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神秘!チベット密教入門

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前書き


  本書は、少々、毛並みの変わったチベット密教の入門書である。大きく2つの目的を持って編まれている。ひとつは、チベット密教の神秘的な領域を徹底的に紹介すること。もうひとつは、独習では不可能とされている密教を独習で学べるようにすること。この2つを日本で初めて試みたのである。

  チベット密教の世界は、とても神秘的である。だがその神秘性が、実は、密教よりはるかに古い土着の宗教・苯教(ボン、ポンあるいはポェン)に由来していることを知っている人は、どれほどいるだろうか?
  20世紀初頭の著名な女流チベット学者、アレクサンドラ・デビッド・ニールは、その著『Magic and Mystery in Tibet』のなかで「空を翔ぶラマ」「死者に命を吹き込み動かすラマ」「化身(分身)を出現させるラマ」「自らの姿を消滅させるラマ」といったミステリアスな話をいくつも紹介しているが、実はこうしたものの多くが、今なお、チベットでは日常的に目撃できるのだ。
  ニール女史によれば、これらの多くは密教といいながら、実は土着の苯教に起源を持つという。その実態を、現地の資料を取り混ぜながら紹介したのが本書なのだ。日本で初めて、謎の宗教・苯教について、その実態を詳しく紹介した本といえる。今まで、チベット密教との関係を指摘されながら、ほとんど書かれることのなかったこの謎の宗教の詳細が、本書を読めば手に取るようにわかるのだ。
  とはいえ、対象が対象だけに、堅苦しい専門家向きの話など数えるほどしかない。怪奇夢幻玄妙不可思議なチベットのミステリアスな実話(フィクションではない!)が次々に登場する。実話とはいえ話がおもしろいので、小説好きの人が読んでも楽しい。一種の幻想文学としても勧めたいくらいだ。

  もうひとつ、本書を特徴づけているのが、チベット密教の独習化を試みた点だろう。日本で初めての試みなのである。こう書くといかにも簡単そうだが、これは密教にとって驚天動地のことなのだ。というのは、密教の行は、元々そういうことが不可能なように組まれているからである。
  本書は、これにあえて挑戦してみたのである。どうしてそんなことが可能になったかは、第4章をご覧いただきたい。詳しいいきさつが書かれている。
  はっきりいって現代では、これはぜひ必要なことだ。というのは、今の時代、ごく普通の人にとって、チベット密教のいい師匠を見つけるということは至難の業だからだ。一生をかけて捜す……などといっていたら、チベット密教をマスターする前にこの世とおさらばということになりかねない。
  とはいえ門外漢(中国仙道が専門)の私が、勝手にその方法を考案したのでは独善以外のなにものでもない。ところが、うまいことに、チベット密教の師匠たちのなかにもこうした考え方をする人々が出現していて、すでに個々の行については様々な独習テクニックを公開してくれている。私は、それをただ素直に利用させてもらっただけなのである。

  もちろん密教には、伝統的な行体系というものがあるから、勝手に変えたりしたら、所定の効果は出せない。いや、それどころか、悪い結果さえ生むだろう。
  それゆえ私は、伝統的な体系はそのままにしておき、ただ、煩雑でどうしようもない行だけを、シンプルで効果の大きい行(開明的な師匠たちが伝授した行)に置き換えてみたのだ。その選択基準は次のとおりである。
 *初歩の人に向くこと――本書は密教を全く知らない人を対象にしている訳だから、これが一番のポイントになる。
 *独習できること――本を読んで独習したいという人が多いと思うので、それを可能にしてくれる行を選んだ。
 *行がシンプルなこと――先生がいない以上、量が多く複雑なものはダメなので、シンプルな体系の行を、それも最低限、必要な分だけ選んだ。
 *効果があること――シンプルで数の少ない行であっても、基礎として役立たないものでは意味がないので、特に効果が高いと評判のテクニックを選んだ。
 *チベット密教的な神秘的な雰囲気を持つこと――あれもこれもといささか贅沢だが、これは重要なことで、いくらシンプルで効果があるといっても、密教的な雰囲気が全く失われているものはいただけない。それなら気功法とか仙道をやったほうがいいからだ。

  以上のような基準によってまとめられたのが、本書のトレーニングである。もちろん、これはあくまでもひとつの試みだ。これが最高……などというつもりはない。しかし、チベット密教をまったく知らない初歩の人、あるいは独習しか選択肢のない人にとっては、このうえない行の入門書になる、と私は確信している。
  初歩の人のほか、今まで伝統的な密教(日本のものでもチベット密教でもよい)をやって、あの膨大さや煩雑さに耐えきれなくなって行を投げた人も、ぜひ本書を手に取って戴きたい。行の構成のシンプルさにびっくりされるはずだ。だが、やっていくと、わずかこれだけでチベット密教の初歩が完全にマスターできるということに、再度、驚くはめになる。まさに行とは、量ではなく質だということを教えてくれるのが本書なのである。

