今にして思えば、単に夢でよかったと思っている。けれど、現実を見ると・・・

真っ青な空、明るい太陽。なのにボクは憂鬱だった。
「毎朝・・・なんでこんな気持ちになるんだ?」
今日もどんよりとした気持ちで学校に向かっている。
ボクの名は、篠崎 徹(しのざき とおる)16歳。
今年県立霜村高校に進学したばかりの高校一年生。
普通、新入生となれば希望に溢れた気持ちで門に入るって言うけど
今の僕にとっては最悪だ。必死で勉強してこの県屈指の
進学校に入学したのに最初の自己紹介であんな事がなければなぁ。

「えーっと名前は篠崎徹です。うーーー、○○中学校から来ました。
み、皆さん宜しく・・・・お願い・・・・します」
とボクが自己紹介した時、教室中がざわめいた。女子なんかクスクスと笑っている。
そう、喋り方が変だったのだ。もともと、背が低く(そうは言っても
160センチはあったけど)華奢であったので中学の頃はよくイジメられた。
それが嫌で必死に勉強していたんだけど。元々人見知りするタイプだったので
大勢の前では何を言っているのかわからない事がたびたびあった。
これもイジメ原因の一つなんだけど、もっと深刻なのがあった。
容姿って言うか、顔が女性のような顔つきなのである。
長い睫毛・小さい唇、凛とした鼻。たしかに美形の部類は入るけど、性格
が大人しいかったから、「女男」とか言われてからかわれていた。
思えば、小さい頃にはよく他人に女の子と間違えられていた。そのためなのか
四つ違いの姉や母親に女の子用の着物やら洋服を着せられたりもしていた。
ううっ・・・今でも思い出したくない。

「・・・・学校に行くのがいやだなぁ」
溜息を付きながら学校へ向かう。足取りは遅い。
「そう言えば、昨夜の事は本当の事なのだろうか?夢じゃないのか?」




昨夜・・・・自宅の自分の部屋にて。
ボクの机の上には一つのタラブローチがある。
2年前に亡くなった母の形見だ。銀色で真ん中には真紅のオパールが
埋め込まれていてなかなかの物だ。
何でも母の父親、つまり祖父が考古学者で、ヨーロッパの遺跡の発掘中
に偶然これを見つけたそうだ。今でもそうだけど、遺跡の発掘品は個人
が勝手に持ち出せない。にもかかわらずお爺さんはこのブローチ
の魅力に負けて、密かに持ち出していたそうだ。犯罪だよな・・これ。
「不思議だな・・・」
しげしげと見る・・・真紅のオパールは、まるで炎のような輝きを放っていた。
「でも、なんでボクなんかに・・・姉さんにでも、あげてもいいのにな」

今でも覚えている、あの時の事を。それは病気で長い間入院中の母が
家に帰ってきた時だ。医者はもう長くないので自宅で最後を迎えた方が
よいと判断したという。母は家に帰るなり、ボクを自分が寝ていた部
屋に呼んだ。
「とーるちゃん、これをあなたにあげるわ。わたしももう長くないから、
持っていても駄目なの。このブローチは、『妖精の炎』といってね、
昔、これに願い事をすれば、叶えられると言う伝説があったそうよ」
「だったら、母さんがブローチにお願いすればいいじゃん。重い病気なんでしょ?」
「ううん。わたしではもう駄目なの。今まで持っていたけど何も起こらなかったわ」
「でも、あなたなら使えると思うの」
「どうして?」
「このブローチはね、願い事は一つしか出来ないそうよ。そして条件は・・・」
「条件は?」
「純真な乙女でないと駄目みたいなの(笑)」
それを聞いた時、僕は遠い目になった。



