明日はクリスマス・イブだ。ボクは一所懸命にクリスマスケーキを作っていた。
明日の晩は恋人(ボクの一方的な思い込みかもしれないが)の春信と一緒に過ごす
ことになっているんだ。
「神様。いつかボクと春信が結婚できますように♪」ボクは全身全霊を込めてケー
キを作っていた。
 たまたま、そのとき暇だったサンタクロースがボクの想いを耳にしていた。
「その願い叶えてやろう。」サンタは懐から願いを叶える宝石を取り出すと、ポィ
と放り投げた。宝石は時空を超えてボクが格闘しているボールの中に落ちていった。
そんなことも知らずに、ボクは生地を練り廻していた。宝石はボクの想いとともに
生地の中に溶け込んでいった。

 ボクと春信の出会いはバイト先でのことだ。たまたまバイトで一緒になった彼の
名前がボクの名前と似ていたので最初から親近感があった。
 ボクは今、女の子として生活しているし、皆もボクのことを女の子として見てい
る。もちろん春信もボクが女の子じゃないなんて露程も思っていないだろう。ボク
は自分のことを須藤めぐみと名乗っているが、本当は須藤春信なのだ。バイトの名
簿に『須賀春信』という名前を見つけたときはかなり焦ってしまった。ボクの本名
と一字しか違わないのだ。そして、何の運命かその『春信』とボクが一緒に働くこ
ととなったのだ。
 春信とはすぐに仲良しになった。休みの日は二人で遊びに行くこともあった。
 そして、クリスマスイブを二人で過ごすことになったのだ。



「これ、ボクからのクリスマスプレゼントだよ♪」春信は顔を綻ばせながらパッケ
ージを解いていった。
「おいしそうだね。」ハート型のケーキには天使の羽をイメージしたクリームの飾
りが乗っている。
「春信、食べてみて?」
「あぁ」そう言って彼は口を大きく開けてボクのケーキにかぶりついた。
「うん。おいしいよ。めぐみは料理の天才だね♪」
 そう言って笑顔を見せた直後、春信は突然苦しみだした。
「うぅぅぅ……」床の上にうずくまる。下腹部に手を当てて身を捩る。
「春信っ!?」ボクは彼に被さるようにして覗き込んだ。


「お腹の中が変だ。む、胸が苦しい。喉も…」春信の声が掠れてゆく。ボクは少し
でも楽になるようにと、ワークシャツのボタンを外そうとした。
「何これ?」ボクが手を伸ばした先には今にもボタンを弾き飛ばそうとする程はち
切れていた。春信の胸が膨らんでいるのだ。シャツの布を押し上げる肉塊がそこに
あった。
「ぁあっ♪」ボクがその塊に触れた途端、春信の口から艶かしい声が零れ出た。
 部屋の中は暖房が効いて温かい。ボクは意を決して春信の身体から衣服を剥ぎ取
っていった。



 その下から現れたのは紛れもなく若い女の肉体だった。
「あ、熱い。どうにかして…」春信の手は下腹部から股間に移動していた。股の間
に彼の手が差し込まれている。彼が指を動かすとクチュクチュと淫靡な音が聞こえ
てきた。
 骨格も内蔵も変化を終え、痛みに伴う苦しみはもうないのだろう。今は性的な興
奮に支配されているようだ。「女」としての快感を得る術を知らない彼はその疼き
に翻弄されていた。
「春信、手を退けて。」ボクは彼の身体を隅から隅まで観察した。彼の身体にはど
こをとっても「男」だった痕跡は残っていなかった。顔だちも女のそれになり、髪
の毛も伸び始めている。そして、彼の股間は濡れていた。

 それを見たボクの身体に変化が生じていた。過去に置き去りにしてきた筈の「男
性」がボクの身体の中で目覚め始めていた。ショーツの中が痛んだ。スカートの前
が盛り上がってくる。春信もソレに気が付いたようだ。
「めぐみ?」彼の手がボクのスカートを捲り上げる。ショーツとパンストがまとめ
て降ろされた。ボクの股間には確かな証がそそり勃っていた。
「お、俺を助けてくれ。熱くて、切なくて、もうどうにかなってしまいそうなんだ。」
そう言う春信の声はもう女の声にしか聞こえなかった。



 パフ、プシュ、ジュク… 淫らに濡れた皮膚の発てる音が部屋の中に響いている。
「ぁあん、あぁ、うぅん…」女の媚声が渦巻いている。ボクは春信を抱いていた。
本当なら、ボクが春信に抱かれていた筈なのに… 何でこんなことになってしまっ
たのだろう。春信の膣がボクのペニスを締めつける。硬くなったボクのペニスが春
信を貫いてゆく。「あぅ、あぅ、あっ、あっ、あっ」春信が次第に昇り詰めていく。
ボクのペニスも限界に近かった。「あっ、あっ、あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」嬌声
が響く。春信がボクにしがみつく。彼の膣が痙攣する。ボクも限界に達し、溜まっ
ていたモノを吐き出していた。

 やがて、性的な興奮も官能の疼きも収まり春信は自分を取り戻した。
「めぐみ?」ボクに貫かれている『自分』を発見する。放れようとするボクを抱き
止める。「良いよ。そのままで。」春信は女の快感に目覚めてしまったようだ。ボ
クは春信の中でじっとしていた。
「めぐみの…」春信がつぶやいている。「めぐみの精液が俺の中で揺れている。」
 もう、どこから見ても春信は「女」でしかなかった。
「俺も… 妊娠することがあるんだろうか?」春信の顔が悪戯っぽく微笑む。
「その時は『セキニン』取ってね♪」
 図らずも、ボクは春信と結婚することになった。    Happy END?
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