PCより
ある大学院生の独自
人生初の一人旅になるはずだったツアー旅行は、全く予想していなかった形で無事終わった。再び人の死を間近で見てしまったトラウマは少し強くなってしまったが、それを考慮しても有意義で達成感の強い体験だったといえる。
旅先ではたくさんの出会いがあった。それは美人なバックパッカーの女性だったり、無理をしているのが見て取れる青年だったり、はたまた神様だったりという非科学的なものまであった。他にも色々あったが色々ありすぎて回想が追い付かないくらいだ。
まさかまた化け物と相対する羽目になるとは予想だにしていなかったが、無事退治出来たので結果良ければ全てよし、だ。
そんな慌ただしい旅行を終えて早一週間が経った。なんだかんだ色々あったが、私「水無瀬 雫」は今まで通りの日常を過ごしている。
大学院で生物の研究して、たまにフィールドワークに出て、時々こっそり大学生に混ざって講義を受けて…。旅行に行く以前とほぼ変わりない生活を送っている。
ただ一つ変わったことと言えば、たまたま旅先が重なって行動を共にした後輩の彼と会う回数が旅行前より増えたことくらいか。具体的には以前は講義や偶然会った時くらいしか話さなかったのに、今では一日一度は顔を合わせている。主に私から接触しているせいだが。
今でも彼に初対面で「美しい…どうか俺の絵のモデルになってもらえないだろうか」と真顔で突然言われたことは記憶に新しい。あれは色々衝撃的すぎた。
最初こそ初対面のインパクト故にやや引け腰になってしまったものの、話してみると彼自身は意外と落ち着きがあり紳士的な人間だった。むしろ最初のあの発言が「どうしてそうなった」と言いたくなる程に。
彼は一度趣味にハマるととことん凝る人らしいので話題に事欠かなくて楽しいし、何よりこちらと無理に距離を詰めてくることをしない。今まで変質者だのストーカーだのに巻き込まれてきた私にとってはそれだけで好感が持てるのだ。
…年上をまったく敬おうとしないのは玉に瑕だが。小さいからと言って子ども扱いするなと何回言ったことか。もう慣れつつある自分が悲しい。
そんな彼とあの旅行を共に出来たのは僥倖だった。物理的に迷惑をかけた覚えしかないが、彼にはいくら感謝をしても足りない。…後から美人バックパッカーに化け物相手に大奮戦したと聞いて、現場を見られなくて残念に思ったのはナイショだ。
そういえば、旅行の初日の終わりに彼と晩酌を共にしたのだけれど、途中からの記憶がちょっと曖昧だ。疲れが溜まっていたからいつもより酔いが回るのが早かったのかもしれない。何だか普段は絶対言わないようなことまで言ってしまった気がする。
まさか本当に色々洩れてしまったのではと危惧したが、翌日の彼の様子は特に変わりはなかったので多分何もなかったのだろう。…なんとなく態度がおかしかったような気もするのだが。…夢落ちだと思うべきか、そうなのか。
さて、今日はどんな用事で昼休み中の彼に突撃をしかけてみようか。絵のモデルの件もうやむやになって返事を保留にしていたし、今日はその件について切り出してみようか。
はたまた、これを機に名字呼びから名前呼びに切り替えてみるか。…とはいえ、実は彼の下の名前をはっきり覚えていない。まあ本人に聞けばいいか、きっと彼はいつもの定位置で一人で過ごしているだろうし。
友人にも散々「いつまでものらりくらり躱して放置するとか流石に可哀想すぎない!?もっと構ってあげて!」とか言われてしまったし。
…いや、構ってあげてって、友人は彼をウサギか何かと勘違いしてはいないだろうか。と独り言ちながらネコの絵が描かれた石のストラップを無意識に握りしめた。
PLより
皆様お疲れ様でした!
改めてこのシナリオを作成及び卓を開いてくださったKP様、そして共に卓を囲みプレイしたPLのてんぱ様、しるふぁ様、オイラム様に感謝の意を。
皆様のお力もあって人生3回目のオンセッション、無事全員生還ENDでクリアすることができました。他のPC様有能すぎでしょう、特に戦闘時。2日間に渡ってセッションしましたが長いようで短かった気がします。
個人的にはダイスの女神が大爆笑した卓だったと思います。終盤のクリファン乱舞や茶番RPの見事なダイス采配といい、どうしてもそうとしか思えない。
なので今回のダイス目は女神は茶番とアツい展開が大好きなんだなと解釈しました。そのおかげもあってか、なんとPC全員無傷で終わることができました(SANは除く)!
どれだけシナリオに貢献できるか不安でしたが、終盤で重要な裏方をやり遂げることができたので大満足。まさかさるロールで1Cを連続で引くとは…。
自分のRPやシナリオを追うので精一杯で周囲への配慮が欠けた発言や言動もあったかと思います。それでも呆れずに付き合ってくださったKP及びPLの皆様方には感謝の心でいっぱいです。圧倒的感謝…!
特に茶番RPにお付き合いしてくださった方々、本当にありがとうございました。初の恋愛RPで何回手のかゆみを堪えたか覚えていません。
途中からノリ過ぎて気持ち悪いことになっていないか心配になることもありましたが、相手方が多いに乗ってくださったこともあり、KP及び他PL公認の甘々茶番を繰り広げられたことにとてつもない満足感を覚えています。
ただうちのPCに片思いしてくださったPC様には土下座したい。ごめんよ純情を振り回して…。でも後悔は微塵もしてない(
初心者たる自分にとっては反省点が多々あるセッションとなったものの、心の底から参加してよかった、無事シナリオクリアできて嬉しかったと感じています。
今回出会えたKP、PL、PCの皆様にまたいつか再会できる日を願って、以上で締めくくらせていただきます。
稚拙な文ながら、ここまで読んでいただきありがとうございました。