結局、母さんはボクの事を最後まで女の子扱いだったんだよな」
ブローチを見ながら呟く。結局そのまま姉にでも渡してもよかったけど
思い出の品なので、そのまま手元に置いていた。
「でも、本当に願い事なんて叶うのかな?眉唾ものだけど」
ベッドの上で寝転びながらブローチをかざしていると・・・・
・・・ピシ!!・・・・・
っと鈍い音がした。
「なんだ?あ、オパールにひびが・・・・あー、あー勿体ない」
真紅のオパールには筋のようなひびが出来ていた。だが、次の瞬間。
・・・・・ピカーーーーーーー!!・・・・・・
「うわぁぁぁぁーーーーーーー!!」
ブローチが物凄い光を発したと思ったら、次の瞬間には見たことのない
空間に来ていた。
「ここは・・・・」
「ふうん。何だ男の子か。あたしはてっきり女の子かと思ったけど」
「誰だ!!どこにいる?」
不意に聞こえた声に思わず大声を出す。だが周りには誰もいない。
「あれ?ちょっとアンタ!ちゃんとあたしの事が見えないの?」
「見えない!!(きっぱり)」
「もう、よく見てよ!足元を」
「足元・・・・ってオイ!!お前は」
言われたように視線を下げると、そこには身長が15センチくらい
の金髪の女の子がいた。まるで絵本に出てくる妖精のような姿だよな。
「察しがいいわね。自己紹介をしとかないと駄目かな?
あたしの名前はベラ。貴方たち人間の言う『妖精』って言った
方が良いかしら?」
なんだ?まだ何も言ってないのに一方的な。もしかして心を読まれた?
「持ち主の心なんてわかるわよ。あ、プライバシーの保護は厳重だから
安心してね♪」
心を読んでいるくせに、プライバシーの保護とは。ちっちゃいくせによく言うよ。



「あーー!!アンタ、あたしの事をちっちゃいと思ったでしょ?」
「酷い!!500年ぶりに解放してくれたのに(泣き)」
「ちょと、何だよ?500年ぶりって・・・」

彼女が言うには、500年前一人の聖職者によってブローチに封印されたらしい。
当時の聖職者は名ばかりで腐敗していたから、いろいろな要求をされていたようだ。

「で、ある奴なんか酷いのよ!あたしに無理難題も出してきたの。それであたしは
怒って『純真な乙女でなければ願いを叶いません』って言ってやったわ」
「そうしたら?」
「そのまま、ブローチごとポイ捨て!!以後ずーっと土の中だったの」
なんだか、妖精の愚痴を聞いているような気がするけど。
ん?そう言えば願い事を叶えてくれるはずでは?
「あ、忘れていたわ。そうねぇ折角解放してくれたから、お礼に妖精の力をアンタにあげるわ」
妖精の力って・・・一体?
ちょ、ちょっと、待ってよ!!まだボクは願い事は言ってないぞ!
「イイって!遠慮はしないの。まぁ、妖精の力って人間には言っても無理みたい
だけどね。論より証拠。では!!」
ベルは右手を翳すと巨大な光の姿となり、僕はその光に飲み込まれた。
「うわぁぁぁぁーーーーーーーー!!!」
気が付くと元の自分の部屋に戻っていた。だがベッドの上には有るべき物がない。
「あ、ブローチがない!って事はこれって夢・・・じゃないよな」
「たしかに、ボクは光に飲み込まれたんだよな」
しげしげと自分の体を見ながら、体を触る。いつもの自分だ。
「なんでもない。やっぱ夢かな?」
ベラはボクに妖精の力を与えたって言ったけど・・・何にもないじゃん。詐欺じゃないのか?
などと腹を立てつつ、その日はそのまま寝てしまった。



昨夜の事を思い出しつつ、同時に日々の憂鬱な気分になりながら教室に入る。
すると、いきなりクラスの連中がざわめきだす。
「よーーー!!女男の登校だ」
「とーるちゃ〜ん♪女の子なんだから制服が違うよ〜ん」
「篠崎!今度は下着も変えてこいよな。ククク・・・」
などと言っているのは、クラスの実質的中心人物の 川原 武 (かわはら たけし)
ボクにとってはムカツク連中の親玉。
この間なんか、腹を立ててコイツに向かって殴りに掛かった事があったけど、簡単にあしらわれてしまった。
それ以来イヤガラセはエスカレートするばかり。
コイツに触発されたのかクラスの女子も騒ぎだす。
「・・・・・もう帰りたい・・・」
授業時間中も憂鬱だった。だが2時間目に入る中休みの時。
「うーーー、気分が悪い。熱でもあるのかな?」
授業が始まってから体中が熱い。喉もカラカラになっている。
体のダルさに加え、吐き気もする。
「大丈夫?篠崎くん。保健室に行く?」
と言ってくれるのは、保健委員の真崎 恵美(まっさき えみ)さん。
ボク自身、実は密かに憧れていたりしている、クラスのアイドルだ。
「うん、そうするよ。先生にはそう言っておいてくれる?」
「わかったわ。でも、一人で行ける?一緒に行こうか?」
「いいよ。一人で行けるさ。心配してくれてありがとう」
足どりを重くして教室をでる。背中にはアイツの笑い声が聞こえる。
まったく、ボクの事を他の奴等は心配しないのか・・・
学校は旧校舎と新校舎に分かれている。教室は新校舎の3階なので
保健室のある旧校舎1階には階段で下りなければならない。
体のダルさで足元はふらつく・・・・う、目眩がする。
「・・・・う!!・・・・」
物凄い吐き気がした。いそいで、近くの男子トイレに駆け込む。
2時間目が始まっているため中には誰もいない。
さすがにこの場合、個室の方に入らないとまずいよな。急いで中に入って鍵を掛ける。
入ってボクは便器の前で吐こうとした時、急に体に変化が起きた。



