クトゥルフ神話TRPGやろうずWiki - 【彼岸花】

1、はじめに

このシナリオはクトゥルフ神話TRPGに対応するものである。
このシナリオはロストしたPCを使う卓となっております。
時代は現代,1920s,1890s好きに設定してください。そして季節は春夏秋冬いつでも構いません。
舞台は死者の世界。彼岸や此岸、旧地獄辺りを冒険してもらいます。
地図等も設定はしていますが自由に改変してください。
推奨技能は、下記の通りです。回避が無いと最悪消滅することも伝えておいたほうがいいかもしれません。ついでに脳筋シナリオじゃないことも伝えておくといいかもしれません。
重要:<目星><聞き耳><図書館><回避>
次点で重要:<戦闘技能><隠れる><忍び歩き><値切り><対人技能>
時間は慣れたKPか、KP二人で20~40時間くらいだと思って下さい。
そして最後の裁判の時に判断する基準は地獄でしたRPとプロフィールくらいしか情報がないのでしっかりとRPさせることをお勧めします。
なお、スタイルはclassic、とほんの少しのiaiaといった感じだと思います。
推奨人数は3~5人。一人で回す場合は2~4人にしておくといいです。
SANがとても減りやすいので、最初にSAN値をある程度あげてからの方がいいかもしれないです。参考までに私が回した時は1d20+10の回復をしました。
オリジナル要素が多く、神話的要素は低いかもしれないです。
この作品は東方projectの地霊殿、花映塚からインスピレーションをもらって作りました。

2、事件の真相

長い間力を使い続けて、力の枯渇したグラーキの回復のために、グラーキの狂信者であるジャック=フォスターは霊体のため精神力の吸収しやすい死者からPOWを搾取するため地獄にやってきた。
しかし何の手違いか旧地獄に来てしまい、そこに居た探索者達を付け狙うことにした。
彼や探索者が来てしまった理由は三途の渡し人の怠慢のためである。地獄では魂が溜まりすぎて超過した魂が旧地獄に流れ出したのである。
そしてその魂が探索者達と一部の人間たちである。旧地獄に囚われており、いつかいつかと脱獄を夢見ていた死霊術士も探索者達に目をつけ生き返りと交換条件に自分を助けるよう迫る。
そしてこの緊急事態を旧地獄の支配者である閻魔は探索者達に簡易裁判をして、輪廻の輪に加われるよう善処する。探索者が辿る道は、従者への変貌、黄泉帰り、輪廻転生のどれだい?

3、導入

探索者の意識は消えていく。死を実感したことにより1d6/1d20のSANチェック。
このSANチェックは長い時間の間に減っていったものとして扱い、一時的狂気、不定の狂気は無しとする。
ただこのSANチェックはなくしてもいいかもしれないです。SANを積極的に削りたいとするのであれば、ロールさせるといいかもしれないという程度です。

4、彼岸花畑

描写例

まず探索者が目を覚ますと松明の灯りのみの暗い空間の中にいることに気づく。そして自分たちが花畑の上で寝ているのだと気づけるだろう。

描写例

そして体を起こした時くらいだろう時に探索者達全員に聞き耳を求める。成功すれば「……ふしゅー……」という音が探索者達の後ろから聞こえる。
もし後ろを振り向くことを宣言すればゾンビの大群(グラーキの従者の大群)を見たことにより1d3/1d6+2のSANチェックを行う。これで発狂した探索者には「パニックで逃げ出す」の狂気を与える。
逃げる場合こけないかDEX*5のロールを行う。こけた場合グラーキの従者の組付きロールをする。もしそれが成功ならば回避と受け流しは許可するといいだろう。
そのロールが失敗したら従者のSTRと対抗する。失敗すればロストである。ロールに一回でも成功すれば逃げたものとみなせばいいだろう。
そして逃げたものには目星を求める。成功すれば、自分たちの逃げてる反対方向にある川に船がある事が分かる。
それにさらに目星を要求して成功するならば、誰かが乗っていることを教えるとだろう。
特別に良い出目だった場合は和服を着て大鎌を抱いて寝ている女性と、おとなしそうな女の子がいると伝えればいいかと思う。
もし逃げてる途中に特別悪い出目を出した場合探索者は足元に落ちている石ころに気づかず転んでしまう、そして従者の組付きを判定する。
この後探索者達は船に乗る事になる。もし乗らないという場合はCルートである。泳ぐと言うのならば慈悲のない処理をする。
そして、もしここでゾンビの群れに目星を宣言する場合、群れの中に一人冷静な男がいることが分かって良いだろう。特別良い出目の場合は彼が何かぶつぶつ言ってるのも分かっていいだろう。

