探索者と月城、アガイロ教団本拠地を後にする。
本拠地内部は既に無人であり、地上組が目にしたケースに入った遺物なども既に無い。
探索者達が望むのであれば、このタイミングで買物などをさせてもよい。
どうせ人気のない山中に行くことになるので、KPがいいと思うのであれば武器の携帯も許して良い。
インスマ山に到着。登山道を登っていく。
道中で月城の髪の毛を一本ずつ、お守りとして探索者たちに渡しておくこと。この髪の毛は後で使う。
【聞き耳】
何かの匂いを感じる。3日目前半で教団本拠地地上部に入ったPCは、教会で嗅いだものと同じにおいだと感じる。
【聞き耳S・C】または追加【薬学】【オカルト】
幻惑作用のある薬草の匂いだと理解できる。
成功者は登山道の脇に、平坦な丘、そしてそこに開いた洞窟の入口に気づく。
薬草の幻惑作用で、追加技能に成功しない限り気づくことは出来ない。
誰も成功しなかった場合は、月城が気づき、『そこに何かがある』と探索者たちに理解させたことで、
幻惑の呪縛から逃れられたということにしておく。
探索者達、洞窟の存在に気づく。
洞窟の手前で待ち構えている改造ナイトゴーント=矢切に気づく。
矢切、月城を山に生えている大木に叩きつけるようにしながら突撃。
月城、攻撃を受けつつ、探索者たちに先に行くよう叫ぶ。
それでも探索者達が寄ってくるようなら、矢切の電撃を探索者達の足元あたりに撃って近づかないようにしておく。
探索者達、洞窟を進む。
洞窟内部は奇怪な色をした炎が照らしており、明かりには困らない。
内部は下り通路になっており、左右の壁には壁画のようなものが描かれている。
【歴史】【芸術(任意)】【知識の半分】
壁画の内容がわかる。
スサノオノミコトが十握剣と計略を用いて、ヤマタノオロチを殺したという内容だが、後半部が違う。
切り落とされたヤマタノオロチの8つの首が、日本各所に飛び、卵に変化した。
その卵から放たれる瘴気の影響で死者が骨だけになって甦り、卵を守る万人になった。
という内容が描かれている。
しばらく下った所で、探索者達はドームのような場所にたどり着く。
内部はかなり広く、天井部には明かりが届かない。ローマのコロッセオを彷彿とさせる巨大さ。
ドームの中央部には、巨大(高さが探索者達の背丈の倍程度)な白い楕円形の卵と、
探索者たちに背を向けて卵に祈りを捧げるケンマの姿。
探索者達とケンマが一通り会話する、あるいは投擲などでケンマに喧嘩を売りに行ったら。
ケンマは変異開始。
頭部は『先祖返りした蛇人間』のものだが、それ以外の部分は複数の神話生物のパーツで構成されている。
神話生物のものであれば何でも良いが、この後のシーンのため、飛行できる程度の羽根はつけておくこと。
【神話技能】の数式は(1+ケンマに組み込まれている神話生物パーツの数)B100<=(神話技能数値)で計算する事。
成功した場合、ケンマの正体である先祖返りした蛇人間と、組み込まれた神話生物が何か理解できる。
向かい合うケンマ変異体と探索者達。絶望的な光景を煽りまくること。
投擲や弓、銃火器などで攻撃してきた場合は、あえて受けて、ノーダメージだというところを見せること。
ケンマ変異体が探索者たちに襲いかかる直前、謎の影がその間に割って入り、ケンマと共に天井部の暗闇に消えていく。
【DEX×5】
一瞬の間に何が起きたかを、成功した探索者は理解できる。
ケンマ変異体が探索者達に襲いかかろうとした瞬間、洞窟の入口側からやってきた、
翼のある何か(=月城と融合し正気を取り戻した矢切ナイトゴーント体)が凄まじい速度で現れ、
ケンマ変異体を上方向に殴り飛ばすなどして、自分と共に天井部に戦場を移したことが分かる。