「グギギッギ・・・・痛てぇ・・・・」
身体中が軋む。姿勢を保つのが精一杯だ。
「イテェ・・・・ぐぐぐ・・・」
まるで、身体中が壊れる感じ。たまらず、そのまま座り込む。
「はぁはぁ・・・・んん・・・」
暫くして、しだいに呼吸が楽になる。どうやら収まったらしい。熱も下がったようだ。
立ち上がってみる。身体中、汗でびっしょりの感覚がする。
「うぅぅっ、気持ち悪い。このまま帰ろうかな・・・ん?」
男子トイレに女の子の声・・・誰もいないはずなのに。
「い、今、女の子の声がしたような・・・え?」
思わず自分の口元を触る。
「ボクの声が・・・変だ!」
それは、凛とした綺麗な声だった。
「ちょ、ちょっとなんだよ・・・これって・・・プ二?」
思わず手を下ろした時、何か柔らかい物を触ったような感じがした。
胸のあたりがやけに重い・・・なんだ?この感触は。
視線を下げるとその下は本来なら想像もしないものがあった。
「な、なんで・・・こ、こんなのが僕の身体に」
それは紺のブレザーを押し上げている二つの物体。
「これって、ま、まさか・・女の子の・・お、おっぱい?」
可愛い声で思わず口にした言葉に自分自身、恥ずかしくなってしまった。
頭に血が上る。
「・・え?手が・・」
もともと華奢な作りの自分の手だったが、目の前にあるのは透き通るような
白い肌でしなやかな細い指のある女の子の手だった。
「と、とにかく、確かめないと・・・」
ブレザーを脱いでシャツ越しで触ってみる・・・思わずグァシ!!っと
鷲掴みにしてみた。
「・・・痛っ!・・」
じんじんっとする感じがする。思わず優しく撫でまわすと、今まで感じたことのない
感覚が来る。



「・・はぁはぁ・・・本物?マジで?・・・って事は・・まさか!!」
嫌な予感がしたので思わず、ベルトを緩めてズボンの中に手を突っ込む。
やけに腰周りが細いような気がするけど。
「あれ?こんなにブカブカだったけ?」
汗でトランクスは濡れていた。気持ちわるいが非常事態だ。
「な、ない!!アレがない!そ、そんな馬鹿な」
急いで便座に座るとズボンを下げ、トランクスもさげて・・・
全てが終わって見た時、ボクの股間の光景は頭を真っ白にしてしまった。
そこには本来あるべきものがなく、毛のない縦の筋があっただけ。
「こ、これじゃぁ、ボクは本物の女の子になっちゃったわけ?」
混乱する頭を左右に振る・・・ん?なんか重いけど。
とにかく急いでズボンを履いて個室を出た。
目の前には洗面台にある大きな鏡。思わず自分を見た時、
「こ、これは・・・・」
鏡に映ったのはダブダブの男子の制服を着た美少女だった。
もともと女のような顔付きだったが、今の自分はより美人の顔つきに変わっている。
大きい瞳に桃色の唇・・・思わず自分に恍惚としてしまった。
ふと、さっきからうっとうしいと思ったら、髪の毛が伸びていることに気が付いた。
普段は耳がかかる程度なのに、今は肩まで伸びている。しかも光沢を持った美しい髪だ。
「何だよ・・・なにかの冗談?この子は本当にボクなの?」
首をかしげると鏡の少女も首をかしげる。思わずアッカン・べーをしても
鏡の少女も同じ動きをする。
「一体なんだよ。ははっ・・・夢じゃないのか?・・・・そ、そんなぁ!!」
悪夢と思いたい。凛とした綺麗な声が男子トイレに響いた。






男子トイレ・・鏡の前で溜息をつくボク。
「・・・・どうしよう・・・・こんな姿」
学校で、しかも男子トイレでの性転換。普通なら大騒ぎだよ。
幸い授業中だから誰もいないけど。もし誰かに見られたら・・・
いや、もっと重大な事がある。

「こんな姿では、ボクだと信じてもらう人なんかいるのだろうか?」
一応元の顔の面影はあるけど全くの別人の女の子。しかも声まで
変わっている。これじゃぁ、クラスの連中はともかく姉さんや父さんにまで
信じてくれるのかわからない。