三途の川について

5、船の上

船に乗ると、和服を着て鎌を抱いて寝ている女性(小町)と大人しそうな少女(夏目 凜)がいることがわかる。小町を起こしたらなんとなく状況を察して急いで船を動かしてくれる。
そしてここでPC同士の自己紹介の場を設けるといいだろう。他にも小町から情報を引き出したり凛とお話しをしたりと数分のRPの時間を設けるとよいだろう。
ある程度たったり、言えそうなタイミングがあれば小町の口から鬼の間で三途の川を落ちれば天国に行けると言う(本当の伝承は生き返りだけど、此方の方が都合がよいので天国に行くとする。)
これを聞いた瞬間凛は川に落ちる。これを助けれるものは彼女に注意をしていたもの、彼女と話していたものである。2ターン目からは話していたりしない者も助けるのに参加できる。
この時凛は自分でも天国に行けるのならと考えている。まず彼女の耐久力を1d8削り、探索者にSIZ4とSTRで対抗をする。これに参加できるのは一人のみである。
失敗したらまた1d8耐久力を削る。そして彼女が死ねば悲惨な死を目撃したとして1/1d6+1のSANチェック。彼女を救うのに参加した人は減少値に1をプラスしよう。
助けれた場合助けてくれた探索者に懐く。詳しい所は彼女のプロフィールを参照されたい。彼女の処理を終わらせた後数分のRPを挟み、船は対岸に到着する。
ここのRP然り、小町と仲良くなっておけばBルートで最後に助けに来てくれる。

6、鬼の街

描写例

対岸を見ると江戸時代のような街並みが続いている。そして鬼たちがちらほらいるのも分かる。鬼の群れ(?)を見たことにより1/1d6のSANチェックを行う。そして小町から鬼の街の地図を渡し、街で遊んだ後裁判所に行けと言われある程度のお金をもらいます。探索者はこのお金で鬼の街で遊ぶ事が出来ます。もし探索者が小町に川を戻りたいと言ってもそれだけは譲りません。言いくるめで1の出目を出したとしても譲りません。そして小町は用事があると言い街へと消えていきます。

7、黒猫


探索者が小町と別れた後、黒猫が探索者の前に現れる。黒猫は貴方達を見るとにやりと笑い。探索者達に以下のような台詞を言う。これはKPによって改変した方がいいだろう。
「おい、おまえら。まだ新しい死者だろ? 生き返りたくはないか?」
「もしその気がある奴がいたら俺についてこい。」
そして猫が喋っているのをみたことにより0/1d2を行う。この後猫は暗がりへと消えていく。黒猫について行くルートはAとする。黒猫を追わないルートはBとする。
この時凛が居るなら、助けた人と一緒が良いと言います。ずっと一緒に居たいと。

Aルート

A-1、裏路地

描写例

探索者が猫を追って裏路地に入ると猫は遅かったじゃないかと言い不適に笑う。そして以下の台詞を言う。前述の通り是非改変して欲しい。
もしこのまま使いまわすとしても探索者とのRPに絡ませながら言うと言いだろうかと思う。
「そうだよなぁ。誰だって消えたかない。このままあいつのところにいってもいっさいがっさいの人間としての記憶を消されて転生するだけさ。」
「記憶を消されるってのは自分が自分じゃなくなるってことだ。お前ら、大事な人間はいたか? そいつらのこと、忘れたいか?」
「あの小憎たらしい閻魔の住居でやってもらいたいことがある、もしやってくれたのなら俺の秘術でお前らを生き返らせてやっても良い」
つまりは要約すると、「生に執着するのは当然だ、俺の出す交換条件を飲むなら生き返らせてやってもいいぞ。」ってことです。
仕事の内容については了承するまで彼は絶対に言わない。何故なら閻魔に密告されたらさらに監視が厳しくなるからだ。
もし探索者達全員が「蘇りたいから依頼を受けるよ」と言えば話してくれる。もし依頼を受けない探索者がいるならその場から離れるように言う。
そして彼は盗聴防止用に人払いの結界を(これは盗聴しようとした探索者にも効力がある。もしどうしても聞きたいならPOW55と対抗である)貼る。

