「うきゃぁぁ〜〜!」
水音と共に絹を裂いたような叫びが耳に痛い。
バスルームというのは不必要に声が反響する造りになっている。
部屋の外だとそうでもないのかも知れないが、中にいる人間にとってはそうはいかない。
自分の発した声とはいえ、頭に響いてクラクラする。
きっとタイルなのがいけないんだ。
自分で設計をするときにはひのき風呂にしよう、そうしよう。
というか……
「おいお前ら……何かシャワーから凄ぇ冷たい水しか出ねぇんだけど……」
きっと嫌がらせに違いない。
そう確信を持ちつつ同じ思いを味わわせてやろうと、風呂桶いっぱいに冷水を満たし脱衣室に戻ったがもぬけの空だった。
……ちっ……感づいたのか、それとも予想済みだったのか……
興を削がれたのとはまた違うのだが、また入りなおす気にもなれずさっさとあがることにした。

「なぁ……何で服が消えてるんだ?」
半ば予想はしていたものの、こういう時は当たって欲しくない予想ばかりが当たるものらしい。
きっとまた着せ替え人形にされるのだろう。
全裸で歩き回る趣味は無いので、今の体には少しばかり大きめのサイズとなったバスタオルを羽織るようにして脱衣室を出る。
「あら震えて、お湯の温度が低すぎましたか?」
「……あれのどこがお湯なんだ?」
「お湯の温度が低すぎました?」
「いやだから、風邪を引かせる気かよ」
「お湯の、温度が低すぎました?」
「……冷水だろ?」
「お・ゆ・の、温度が低すぎたんですね?」
「あ〜、うん。ちょっとぬるめだったから、次は少〜しだけ温かくして欲しいな〜……欲しいです」
「はい、分かりました。よくできました♪」
今のを会話と見なすならば、その途中で徐々に変わる口調と目つきで不意に気づいた。
きっと意地を張り続けたら、次はシャレにならない温度の熱湯が出てくるに違いない。
というか頭を撫でないでください。

何その満足げな顔。
その笑顔が怖いです。
「あらあら、こんなに震えちゃって。湯冷めしないように暖めてあげます、人肌で」
「いや、いいから。もう大丈夫だから!」
抱きついたまま器用に服を脱ぎ出すマリアさんを必死に押しとどめる。
勝てる気がしねぇ……



そこで問題だ! この追い込まれた状況でどうやって逃れるか?
3択−一つだけ選びなさい
 答え.魯鵐汽爐痢宗
「H屐
思考の途中でマリアさんが俺の口を人差し指で抑えながら答えた。
「だから他人の考えに割り込んでんじゃねぇよ!」
非常識な奴は好きじゃない。
そんなことを言ったら、こいつら将軍側の人間のうちの半分くらいは嫌わなくちゃいけないことになりそうだが……

「お待たせ。言われたの持って来たぞ」
状況にそぐわない声で入ってきたのはスティ。
どうやら何かを取りに行っていたようだ。
「――裸にバスタオルだけってのもアリなのかも知れないけど、何やってんの?」
柔らかな絨毯の上で半ば絡み合うようになっているようになっている……まぁこれは普通の反応だわな。
「いやですわ、見れば分かるでしょう。間違えて水を浴びちゃったアルちゃんを暖めているところです、人肌で」
当たり前だけど、これは普通じゃない反応な。
ていうか、やっぱ冷水は確信犯か。