「ううっ・・・なんで・・・・」
眼柱が熱くなる。ふと見れば鏡の少女も大きな瞳に涙を浮かべてこちら見ている。
・・・・ズキン・・・・・
胸が締め付けられる。ボクは思わず鏡に手を伸ばしてみた。
少女も同じように手を伸ばす。けれども壁に阻まれて途中で止まってしまう。

「・・・・・・・・・綺麗だな」
思わず、口に出た言葉に頬を赤らめるボク。ナルシストじゃないけど、突然自分の
目の前にこんな美少女が現れたら、つい言ってしまうだろう。
ボクは鏡の少女をしげしげと見た。身長は特に変わっていないようだ。
もともとボクは男子の平均身長より低い方だから、女の子に変わっても
目線が変わるほどでもなかったようだ。ただ、体型がかなり変わっている
からどうも男子の制服が全く合ってない。当たり前か。



突然、廊下に人の声。
「やば!見回りの先生だ」
現実に引き戻されたボクは、急いで個室に入って鍵をかけた。
紺のブレザーを押し上げる大きな胸がドキドキしている。
「ううっ・・・・来ないで」
祈るような気持ちでボクは事態が過ぎ去るのを待った。
暫くすると、どうやら通りすぎたらしい。廊下には誰もいなくなった。
「ほっ。よかった・・・」
思わず胸を撫で下ろす(実際重いんですけど)
呼吸がまだ乱れている。息をするたびに大きな胸が動く。
・・・・・この胸に触れてみたい・・・・
ふと頭を過る。何を馬鹿な事と思って首を左右に振る。
「と、とにかく、ここから出ないと・・」
男子トイレに美少女。注目されるのは必死だ。もともと
大勢の前では人見知りの激しいボクが注目されるなんて
悪夢以外の何ものでもない。
「うううっ・・・どうしよう・・・・」
気は焦るが、突然の事なので具体的にどこにいけばいいか考えていなかった。
保健委員の真崎さんには、ボクが保健室に行っている事は教えてあるから
本人がその場いないのは変だし・・・
「やっぱ、保健室に行かないと駄目かな?」
などと考えていると・・・・

・・・・キーーーン・コーーーーン・・・・・・・

無機質な電子音のチャイムが廊下に響く。
「やべ!!授業が終わっちゃった・・・・」
慌てて男子トイレから出た直後、ボクは突然後ろから声を掛けられた。
「ちょっとあなた、トイレでサボっていたの?駄目じゃない」
ううっ・・・見つかっちゃった。どうしよう。でもどこかで
聞いたような声だけど。
「あなた・・・女の子よね。なんで男子トイレなんか入っていたの?
しかも男子の制服なんか着ちゃって。制服は指定を着ない
と校則違反よ」
うううう・・・好きで校則違反しているわけじゃないよ。
女になったから仕方が無いじゃん。
ふと、見ると何人かが何事かとこちらに集まりはじめている
「あ〜あ、来ちゃった・・・・」
ボクは観念して振り向いた。すると・・・
「え?み、美由さん?」
なんとそこに立っていたのは、従姉の 篠崎 美由(しのざき みゆ)さんだった。
医学部出身で、医師免許があるのにどっかの学校で保健の先生をやって
いる変わり者って聞いていたけど・・・
「あら?あなた、私の名前を知っているの?今日からこの学校に赴任した
ばかりなんだけどね♪」
「あ、そうそう。あなたこの辺で男の子を見なかった?
なかなか、来なくて探していたんだけど」
それってボクの事だ。ううっ・・この場では自分でしたって言えないよ。
実際、さっきからこちらを見ている視線が痛い・・・

