クトゥルフ神話TRPGやろうずWiki - てけりり・ほいほい!

はじめに

このシナリオのコンセプトは以下の通りです
てけりり・かーにばる! てけりり・ぱーてぃー!の続編
かーにばるやぱーてぃーで,あんなことになった探索者の救済がメインとなります。(救われるとは言っていない)
お使いシナリオ
<金のエンゼル>と交換で(脳の)缶詰がもらえるよ、やったね
2種類のホイホイ
武井りりこの仕掛けた、ミ=ゴを捕らえるための罠<てけりりほいほい>
武井りりこの仕掛けたショゴスをホイホイする<寄せ餌>
この二つの存在がキーとなります。
ショゴスかと思った?残念ユゴス(からの者)でした!と見せかけてやっぱりショゴスでした!
※武井りりこについては終盤までなるべく匂わせないようにするとよいでしょう

あらすじ

禁断の食材を口にし、人ならざるものと成り果てた者たち
彼らのもとに、妖食倶楽部会員ナンバー45 西脇すみれより
元に戻る手がかりがあると知らされる。
すみれに従い、東都大学の浦戸教授を尋ねる探索者たち
教授曰く「元に戻すための薬の研究をしていたが、今は原料がなくて作ることができない」とのこと
探索者たちは、薬の原料を求めて奔走する

※武井りりこ及び妖食倶楽部等についてはてけりり・かーにばる! てけりり・ぱーてぃー!より引継ぎ

シナリオについて

発端

静岡県伊豆市天城山の山中には古くより,ミ=ゴ達の巣となる洞窟があった
彼らは、自らの巣に近づく人間たちを(一部の協力者を残して)秘密裏に葬り去っており
それが,伊豆の絡新婦(ジョロウグモ:蜘蛛の妖怪)の伝説の元となっていた.
開発の進んだ現代では,ミ=ゴたちが人間の生活圏から自らの巣を守るため隠れ蓑とするため
人間のルールに則り、ゴース製薬(ユゴスより名前をとった)という企業を設立
自分たちの巣の周囲の土地を買占め、部外者の立ち入りを禁止している。
ミ=ゴ達は今まで大きなトラブルもなく、慎ましくも平和に暮らし,仔をはぐくみ育てていた。
しかし、ある日を境に状況が一変する。
彼らが暮らしていた洞窟に、とある事件(てけりり・ぱーてぃー参照)で家を失った
凶悪なショゴス・ロード(武井りりこ)が乗り込んできたのだ。
洞窟内にいた仲間は食べられるか捕えられ,大切な幼生たちが入った繭はショゴス・ロードの手に落ちてしまった。
ミ=ゴ達は群体としての意識が強く、個々の生死には無頓着である
その一方で、彼らは種族としての繁殖力は低い、
幼生が全て食べられてしまうとなると.種の存続の危機となるため,一致団結して幼生を取り戻そうとする.
しかし、(浦戸の入れ知恵により)それを見越した武井りりこは、
自分の食欲を満たすために、恐るべき罠を仕掛けミ=ゴ達を待ち受けていた.
幼生の繭のすぐそばにショゴスを配置して,「幼生の繭に触れるものを全て,生きたまま捕えるように」
という命令を与えておいたのだ。
(ミ=ゴの死体は死後しばらくすると消滅してしまうため、食べるには生きたままとらえる必要がある)
かつて絡新婦として近づく者達を抹消していたミ=ゴたちは、
皮肉なことに今度は自分たちが誘蛾灯に引き寄せられる蛾のように
罠に飛び込んでしまい、蜘蛛の巣に掛かった虫のように生きながら貪られる日々を過ごすこととなった。

生き残ったミ=ゴ

繭を取り返しに行った仲間たちはことごとく帰ってこなかった。
ショゴス・ロードの魔手を逃れた,一体のミ=ゴは、正攻法で打ち勝つことが不可能と判断した。
ミ=ゴは八雲未央子という人間に扮し、協力者(であった)の人間、東都大学教授 浦戸=M=ルカに助けを求める
浦戸こそがミ=ゴを裏切った張本人とも知らずに……
探索者たち
八雲未央子(ミ=ゴ)は自分に協力すれば、探索者が欲しがっている薬の原料を渡すとのことであった
かくして探索者たちは,八雲未央子に連れられ、武井りりこが息をひそめて罠をはって待ち構えている
洞窟に足を踏み入れることになる。
クリア条件
・会長の手から何とかして繭をかすめ取り、洞窟の外に出す
・八雲をうまいこと出し抜き、脳缶を回収する
・元に戻ることをあきらめる
等によってクリアとなる
なお,このシナリオで爆発してしまったショゴス系探索者はロストになる

