クトゥルフ神話TRPGやろうずWiki - 愛を求めて

初めに

コンセプト
・さっくり短時間シナリオ
・(KPPLともに)初心者向けにシンプル
・直接には神話生物は出てこない、AFメイン

概要

難易度:☆〜☆☆
(ロストの可能性は稀、ただししないとは限りません)
推奨技能:目星
技能失敗してもできるようにはしてあります。

あらすじ

季節は秋とします。
(紅葉シーズンで山に行く理由が見つけやすいこと、木の葉の量が少なく雨を防ぎにくく小屋に入れやすいことが理由です。)
山に登山に行った探索者が帰りに夕立に会う。そこで立ち寄った小屋は呪いの小屋でした。
はたして探索者は呪いの手から逃れられるのでしょうか…?

シナリオ背景・KP情報

導入

季節は秋、紅葉シーズン。探索者たちはきれいな紅葉を見に行く、充分に楽しみ夕刻。
そろそろ日が暮れると、帰ろうと山を下る。そこで突然夕立が降り始める。
(天文学*2に成功ですぐに止むだろうがその間にずぶぬれになってしまうだろうということがわかる。降らせなくてもいいです)
失敗や技能がなくてもびしょびしょになってしまうことはわかるでしょう。
ここで探索者たちは少し道のそれたところに小さな小屋を見つける。
だいぶ古く、人が住んでいる様子はなさそうだ。そこで少しだけ雨をしのごうと小屋に入ってゆく・・・。

小屋の外観

古い小屋で、いつ壊れてもおかしくないようなものです。
物理学*2に成功で蹴りなどでも崩壊してしまうやわな建物であることがわかるでしょう。(装甲1耐久2)
窓は木で当てられ、ふさがれており、中の様子は覗けない。
これ以上外にいるようなら雨でぬれて[CON*5]ロールをさせてもよい
(失敗で技能値-5程度、警告できれば良い)
導入に自信がない、スムーズな導入を求める場合は、中に入るところまでKPが描写してしまうのも一つの手でしょう。

呪いの始まり

小屋に入ると床はビニールシートで覆われ、雨漏りがやや気になるが雨風を一時期しのぐには十分であるとわかります。また窓はすべて木が打ち付けふさがれているため意味をなさず、部屋には光が差し込みません。
そして突風が吹き、扉が閉まります。鍵がかかったせいか扉は開きません、無理に壊すなら別ですが。
しかし宣言の処理をする前に背後から悪寒がすることを伝えましょう。
そこには赤い点が二つ、じっとあなたたちを見つめているのです。
SANC0/1d2をします。
ライトをつけるか、雨が止んだ後窓を開けるか扉を開けるかして光を入れる(突風で窓を壊してもよい)と、それは黒髪の日本人形が机の上に置いてあります。APP18くらいで、かわいらしく恐怖を感じることはありません。そして人形の箱に何やら文字が刻まれているようです、そこには
「それは呪いの人形。目が合った者を呪いにかけ屍者にする」
とあります。同時に束縛感とけだるさを感じるでしょう。探索者のPOWが-1となります

これには探索者が巻き込まれたことを意識させ、動機づけをするという意味もあります。

探索

部屋の描写

部屋の床にはブルーシートが引かれている。盛り上がっており下にはかなり大きい箱のような何かがありそうだ。
奥には告示の刻まれた机、上に人形が置かれている。

描写後、KPから目星を振らせましょう。成功でブルーシートの隅に南京錠の鍵(地下の棺桶のもの)を見つけます。
もし失敗してしまっても後述しますがリカバー可能です。

ブルーシート

ブルーシートをとるとそこには絨毯の上に棺桶が一つ。棺桶に鍵はなく、ふたが少しずれています。
また。前述の目星を失敗していた場合、ブルーシートを取ると何かが転がる音がし、そちらを見ると南京錠の鍵を見つけます。
中を見るとまるで干からびた男性の死体。それは死体ではあるがどこか動き出しそうなほどで、悶絶した表情からろくな死に方をしていないことが想像できるでしょう。SANC1/1d6
死体に目星成功か、漁ることでSANC0/1d2とともに鍵を見つける。これは机の鍵です。