・・・・ヒソヒソ(*´д)ヒソ(*´д`)ヒソ(д`*) ・・・・・
「・・・何あの子、なんで男子の制服なんか・・・・」
「・・・カワイイじゃん。あんな子うちの学校にいたっけ?」
「・・・すげぇ美人だよな。1年生か?・・・」
「・・・奥手かしら・・・ふふっ・・・かわいい」
「髪が綺麗よね・・・・お姉さん羨ましい・・・・」
休み時間なので他の学年の生徒が大勢周りにいる。これじゃぁ、いい見世物だ。
「と、とーーーにかく、わ、訳は・・・・話します。ボ、ボクを保健室に・・・連れて行ってください」
「え?ちょ、ちょっと・・・・」
顔を真っ赤にしたボクは美由さんの手を強引に引っ張って、この集団の輪から外に出た。
保健室に着くなり、ボクは美由さんに今までの事を話した。
「にわかに信じられないわ。男が女に変わるなんて・・・・」
「ボクも信じられないです」
「でもあなたが、徹くんなのは解ったわ。話し方や雰囲気も同じだったものね」
「あんまり、嬉しくないです。嫌な事を思い出しました」
「ぷぷっ!・・・・まだ、覚えていたの?可愛かったじゃない」
小さい時には散々、姉さんと共にボクを着せかえ人形にしたくせによく言うよ。
でもよかった。信じてもらえて。
「でも改めて見ると、美少女じゃない。きっと学校中の話題になるわよ」
「嬉しくないです・・・はぁ・・・元に戻りたいよ・・・」
「でも、精密検査は必要のようね。明日にでも大学病院に行った方がいいわ。
一応、紹介状は書いておくけど」
「お願します。あ、それと・・・クラスには早退届を出しておいて下さい」
「担任の先生に言っておくわ。でもその格好で帰れるの?」
そうだった・・・・・重大な事を忘れていた。
「この格好で外を歩いたら目立つし、何よりも変だよ。どうしよう・・・・」
「大丈夫。倉庫に女子の制服の見本が何点かあったと思うから、持ってくるわ」
・・・・え?女子の制服?・・・・・
「それって・・やっぱスカートを履くんです・・・・よね?」
「当たり前じゃない」
ううっ。アイツの言っていた事が現実になるなんて・・・悪夢だ。






 「ん・・・・もう朝か・・・」
 小鳥たちの声にせかされるように女になって2日目の朝がやってきた。気が重い、周囲にどう接したら良いのだろう。真実には検討もつかなかった。
 とりあえずは学校に行かなくては。僕はクローゼットからスラックスとブレザーを取り出し急いで着替えた。

 例によって今朝も真実の朝はギリギリだった。簡単な朝食を済ませ慌てて学校へと向かう。いつもの道、いつもすれ違うサラリーマン、何もかもが昨日までとまったく変わっていない。
しかしひとつだけ違うもの、それは周囲の視線。今の真実は女、それも男装の美少女だ、注目するなと言うほうが無理な注文である。好奇、羨望、嫉妬、欲情、あらゆる視線が真実に
絡み付いて離れなかった。もちろん当の本人もそのことに気づいてはいるのだが学校へと急ぐ真実にはそれらを気に掛けるほど余裕は無かった。

 ・・・・ヒソヒソヒソ・・・・
 学校に着いた僕を迎えたのは先ほど感じたもの以上の好奇の視線だった。学校という所は閉じた社会だ。そこで起こった出来事は瞬時に学校中に伝わってしまう。まして僕の身に起
こったような前例がない事となれば尚更である。そんな好奇の視線に耐え、僕は下駄箱へとたどり着いた。だが、下駄箱に手を掛けた僕の手は止まり、口からはため息が漏れた。
 「また入っているのかな・・・」
 "また"とは入学以来ほぼ毎日入れられていたあの手紙のことである。いつもなら軽く流し破り捨てるなり軽くあしらっていたのだが女になってナーバスになっていた真実にはそれが重く
感じられた。だが時間は真実を待ってはくれない。意を決して下駄箱を開ける。そこには・・・・・上履きと1通の手紙が入っていた。ただ、ノートに書き殴られたいつもの手紙とは違いそれは
淡いピンクの封筒で丁寧にシールで閉じられていた。

 「おっと、もう時間が無い。」
 腕時計に目をやると既に時間は8時27分をまわっていた。真実はとりあえずその手紙をバッグに突っ込み教室へと
向かった。
 今日は本当にギリギリだった。僕が教室に入ると体育の田中先生が入ってきた。それと同時に教室の一部からは舌
打ちする声も聞こえた。どうやら僕が今日は遅刻すると懸けた連中がいたらしい。
 「えー、今日は担任の竹内先生は会議で遅れるので朝礼は俺がやる。出席をとる前にひとつ、多分知っているやつの
方が多いだろうが高橋が女になった。詳しいことは精密検査を受けてみないとわからないが高橋は高橋だ、今までと同
じ様に接してやってくれ。」
 先生の言葉は嬉しかった。ただ・・・もうちょっとオブラートに包んだ言い方をして欲しい。そう思った。
 「えっと・・・欠席は西沢か・・・おい、高尾、立川、お前らいつもつるんでるだろ何か聞いてないか?」
 「何も聞いてないっすよ。」
 高尾も立川も口をそろえて言う。今朝例の手紙が無かったことに妙に納得した。しかしその一方で疑問も生まれた、
 (あの手紙はいったい誰が?)
 「・・・おい・・・おい、・・・高橋聞いているか?」
 「あ・・・は、はい」
 「朝からボケてるな、高橋、保健の香坂先生が呼んでいたぞ。休み時間に保健室に行け。じゃあ以上で朝礼を終わる、
今日もがんばれよ。」
 朝礼が終わると息をつく間も無く授業が始まる。授業が始まるとまるで僕のことが無かったように淡々と授業は進んで
いった。やがて授業が終わると吸い寄せられるように僕のもとには男女問わず生徒たちが集まってきた。
 「ねえねえ、本当に真実君なの?」
 「おい、せっかくだから胸揉ましてくれよ。」
 矢継ぎ早に言葉が浴びせられる。しかもどうでもいいような事ばかりだ。僕はそれらを軽くあしらうと逃げるように保健室
に向かった。