<シナリオの簡単な流れ>

基本情報

【天城山】(あまぎさん)
古くからミ=ゴの巣があり,絡新婦(じょろうぐも)の伝説が残っている.
絡新婦伝説とは,天城の山には美しい女性に化ける蜘蛛が棲んでおり,蜘蛛の正体をさぐるものを
食い殺してしまうといった内容
【東都大学】(とーとだいがく)
東都大学は都内にある私立の難関大学であり、
アメリカの某大学と提携している
【ゴース製薬】(ごーすせいやく)
害虫駆除製品では日本トップシェアの製薬会社
ゴキ〇リホイホイ等の製品が有名
設立にはミ=ゴ達が関わっている
そのため,名前の由来は,ショゴスではなくユゴス
【妖食倶楽部】(ようしょくくらぶ)
表向きは武井りりこを筆頭とするゲテモノ喰いの集団ではあるが、
その設立には会長である武井りりこ自身も知らない、隠された目的がある。
真の目的は、この世のあらゆるものをショゴス・ロードである武井りりこに食べさせて、
彼女を究極の食材として育て上げることである
目的を果たすために浦戸が暗躍している

NPC

浦戸=M=ルカ(うらど=みら=るか)APP14,SIZ9
・東都大学の現役最年少の教授
・ルーマニア人と日本人とのハーフ,ミドルネームのMは「ミラ」の略
・金髪碧眼の美人,47歳ではあるが,30代……下手すれば20代にも見えてしまう
・精神疾患として、ヘマトフィリア(好血症)を所持している,血を見ると舐めずにはいられない
そのため吸血教授と呼ばれることもある
・彼女自身は小食である
・ショゴス系探索者を臭いでかぎ分けることができる

このシナリオの黒幕に該当する人物であり,彼女は武井りりこに様々なものを食べさせるべく暗躍している。
彼女は伊豆のミ=ゴから技術と脳缶の提供を受け、ショゴス化を抑制する薬の研究をしていた。
その目的は、「育ち切った武井りりこ(ショゴス)を食べた際に、必然的に起きるであろう彼女自身のショゴス化」
を抑えるためであり、ちょうどショゴス化した探索者がやってきたことで、自身が薬を試す前に薬の実験台としようとしたのである。
薬の作成は成功し、必要な分の脳缶も確保した彼女はミ=ゴ達を裏切り、武井りりこに棲家を教えた。
そこに、西脇すみれに連れられた探索者たちが訪ねてきたのである。
なお,名前の由来はドラキュラ伯爵の本名(ウラド)と
吸血鬼カーミラの変名(ミラルカ)より

キャラシ

大高波子(おおたかなみこ) APP11,SIZ13
大高波子は東都大学付属高校に通う女子高生である。
1週間ほど前に、興味本位で妖食倶楽部の「究極の食材を食べよう」に参加した
危ないと認識しつつも、周りが食べているその場の空気で断り切れなくて、ショゴスを口にしてしまう。
それ以降、人間離れした腕力と、
いつ爆発するともしれない不安定な体となってしまった

キャラシ

八雲未央子(やくもみおこ)APP17,SIZ16
浦戸を訪ねてきた謎の女性
その正体はミ=ゴである
ミ=ゴの幼生が入った繭を取り戻すために探索者たちに協力を要請する
なお,名前の由来は 親蜘蛛ミ=ゴ(おやくもみこ)のアナグラム

キャラシ

武井りりこ(たけいりりこ)APP15,SIZ10
妖食倶楽部の会長、外見は30代くらいの女性、痩せ型で小柄、会長と呼ばれている、基本的に口に入るものなら何でも食べる
得意料理は多種多様のゲテモノが混沌と詰め込まれたスープ、通称ニャルラトポトフ、
※ニャルラトポトフの話を聞いたHO2はSANチェック0/1
今回はシナリオのラスボスを務める風変わりなショゴス・ロード
てけりり・ぱーてぃーにおいて、家を鍋代わりに使ってしまったため、新しい棲家を探していた。
本編開始前に浦戸に教えられたミ=ゴの巣に乗り込んで占拠する
ショゴスを使った罠(発想元はゴキ○リホイホイ)をしかけ
絡新婦(ミ=ゴ)と探索者達を待ち受ける。
人外である彼女の腕力は驚異的であるが、性格は単純で騙されやすい

