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仙道魔術遁甲の法

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前書き


  仙人についてはよく知られているが、その術の世界については、今まで文学以外では取り上げられたことはない。理由は簡単。仙人の術があまりに奇怪で謎めいているからだ。
  私は、こうした奇怪な術を使う仙人たちの修行法、つまり仙道を、ひょんなことから始めた。でも、初めは、彼らのような世界には、全く無縁の人間だった。なぜかというと、普通の仙道では、肉体と精神の鍛錬はしても、先に述べたような奇怪な術のテクニックまでは示されていないからだ。
  ところが、仙道を果てしなくやっているうちに、いつの間にか、文学でしか取り上げられなかった彼らの世界に入り込んでしまった。
  たとえば、出神の術とか隠形の術、あるいは気象制御といったことが、いつの頃からか、出来るようになってしまったのである。まさに身をもって、仙人の術を体験してしまったのだ。

  仙人の術に入るためには、いくつかのアプローチがある。
  いちばんすっきりして簡単なのは、標準的な仙道から入る方法だ。
  具体的にいうと、内功(意識と呼吸の集中法)や外功(気功法)のテクニックで、気をどこまでも強化、コントロールする。熱心に倦むことなくやっていくと、いつの間にか仙人の不思議な術が使えるようになる。
  この方法の場合、次に述べる符咒によるアプローチのように、道具を使ったりさまざまな呪文・儀式作法を覚えたりといったことが、全く不要だ。非常にシンプルでオーソドックスな方法を用いるだけで、仙人の不思議な世界に入れるのである。ただし、仙道を深く深くトレーニングする必要がある。生半可では、まず、何もできない。
  参考までにいえば、私はここから入った。つまり、自然な感じで、常識的な仙道の延長として仙人の術まで到達したのである。

  これと反対の極にあるのが、符咒、つまり中国魔術から入る方法だ。 符咒は魔術というだけあって、仙道の方法に比べ、使用するパワーや労力が非常に少なくてすむ。そのため、極端にいえば、ほとんど素人同然の人でも、始めたとたんにかなりのことが出来るようになる。
  そのかわり、別の面で大変な労力が要求される。たとえば、トレーニングに使う用具の作成、護符の書き方、呪文の唱え方、さらには儀式の遂行法など、様々なことに気を使わないといけないのだ。
  私は人に教えたこともあったので、符咒の方法もかなり使ったが、いやはや、その手間たるや大変だった。何しろいい加減にやると、効果がないどころか、逆にとんでもない現象に見舞われるのである。ありていにいえば、金とひま、師匠に恵まれている人にしか、薦められない方法なのである。
  ただし、私にいわせれば、今、説明したどちらも、独習を前提とした初歩の人には向かない。仙道の内功、外功による方法から入ったら、たぶんマスターするまでに何年、いやヘタをすると一生かかってしまうだろうし、符咒の方法では、金と師匠なしでは、まず成功などはおぼつかないからだ。
  私が薦めたいのは、第3の方法だ。仙道のイメージ法に、パワーを発する物体を組み合わせるのである。

  イメージ法というのは、色を使った瞑想を指す。といっても、でたらめな色を使うのではない。現実の自然界のエネルギーに対応する色を使うのである。
  パワーの物体とは、神秘図形、大地の特異点などのように、強いパワーを発しているもののことだ。
  この第3の方法を称して、遁甲瞑想による仙道魔術のトレーニング法という。短くいうと仙道魔術だ。
  そして、これを行うには、私が考案した遁甲瞑想盤や各種の色彩盤を使う。なかでも重要なのは遁甲瞑想盤だ。瞑想盤には、仙人の様々な術のやり方が、密教の曼荼羅、西洋魔術の生命の樹のように書き込まれている。さらにトレーニングに必要な強力なパワーも、瞑想盤から出ている。
  遁甲瞑想盤を使えば、符咒よりは時間がかかるものの、仙道だけの方法に比べれば少ない時間で、仙人たちが駆使した術が使えるようになる。
  もちろん、完全なものにするには相当な時間がかかるが、これで自信をつけながらトレーニングしていくと、仙人の術がマスターできるのだ。