A-2、依頼

依頼の内容は裁判所の地下に囚われてしまったので助けてくれということである。
彼は何故捕まってるかも教えてくれる。どうして捕まってしまったかと言うと人を蘇らせるという禁忌を犯したからである。
それを閻魔は好ましく思わず捕まえたということである。以上の内容を話すと彼は他言無用だと言い、言わないように呪術をかける。
呪術の内容は「その内容を一切話す気がなくなる。」+「話そうとしたら魂消滅」である。閻魔に密告しようとしたらその瞬間に魂が消える。
何故彼が地獄にまだ行っていないかというと、彼の精神力が強すぎるせいか地獄に行かせる処理に手間取っているからである。
彼は詳しい内容は4時間後また話すと言い、4時間の間街を遊んで来いと言う。猫は遊ぶお金にと金の小判を探索者の数*1もらえる。もし凛がいるなら凛の分ももらえる。

A-3、街での探索

後述の街のデータを参照されたい。ある程度時間がたつと迎えの鬼が来ます。それが最終決断です。もしここで鬼から逃げるならAルート確定である。

A-4、下水道突入

下水道に入る前にぼろ紙に念写して裁判所の地下の地図を作ってくれる。地図を渡すといいだろう。
下水道に入ると光は松明の明かりのみで薄暗く、臭気が漂っている。ここで探索者に聞き耳を求める。
成功すれば探索者の下を何かが這いずり回る音が聞こえる。アイデアに成功すればそれが鼠だと分かるだろう。
探索者がある程度進んでいったところでもう一回聞き耳を求める。成功すれば下水道の後ろから何かが出てくる音が聞こえる。
全員失敗であればペトスーチの忍び歩きを振り、成功であれば不意打ちで一回攻撃する。此方の攻撃がダイスが振らなくても成功となるが探索者は回避が可能である。
そしてこの処理が終わったらペトスーチのDEXと対抗である。勝利すれば逃げることが出来る。ペトスーチを見た人は0/1d4のSANチェックを行う。
ペトスーチから逃げ終えたらクロがここを上がれという。梯子になっておりそこを上がれば裁判所地下に到着する。

A-5裁判所地下

探索者が梯子を上り上のマンホールを開ければちょうど牢屋に到着する。ここに入る前にクロは目を閉じろまっすぐすすめという。
彼の言うことを聞かず目を開けてしまえば数々の不気味な怪物達を目にしてしまいSANチェック1d3/1d10です。(これは薄暗いからこれだけですんでいるというだけです)
まっすぐ進むとごつんと何かにぶつかる。ここでクロに目をあけていいと言われる。目を開ければネクロマンサーとご対面である。彼を見て失う正気度喪失はない。
そして彼に誰かが触れたら彼の封印が解ける。しかし触ったもののMPが0になり気絶する。もし生き返りたいものが一人の時はネクロマンサーが持ってってくれる。
もし探索者が他の場所にも行ってみたいというならネクロマンサーが睡眠系統の呪術を使うことで鬼さんを一時的に眠らせてくれる。
だが持って10分と言ったりして急かしておこう。そして他の部分については後述の裁判所のデータを参照されたい。そしてクロは完全なる復活を果たす。
彼の能力値等はこの後のNPC紹介を参照されたい。