正体はかつて古のものに反旗を翻したショゴス・ロード。
古のものに捉えられ,見せしめにウボ=サスラに捧げられ体の大部分を食べられてしまう、
その際に,体の一部を切り離し、何とか消滅を免れる
その後,訪れた氷河期により1億年の近くの間,南極に氷漬けにされていた
西脇もみじ達,東都大学南極調査隊に発見されたのが25年前
20年前,阪神淡路大震災で死亡した西脇もみじを取り込み,現在の姿になる
現代の日本の路地裏で残飯やら、完食したらタダになる大食いイベントやらに参加しているうちに舌が肥え、
グルメに目覚めるそのうち、知る人ぞ知る人物となる
最終的な目標はかつて自分を食べた邪神に復讐することで、今はそのために仲間を集めている最中
なお、名前のたけい・りりこはてけり・りをもじったもの

キャラシ

西脇すみれ(にしわきすみれ)APP15,SIZ8
東都大学に通う学生、会員ナンバー45
専攻は生物学
探索者たちに浦戸教授を紹介する
母は<ニシワキセル>の発見者である東都大学助教,西脇もみじ
父はミスカトニック大学研究員にしてウィルマース財団の構成員,西脇崇.
阪神淡路大震災で両親を無くしている

キャラシ

ハンドアウト

HO1(新規推奨)

大高波子にとても近しい人物、家族、恋人など彼女が全幅の信頼を寄せる人間である。
大高波子を救うために行動をすることとなる。
終盤において、彼女を救うため会長と敵対する可能性が高いポジションである
そのため、非会員かつ新規PCであることが望ましい。
HO1がいないと、全員が会長に従ってエンディングという面白味のないセッションになる可能性があるため
重要な存在である。

HO2(継続限定)

ショゴスを口にし、人ならざる者へと成り果てた探索者
元の体に戻るために,会長と敵対する可能性があるポジションである
HO3(新規作成・継続どちらでも構わない)

HO2の友人

妖食倶楽部の会員,HO2の付添い

導入

事前情報

HO1
一月ほど前、大高波子はどことなく幸福そうであった
しかし、2週間ほど前から波子に元気がない
話しかけてもどこか上の空で、そわそわしている
誰にも言えない悩みを抱えているかのようであった。
そういえば、2週間前といえば、波子がよからぬ集まりに参加していたようだ
そこでナニカサレていなければよいのだが・・・・・・
HO2
<アレ>を食べて以降、悪夢を見る
ふとした瞬間に、自分の体が弾けてしまう夢
はっと目を覚ますと、頭の中であの恐ろしい声が木霊している
「てけてけてけてけ」「りりりりりりりり」
HO2・HO3
てけりり・ぱーてぃーに参加していない会員でも
東都大学という名門大学に通う西脇すみれという名のお嬢様会員がいることを知っている。
彼女が既に死亡している場合には適当なNPCに肩代わりさせること

始まり

探索者たちは西脇すみれに呼び出される

HO1宛て

HO1様
「突然のメールをお送りした失礼をお詫び申し上げます。
私、東都大学2年生の西脇すみれと申します。
このアドレスは大高波子から聞きました。
大高波子はあなたのことを大変信頼しているとのことで、今回連絡させていただきました。
彼女に関することで、重要なお話があります
命に係わることになるやもしれません
明日の12時東都大学食堂までいらしてくださるようお願いします。」

HO2宛て

HO2様へ
「貴方の体に起きた、尋常ならざる変化のこと、存じ上げております
私には、貴方の体を元に戻す方法に心当たりがあります。
もし、興味がおありでしたら、明日の12時、東都大学食堂までいらしてくださるようお願いします。
西脇すみれ」

HO3

HO3はHO2についてくる(強制)