  それと本書は、別著『秘伝!チベット密教奥義』でも予告したように、同書の入門編として書いたものだ。『奥義』を読まれて行が難しいと感じた方は、ぜひ本書もご覧いただきたい。上級者向けに書かれた『奥義』では、書ききれなかった入門段階のテクニックがすべて書かれている。両書を併せて読めば、チベット密教の行を完全に理解することができるはずである。
  とにかく本書は、内容の面でも行の面でも、今までにないユニークな本なので、ぜひ、ひとりでも多くの読者に読んで戴きたい。心からそう願っている。

目次


第1章 チベット密教を包み込む神秘的空間
  • 人々に運命を告げる林芝の不思議な湖
  • チベット解放を教えた湖上に浮かぶ立体画像
  • ダライ・ラマの寿命を予言する恐怖の吉祥天女像
  • 大昭寺にまつわる唐の文成公主の風水奇譚
  • 死とともに肉体を消滅させる謎めいた聖者たち
  • チベット密教のニンマ派、サチャ派の特徴
  • チベット密教のガージュ派、ギル派の特徴

第2章 現代チベットに生き続ける苯教の魔術世界
  • 火や熱をコントロールする苯教の魔術師
  • 死者に命を吹き込むチベットの呪術師
  • ガージュ派の聖者ミラレパも苯教魔術を使っていた!
  • 祟りをもたらす恐ろしい苯教の神々たち
  • 好きなところに雹を降らせて畑を壊滅させる降雹ラマの怪
  • 主人のために財を奪い取ってくるユニークな神・家神
  • 人の肩の上には生命を司る神・陽神が光として見える!
  • 呪術を駆使するケサール王の物語と戦神

第3章 謎のセクト・苯教の秘められた教義を明かす!
  • 苯教はどのように変化してきたのか?
  • 苯教は天から下ってきた王によって伝えられた!
  • 宇宙卵より生まれた光明と暗黒と神
  • 謎の苯教始祖シェン・ラプ・ミポ・チェ
  • 仏典を苯典にしてしまった翻訳苯の人々

第4章 どのようにしてチベット密教を学んだらいいのか
  • チベット密教の体系
      • 作密/修密/瑜伽密/無上瑜伽密
  • チベット密教の行では性的イメージと気脈を利用する
  • チベット密教の行法
      • 三密修法/灌頂法/本尊法/護摩法/曼荼羅法/護身法/結界法/坐法/呼吸法/加行
  • 密教の行は膨大なトレーニングを要求する?
      • 毘盧七支坐/晨起修持法/転心四法/五加行/本尊法/四種基本気功/拙火定初歩
  • 密教は師匠なしでは学べない?
  • 方法さえ選べばチベット密教も独習可能である
  • 現代人向きのシンプルな密教次第ができた!

第5章 初歩の人のための実践チベット密教入門
  • 印によって宇宙パワーをコントロールする身密法
      • 手印は宇宙に通じるアンテナの役割を果たす
  • 本尊を自分で選べる自選本尊法テクニック
  • 座るだけて身密のパワーが発揮できる七支坐法
      • 結跏趺坐/手結印/背肩直/頭微俯圧喉/舌触上顎両眼微開
  • 坐法のパワーの源泉となる内面的テクニック
      • 語寂/意寂
  • 真言・陀羅尼の口密法による超常的パワーの発現
  • 誤った口密のパワーは怪異現象を引き起こす
  • 精気神を表現した三字の口密トレーニング
      • 「吽」音のテクニック/「哈」音のテクニック/「黒」音のテクニック
  • 観世音菩薩咒には正音と変音の発声テクニックがある
      • 六字真言正音(順音)のテクニック/六字真言変音(逆音)のテクニック

第6章 チベット密教のより高い段階へ進むための行
  • イメージにより本尊仏と一体化する意密法のテクニック
      • 観想トレーニングのコツ/基礎練習1・hum字観想/基礎練習2・本尊法(共通本尊法)
  • イメージはリアルでなくてはならない
      • 基礎練習3・自然を使った観想法(曼荼羅観想現実風景応用法)
  • 観世音心咒を使った西蔵黒教の観想テクニック
      • 西蔵黒教六段錦/体内に六字真言とその光を観想するテクニック
  • 太陽の光エネルギーを取り入れる気脈開発テクニック
  • 肉体と外界をイメージで行き来するテクニック
      • 攤屍法/気離人体法

あとがき



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