机の上には人形が置かれており、さらに刻字がある。引き出しがあり、一か所だけ鍵がかかっている。
この鍵は棺桶の中にいるPOW0の死体が持っています。中には手記が入っている。またSTR6との対抗であけられたりもします。
刻字には「私は初めて恋をしました。でも先にいきます」
と書かれています。

机の中の手記

人形
人形は精巧に作られています。箱に入っており、取り出すことは可能です。
人形を調べると、人形に指輪がつけられています。どうやら結婚指輪のようです。

地下

手記を見つければ地下の存在がわかることでしょう。絨毯をめくれば地下への扉が見えます。

地下へは梯子で降りるもので、上からでも上にあったような棺桶の存在が確認できるでしょう。
下におりて、よく確認すれば、棺桶のほかにも12ゲージ・ショットガン(残弾は1発)や散弾の跡などが見えると思います。
棺桶
棺桶には南京錠がついています。
南京錠の鍵を使う、もしくはSTR12との対抗であけることが可能です。(当然鍵明け・機械修理などであけることも可能)
中には同じような男性の死体があります。初めて見た場合はSANC0/1d3です。
しかしこちらの表情はどこかやわらかいと感じるでしょう。胸のあたりには散弾で撃たれた跡があり、腕には資料のようなものを抱いています。
また、探そうと思えば空になった人形用の結婚指輪と、死体の左手薬指に結婚指輪がはめられているのが見つかるでしょう。

資料

その他の処理

探索者は様々な行動をとることでしょう。こちらにまとめて記述しておきます。

外に出る

扉が閉まったわけではないし、壁も壊すことができるので脱出は可能です。
解決しないで外に出た場合、強い束縛感と、誰かに見られている感覚がする。
それでも帰った場合は、徐々にPOWを吸い取られ死んでゆくだろう。

人形を壊す

人形を壊すと背筋が凍るような感触がする。
人形を壊しても呪いは解けない、さらに解決手段がなくなるため、外に出た時と同じくPOWを吸いつくされてロストである。

地上の棺桶に人形を入れる

上の男は特に契りを交わしたわけでも人形を愛しているわけでもないため特に何も起きない。指輪を無理やり付けた場合は後述。

ED

地下室の遺体と一緒にする

これが想定解。人形が動き出し、頬を赤く染め、笑ったような気がし、束縛感とけだるさがなくなる。POWはこの時点で返ってくる。そして解呪されるためPOWの減少はなくなる。
またその時に人形の記憶が入り込んでくる。それは一人目との生活の記憶。毎日語り掛け、その笑顔に温かい感じがわかるでしょう。

人形に愛を誓う

PCが人形に恋したED。愛の形は何でもいい、KPが面白ければOKにすればいいでしょう。この場合は他のPCは解呪される。本人PCはPOWをすべて吸い取られる。

地上の遺体に指輪をはめ一緒にする

ここまですることはないだろうが…その場合も添い遂げはするので解呪される。束縛感もけだるさも消える。その時に人形の感情が流れてくる。それはイス人(二人目)との生活で、相手の目はとても冷たくおぞましいものである。SANC1d6/1d10
また人形は涙を流すだろう、悲しそうな顔で。

クリア報酬は適当に。1d4あたりが妥当だと思われます。

参考

こちらに参考になりそうなものを。

POW0の人間(基本るるぶより引用)

POWが0の人間はゾンビのような人間である。肉体的には生きているが、精神がないため、もはや自立することすら不可能であろう。

AF「蛇面の女」

APP18、SIZ2ほどの人形、箱は両手で抱えるほどの大きさで、30cm×30cm×60cm
人形と目が合った者は1カ月に1ずつPOWを吸い取られる。
また引き出すことも可能で、古の者の記録とクトゥルフ神話技能に成功で人形に蓄積されたPOWを受け取ることは可能。どれくらい蓄積されているかはKP裁量に任せるが、最低でも3桁、多くて4桁くらいのPOWは持っていると考えられる。
元のAFは古の者の「パラジウムの箱」(キパコン参照)

原作者より

今回は、簡単にできるシンプルなシナリオということを軸に作らせていただきました。
本来は以前開催した勉強会卓用に作ったシナリオなのですが、知人にたくさん回していただけて、好評のようなので公開しようと踏み切りました。


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