  さて、この仙道魔術は、だいたい次のような構成になっている。
   ・護身・結界法
   ・神飛ばしの術
   ・異空間作成法と時空コントロール術
   ・天地のエネルギーコントロール法
  このうち、護身・結界法は、術者に悪影響を与えるパワーとか、邪悪なエネルギーを阻止するための術のトレーニング法だ。
  神飛ばしの術は、自分を助けて様々なことをしてくれる神、つまり、ある種の人格的パワーを作り出すトレーニングである。日本でいう式神の術と考えてよい。
  異空間作成法は、瞑想や魔術を行うための力の場、あるいは、トレーニングの場を作るための方法だ。これに習熟すると、空間や時間を自由にコントロールできるため、様々な仙人の術が使えるようになる。
  天地のエネルギーコントロール法とは、気象制御や大地のパワーのコントロール法を指す。これができると、雲を切ったり、風を自由に吹かせたり、あるいは大地を振動させたりといった、信じがたいことが出来るようになる。
  以上のような様々な術を習得させること、それが本書の目的なのである。

  なお、各章の構成は、まず、いにしえの仙人たちの不思議な術の話を紹介し、ついで、私自身が編み出した術のトレーニング法、使用法、さらには私たちの体験談といった順序になっている。仙道魔術の不思議な世界についての知識を得つつ、実際にトレーニングできる構成になっているのである。
  ただし、非常に高度な術は、やり方を書いてもまずできないので、話、ないしは体験を中心に書いていくことにする。そういうものに関しては、将来、力がついたとき、本書のテクニックをヒントにして、自分で工夫して修行してほしい。
  では、実際に本書を手にとって、仙人たちの不思議な世界にチャレンジして戴きたい。

目次


第1章 敵を切り裂くイメージの武器と命令のままに動く色彩の精霊の術
    • イメージの武器を自在に操る剣仙の不思議
    • 護身法として役立つ八門の武器の瞑想テクニック
      • 仙道魔術の剣仙の術は護身・結界用として使う/武器のパワーの実際例
    • 術者の命のままに働く神将たち
    • うら若き乙女たちを惑わせた謎の符咒使い老人
    • 十二神を使った基礎的魔術トレーニング
      • 十二神のイメージ法/十二神の外貌と服装/十二神の色彩イメージ法/十二神の呼び出し法
    • 十二神を駆使するための高級テクニック
      • 十二神を飛ばして相手をコントロールする/十二神を自分の中に入れ相手を従わせる
    • 十二神のパワーを日常生活で駆使する応用テクニック
      • お金を引き寄せるには青龍と朱雀を使え/健康になりたければ太陰と白虎を使え/異性運をつけたいなら天后・貴人を使え
    • 能力を最大限に開発する十二神の現実的応用法
      • 頭脳の明晰さをもたらす朱雀のテクニック/頭をよくする朱雀の輝く赤い球の魔術/趣味の才、芸能的才能などを向上させる貴人のパワー/スポーツ能力を向上させるなら勾陳と白虎/人間関係を操作する十二神のビジネス交渉術/今の職業で成功するための十二神利用法

第2章 謎の空間に姿を消し去り知られざる世界を行き来する仙人の術
    • 隠形の術と入異境の術
    • 仙道を究めないと入れない大岩の向こうの異世界
    • 八門遁甲の瞑想イメージをつかむ
      • 遁甲には術遁甲と法遁甲の2つがある/八門のイメージ
    • 隠形遁甲の基礎的なパワーが身に付く八門の瞑想テクニック
      • 字体イメージの固定化/リラックスと静かな瞑想に向く休門のトレーニング/仙道の基礎的パワーをつけ超エネルギーを発生させる生門のトレーニング/神秘的パワー、呪術的パワーがつく開門のトレーニング/現実の世界で使う能力やパワーを磨く景門のトレーニング
    • 奥深い能力やパワーが身につく八門の瞑想
      • 戦闘的呪術パワーが養成できる傷門のトレーニング/形態、概念を超えたパワーや世界を理解できる杜門のトレーニング/生死の本質がわかる死門のトレーニング/潜在意識の中にある得体の知れない恐れの領域が理解できる驚門のトレーニング
    • 体が消えてなくなる八門の瞑想空間
    • 2人の自分が出現する出神の術
    • 仙道が示す陽神と陰神の大きな違い
    • 八門のパワー空間が生みだす出神の現象

第3章 力の場を生みだして空中浮遊を出現させる九星の術
    • この世界を支配する見えざる色のパワー
      • 九星は色と関係が深い/時間と空間をコントロールする宇宙流瞑想と生命循環瞑想
    • 九星に似通った神秘的なエネルギー
      • 九星に似ている西洋魔術の「タットワの潮」/ドイツのライヘンバッハが唱えた謎のエネルギー「オド」
    • 空間のエネルギー流がつかめる宇宙流瞑想のトレーニング
      • 遁甲九星瞑想における九星の色イメージ/宇宙流瞑想の感覚(触覚)イメージ/宇宙流瞑想の基本トレーニング
    • 生命循環瞑想で過去や未来を旅することができる
      • 生命循環瞑想の情景イメージ/時空の時間軸を行き来するトレーニング/応用トレーニングの目標/九星瞑想の統合的トレーニング
    • 仙人たちの浮遊の術・飛行の術のありさま
    • 龍による飛行は高度なテクノロジーの可能性もある
    • ヨーガの空中浮遊は気功法でもできる
    • 空中浮遊は仙道魔術の空間が生みだすのか?
    • 仙道魔術による空中浮遊(フローティング)のテクニック