A-6、噛ませ犬は死にゆく

また下水道を通るわけなのだが、やはりペトスーチがいる。そしてペトスーチを見た時、刹那探索者の横を何かがよぎりペトスーチが刺身になっている。
つまり、クロが刺身にしたのである。そして下水道を進んでいけばマンホールから外に出れるであろう。

A-7、準備期間

最後の準備期間である、この間にグラーキの黙示録等を読んだりする。他に武器の調達もこの時にすればいいだろう。

A-8、三途の川の守り人

描写例

蘇る場所は最初の彼岸花畑である。そこへ行くために三途の川を進む必要がある。だが小町はそこにおらず船も無い。居たとしても小町は戻すことは断じてない。
探索者の前にクロは達ぶつぶつ何かを唱える。すると大河は真っ二つに割れる。クロは急いですすめという・・・が、そこでクロは小町の術により拘束されてしまう。
その時間は1d10+4Rである。小町は探索者の前に立ち塞がる。ここを通さない理由は三途の川を守る者として生まれたからである。死神の属性は後天的に備わったものだからである。
また閻魔から探索者を通すなと言われているのもある。彼女の能力を使い探索者を殺しにかかろう。彼女を倒す方法はただ一つ《ナイハーゴの葬送歌》を唱える事である。
バインドを使っていることにより実体化している彼女にとってナイハーゴの葬送歌はたまらない。
この呪文が失敗したとした場合は彼女の集中力が一時的に切れて、その間にクロがワープの呪文を唱えます。この時は出来るだけ殺した風に演出しましょう。
(私は闇から大量の腕が出てきて小町を掴み引きづりこむという描写をしました)
そうするとBルートの展開が熱くなります。そして探索者がもしここで《ナイハーゴの葬送歌》を知らなかった場合はクロがとりあえず退けと言う。
その後彼も拘束から脱出し一緒に街まで後退することとなります。そして彼の口から禁書図書館なら何かあるかもしれないと助言を与えるといいでしょう。
小町は逃げるなら追いません。そして川に立ち塞がります。そしてまた来た時クロは捕まらないと探索者は思うだろうが、甘い。クロが視界に入った途端小町は姿を消す。
そしてまた奇襲をしかけるのである。3回目来た時は探索者達は不意打ちに警戒をさらにするだろうがその時には小町は既に結界を張ってしまっておりもう川を渡ることは不可能となる。

A-9、彼岸花畑

A面ラスト。
小町を退散させた後、彼岸花畑へ探索者は辿り着く。彼岸花畑で彼は横になって目を瞑れという。もし目を開けたままの探索者が居た場合後述のSANチェックのSAN消費で確定失敗となる。
彼岸花畑で彼の反魂の術を受ければ生き返りが出来るだろう。この時に探索者はPOWとCONを1永久喪失する。そしてSAN値を1d6/1d20消失する。
なお、この際彼は常識外れの外法を用いて探索者たちの体を今の彼らのイメージを元に新たに再構成している。
その上で生者として存在を安定させ、さらに『死んだはずなのになぜか生きている』という矛盾を解決するために術を用いてアフターケアまで行ってくれている。
具体的には、探索者たちは〈とてつもない事故に遭ったが奇跡的に一命を取り留め、長期入院していた〉ことになっている。
「これはサービスさ。礼はいい、取っておけ」みたいなことを言って、彼は消える。
さらには生前の怪我まで消えており、例えばプロフに火事による怪我でAPPが下がっているという場合はKPの裁量でAPPを上げてあげるといいだろう。

Bルート

B-1、街観光

後述の街のデータを参照されたい。ある程度時間がたつと迎えの鬼が来ます。それが最終決断です。もしここで鬼について行けばBルート確定である。なおここで面会を求めることも可能である。

B-2、裁判所の門番

槍を装備した筋骨隆々の鬼さんが居ます。名前を聞かれ、名前を聞くといったん受付に戻り通行証を発行してくれる。
そしてもし名前で嘘をつくなんてことがあれば、閻魔に話は通じているので地獄に落とされる。ただ通行証は渡してくれる。それに加えてパンフレットをくれる。一階と二階の地図が書いてある