 「失礼します。香坂先生いらっしゃいますか?」
 「お、高橋君来たね。とりあえずそこに座って。」
 先生に言われるがままパイプ椅子に腰をおろす。先生はコーヒーを入れそれを僕に渡すと椅子に腰をおろして僕に
話し始めた。
 「昨日は良く眠れた?」
 「はい」
 「そう、思ったより元気そうで安心したわ。それでね、昨日言ったことだけど私の知り合いの病院の先生が君のこと
診てくれることになったから。それで、できるだけ早いほうが良いって言ったらいつでも診てくれるって言うんだけど明
後日の土曜日は空いてる?」
 僕は黙って頷いた。
 「じゃあ決まり、私が車で迎えに行くから家で待っていてね。」
 コーヒーを飲み終わると僕は先生に礼を言い保健室を後にした。既に休み時間は終わっていて廊下に人影は無く
授業を行う先生たちの声だけが響いていた。急いで戻ろう、僕は教室へと急いだ。
 僕が教室に戻ったのは授業が始まって10分ほど経った頃だった。
 「遅れてすいません」
 「話は聞いている。席に着きなさい。」
 席に着くと何事も無かったかのように授業は再開した。
 授業中も僕はこれからのことばかり考えていた。もし検査をして完全に女だったらこれからどうなるのだろう。自分
の変化が外見だけでいつか元に戻る、そうあってほしい。その小さい望みに僕はすがることにした。
 結局、午前中の授業は何一つ手につかなかった。授業中はぼんやりと考え事をし、休み時間はクラスの皆の質問
攻めに遭っていたためだ。目立つことが苦手な僕は昼休みになるといつもの場所・・・稲荷神社に向かった。しかしそ
こは期待したように無人ではなく先客がいた。
 「あの・・・高橋先輩・・・私、1年B組の日野琴美といいます。・・・あの・・・その・・・お手紙読んでいただけました?」
  
 ・・・・ To be continued







結局、美由さんが持ってきた制服を着る羽目になった。
ボクの目の前には紙袋数個がある。中に入っていたのはブレザー・ブラウス
スカート等の一式。
「サイズはどうかわからなかったけど、一応全部持ってきたわ」
美由さんはサイズの異なる制服を取り出しては、ボクの身体に当てて見た目を確認している。
「う〜ん、大きいサイズだと調度いいから、これがいいわね」
「これですか・・・・」
元々見本なのか、制服はビニール袋の中にあった。ボクが袋を破って
中にあったブラウスを手に取ろうとすると・・・
「ちょっと待って!今すぐ着てもらいたいけど、あなた身体が汗でベトベトじゃないの?
拭いてあげるから制服を脱いでくれる?」
「え?ここで・・・ですか?」
「そう。身体を汗まみれにしては冷やしてしまうわ。あ、カーテンと部屋の鍵は閉めておくから心配しないで」
ボクは急に恥ずかしくなってしまった。
「・・・・で、でもボク恥ずかしいんですけど」
「いやぁね、変な事はしないわよ。身体がどんな変化したか見てみたいし、
何より徹くんのその綺麗な身体を見てみたいしね♪」
「結局それが目的ですか!!」
ボクはうな垂れながら丸い腰掛椅子にしゃがみ込んだ。
「・・・・・はぁ・・・・・」
「落ち込まないの!さ、さっと脱いでちょうだい」

