依頼によって戦闘を行う。
フリーランスの兵士を「傭兵」と言い、狭義には特にACに搭乗している者を指す。
かつて世界の各地で領地争いが発生していたころは多くの傭兵が存在していたが、人類が各勢力にまとまっていくと共に、少数派になってきている。
とはいえ、報酬さえ払えば即戦力を確保できるため、緊急事態のような状況下では重宝されることも多い。
傭兵は基本的に斡旋業者サインズに登録し、依頼を受けることで現場へ向かう。
このサインズへの依頼は、基本的に提携している勢力や傭兵のみが利用可能であり、市民などがサインズを通して依頼する事はできない。
傭兵の中には、かつて三大勢力の部隊に所属していたが、脱退し傭兵へと転進した者が存在する。
また、部隊出身ではないが、勢力の専属として活動する者や、対抗組織に身を置くものなど、特定の組織や関わりのある傭兵もいる。
パイロットが組織を脱退して傭兵となった理由には、組織の体制を窮屈に感じ自ら除隊したか、問題行動が原因で上層部から追放させられた、と言うものが多いようだ。
なお、除隊して傭兵になった人物は、よほどの恨みや固執がない限りは、所属していた勢力の依頼を引き受けることもある。
また、戦う機会を欲して組織を抜けた者たちは異分子候補者とみなされ、敵対している者達やそれ以外の第三者からマークされる者もいる。
【傭兵としての活動】
依頼を受けた傭兵は、現場へと迅速に向かい任務を開始し、任務完了後にサインズの仲介料を差し引いた報酬を受け取る。
戦闘で発生した弾薬費や修理費は基本的に傭兵負担である為、傭兵稼業は手軽に稼げる商売では決してない。
なお、勢力からの依頼の際は、弾薬費などを補償されるケースもある。
依頼内容についてはサインズの方針もあり、傭兵に作戦の詳細までは教えられることはない。
そのため、勢力からは捨て駒的な扱いを受ける事も少なくはなく、そう言った現状を不服と思っている者もなかにはいるが、多くの傭兵は割り切って任務をこなす。
【斡旋業者サインズ】
傭兵に対する依頼を仲介している組織。
この組織の業務はあくまで仲介であり、依頼の成功は保障しておらず、依頼主側にも傭兵側にも、必要最低限の情報しか提供されない。
そのため、提供される戦力は、実際に派遣された傭兵の力量に完全に依存することとなる。
このシステムは、成否のばらつきが大きいと批判される面もあるが、一方でその高い匿名性から、いわゆる裏仕事には最適とされている。
斡旋以外のもうひとつの業務として、サインズは傭兵に対してUNACの貸し出しも行う。
このUNACはACとセットになり、サインズ側で設定した機体構成とオペレーションパターンが決まったものをいくつか用意している。
【UNAC(ユーナック)】
Unmanned Armored Core(無人のAC機体)の略で、財団によって提供されているAC用自律型操作システム、またはそのシステムで操作されるACの事をさしている。
財団は三大勢力やサインズなどの大手組織にUNACの提供を行っており、その扱いやすさからUNACは瞬く間に普及していった。
そのため現在では、世界各地の戦場でUNACが運用されている。
UNACは、「オペレーション」と呼ばれるAIの構成をカスタマイズする事によって様々な戦況に対応できる。
このオペレーションのカスタマイズこそUNACの最大の特徴であり、前線で戦う役目はもちろん工夫次第で狙撃やかく乱などの様々な行動を行わせることが可能。
ただし、三大勢力は財団側が用意した基本オペレーションのみを使っており、基本的にオペレーションはカスタマイズする事はないという。
【UNACの特徴】
・オペレーションというAIプログラムを組む事で自由に挙動をカスタマイズできる
・パイロットが不要なため、大量投入できる
・基本的に三大勢力とサインズのみに提供されており、個人が正規ルートで入手する事は不可能
・人間ほど複雑な動きは再現できないがオペレーション次第で十分な戦闘力を発揮する
・特定の状況になると音声で報告する
【VoW(Voice of War)】
戦場のあらゆる出来事を記録し、共有する情報ネットワーク。
情報ネットワークVoW以外にも存在するが、より戦場に特化したサービス内容となっており、傭兵達の多くも利用している。
各地の戦場の最新ニュースを画像付きで配信しており、視聴者からの情報提供も行っている。
そのほかにも、組織の代表者や役職者、傭兵などのプロフィールも取り扱っており、必要に応じて提供することもある。