B-3、裁判所内部

後述の裁判所のデータを参照されたい。

B-4、閻魔との面会

閻魔との面談。自由時間を使って面談をするなり、迎えの鬼に連れられてくるなりしてここへ。
閻魔はまず、探索者に時間が来れば探索者たちに簡易的に判決を下し、地獄行きか輪廻か審判することを伝える。
そして、輪廻転生後は記憶の一切は消去されることをはっきりと伝える。次に、探索者の質問にも答える。さらにここでは必要に応じてそれなりに真相を話しても良い。
ただし、閻魔が知っている範囲でだが。
・この場所のこと。
旧地獄であり、現在は鬼やその他の妖怪の住まいとして提供されていることなどを説明。
・1階より上の施設の説明
後述の裁判所のデータを参照しつつ、KPが伝えても良いと判断した情報を伝えて良い。
ただし、地下に関しては決して口を割らない。禁忌図書館に関しては探索者が敵の正体を求めたときにだけ伝えるといいだろう。
・猫のこと
猫のことを話すと閻魔は険しい顔になり、彼が黄泉帰りを行った重罪人であることを告げる。そして黄泉帰りは決して行ってはいけないと告げる。
そして、猫個人に関しては激しい怒りを覚えているように描写する。ただ、探索者が猫を外道だの悪だのといった場合は一瞬だけ表情が変わる。
この一瞬の表情の意味を理解するためには心理学が必要である。成功で、それが深い哀しみ、そして同情であったことが分かる。
理由としては、世界の理に反する、死んでも生き返れることが分かったせいで死に対する価値観が狂い、やがては他人の死をどうとも思わなくなったり、自分の死を軽く見たりすることだろうか。
最終的に、黄泉帰りは周りを巻き込んで不幸になることを告げる。
蘇った後は先ほどの価値観の狂いを強調し、やがて明確に今まで黄泉帰りを行い帰還したものでロクな死に方をしたものがいないことを告げる。
前例もある、ということも伝えておく。ただし、このことに関して詳しく聞こうとすると、彼女は口を噤む。説得や言いくるめには応じない。
語るものか、とかたくなになる。ちなみに、価値観の崩壊した人間の典型的な例は猫であり、その友人はクロによって黄泉帰りに成功したものである。ちなみに、友人は破滅の道を歩んだ。
そして、ある程度質問のキリがいいところで探索者が外からの侵入者に事情は詳しくは分からないが狙われていることを伝える。
ここで、閻魔は敵の正体を知っているような素振りを見せる。
探索者が説得や言いくるめのロールに成功したなら、グレート・オールドワンと外なる神というものが存在しているという情報を探索者に知らせ、1/1d3のSANチェックを行う。
そして、探索者が無数にあるそれらの内のどれかにターゲットされていることを知らせ、今度はSANチェック1/1d6を行い、世界の真実の末端に触れたことで神話技能を5%与える。
その後、もしかすれば地下の禁忌図書館ならば敵に関する資料があるかもしれないことを伝える。時間があるのならば、探索者にあと一箇所巡るだけの時間があることを伝え、行動させる。
探索者が地下に向かいたい場合、閻魔を説得か言いくるめる必要がある。
ロールに成功することで、閻魔は探索者たちを連れ地下への階段へ赴き、封印を解除。案内役を付けて探索者を送り出してくれる。
ただ、この案内役は非常に恐ろしい容姿をしている。探索者は1/1d6のSANチェック。探索者が外に行く場合、図書館を案内してくれる鬼を護衛につけて良い、彼は迎えの鬼である。
もしくは、必要に応じて別の鬼や小町に担当させても良い。ここからは鬼が案内してくれる訳だが、図書館へ着く前にAルート組と鉢合わせをしても面白い。
これをするとPvPとなり、これはこれで面白いのだが時間を食うため時間に余裕がない時はするべきでない。その上Aルートはこの時大概Bルートより先に進んでいる。

