと思って、電話してみたんだ。」
「少し前まで仕事がうまくいかなくて。ちょっと嫌になってたんだけれど。でも今は頑張っているんだ。生きるのが嫌になったこともあったけど、それでもなんとか生きてるよ。」
「またいつか会おうよ。それで、たくさん話をしよう」
(前向きな言葉が聞こえてくる。あの図書館のことを聞いても何も覚えておらず、「何のこと?」と言われるだけだ)

電話を切ると、探索者は空を見上げる。なんだか今日は月がきれいだ。そんなことを考えながら、探索者はまた、日常に戻っていくのだろう。
【未来を胸に今を生きる】――BEST END

源このはへの信用がマイナスのまま連れて帰ってきた場合

(NPCに対して暴行を加える、耐久力を0にすることがない限り、このエンドには行きません)
気付けば帰り道に立っている。後ろを見てもあの路地は見当たらない。
彼(彼女)はどうなったのだろうか。あなたがそう考えたとき、携帯に電話がかかってくる。画面には「源このは」の文字。源このはからの連絡だ、と喜び急いで電話に出ると、その声は彼(彼女)のものではなく、その母親からのものだった。
「このはがね、事故に遭って、意識が戻らないの。あなたが来てくれれば、何か変わるかもしれないから、病院に来てくれないかしら?」
 その後病院に行っても源このはが目を覚ますことはない。あの時、彼に危害を加えなければ。そんな後悔の念が、あなたを苛むだろう。
――TRAUM END

補足

源このはを連れた状態で「おはなしのへや」に戻ると、紙芝居が源このはのものになっている。紙芝居が変わっていることには<目星>で気付けるが、<目星>を振っても振らなくても<聞き耳>成功で源このはが「僕(私)の……」と言っているのが分かる。(失敗した場合、聞き返しても「ううん、なんでもない」と言われるだけ)
カウンターの部屋まで戻るとカウンターの上に源このはのアルバムが置かれている。
その他、図書館に変化はない。
ひと通り図書館を見れば入口の扉は開くので、順路を逆行しても帰って来れます。

クリア報酬

(すべてSAN回復)
シナリオクリア1d6
<POW*5>誘惑に勝った回数×1
幼馴染を生還させた場合1d3
借りていた本をちゃんと返却した→本を借りた数
(本を借りていなければ、この処理はなしです)

シナリオ背景、また補足

迷い込んだ人の人生そのものが図書館になっている。
生きていれば一度は「あの頃に戻れたらなぁ」と思う時があるでしょう。そんな時に現れた、過去へ戻れる図書館です。両開きの扉から外に出ることは、前に進むこと、未来に進むことを意味し、途中にあった木製の扉は過去へ戻ることを意味する。
最後に両開きのガラス扉の向こうが暗闇だったのは、どんなものであれ、未来は不安定で不確定で未知のものであるから。源このはが「向こうは暗いから嫌」と言っているのは、源このはが一度、未来に進むことを嫌がったため。
途中にあるPOW*5のロールは、夢の世界に惑わされているかどうかの判定。難易度を上げたい場合は、*4、*3と減らしていけばいいのではないでしょうか。SANチェックの値を増やしてもいいかもしれません。
NPCの説得の場面はKPの心を掴めればロール無しでもかまいません。KPの裁量に任せます。
最後の部屋にいる人物を幼馴染ではなく、亡くした誰か、二度と会えない誰か(ロストしたPCや、探索者のトラウマに関わる人物)にすれば、PLのリアルSAN値も減って、一石二鳥だと思います。その場合、GOOD ENDが実質BEST ENDとなりますのでご注意ください。NPCを死んだ誰かに変えても、そのNPCが生き返ることはありません。

正直なところ、
・探索者の名前の入ったアルバム、探索者の人生の紙芝居
・木製の扉のほうへ進むのではなく、両開きの扉から外へ出る
上記のイベントさえ押さえてくれれば良いので、KP様方がやりやすいように改変してください。(というあまりにも投げやりなシナリオですみません)

利用者カードは持ち帰っても何のペナルティもありません。本を持ち帰った場合のペナルティも特に考えていません。SAN値を減らすも、記念にもらっておくも自由です。本はバーコードリーダーにバーコードを読ませるだとか、貸出カードに書くといった行動で貸出できます。返すときは返却ボックスに入れてください。

MAP

このシナリオの地図は、図書館内に置いてあるものではなく、部屋の説明が難しいため補足で使うものです。PLに渡してもかまいませんが、探索者は地図の情報を知らないので気をつけてください。


KP用に簡単な説明を入れました。

作者より

過去がどんなものであれ、それは変えられるものではなく、それをしっかり受け止め、未来に進んでもらいたい。どんなにつらい過去があっても、それを悔いるのではなく、今をしっかり生きなきゃいけない。生きてほしい。そんな思いを込めてシナリオを作成しました。探索者が次へ進むきっかけになれば、幸いです。

あなたには、やり直したい過去はありますか?



何か質問、不備等がありましたらコメント、または下記のメールアドレスまでお願いします。
snnm.scencont@gmail.com
pixivのほうでも公開しています。

2/2 加筆。すみません。
2/3 地図修正しました。すみません。最初の部屋に「窓」はありません。
2/7 誤字修正。一か所ですが、かなり重大なミスをしていました。こちらから見えるプレートの文字は「閉館日」です。
  ご指摘いただき、ありがとうございます。
  間違えました。こちらから見えるのは「開館日」で、探索者が気付くべきなのは「今日は閉館日なのではないか」ということです。
  混乱させてすみません。
2/18加筆修正。
3/10作者連絡先追加。
12/07KP用の地図が消えていたのでアップし直しました。

このページへのコメント

更新履歴にも書きましたが、
プレートの情報が間違っていました。
こちらから見える情報は「開館日」で、
探索者が気付くべきなのは「今日は閉館日なのではないか、ということです。

図書館は閉っているはずなのに、何故か中に入ってきてしまっている、という状況です。
混乱させてしまい、すみません。
遊んでくださる方々は、くれぐれも混乱されませんよう……

0
Posted by 東雲 2016年02月07日(日) 19:23:22 返信

>杏仁豆腐さま

プレイしていただきありがとうございます!

ご指摘の通り、正しくは「閉館日」でした。
直しておきます。ご指摘いただきありがとうございました。

0
Posted by 東雲 2016年02月07日(日) 19:06:36 返信

初のGMとしてこのシナリオをまわしてみました!!
やっていて思ったのですが、今日が開館日だと気づくということは、こちら側、即ち建物側から見えるプレートの文字は開館日でなく閉館日ではないでしょうか?間違いだったらすいません…

0
Posted by 杏仁豆腐 2016年02月07日(日) 16:56:17 返信

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

Menu

Wiki参加者情報

どなたでも編集できます