貴女は『魔法少女』である、選ばれた少女であり、世界を救う英雄であり、物語の主人公である。
日々、魔法のアイテムを握りしめて走り回り、各地に出没する『魔物』の退治を頼もしい仲間たちと共にしていた。
――――――――――――――そう、思っていた。
魔法のステッキは血濡れた肉片に塗れた自らの身体から生える武器だった。
仲間を助けるための魔法は歪な機械。
可愛い衣装はぼろきれに変わり、美しい少女は歪な怪物に代わる。
貴女にかかっていた魔法は解け、否応がなく現実を叩きつけられる。
貴女は既に死んでいて、世界は既に死んでいる。
理解をする暇もなく、貴女の後ろには『魔法少女』が迫り寄ってくる。
貴女の同士、貴女の友人、貴女の仲間・・・。
そう思っていた魔法少女と己を名乗る怪物の姿が。