美由さんに堰かされながらボクはしぶしぶ制服を脱ぐことになった。

ボクは丸い椅子座りながら上半身を裸にして、暖かい蒸しタオルで身体を拭いてもらった。
美由さんは、まるで腫れ物を扱うように丁寧に拭いていく。
・・・・ジン・・・・・ジン・・・・・
「・・・あ、・・・・」
身体を拭かれるたびに、つい甘い声が出る。身体の感覚が男の時と違うのか敏感になっているのだ。
「女の子ってすごく敏感なんだな・・・」
ジーーーーと美由さんがボクの胸を見ている。
「な、なんか恥ずかしいんですけど・・・」
「あ、ご、ごめんなさい。あんまり綺麗な胸をしているから、つい見惚れちゃったわ」
そう言われてボクはつい腕を組んで胸を隠そうとした。
「うーーん・・・ちょっと触らせてくれるかな?」
半ば、強引に美由さんは脇からボクの乳房に触れる。
・・・・ジン・・・・・
「・・・・あん!・・・・」
突然じゃないけど、一瞬電気のような強い感覚が全身に来る。
桃色の先端が疼いてくる。
「・・・・本物か。すごく柔らかい・・・」
しげしげとボクの胸を見ながら拭いている美由さん。
気のせいかさっきから同じ所を拭いているような気がするんだけど・・・・
「肌が白くてきれいねぇ。徹くん、ちゃんと肌の手入れをしないと駄目よ。
同姓のわたしだってドキ!っとしているんだからね」
「はぁ・・・」
一体何の話をしているのやら・・・別に好きでこの体になったわけではないのに。
妙に美由さんの言葉がトゲトゲしいな・・・

「はい、次は下ね。ズボンを脱いでくれる?」
「やっぱ・・・駄目ですか?」
「駄目!ちゃんとこの目で納得したいからね」
「とほほ・・・」
昔から頭の上がらない人の言葉なので、ボクはしぶしぶズボンを脱いでトランクスも下げた。
「ふーーん、パイパンじゃない。特殊な病気かも・・・・・」
しげしげと、美由さんはボクの無毛のアソコを見なら、下半身を拭いていく。
「・・・・ひゃぁ!・・・・・」
突然、タオルがアソコに触れる。思わず全身に電気が走ったかと思ったら、
自分でも驚く程かわいい声をあげていた。
「あ、ごめん、ごめん。でもこれであなたが完全に女の子だってわかったから心配しなの。
それにしても、かわいい声がでるのね。気持ちも女の子になったのかな?」
「・・・・・・・」
美由さんは、ニヤニヤした表情になっていた。なんかごまかされた感じだったけど。
ボクは顔を真っ赤にしながら急いでトランクスを履いた。とは言ってもトランクスだけ
なのは心もとない。
「う〜ん、それじゃ身体が冷えてしまうわ。これを着なさい。」
「これって・・・・Tシャツ?」
「ちょっとサイズは大きめだけどね。」
美由さんから渡されたのは、白のTシャツだった。たしかに着た感じはブカブカだ。
ちょっとでも動くと大きな胸が動いて先端が生地にあたる。
「うーーん、本当はブラを付けないと駄目だけど、今はしょうがないか」
「やっぱ女物の下着をつけないと・・・駄目・・・・なの?」
「当たり前よ、胸の線が崩れてしまうわ。明日にでも買いに行きなさいね」
「はぁ・・・ボクが何で・・・・」
消沈した表情で白いブラウスを手に取った。

「う・・・着にくい・・・」
ブラウスのボタンを付ける時には、つい胸を意識してしまう。
動くたびに大きな胸が揺れる。
「・・・とこんなんでいいのかな」
ブラウスを着た感じは、肩幅はピッタリして十分だったけど、さすがに
胸の大きさまでは隠しきれていない。
「うーーん・・・これじゃぁ・・・目立つよな」
目線を下げれば、胸が自己主張している。次にチェックのスカートを手にとる。
「まさか、こんなの履くとは・・・・とほほほ」
ズボンを脱いだ時に気が付いたけど、ボクの腰周りって妙に括れているん
だよな。改めて下半身を意識してしまう。
「へぇ・・けっこう脚が長いじゃん」
スカートが短いのか、その分脚の長さが強調されている。白い太腿が見えそうなのが気になるけど。
履いてみるとズボンとちがって肌が直接晒されるため、股間に直接空気が触れるような感覚だ。
「うーーん、やっぱ短いな・・・・」
前かがみになったら、中が見えそうなので思わず手をお尻に押さえつけた。
「ふふっ。けっこう気にいっているんじゃない?その格好」
「そ、そんなんじゃ、ありません!!」
ボクは顔を真っ赤にしながら、その場にしゃがみ込んでしまった。

