●月×日
今日から日記をつけることになったがなんと書き出していいかわからない
今私は病院にいる
しかしその理由がわからない
分からないというのはどこか少しおかしい気がする
私は私についての記憶がない
だからこの病院にいる
だからどうして今病院にいることになったかわからない
記憶喪失と言っても普段の常識などはわかるし文字もわかる
しかし自分に関することとなると全く覚えていない
取り合えず私の名前はレベッカ・クラウスというらしい
取り合えず分かったことやこれからのことを忘れないよう書き留めていく
●月◇日
私の来歴を分かっているだけ話してもらうことができた
どうやら私には前科があるらしい
それは見た目を利用してつられた男から財布をすったりするようなものであった
そんな考えに至るのもわかるかもしれない
病室から出て歩けばほかの患者や見舞客などからじろじろと見られ
病室にいても医者予感越しでさえも鼻の下を伸ばして来る
こんな環境で生きてきていたのなら男を信頼でできず盗みの対象に考えてしまうだろう
このことについても記憶が戻る中自分を見直そうと思う
●月△日
今日は私が病院に入る前一緒にいたという数人組の男女が見舞いに来た
彼らは私に私が記憶を失うこととなった原因である事件について話した
彼らの話はとても信じることができないような荒唐無稽な話だった
しかしこれが真実であると確信しているような話しぶりだった
そしてどこか私の記憶に引っかかることがあった
しかしこんな恐ろしい体験をしたのなら記憶がなくなるのも無理もないと思う
以上とある記憶喪失の患者に日記から抜粋