光明

探索者たちは東都大学の学生食堂にやってくる.
時刻はお昼時,それなりに混雑している学生食堂の一角に「異空間」があった
その席では、二人の女子が向かい合って座っているのだが、
まず,目を引くのは,彼女たちの間に盛られた料理の量である、
優に数十人前はある.女子二人でとても間食出来る量ではない
二人は、尋常じゃない量の食事を次々に消化している様子である.
また、彼女たちの様子も異常だ
一人が人目もはばからず泣いていて、もう一人が、それを慰めている
泣いているのは大高波子、慰めている様子の西脇すみれであった。
気味が悪いのか,周囲の学生はちょっと引いている
<近づく>
以下のような会話が漏れ聞こえてくる
す「まぁ、しょうがなかったじゃない、食べちゃったものはさ」
波「うぅ……ぐすん」
す「まぁ、あたしだったら何とかうまいこといって乗り切ったんだろうけどさ、
会長は確かに怖いけど、ちょっと頭が残念だからだから、ノリと勢いでやればなんとかなってたんだろうけど」
波「……そうなんですか」
す「まあ,波子はそう言うの苦手そうだしね」
(武井りりこが説得可能であることの複線)
ここですみれが探索者たちに気づき、探索者を合流させる
HO1には,自分がメールを送った「西脇すみれ」であると自己紹介をし,波子の話を聞いて欲しいと告げる.

波子の話

波子の話が終わると,すみれが探索者と波子に向けて話す

すみれの話

面会

西脇すみれは、東都大学、理学部生物学科研究室棟に入り
探索者と波子を浦戸研究室、教員部屋とかかれている部屋の前に案内する
色白で顔色の悪い、20代くらいに見える女性(浦戸=M=ルカ)が出迎えてくれる
中に入ると、応接セットが目に入る,さらに,本棚,PC,隣の部屋(学生部屋)への扉がある
浦「あら、どうしたのすみれ、朝から起きてるなんて珍しいじゃない」
す「これから寝るところですよ、浦戸教授、この人たちが頼みがあるそうです」
その後、すみれは隣の部屋(学生部屋)に寝に向かう,その際,探索者たちに耳打ちする
す「教授はああみえて47歳だから,年齢の話はタブーね」
すみれが隣の部屋に向かうと浦戸は切り出す
浦「相変わらずあの娘はマイペースね
ところで,要件を聞こうかしら、といっても午後の講義があるから、あまり時間は取れないけれど」

<波子若しくはHO2が体の異常について伝える>

浦「ふうん、どこかで聞いたような症状ね」
波子もしくはショゴス探索者の一人を自分の対面に座らせ、腕を出すように言う
その後メスを取り出し,彼女は波子若しくは探索者の手首を切ろうとする、おとなしく切られた場合1ポイントのダメージ
何をするか尋ねた場合は、「診察」「喋るよりも見せる方が早い」とそっけなく答える
もちろん、ショゴス系探索者なら彼女に手首を切られる前にその力で彼女を撥ね飛ばすことも可能だろう
しかし、それは彼女の心証を多少損ねてしまう。
<抵抗した場合>
浦「むう、悪かった、もうしないわ」
しぶしぶと引き下がる、とはいえどこか不服そう
<抵抗しなかった場合>
傷口からは、血液があふれてくる
しかし、その傷は10秒と立たずにすぐに治り、元通りになる
この光景を始めて見る探索者は0/1d2のSANチェック
医学ロール
手首は重要な血管が集中しており、すぐに血が止まることはありえない
また、あふれ出た血液は通常のよりも、どす黒く粘度が高いことが解る
その後、浦戸はメスの先を口に含んで、何やら思案顔になる
切っ先についた血液を舐めて味を見ているかのようだった
「あぁ……おいしい、でも、これ以上舐めたら、私もてけりりになっちゃうかもしれないから
……今のところはやめておこうかしら」
その後彼女は言う
「だいぶ、粘っこくなっている、てけりり化はかなり進行しているわ
早いとこ手を打たないと、爆発しちゃうかもね」

<HO2が元に戻りたい・HO1が波子を元に戻したいと伝える>

浦「今は無理」
<理由を尋ねる>
浦「その辺りの、事情については、他言無用と約束してくれるなら教えてあげるわ」
と,探索者に伝えた後,彼女は理由を教えてくれる
・浦戸が研究している特殊な薬を使えば戻れる
・しかし今は原料が切れている」
・その原料がいわゆる非合法な代物で、足がつくと困るから、特別なルートで手に入れる必要がある