そして渡されたのはシンプルな下着セット。
「こういうのってやっぱ将軍の趣味なのか?白無地とかってあいつには似合わないんだけど」
夜伽の相手というくらいだから、もっと扇情的な下着を着せられると思っていたのだが……思いの外すっきりとしたデザインには意外という他無かった。
「嫌ですわ。アルちゃんはどこも穢れていない無垢な体じゃないですか」
確かにまだ誰にも――というか女になってまだ何時間も経っているわけでもないし。
表現として適切かどうかは置いといて、生まれたばかりに近い……そんな感じ?
こんな短時間で汚されたとかそんな状態になったらそれはそれで驚きだ。
「まぁこれから将軍に穢されるんだけどな」
「ぅぐ……」
意図的に考えないようにしていた事実を突きつけられて、繊細な神経が擦り切れそうだ。
心理的に攻めることに慣れたこの感じ……もしかしたら将軍の周りにいる寵姫のうち何割かは同じように騙され女にされた元男なのかも知れない。
さしずめこいつらの役割は、自分は男だという最後の堤防を決壊させることといったところか。
「確かに無駄に華美なものよりはシンプルなほうがいいにはいいんだけど……やっぱりまだ女物の下着っていうのは心理的な抵抗が……」
「下着を着けないと将来体型が崩れますよ?」
「いや別にそんなこと気にしないし――」
どれだけ長いかもしくは短いかは分からないが、どうせ見る人間は自分と将軍くらいのものだ。
形が崩れたところで大して困るわけでもない。
むしろ飽きてくれるかも知れないという期待もある。
「あぁなるほど。一刻も早く将軍に生まれたままの姿を見せたいんだ」
「やっぱり着ます。ぜひ着させて下さい」
一瞬にして前言が撤回される。
男に二言は――とはよく言われたものだが、別に今回に限っては誓いを立てたわけでもない。
将軍のあのねめつける様な視線を思い出すだけで、何かこう……背筋にぞわぞわとした感覚が這い上がってくる。
つくづくあの男のことが嫌いなんだなぁ……
いや、ここで「イヤン♪」とか言って体をくねらせてもそれはそれで痛いけど。



渡された下着を眺めてみる。
いわゆるコルセット。英語で言うとKORUSETTO!
「自分で言うのも何なんだけど……これ意味あるの?さっきのブラジャーでいいんじゃ……」
「アルちゃんのサイズは無かったから、ジェバンニが顔を真っ赤にしながらやってくれました」
……必死だなジェバンニ。
面識は無いけれど、作業している姿を想像してしまうと思わず同情してしまう。
「無意味に見えるけど、あえてその道を進む。そして下着姿なのにシルクのドレスグローブ」
『そのアンバランスさに痺れる!憧れるぅ!』
くだらないことでハモらなくていいから。
ポーズも変だよ。手首とか腰とか。
「心配しなくても、下着も含めて全部シルクですから大丈夫ですよ。これを作っていた時のジェバンニは涙目でした」
いや、心配なんてしてないっす。
というかジェバンニ……気の毒を通り越して不憫だ。



着替え。
うん着替えだ。
着替えというか、下着なんだけどな。
んでそこの2人はいつまでニヨニヨしてんだよ!
他人事だと思って余裕顔で笑いやがって。
「いつまで他人事みたいに見てんだよ。俺はお前らの玩具じゃねぇ」
部屋の隅でにやけながら下着を眺めている姿を見物された。
若干1名は上気させながらハァハァしながらだがそんなことはどうでもいい。
「だってほら、他人だろ?」
「他人なんかじゃありません! ――だからお着替え手伝わせて♪」
どっちがどっちの声なのかは説明する必要は無いだろう。
つまりはそういうことだ。

「これ以上は勘弁してくれ、一応俺男なんだ。国を代表する王族なんだ」
「じゃあ男らしく着替えましょうか」
「だな、あと王族って普通自分で着替えなくね?」
……まってくれ。
少しは時間をくれてもいいじゃないか。
結果が変わらないものだとしても、そこに至るまでの過程はいくつもあるしかかる時間だってまちまちなんだよ。
「下着くらい、さっきも着ていたじゃないですか」
「――思い出させないでくれ。あれは黒歴史だ」

まぁ黒歴史とはいえ、俺がこうすることが国民を守ることにつながるんだ。
自分の人生と国民の安全とを天秤にかけた際、どちらに重きを置くべきなのか……そんなことは考えるまでも無いだろう。
確かに拒否権が無い相手に対しての態度としては不愉快なことこの上ないが、このことで自分の国民が守られているのは事実だ。
俺の残りの人生は、国民を守ることのためだけにある。

でも嫌なものは嫌なんだよ!



そんなこんなでまぁ着替えが終わった。
心情を表すとさっきまでは/(^o^)\だったのに\(^o^)/な感じ。
どこかの予備校の話じゃないぞ、念のため。

男としての最後のプライドはまだ大丈夫だと信じたい。
ヒビが入っていたり軋んでいたりしてもだ。
鏡を見ると、何度見てもやっぱり幼女。
これで腕力とかが以前のままであれば"うわょぅι゙ょつよい"とかになるんだが、世の中そう甘くはないようだ。

上から順にコルセット・パンティ・ガーターベルトでソックスを吊っている。
そして何故か腕には長い手袋。
「見事に白一色だな」
「あん?緑の方がよかったか?」
いやできれば飜がいいな――って違うわ!

