儀式場への侵入経路は4つある。うち二つは廊下側の扉だが、つっかえ棒とのSTR対抗に勝利する必要がある。
そして他の一つは、映写室の接続扉から侵入するというもの。ここにはつっかえ棒はない。
もう一つは、ベランダから侵入するというもの。この第1教室だけは、何故かシャッターが降りていないので窓を壊せば侵入可能だ。
またベランダからの場合は、カーテンの隙間から儀式場を目星することもできる。-50の暗闇ペナルティを耐えて成功した場合、突入時と同じ描写をした後SANCを行う。
突入した場合、忌まわしい烙印が床全体に刻まれている。並野および多摩が捕まっている場合は、気絶状態で寝かされている。西条は儀式場の中央でニタニタと微笑んでいる。その眼にはもはや狂気以外何の色も映っていない。儀式場を目撃した者は1/1d6のSANC
描写例
・・・教室の隅に、押しのけられた机と椅子の山
ぐるりと教室全体を取り巻く、謎の真っ黒な障壁
それはぐちょりぐちょりと嫌な音をたてながら
ゆっくりと流動している。
床には、見慣れたあのマークが抉られるようにして描かれ
その隙間には、びっしりと
細かい形象文字のようなものも見られる
あなた達は、ふと自分の身体に刻まれた印を確認する
特に、冒涜的にも見えなかったあの印が
今は、どうしようもなく
嫌悪に塗れて見えるだろう
そして、その中央には
項垂れ、口角を吊り上げて気味悪く微笑んでいる
西条和久の姿があった
異常な儀式場の目撃
全員、SANC(1/1d6)どうぞ
西条が多摩を確保している場合、彼は早速「呪い」を使って落とし子を顕現させる。そして儀式に協力してもらうのだ。
また儀式場に多摩が現れた場合、西条は攻撃することなく「呪い」を使う。しかし彼の声帯が既に死んでいるので、蚊のなくような声でしか喋れない。これを多摩が聞き耳に成功して聞き取ってしまった場合、やはり落とし子が顕現する。
落とし子は儀式場で顕現した場合、多摩の体を1d6の触手によって縛り、その精神を乗っ取って操り人形とする。
そして3d6R後に儀式が完了する旨を、PL情報として伝えて良い。
探索者が3d6R経過する前に多摩の体から触手を全て引き剥がさなければ、シアエガが招来されてしまうのだ。
多摩が儀式場にいない場合、西条は普通に襲い掛かってくる。まず西条が勝つようなことはないだろうが、西条が戦闘に勝利した場合、彼は再び多摩を探しに他の部屋を探し始める。今度は他の探索者がいようとお構いなしの行動をするであろう。
シアエガのステータスや弱点は後述。光を浴びせると嫌がる(判定が半減)&古き印の護符といった設定の存在を忘れないよう気を付けよう。可能なら戦闘中にこれらの情報を適切な判定と共に探索者に暗示できるとよい。
西条を倒すor落とし子が顕現している場合は、多摩からすべての触手を引き剥がした段階で戦闘が終了する。他に結末があるとすれば、それはシアエガ招来であろう。
西条を倒した場合
直接殺してしまった場合は、その者および罪の責任を感じる探索者は1/1d3のSANC。西条の所持物は鉄パイプとマスターキーのみ。マスターキーを使えば、鍵が紛失している応接室にも入れるだろう。
少女から触手を全て引き剥がした場合
儀式完了前にすべての触手を引き剥がせば、落とし子は憤慨した様子で西条の身体を触手で巻き取ってバキバキとボールのように団子状に押しつぶしてしまう。この時までにマスターキーを入手できていないと、応接室に入る方法は失われてしまう。これを目撃した者は1/1d4のSANC
その後、1d8分ほどの間、落とし子はひたすら西条の身体を押しつぶして弄んでいる。探索者はその間に何とか逃げおおせなくてはならない。それまでにまだ落とし子の手の届く範囲に留まっていた場合、攻撃対象になってしまうだろう。
シアエガが招来された場合※キパコンにある正規の召喚法「待てる暗黒の解放」とは大きく異なります。
5d6を振る。
多摩はその値分のMPを失う。超過分はSANを消費する。
そして、周囲にいる多摩以外の人間一名をランダムに選択し、その者に18d6のダメージを与える。その対象は"生贄"として捧げられ、その場で木端微塵になって絶命する。これによるSANCは1/1d4
そしてシアエガが召喚される。2d6のダメージを受けた上でまだ意識のある者はシアエガ目撃によるSANCを行う(1d10/1d100)
招来描写例
少女の舞いが止まる
同時に、あなた達の周囲を囲んでいたすべての物が
音速を超えて
消滅した。
教室の天井が、床が、いや、この建物すべてが、
そこに存在していたすべての物が、何か圧倒的なものに存在を押しのけられ、弾き飛ぶ
その場にいた探索者各位は、2d6の回避不能ダメージをどうぞ。
まだ意識のある者
自ずと、上を見上げる
星ひとつない、真っ黒な夜空がそこにあった。
否、違うと気づく。
雲ひとつないのに真っ暗な夜空など、あるはずがない。
視界の全てを覆い尽くす、黒い闇が、暗黒が、あなたの頭上に存在するのだ。
.
...
.....
.......
...見えたのは、赤い光
あなたを見下す、真っ赤な瞳
夜空を覆い隠すその肢体は、暗闇で世界を染め上げながら、とどまることなく形を変えていく
理解してはいけない、本能が警鐘を鳴らす
...
シアエガ、召喚成功
目撃者は1d10/1d100のSANC
シアエガ/ステータス例
STR80 CON120 SIZ200 INT20 POW35 DEX14 移動 飛行 25 耐久160 dbなし
触肢:100% ダメージ8d6
※攻撃時、1d10本の触肢を伸ばしてくる。触肢の本数まで攻撃可能。
ヴァク=ヴィラ呪文を苦手とするが、これを逆に唱えると解放の呪文となる。
今回はシアエガの落とし子の末裔たる多摩とその落とし子により、一時的に解放された。
だが儀式の手順は不完全であり、召喚されたシアエガは基本的にそのあたりをふわふわと漂っているだけである。
加えてシアエガは強い光に弱い。日の出を待てばシアエガは勝手に地底深くまで退散する。
これらのことは国により隠蔽され、闇に葬られることだろう。
このルートでまず生還できる者はそうそう居ないと思われるが、道がないわけではない。
それは、ひたすら逃げることだ。
シアエガは召喚後しばらくはその場に留まり、死亡した探索者の死体だとか机や椅子や映写機などを興味のあるものから手当たり次第に触手で取って握りつぶして遊んでいる。そのためひたすら逃げていれば、シアエガの直接の歯牙にかけられることはない。
逃げていれば、いずれ朝がくる。探索者が幸運に成功すれば、シアエガの興味の対象となる前に朝日が昇るだろう。朝日を受けると、シアエガはするすると地面へと戻っていく。しかし封印は解かれてしまった。またこの地は、暗黒の支配する名状し難い場所へと戻ってしまったのだ。