浦「共同研究先のゴース製薬って企業から調達してたんだけど、今あの会社ごたごたしてて
あ、ゴース製薬って知ってる? あの<ご〇ぶりホイホイ!>とか作ってる」
浦「ごき○りの好む臭いのでるエサで引き寄せて粘着シートで捕獲するあれよ,
……何より人体に有毒な成分を使わないのが素晴らしい,人に優しいって,すみれが熱っぽく言ってたわ
まさか食べるわけでもないのに、あの子時々変な事言うからね」(終盤のギミックの前ふりである)

来訪者

1人の女性(八雲美央子)がノックもせずに入ってくる
彼女は,服のあちこちが擦り切れている,まるで遭難でもしていたかのようだ
歩き方はどこかぎこちなく、杖をついている
(中に入っているミ=ゴが2足歩行に慣れていないためであり、車の運転などの機械の操作は普通に行える)
長い黒髪を持つ背の美人であったが,日本人形のように無表情であった
浦「あら、八雲さん……でしたっけ? どうしたの?」
八「ウラド……力を…借りたい,今すぐ」
浦戸は露骨に時計を見やる
このとき心理学をすると浦戸が少し気まずく思っているとわかる
浦「ごめんねー、これから講義があるの、後にしてくれる?」
八「こっちは,急いでいるのだ」
浦「ふうん、そんなに急いでいるなら」
浦「彼ら(探索者達)に、協力を仰いでみたらどうかしら、あの人たちは、例の<アレ>がほしいみたいよ」
浦戸は探索者に八雲を紹介する

浦「本当にちょうどよかったわ、この人は例の材料の調達先なの、ゴース製薬の八雲さん、
あなたたちも、薬の材料が欲しければ,直接交渉してみるといいかもね」
浦戸は講義のために、部屋を出ていく
<浦戸についていき講義を聞く>
前述の<ニシワキセル>の内容を理解することができる

依頼

八雲未央子が探索者たちに依頼をする
怒っているわけではないが、彼女の口調はどこか冷たい
また,喋り方も女性らしい口調ではなく,淡々と簡潔に用件だけを伝えていく感じである
・静岡県伊豆市、天城山の麓の洞窟に、会社にとって大事なものが置いてある
・中身については企業秘密で教えられないが、通称「金のエンゼル」と呼ばれるものである
・その洞窟に数日前から、恐ろしい化け物が住み着いたと連絡があった、それきり連絡が取れない。
・取りに行った仲間はみんな帰ってこなかった。
・機密性の高いものだから外部には頼めない
・金のエンゼルを無事に回収出来たら、探索者たちの言う薬の原料を提供する。
・1時間後に校門に集合してほしい
なお、<金のエンゼル>について「食べれるのか?」と質問した探索者には以下の忠告をする
八「もしそんなことをしたら、貴様を殺す」
探索者たちが了承すると,八雲出発準備をするため部屋を出ていく

なお,波子は無理やりついてくる,化け物が出てくると言っても「私がみんなを守ります」と言ってきかない

出発準備

準備が整うまでの1時間ほど,探索者たちは探索を行う事が出来る
オカルト
天城山,化け物のフレーズを聞いた探索者が
オカルトに成功すると絡新婦(じょろうぐも)の話を知っている

絡新婦伝説

研究室

浦戸のパソコン,本棚が置いてある
コンピューター
成功でパソコンに侵入可能
メモ帳のファイルが開かれたままになっている

メモ帳のファイル

図書館・医学・生物学
本棚から,ニシワキセルに関連すると思われるボロボロになったノートが出てくる
なお、解読にはななめ読みで3時間かかるため,
この場での解読は不可能

隣の部屋(学生室)

西脇すみれが自席で熟睡している
すみれの席には古い写真が置いてある

古い写真

出発時刻直前

探索者たちがすみれを起こしているいないに係らず
西脇すみれは目を覚まして、探索者たちに
「ん?どうかしたの,そんなにバタバタして」
と尋ねてくる
<天城山に行くことになったことを話す(天城山という地名を伝えていることが必要)>
彼女はさっと顔を青くし、研究室中を大慌てで、バタバタとひっくり返して
小さな缶詰とメモを走り書きして探索者たちに渡す。
「まさかとは思うけど,念のため持って行って」
詳細を尋ねようとするると,八雲が現れ探索者達を急かしてくる