色はいいとして、今度のはまぁ多少のフリルはあるものの大人し目のものだった。
「これはシンプルイズベストってやつなのか?ところで何でヒモパンなの?」
何か不安定で落ち着かない。
女物というだけでも変な感じなのに、解けてしまいそうな感じがして尋ねると、マリアさんが胸を張って答えた。
「大丈夫ですよアルちゃん。ズボンだから恥ずかしく――」
「死ね!」
「確かにレースとかフリルは豪奢ですけど、布というのは無地が一番良し悪しが顕著に出るんです。心配しなくてもさっきのとそんなに変わらないお値段ですよ」
そんなもんなのか?
まぁこれでもかってくらい凝ってるのでもそれはそれでウザイだけだしな。
媚びている感じがしなくていいかも……
「何自分に見とれてんだ?」
「心配しなくてもアルちゃんは可愛いですよ?アルちゃん蕩れ〜」
いや、この体格差だと抱きつかれるだけで重いから。
そんなことよりもお前は他人の下着の中に手を入れる癖を直せ。



着替えも終わったということで将軍の待つ部屋へと連行される。
下着姿で来させるなんてKYな奴だ。
――そう、連行。
これから処刑というか趣味丸出しの私刑が始まる。

「このサンダル、ヒールが高くて歩きにくいな。靴下があるからサンダルずれとかは心配しなくてもよさそうだけど……」
と、いきなり頭をグワシッと掴まれた。
目の前にはマリアさんの怖い笑顔がある。
「アルちゃん。今何て言いました?靴下?それにはサイハイソックスっていう素敵な名前があるんですよ?あんな男が履くようなユニクロのゴミと一緒にしないでください」
さすがにしゃがむと視線が合わないので、俺の頭の方を無理やり引き下げて――優しい口調で諭す。
「ご、ゴm……なさぃ――」
あまりの迫力に、思わず頭を下げ謝ってしまった。
もしかしてこいつがトップに立てば統制の取れた恐怖政治が布けるんではなかろうか?
……
…………
………………
「?……どうしました?」
「いや――白なんだなと……」



トスッ

「痛ぇ!脳天真ん中にきた!」
つむじのあたりに衝撃が来て、頭を抑えながら床を転げる。
「乙女を下着を盗み見るようなことをするのがいけないんです!」
立ち上がり顔を背けながら口を尖らせる。
ただし視線はこっちを向いたまま、怖いですハイ。
「うぅ……片手チョップなんて中年の酔っ払いしかやらないと思ってたよ――」
「――!んな!」
「おいアルタン」
何かを言いかけたマリアさんを遮るようにしてスティが口を開く。
マリアさんが何か言いたげな表情で睨んでいる。
うん、自分でも今のは正直なところ失言だったと思うよ。助かった。
「何だよ?」
「あのな、白じゃなくてライトグレーだ。ちょっと暗いところに明るい色があったから見間違えたんだな」

その地点から後、足音は2人分になった。
迷わず逝ってくれよ、俺はまだ人生に未練がある――





今の自分にできうる限りの抵抗。
可能な限りでゆっくりと歩いたのだが、所詮は限りのある道のり。
距離に限りがあるのだから、進んでいればいつかは到着してしまう。
生きていれば、どんな暮らし方をしていようともいつかは死という終着へと行き着いてしまうのと同じだ。
隣にいるのがスティならば好きに歩かせず、引きずってでもさっさと着いたかも知れない。
マリアさんはその辺自由にさせてくれたものの、逸れたり戻ったりというのは許してくれなかった。
さて置き、そんなこんなで到着したあまり趣味のよくない扉の前。
自分が拠点としていた時に見た覚えが無いので恐らく後から付替えたのだろう。

ちなみに、同行者が1名減ったところからは上にバスローブを羽織っている。
肌寒いのは我慢できないでもないものの、何だかどこかから見られているような気がして落ち着かなかったのだ。
なので、スティから借りることにした。いつか返す、多分。
紙さえあれば『ご自由にどうぞ』とかメモを残しておいたところだが、残念ながら持ち合わせがない。
誰への伝言だとかは良い子の気にしてはいけないこと。
質的にも――もちろんお値段的にも今見につけている下着とは比べ物にならないだろうバスローブ。
今はその前をしっかりと合わせて決して他からは中身が見えないようにしっかりと防御している。
どこかの番組の湯気や光やダークマター(墨)くらいに防御力に定評があれば嬉しいのだが、もちろんそんなはずは無い。
最近の地上波は気が狂っているかどうかはさて置き、例えそこまでの防御力を誇ろうと、将軍の命令1つで無意味になってしまう。
今の自分はそういう立場だ。
きっと傍から見た姿はお化けや幽霊のような如何わしい類のものを本気で怖がっている幼女だろう。もっとも別の意味でもっと如何わしい存在がすぐ近くにあるのであながち間違いとも言えない。
基本的に自分で見聞きしたものを信じる現実主義者ではあるが、これから自分の身に降りかかる災厄については経験が無くとも分かる。