第4章 仙道魔術が引き起こす物理的怪異現象の超常世界
    • 気候と仙道のパワーには不思議な一致がある
      • 仙道のパワーと天候の不思議な因果関係
    • 気の念動実験からあらゆるものの制御のコツをつかむ
    • 箱根の山での雲切り実験で雲が消滅した!
    • 仙道魔術のパワーでテレビ塔が動いた?
    • 火のないところに熱や炎を出現させる火のイメージ法
    • 気のパワーで天安門事件の情景を引っ張った?
    • 仙道魔術のオカルティックな怪現象

あとがき
付図:十二神色彩盤、八門色彩盤、九星色彩盤、遁甲瞑想盤

後書き


  様々な仙人たちの不思議な術と、それをトレーニングするために私が考え出した仙道魔術のテクニックを書いてきた。
  思えば、いにしえの仙人たちの術も奇怪だが、私たちが体験した出来事も、それに輪をかけて奇怪だった。おそらく普通の人が普通に生きていては、絶対に出会わないことばかりだろう。

  さて、こういう分野に対する、体系的テクニックの紹介はあまりないようだ。バラバラなものとしてはまま見受けられるが、体系として持っているのは、西洋魔術や密教を除けば、数えるほどである。
  それらも、正直いって煩雑で難しい。もちろん、私の体系とてゴタゴタ書き出すと、大して変わりなくなる。実際、中国の魔術・符咒では、うんざりするほどの符の書き方、呪文の唱え方、さらには、儀式の作法などがあって、覚えるだけでも四苦八苦する。
  でも私が仙道をやった経験からいうと、こんなにゴタゴタしたものは不要なのである。気のパワーと意識の集中法さえあれば、どんな術もそれほど苦労せずに出来てしまうようなのだ。
  いずれにしろ、パワーの利用法については、すでに本文で様々な角度から説明している。しかし、紹介の仕方がバラバラだったため、読者の多くは、まだ完全に理解できていないかもしれない。そこで、最後にパワーのまとめをしておこうと思う。

  まず、第1章で出てきた「剣仙の術」、つまり「護身・結界法」と「召神将の術」は、非常に単純にできている。あなた自身が持っている、気のパワーを利用すればいいからだ。むしろここでは、威力をつけるためのイメージ法のほうが重要なくらいである。
  これに対し、第2章、第3章の様々な術、たとえば「隠形の術」「出神の術」「空中浮遊の術」は自分のパワーだけではまず成功しないだろう。方位が持っているパワーを利用するのである。
  方位のパワーとは何かといわれると、答えるのが難しいのだが、8つの方位、つまり空間が作り出すパワーと理解したらよい。
  第4章に出てきたもののうち、「気候制御」と「大地のパワーコントロール」は、大地のパワーを使ったものだ。中国の占術では「風水」という技法に、より詳細に述べられている。イメージ法のほか、大地から吹き出すこの強力なエネルギーを使うのである。
  「風水」については、本書ではページの関係もあって、まったく取り上げなかった。いずれ機会をみて、そのテクニックを紹介したいと思う。
  パワーの使い方は、自分でいろいろ研究して、よりよく使いこなせるようにしていってもらいたい。

  見ていると、時代はどんどん混迷の度を深めているようだ。今までと違って、先はまったく見えない。人口爆発、環境破壊、世界的な政治と経済の混乱と、人類にとっては破滅的な問題ばかりが目の前にちらついている。主義主張も常識もみんなどこかにいってしまった。
  こんな時代にこそ仙道魔術が必要なのではないか、と私には思えるのである。
  実際、今の時代は、いにしえの仙人たちの生きていた時代に瓜二つのなのだ。彼らは戦乱と世の混迷の中から生まれ、その時代をおのが才覚と術で、渡っていったのである。
  それゆえ、できれば、ひとりでも多くの皆さんが、仙道魔術のテクニックに興味を持ち、自分の行く末を自分自身で切り開いていってほしい。
  たゆまない努力によって、術の奥義を究められんことを心から祈っている。



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