小さな缶詰(寄せ餌)

使い方の書いたメモ

八雲に連れられて,正門前に来ると車がある
車はボックスタイプのレンタカーである
(予想外に探索者が多かったため急きょ手配したという設定である)
探索者たちが乗り込むと八雲の運転で天城山に向けて出発する。
なお,ボロボロのノートを持っている場合,移動中の車中で読む事が出来る
その際,読む前に車酔いしないかをCON*5で判定する
ボロボロのノートに生物学or薬学成功

<ニシワキセルに関する研究ノート>

到着

凡そ3時間後.天城山に到着する
八雲は車を天城山の登山用駐車場に止め,杖を突きながら
探索者たちを先導してルートを外れた獣道を登ろうとする

そんな探索者に地元民のおじいさんが話しかけてくる

イベント

探索

探索者たちの前には,洞窟が現れる
洞窟は通路のようになっており,一番奥の部屋までほぼ一本道の通路になっており
途中には二つ部屋がある

A

なお,八雲は<金のエンゼル>の場所を知っているため,
途中の部屋には目もくれず,一直線に奥を目指す
ただし,それぞれの部屋に何があるかと聞かれた場合には嘘にならない範囲で答える
1つ目の部屋について
八「お前たちの言う薬の原料がある,<金のエンゼル>を回収した後なら
好きに持って行って構わない」
2つ目の部屋について
八「我々が使っていた実験場のようなところだ」
忍び歩きなどに成功
すれば,八雲に気付かれることなく
それぞれの部屋を探索することも可能だろう

最初の部屋

入るとどこからか,機械音声のような声がする
「……ゴス……のもの……種と……て……しかし……
……守るためには……」
懐中電灯などで照らすと.銀色の大きな金属性の円筒がいくつか無造作に転がっている
殆どが空だが,目星に成功すると中身が入っている物が一つだけあることに気付く
目星はある程度の時間を空ければ何回でもチャレンジできる

銀色の円筒

二つ目の部屋

一見石しか落ちていないようななにもない部屋である
目星
成功すると人間の頭骨が落ちているのに気付く
0/1d2のSANチェック
この頭骨は頭に傷がある
頭骨に医学
頭骨に入っている傷は,非常に高度な外科手術によって作られたものであるとわかる
(脳を取り出した)
また,人間の抜け殻のようなものを発見させてもよい
(ぼろぼろになった女性の皮,別のミ=ゴが使用していた
長い間手入れがされていないため,装甲として利用することは不可能)
発見により0/1d4のSANチェック

奥の部屋

とても広い空間になっており,奥まで見通せない
便宜上,入口近く,真ん中,奥側の3か所に分ける
それぞれの移動には全力で1R掛かるものとする
天井に向けて目星等(ただたんに目星では不可)
をすると,天井で何かが蠢いているように感じる
この部屋の天井全体をてけりりほいほいが覆っている
部屋の入口近く
特に何もない
聞き耳をすると,何かの羽音のような低い音が聞こえる
部屋の真ん中付近
目星で,手紙が落ちているのを見つける
なお,浦戸のパソコンの中にあったメモ帳の文面と同じものである

手紙

部屋の奥
<金のエンゼル>が目に入る

金のエンゼル

振れた刹那、てけりりほいほいが起動する
(基本的には八雲が触れることを想定しているが
彼女の足が不自由な事を察した探索者が触れても構わない)

てけりりほいほい

<天井に吊下げられた探索者、もしくは上を見上げることを宣言した探索者>
天井を覆いつくさんばかりに無数に存在する昆虫のような奇怪な生物の群れを目撃する
2/1d6+2のSANチェック
よく見てみると、その昆虫はたまに羽音をたてるのみで動けない
また、よく見てみると,はさみや足の先がないものも存在する
天井一面を玉虫色の粘液が覆っている
そこから伸びた触手が,探索者や昆虫たちを捕えている
時折,目や口といった人間のものと非常に酷似した器官が
波間に広がる波紋のように生まれては消えてを繰り返している
1d6/1d20のSANチェック