扉が開くと将軍の姿が見えた。

将軍も風呂に入ったらしい、趣味の悪いワインレッドのバスローブ姿でベッドに腰掛けていやがる。
膝の上でシャム猫を撫でながらブランデーを傾けている、おっさん臭ぇ――
後ろにある窓から夜景が見えて……
「おい将軍、夜景のポスターが歪んで傾いt――」
「っ見るなあああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ガバッと立ち上がり無駄にでかい身体で隠すが、今更遅い。
「うぅ……せっかくムード出して盛り上げようとしたのに……」
「はぁ、こんな無理やりなシチュでムードもへったくれも無いと思うが――何というか、元気出せ」

「うむ、そう言われれば確かに。さぁそれではアルたん、カモンカモンwktk」
キモッ
数メートルは離れているのに身体を撫で回されているような手の動きがすげぇキモイ。
擬音で表すなら"ワキワキ"とかそんな感じの文字が空中に浮かぶはずだ。
そして……むむぅ、立ち直らせたのは失敗だったか。手招きされている方へ進むのが十三階段に見えて仕方がない。
頭では分かっているのに足が動かない――というか動かしたくない、マジで。
しかし……いや、しかし――国民のための自己犠牲、俺カコイイとかほざく気は無いが、こんなもの適当に寝転がっていればいいことだ。
戦場ではもっと酷い光景を見たこともあるし、されたこともある……言葉の意味するベクトルはエロじゃなくてグロ方面だけどな。



心の中でえいやっと声をかけ、一歩を踏み出そうとしたところで将軍に制止された。
「いや待て。バスローブはそこで脱いでから来るんだ。できればモンローウォークで」
「そんなもんできるか!!ボケが!」
思わず叫んでしまった。
こいつどこまで変態なんだ……
「できない……知ってはいるけどやりたくないのか」
――しまった、ついうっかり……まぁ大合作でエロネタのクイズに正解したわけじゃないからまだマシか。
それはそれとして、歩き方についてはそれ程こだわりは無いらしい将軍は、別の要求をしてきた。
踵の高さを左右で1cmも変えれば誰でも簡単にできるんだけど、この際それは言わないでおいた方が自分のためだろう。
「それではそうだな――サンダルは脱いでもらおう」
布いてある絨毯はまるでアクロン洗濯直後のようにふわふわしているので、別にこれはなんともない。
「あとは……ソックスを足首まで下ろすんだ、片方だけ、片方だけだぞ。大事な事なので2回言いました……まぁテレカは出ないがな」

正直なところ恥ずかしさで顔が熱い。
多分今鏡を見たら耳まで真っ赤になっているのが容易に分かるだろう。
言われた通り片方だけソックスを下ろし歩き出すが、羞恥で顔を上げることができない。
ただひたすら皆のためだと心で繰り返し、自分を押さえ込む。
そう、昔の偉い人が言っていたじゃないか――一人は皆のため――まぁ皆が一人のために動くかどうかはその人それぞれの日頃の行いにかかるので何とも言えないけど。
そういえばあの映画は全部で何本だっけ?5本くらい?確か3本目くらいのが一番名作だよなぁ――何度も地上波で流れているし。
それとはなしに思考が他所へ行ってしまう。これも副作用的な何かか?