B-5、禁書図書館

此処にはたくさんの魔導書が置いてある。このシナリオで重要な呪文であるナイハーゴの葬送歌の乗っている魔導書は一つは出すべきである。
例えばここには『グラーキの黙示録』の写本日本語版、『ナイハーゴ写本』日本語版が置いてある。最初にこちらに来たルートに図書館を振らせ、『グラーキの黙示録』写本日本語版を渡す。
そして後から来たルートには図書館を振らせ、『ナイハーゴ写本』日本語版を渡せばいい。
なお、この禁忌図書館は持ち出し厳禁である。持ち出してしまった場合、それは盗みと扱われるので、十悪チェックの偸盗にチェックを入れておこう。

B-6、待合室

地下から地上に上ってくると、案内の鬼にもうじき裁判が始まると言わせてここに案内させる。
そして、部屋の中に机やソファ、壁にかけた絵などの適当な描写をし、外からは鬼たちの殺気立った声が騒がしいことを探索者に伝える。
聞き耳を求められたときは、成功で鬼たちが裁判中に町のグラーキの従者の一斉相当を精鋭で行おうとしていることを伝える。
その他、KPが探索者に伝えたい情報を不自然でないものを選び、そこの鬼たちの会話でで分かったことにしても良い。
あとは、探索者にRPでもさせると良いだろう。裁判前の心境なんかが分かるとグッド。
裁判での判断材料が足りないと思ったときには適当なNPCでも出現させて、RPで色々引き出してみるのも良いかもしれない。KPがもう十分だと判断したら、彼らを裁判所に向かわせよう。

B-7、審判の時

Bルート最大の山場と言っても過言ではない。
今まで得た探索者の行動や十悪チェックシートをフル活用しよう。
そして、PLがこの単語、質問の意味が分からないと言ったことはキチンと答えてあげること。
閻魔の口調では答えづらいと思ったときなどは、別タブにて丁寧に教えてあげるといい。身近なことに例えて教えてあげると相手の理解の助けになるかも。
なお、判決に関してはKPの裁量に任せる。どこまでセーフでどこまでアウトか。悪いことをしたけど、その分こんな良いことをしたのでチャラだとか。そんな感じ。
で、地獄送りだが、閻魔の地雷である死神への明確な敵意を持っての攻撃などを行った者(理に背いた者)は、他の質問の推移に関わらず地獄送り。
そして地獄送りになった探索者がいる場合だが、KPはここで他の探索者による弁護の機会を設けても良い。
あまり粘られると進行が遅くなるので、アラームで時間制限を決めて行うと良いだろう。
もしKPを納得させるようなRPが為された場合、KPはそれを認めて説得や信用、言いくるめなどにKPが思う+や−補正をつけて振らせたりして地獄送りの結果を変えてもいい。
地獄送りの描写はKP各自でどうぞ。
ちなみにテスト卓では、裁判所で他の探索者たちと別れRPをさせた後で閻魔にそれっぽい宣告を行わせ
突如現れた黒い穴から出てきた鎖や縄や人の手などによってボッシュートされる描写を行った。
そしてその光景を見たほかの探索者たちには恐ろしい光景と同時に今まで共にいた仲間を失ったことによるSANチェック1d3+1/1d5+1を敢行。
なお、この裁判の形式だが、当然ながら自分の思うようにアレンジしても良い。あまり不自然なものでなく、探索者に説得力のあるものなら受け入れられるだろう。
なお、例としてはこんな感じ。●はPCの返答を表す。