逃走or交渉

洞窟内に,人の声が響き渡る
「うふふ,飛んで火にいる夏の虫とはこの事ね」
天井を覆いつくさんばかりに広がっていた玉虫色の粘液
その一部が、ぼこりと膨らみ
逆さまになった女性の上半身が姿を現す.
会長知っている人間ならば,粘液の中から姿を現したその女性が
武井りりこであることがわかる
武「あら、人間? 蜘蛛じゃない」
彼女は,天井のショゴスから分離し,探索者たちの前に降りる
会長と対話を試みると,以下の情報を得られる
しかし,会話中にストレートに「繭が欲しい」「繭を取りに来た」等の発言をしてしまうと,
会長の逆鱗に触れる
上手くとりなすことができないと,直ちに戦闘状態に移行する
・ここは,武井りりこの新しい家である
・元々ここには,ユゴスよりのもの,通称:絡新婦の地球外生命体のコロニーがあった。
・絡新婦は足が美味しい.
・絡新婦は繭を取り来るらしいので罠を這って待っていた。
・殺してしまうと消えてしまって食べれないので生きたままとらえる必要がある
・この<てけりりほいほい>は繭を奪おうとするものを捕えるために
繭を持っているものを捕まえるように命令してある.

罠の仕組みを話し終えた時点で、
武井りりこは探索者たちが繭を取りに来たのではないかと気づく
武「ところで、あなたたちは、私のおやつに何をしようとしていたのかしら?」
上手くとりなすことができないと,直ちに戦闘状態に移行する.

てけりりほいほい起動後の展開

拘束からの脱出
拘束された探索者達が抜け出す際にはSTR24と対抗する
他の探索者が手助けすることも可能だが,
波子やショゴス系探索者が近づいて助ける場合も
POW対抗ロールを行い失敗したら爆発四散する
また,探索者たちはいつでも,自分たちを拘束している触手に噛みつき
食べることができる
その際,POT18との対抗ロールを行い,失敗した場合
即座にSTRとCONが二倍になる(いわゆるショゴス化)
捕まったのが八雲の場合、
探索者の一人に、繭を投げて渡す
それと同時に,着ていた人間の皮を脱ぎ捨てることで拘束を逃れる
(同時にバイオ装甲を失う)
八雲の中に入っていたミ=ゴは,彼女の体を真っ二つに引き裂くと、
武井りりこの前に立ちはだかる
中から現れたのはいくつもの
蜘蛛のようにも見える、不可思議な生き物
武「なるほど、中身は蜘蛛だったわけね」
八「ここは、私に任せて逃げろ,それを……<金のエンゼル>を
もって外に逃げろ……それで契約は成立だ
約束の物は最初の部屋にある……銀の……中身の入った……缶詰だ」
※なお,皮を脱ぎ捨てた際に1/1d6のSANチェックが発生する

逃走

<すみれから受け取った缶詰(寄せ餌)を使用しない場合>
繭を手にした探索者はこの部屋にいる限り,1R後から1d8-n本の触手に襲われる
なお,<金のエンゼル>の置いてあった一番奥から外に逃げるのまでに3R掛かるため
普通に逃げると2回分の触手の攻撃を回避しなくてはならない
投擲などの技能を使ってで他の探索者に素早くパスをすることで,
触手の攻撃を受けないで済むなど適宜対応する
また,<金のエンゼル>をもって外に逃げようとした場合
武井りりこが追いかけてくる
八雲未央子が探索者たちのために時間を稼ぐ
<すみれから受け取った缶詰(寄せ餌)を使用した場合>
少し開けただけで,内側からの圧力により,汁が飛び散り吐き気を催す匂いが辺りに充満する
CON*5に失敗した探索者はその場で嘔吐し,1R動けなくなる
開けた探索者がCONロールに失敗した場合は,その場に缶詰を取り落す.
(シュールストレミング並みの臭気を想像してもらいたい)
なお,周囲にいた探索者は幸運ロールを行い
失敗すると,衣服に汁が付着する
(服を脱がない限りこの臭いは取れないものとする)
「こ,これは……なんて,豊潤で素晴らしい匂いなの!」
武井りりこは臭いにつられそうになるが踏みとどまり,あくまで繭を回収しようとする
しかし,天井のてけりりほいほいの触手は全力で缶詰の確保に向かうため
その際,触手に拘束されていた探索者と,拘束されていた全てのミ=ゴは解放される
また,缶詰を開けた探索者が,寄せ餌を取り落とさず,武井りりこにぶつける事に成功すると,
てけりりほいほいの触手が絡み付き,1d8本の触手で拘束することができる
(武井りりこは,1本抜けるのに1R掛かる)