気を取り直して再び歩き始めると、何だか歩くたびにその――擦れる感触がくすぐったい。
意識し始めてしまうと余計に気になる、バスローブを脱いで下着だけになったから分かる、足の間を空気が抜けていく感覚。
なるほど、モノが無い以外にも股関節の作りが違うらしい。
この際理屈はどうでもいい。
叶わないことだと理解しながらも、将軍の粘つくような視線から逃れる方法は無いものかと考えながら歩く。

そうこうしているうちに、ベッドの側へとたどり着いてしまう。
ほんの数メートルの距離だ。そんな何分もかかるものではない。

気味の悪い手の動きをしている将軍に近づくと、肩に手をかけられ体の脇というか両腕を滑るようにして撫でられる
……げちゃ……逃げちゃダメだ。
逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ
逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ
逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ
逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ――

将軍が見下ろして言う
「アルたん……ヌーブラで寄せて上げては邪道だと思う」
「目標をセンターに入れて!スイイィィィッッッチ!!」
パンッ(右)
乾いた音と、それに続く静寂
デリカシーの無いやつめ俺だって恥ずかしいんだよ
「な……殴ったね。親父にm――」
パンッ(も1回右)
「それは俺が既にやった。二番煎じは面白くないんだよ」
「昔の偉い人は言った。だれかがあなたの右の頬を打つなら――」
パンッ(今度は左)
「ほら、殴って欲しいならいくらでも殴ってやるぞ」
パンッパンッパンッ



「――手が痛い」
何度も頬を叩いたが、将軍の面の皮よりも先にこちらの手の方が限界になってしまった。
跪いて片方だけ下ろしたソックスを両手で上げサスペンダーで留める将軍
さっきマリアさんに教えられたところによるとこれはベルトじゃなくてサスペンダーと言うらしい。
「ハァ……ハァ……アルたんの生足に……シルクが滑る――たまらん、この感覚ぅ!」
「そうそう、これだよ。サイハイソックスにはサスペンダー。パンティはその下だ!脱ぎやすいためだとか勘違いしているくそ女は死ねばいいんだ」
フェチキタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!
というかまぁ……ここはこの上司にしてあの部下ありというべきなのか、何だかマリアさんを思い出させる反応だ。


「さてアルたん……」
再びベッドに上がり胡坐をかく将軍
「脱がせてくれ――ただし帯は口で外すんだ、私の顔を見上げながら」


さて、この無駄に長い帯の両端に輪を作って……両足をかけた後……
「お……おいアルたん、何を――」
「ふんっ!」
「きゅぶ!」
幼女とはいえ全身全霊の背筋力。
「ごめんなさい。外そうと思ったらついうっかり間違えて絞めちゃった」
「ぐ、ふ……ぃやいいんだ。はは、アルたんはおちゃめさんなんだから。このぉ♪」
おでこを人差し指でつつかれるのはまぁいいとして……もしかしてこのまま抹殺できるんじゃね?





その後ソックスを片方だけ脱ぎ、もう一方は足首まで下ろした状態でベルトは外した。
近づいてくる時とベッドの上では萌えポイントが違うんだそうだ。
よく分からないがマニアも大変なんだな。

将軍がベッドの上で仁王立ちしている。
多分バスローブの中でアレも仁王立ちしているのだろう、平常であればどう見ても不自然な膨らみがある……変態め。
リクエスト通り帯を口で咥えて解いてやる。
俺には理解の及ばない趣味だ。
下から睨みつけるともそもそと将軍の体が動く。
何かが背筋を這い登ったような微妙な仕草と恍惚の表情……こいつやっぱり真性か。

左右に開くと白グンゼをはち切らんばかりの膨らみが視界に飛び込んできた。
……だれかこの視覚的暴力を何とかしてくれ。
「ウホッこれまでで最大級。ありえないほどそそり立ってるよ」
嫌なことやりたくないことは機械的に進めるのがコツだ。
止まったらだめ止まったらだめ――
つーかでけぇよ!サイズ自重しろ!
「心配するな、処女喪失で死んだ女はいない」
微妙にズレた気を回す将軍の言葉。
どうしてこいつは狙ったように地雷を踏むのだろう?
南の島の過激派は黙ってろよ!
無駄口叩いているとしまいには軍用ヘリで逃げ出すぞ。
そんなことを思いもするが、もちろん口に出すことはできない。

グンゼが引っかかって脱がせにくい。
補足しておくが、これは大きさではなくただ角度の問題だ。
脱がせた瞬間勢い良く反り返ってきたもので危うくビンタされそうになった。
避けた瞬間上のほうから舌打ちが聞こえたのは気のせいだろう。
「……でかいな」
一応言っておくが、俺の方がでかい(男の時は)から。
はいそこ。それこそ角度の問題とか言うな。
見るだけでも分かるが、触ると直接脈動が指先に伝わってくる。
別にそのもの自体は見慣れた馴染みのあるものだ。
もっとも他人のモノを実際に触ったことがある男など皆無だろうが――
もしいるなら速攻でNG登録するからfusianasanと入力しておいて欲しい。