こんな感じ。この後地震が起きる。

B-8、そして事態は動転する

そして全ての裁判が終了した直後に地震を起こす。この地震はジャックや従者たちが建物に攻撃を加えて起こしたもので、これによって探索者たちの意表をついてやる。
そして、CON*5ロールを探索者に行わせる。失敗ならばどこかに体をぶつけたことにして耐久力を削る、特別に悪い出目が出た場合はそのダメージを増やすといいだろう。
地震が収まると同時に、一人の鬼が裁判所に駆け込んでくる。
そして、「大変です! 連中、この建物を壊そうとしています! 建物の内外に突如として出現し、建物を壊したり職員に襲い掛かったりとやりたい放題です! 」と叫ぶ。
閻魔はさっきの地震も彼らの仕業だろうと仄めかし、きびきびと動き出す。
探索者に相手の狙いは貴方たちだと教えてやり、自分たちが輪廻すれば相手は目的を見失うであろうことを閻魔の口から告げさせる。
この時、探索者たちが去ったあとはどうするのかと聞かれた場合、精鋭の鬼たちが戻ってくるので問題ないことあたりを伝えるといい。
そして、閻魔を引率にして探索者を3階へ連れてゆく。なお、この時、ジャックは従者を連れてここに総力で攻撃をしかけている。
緊張感を出すために、彼らと接触させて戦闘イベントなどを間に少し挟むのも良いかもしれない。ただし、あまり長いことその場に留まらせないように。
今の探索者たちの目的はあくまで輪廻。ときたま閻魔からそのことを告げてやると良いだろう。
そして、それでもその場で戦ったり殲滅することを望む探索者には――きつい灸を据えてやるといいだろう。

B-9、輪廻転生

「部屋が突如として、白い光に包まれます
同時に……
どこからか、どこか悲しげな……しかし、それでいて深い慈悲を感じさせる唄が聞こえた気がします」
〇ここで目星を振らせる。成功失敗などで、適当に描写を振り分けてあげよう。

描写

描写例

B-10. Ending いつかどこかで

ここでだが、ある意味裁判の次に描写する側としては気を使う場面である。
輪廻後の探索者をKPが、この卓で知った彼らのPCのプロフィールはRP、行動から分析したそのキャラクターの性格や行動理念などを、考慮し、それらに沿ったEDを自らの言葉で捻り出す必要がある。どこか前世の影響のある輪廻後のキャラクターは、おそらくそのPCに思い入れのあるPLなら感慨深く思ってくれる、はずだ。

ちなみにテスト卓では、人道に輪廻したまだ幼い同い年の探索者たちが地球のいつかどこかでバッタリ再会し、友達になる描写をした。
ある日初めてお互いを知ったはずの子どもたちは初対面であるはずだがなぜか気が合い、遊んでいるうちに瞬く間に気の許せる友となり。
その後別れを惜しむ彼らは彼岸花の花言葉通り、再会を誓って分かれる。
そして一陣の風が吹き、そこには彼岸花の花びらが舞う、といったような描写だ。

焼き芋さん方式

ばっつん方式

むろんだが、ここでの描写は各KP各々に任せる。テスト卓での例を真似てもいいし、また自分で考えた素晴らしいEDを描写しても良い。PLたちに喜んで貰えるようなEDを作成すると良いだろう。

Cルート

C-1、グラーキの元に連れられて

グラーキの従者に連れられて、イギリスのセヴァン谷にある湖まで連れて行かれグラーキの棘によって従者となる。
そして早い段階で捕らえられたりしてしまった場合とても退屈になってしまうだろう。それを解消するために、そのPLにPCを元にして作ったグラーキの従者を操作してもいいだろう。
無論反逆的行動は取れないけどね。もししようとしたらKPの方から優しく注意をすればいいだろう。
CONを二倍、DEXを1/3にすればグラーキの従者の出来上がりである。

Dルート

D-1、新地獄

KPは慈悲もなく嬲ってやるしかない。

データ:鬼の街

KPが探索者に隙があるな?と判断した時シークレットダイス(1d100)を振る。65以下の出目が出れば1d3を振り出てくる従者の数を決める。
その数の従者で奇襲をする。もちろん回避は可能である。他にも従者が街で暴れている描写をちょくちょく挟んでいきましょう。
ここで鬼達を助けたりしていれば閻魔の好感度が上がる。もし犯罪者PC等罪深い探索者が居る場合ここで好感度を稼いでおかなければ地獄行きは確定のようなものである。

宿

大きな酒場

警察署

病院

公衆浴場

市役所

託児所

新聞社

図書館

大通り

データ:裁判所

〈一階の探索〉

〈二階の探索〉

〈三階の探索〉

〈地下一階の探索〉

データ:NPC紹介

夏目凛

三途の水先案内人(小町)