角と羽根っぽいモノがあって、更に鎧のような見た目になっている画像があればよりよい。
なければナイトゴーントそのまま、あるいはカラーリングのみ変えたものとかでもいいかもしれない。
月城と融合したんだろうな、ということが察せられるのであればなお良い。
ケンマ変異体と矢切融合体が天井の暗闇に消えると、天井方向からは巨大な物同士がぶつかり合うような音と、
羽ばたきの音が聞こえてくる。
【聞き耳】
目の前の卵の殻にヒビが入る音が聞こえる。
【目星】
目の前の卵の殻にヒビが入る様子が見える。
探索者たちに身構えさせた所で、卵から巨大な蛇が生まれる。
頭は一つだが、サイズはどうやってあの卵に詰まっていたのかわからない程の巨体。
【神話技能】、洞窟道中にあった壁画に技能成功していれば、【歴史】【オカルト】【知識の半分】
成功でこれが『ヤマタノオロチの断片、しかもその幼体』である事が分かる。
目覚めたばかりで腹が減っているだろうことも。
SANC 1d4+1/1d8+1
ヤマタノオロチ断片・幼体 参考キャラシート
STR:32 SIZ:30 CON:20 ダメージボーナス:3d6
DEX:DEXが一番低い探索者数値-1
耐久力25 装甲:0〜5程度(KP判断)
攻撃【尾による殴打】50% 1d10+DB(3d6)
探索者達と睨み合うオロチ幼体。
探索者達の左手に刻まれた生け贄の印章が妖しく輝く。
この場までたどり着いて、探索者達が戦う意志を捨てていない場合、
または、探索者の内1名以上が一時的狂気に陥った場合、イベント発生。
月城が託した髪の毛が探索者達がそれぞれ持つ戦闘技能に適した武器に変化する。
例:【日本刀】なら金色に輝く刀身を持った刀に、【キック+MA】なら、脚を覆う紅い鎧に……といった具合に。
強化内容はKPの匙加減でいいが、オロチ幼体の装甲数値を鑑み、勝算があるような数値にする。
発狂したものには月城が精神分析を成功した扱いにし、発狂を強制解除。
そして、探索者達の体の周囲を、光り輝く2つの球体が浮遊する。
発狂状態から回復した者は、球体が1つだけ。
これはオロチから攻撃を食らった際、受けたダメージを2回(1回)肩代わりしてくれるものだと、PLにぶっちゃけてよい。
準備ができた所で、戦闘開始。
勝利。
倒れ伏したオロチの遺体に、細切れになったケンマ変異体の死体が降ってくる。
矢切融合体、探索者達の前に着地。
ある程度会話する。ここに至った事情説明など。
「探索者達が月城に手帳を見せておいてくれたお陰で血清の解毒が間に合った」的な事を伝えておく。
月城は矢切と融合している状態なので、会話させなくともよいし、させてもよい。
ある程度会話した所で、探索者たちに【目星】か【聞き耳】を振らせる。
洞窟の破片が落ちてきていたり、壁にヒビの入る音が聞こえてくるなど、
徐々に洞窟が崩れ落ちようとしていることに気づかせ、脱出を促す。
探索者達が脱出を始めたあたりで、ケンマの肉体を取り込んだオロチ幼体が復活。
矢切融合体は探索者達を逃がし、敵にとどめを刺すため、オロチ幼体に立ち向かっていく。
探索者達、洞窟から脱出。洞窟は地響きを立てながら崩落する。そこに矢切達の姿は無い。
シナリオ終了
報酬案
全員生き延びた 1d6
ヤマタノオロチ幼体戦に参戦した 2d10+3
月城に矢切の手帳を見せた 1d5
後日談
矢切、並びに月城は、あの崩落を生き延びている。
望むなら新聞記事などで、矢切融合体に似た何かが目撃されたという体で、生存を匂わせておいても良い。
キャンペーン化する場合、矢切と月城は別シナリオ『氷原に吠える鉄塊』『Scarlet Dawn』『Savior in the Dark』にも登場するので、
倫理的にまずい行為などは目撃されないほうがいいと思われる。