気づくと自身の勝利に酔っている将軍が鼻歌を歌っている。
確かこのメロディーは――
「――ップ好きは中途半端♪好みとしては中途半端♪無くてもいいけど、ちょっとはあった方が……そんなの――」

……
…………
………………ギュムッ

「くぁwせdrftgyふじこlp――」

こいつは人の神経を逆なでする天才だな。
そして……玉の場合幼女パゥワでもこのくらいのダメージがいくから、世の紳士諸君は注意したまえ。
歌といえば事務所にウン十万払ってるOPなのに肺呼吸で音を外しまくっているアホはプロとしてどうかと思うんだよ。

「はぁぁ〜」
ついたため息が多分当たったのだろう。
せっかく萎えかけたのに急激に勢いを取り戻してしまった。
それともさっき握りこんだ手がそのままだったのがまずかったのか?
「あ、アルたん。さぁ!」
決して諦めたとか流されたとかそういうわけではなく――そう、これは一種の緊急避難だ。
こうしないと何の罪も無い人達が酷いことになる。
自分は犠牲になっているんじゃない。
チャンスを待っているんだ。
とか何とか考えている間に将軍がカクカクと腰を動かしてきやがった、最低な奴だ。
躊躇なんていう生易しいものじゃない。
後退でもまだ足りない。
できることなら3歩進んで5歩下がりたい気分だけど、それでもまず3歩進まないといけないんだよね。

思考がループになるが、こういうのは止まったらもう動けなくなる。
そう自分に言い聞かせながらゆっくりと、しかし確実に顔を近づけていく。
そして……先端に口をつけ、舌で軽く舐めた。


「はひゃ」
将軍が変な声を出した瞬間手のひらと唇に拍動が伝わり、口の中に生暖かさが広がる。
そう、擬音にすると"ビクンビクン"てな感じ。
現在の心理を掲示板風に表すと――ちょwwwおまwwwとかかな。
いや、全然笑えないんだけど。
タイミングが悪かったというか、先を舐めていたせいで生臭いゲル状の粘液が喉の奥にまで達していた。
当の本人は余程気持ちよかったのか、腰が抜けたように尻餅をついている。
まったく――何て勢いだよ。

ジッと将軍の顔を見つめ、流れる気まずい空気をごまかすためどちらからともなく指を絡ませる。
もう片方の腕を将軍の首に回すとそっと唇を重ね、舌を差し入れる。
そして――

まだ口の中に残るネバネバを8割がた吹き込んでやった。
「んんんん――――――!!!!」
必死で引き剥がそうとする将軍と、両腕で頭を抱えるようにして最後の1滴まで口内の粘液を注ぎ込もうとする幼女。
まぁあれだ……デジャヴ。ワンスモアゲロみたいな光景だと思ってくれ。


さすがに自分のものを飲み込む気にはなれなかったらしく、将軍は四つん這いになって床に吐き出していた。
すっかり萎えてしまったらしく、先ほどの勢いは見る影も無い。
「アルたん……ちょっと後ろ向いてくれ」

心配しなくてももう口の中には残っていないのだけれど、それとも今度は後ろから何かする気なのか?
まぁそれならそれでいい。
正直こちらから何か行動するのは精神的にキツイ。
そう思いながら背を向けると、何やらゴソゴソと動く気配はあるものの一向に近づいてくる気配は無い。
何をしているのかと振り返ってみるとそこには衝撃の光景があった。
「ぅほぁう!あ、アルたん!振り向いちゃだm――らめぇぇ!」
先ほど脱いだ片方のソックスを巻きつけて自分のモノを激しく擦っている。
流れる微妙な空気……そう感じたのは自分だけのようで、ますます興奮したらしい将軍の動きはますます早くなった。
思わず股間を踏みつけた俺を責める奴は誰もいないと思う。
「!!――ァアン!」
今度は先ほどとは違い、いわゆるサオの方だったようだ。
急に違う刺激を受けた将軍は再び変な声を出しながら達してしまった。
……まだ半分ソックスを履いている方で良かった。
もちろんすぐに脱ぎ捨てたが、このままだと収まらないので言い捨ててやった。
「10秒チャージ……10秒キープ?」

その瞬間復活したのには驚いたが……そういえばこいつは蔑まれると興奮するんだったな。
×

この広告は60日間更新がないwikiに表示されております。

管理人/副管理人のみ編集できます