クロ

閻魔

迎えの鬼

ペトスーチ

狂信者

データ:魔導書

注意:私が描いたてきとーなものであり、正しくはないかもしれません。
   出来るだけ各自で書いた方がいいかもしれません。
・グラーキの黙示録1と2
第1《グラーキとグラーキ関連の魔女カルト》
「グラーキとは我が教団の崇める神であり
 現在は力が衰えているがやがて世界を掌握する能力を秘めた神である。 
 グラーキの主な能力を述べると、屍水の注入によるアンデットの製造。夢引きと呼ばれる催眠術による、緑の夢教団への入団の促しである。
 グラーキは1842年現在、信者の低下や、屍水の減少により力が急速に無くなってきている。このままでは数百年もすると滅びてしまう恐れがある。
  
 グラーキはごく稀に、忠誠を誓う信者には緑の崩壊に対抗出来るようにしてくれる事がある。
 だがこの行為には著しく力を消耗するため滅多な事が無い限りする事は無い。
 グラーキに接触するためには以下の式文をある程度の大きさのある水辺の近辺で詠唱する必要がある。
 《グラーキとの接触-Contact Deity》
 
 グラーキは昔イギリスの片田舎に落下した隕石に乗って宇宙から飛来し、隕石の落下跡に生じた湖の底に住んでいる。
 湖畔には昔は少数ながら人が居たのだが、その全員が屍水を注入されグラーキの従者となっていった。屍水を体内に注入された者は人格を消され少しずつ身体が朽ちて行く。

第2《グラーキの従者及び緑の崩壊》
「グラーキの従者とは、グラーキの棘により創り出されたアンデットの怪物で、ゾンビの一種である。
 グラーキの従者はグラーキと記憶を共有しており、多少の自由はあるもののグラーキの手足と言って過言ではない。
 グラーキの従者として60年以上生活した者は緑の崩壊という現象が起こるようになり、それを呪文で引き起こす事も可能である。

 緑の崩壊とは、アンデットとなった状態で60年くらいの時間を過ごしたグラーキの従者が日光のような強い光に晒された場合に引き起こる現象の事を指す。
 強い光を2〜3時間浴びたグラーキの従者は消滅し、魂や精神までも崩壊する緑の崩壊をアンデットでは無い、一般人に向けて唱えた場合は蒸気を上げて緑の塊に変貌する。
 《緑の崩壊-The Green Decay》

 緑の崩壊以外で、グラーキの従者を退治する方法は物理的に殺害するか、ナイハーゴの葬送歌で転生させてしまうしかない。
 ナイハーゴの葬送歌で殺した場合のみグラーキの従者は転生する事が出来る。ちなみにこれは他の実体化したアンデットにも効果がありグラーキの従者に使った時と同じ効果を得られる。
《ナイハーゴの葬送歌-Nyhargo Dirge》

補足:緑の夢教団?てきとーに作ったオリジナル設定でありシナリオには全くって言っていいほど関与しません。

十悪チェック

[PL名/][PC名/]
殺生(せっしょう) ‐ 無意味に他人や衆生の命を奪うこと
チェック[][メモ:]
偸盗(ちゅうとう) ‐ 盗みのこと
チェック[][メモ:]
邪淫(じゃいん) ‐ 不淫らな異性交遊のこと
チェック[][メモ:]
妄語(もうご) ‐ 嘘をつくこと
チェック[][メモ:]
綺語(きご) ‐ 奇麗事を言って誤魔化すこと
チェック[][メモ:]
両舌(りょうぜつ) ‐ 二枚舌を使うこと
チェック[][メモ:]
悪口(あっく) ‐ 他人の悪口を言うこと
チェック[][メモ:]
貪欲(とんよく) ‐ 欲深いこと
チェック[][メモ:]
瞋恚(しんに) ‐ すぐ怒ること
チェック[][メモ:]
愚癡(ぐち) ‐ 恨んだり妬んだりすること
チェック[][メモ:]

使用した地図

とても見にくいですが、参考になればなと。

全体図

小町から渡す街の地図

クロから渡す裁判所地下一階

門番から渡す裁判所一階

実際の裁判所一階

門番から渡す裁判所二階

裁判所三階