寄せ餌を使用後は,てけりりほいほいからは襲われることはない(寄せ餌に夢中になるため)
また,解放された手足のもがれたミ=ゴ6体と,八雲未央子は探索者の為に時間を稼ごうとする

手足をもがれた6匹のミ=ゴ

探索者が八雲を説得等すれば,探索者と一緒に脱出する
てけりりほいほいが襲い掛かってくるのは,奥の部屋にいる時で,
部屋の外に出ていれば襲われる心配はない
任意の時間数が過ぎた後,武井りりこが後から追いかけてくる
薬の原料の回収に戸惑ったり,寄り道をしたりしていると追いつかれてしまうだろう.

交渉

基本的に会長は<金のエンゼル>を返せば許してくれる

<金のエンゼル>を武井りりこに渡した場合
りりこは受け取り、部屋の奥へと引き下がる
波子は元の体に戻ることを優先するため,
探索者が会長側につくのであれば探索者と敵対することとなる
また,八雲も敵に回ることになる
探索者が,未だに寄せ餌を所持していた場合
適切な技能に成功すれば,寄せ餌と繭を交換することもできる

なお,武井りりことの話次第では繭を穏便に入手することも可能である
その条件は,彼女の性格を鑑みてプライドを刺激することだ
例えば,彼女が,絡新婦を「独り占め」していたことを突き
「私たちの為に,こんな素晴らしい食事を用意していてくださったなんて感激です,流石会長ですね」
等と言いくるめると言いだろう.

エンディング

脱出
探索者たちが<金のエンゼル>を所持したまま洞窟の外まで逃げると
繭がひとりでに開き,小さな無数の虫のようなものが飛び出てくる
八雲が生存し外に逃げ出しているならば,その虫たちは八雲に取りつく
八雲は探索者に礼を言うと人間の皮を脱ぎ捨て,本来のミ=ゴの姿となり
虫たちを体に取りつけたまま,どこかに飛び去っていく
八雲がいなければそのままどこかに飛び去っていく
感動的な光景として描写をしてもいいが,しっかりSANチェックは行う,0/1d6
<金のエンゼル>を会長に返すなどして所持していないなら,このシーンはカット
邂逅
探索者たちが洞窟の外に出て,元の駐車場まで戻ると
高級そうな外車のわきで煙草をふかしている浦戸に遭遇する
彼女曰く「迎えに来た」とのこと
どうして場所が分かったのかと聞くと
「私は何でも知っているのよ」と嘯く
探索者たちは浦戸の運転する車に乗って東都大学に帰ることができる
その車内で,何気なく浦戸は探索者たちに話しかけてくる
浦「ところで,武井りりこはおいしく育っていたかしら?」
驚く(であろう)探索者相手に彼女は続ける
浦「うふふ……武井りりこにユゴスよりのものの巣を教えたのは私」
「武井りりこに、おいしいものをたくさん食べさせておいしく育て上げてから、おいしくいただく
そのための妖食倶楽部よ、ご存じなかったかしら?」
大学に戻った後
<脳缶を手に入れている場合>
浦戸に渡すと.紫色の、ドロドロした毒々しい液体状の薬を作ってくれる
原料について尋ねると以下のように答える
浦「貴方たちはてけりりを食べて、その体になってしまったのよ? 
だったら、人間に戻るために口にすべきものはなにか……簡単に想像がつくじゃない?」
飲むと1/1d10のSANが消失するが,ショゴス系探索者は人間に戻ることができる
なお,大高波子は,例え中身を知っていても薬を飲む,
薬を飲んだ場合に限り,彼女は人間に戻れる
浦「ありがとう,貴方たちのおかげで、
新薬のテストが無事にできたわ,やっぱりテストもしないで使うのは不安だからね」

報酬

ミ=ゴを全滅させた(会長に繭を返す等)+1d6
ミ=ゴの繭を解放した -1d6
大高波子を元に戻した+1d10

以上,使用はご自由にどうぞ!