一通り着替え終わって保健室にある大きな鏡の前に立ってみた。
「・・・これは・・・・」
その鏡に映ったのは紛れも無い女子高生だった。
短めのスカートから伸びる白い脚が艶かしい。白いソックスが脚を引き締めている感じだ。
上半身は紺のブレザーを着ているとはいえ、胸の膨らみは外見からもよくわかる。
セミロングの綺麗な髪、整った顔。胸についているアクセントのリボンが可愛いい。
「うーーん、良く似合てるじゃない。くやしいけど、私が学生の時よりも可愛いわね」
「そ、そうですか。あんまし、嬉しくないんだけど・・・」
ボクは頭を掻きながら、複雑な感情になっていた。

徹くん、一応担任の先生にはもう早退したっていっておいたから、いつでも帰れるわ。それと・・・はい、鞄」
制服を取りに行く時についでに教室に寄ったのか、ボクの鞄を持ってきてくれた。
「あなたのお姉さんにも連絡しておくわ。それにしてもこれからが大変よね。
いつでも相談に来なさい」
「美由さん、ありがとうございました。またお願します」
大変な時こそ身近な人がいるのは心強い。瞳にうっすらと涙を浮かべて、
ボクは美由さんに礼を言うと保健室のドアに手をかけた。
「・・・・・あれ?」
急に立ち眩んだのか、少し足が縺れた。
美由さんは驚いた表情で近づくと、ボクの顔を覗きこんだ。
「んーーー、ちょっと顔色が悪いわねぇ。ちょうどベッドのシーツは変えたばかりだ
から少し横になった方がいいわ」
「・・・・そ、そうですか?・・・・そうします」
ボクは一瞬躊躇したが、今はこの身体だ。少し休んでから帰ることにした。






保健室にはベッドが二つあり、其々がカーテンに仕切られている。
ボクはその一つにブレザーを脱いで横になり、カーテンを閉めた。
美由さんは職員室に用があると言う事で、その後保健室を出た。
昼まで戻って来ないそうだ。
クリーム色のカーテンと消毒薬の匂い、そして真新しいシーツと制服の匂い。
誰もいない空間は、妙に心を落ち着かせた。
今までの怒涛の展開に頭が回らなかったのかもしれない。別の考えが浮かぶ。
これから姉さんや父さんに今の姿をどう説明するのかという不安やこれからの学校の生活・・・
「真崎さん、心配していたな。ボクがこんな姿になったらどう思うかな・・・」
枕に顔を埋めながら、ふと頭に浮かんだ。
「う、やっぱ胸が痛い・・・・」
うつ伏せでは胸が当って苦しい。思わず仰向けにして寝る。
「ううっ・・・スカートの感触も気持ち悪い・・・」
どうもスカートの感覚が馴れないため、直接肌に生地が触れると言うのは気持ち悪かった。
「そういえばあの妖精、ボクに力を与えたって言っていたけど、この事と関係があるのかな?」
白い天井を見ながら呟く。ふて腐れた顔をしながら静かにしていると・・・






・・・カチャ!!カチャ!!・・・・・
「失礼します!!・・・・あれ?」
あわてて、ボクはベッドの掛け布団を被った。心臓がドキドキする。
「保健の先生は留守みたいだな」
「しかたねぇな。その辺の消毒薬でもつけとけよ」
「いいのか?勝手に使っても」
「いいって、わからねぇよ」
何やら数人の男がいるらしい。どっかで聞いたような声だけど・・・
・・・・カチャカチャ・・・・
消毒薬の入ったビンの蓋の音がする。どうやらあいつ等、勝手にその辺を弄くり
まわしているらしい。
「川原、本当に大丈夫か?」
「・・・・ああ、大丈夫だ。こんなのカスリキズさ。心配いらないよ」
・・・・キュン!!・・・・・
その言葉にボクの心臓の鼓動が早まる。
(な、なんでアイツがここに。で、でもこの感じは・・・・)
意味不明の感情がボクの中に渦巻いている。何だろう?
掛け布団の中でボクは事態の推移を見守った。どうやら、川原は体育の授業で怪我をしたらしい。
「早くもどらないと、先公がうるさいからな」
「そうだな・・いや、ベッドに寝てもいいかもな」
「おいおい、サボリかよ。じゃぁ、俺もベッドで寝ていようかな」
どうやら他は 葛城 新悟(かつらぎ しんご)と 天城 純一(あまぎ じゅんいち)のようだ。カーテンの向こうで3人の気配がする。
・・・ううっ・・こっちに来るなよ・・・来ないで!!・・・
ボクは掛け布団の中で振るえながら祈っていた。


「それは、まずいだろう。現にベッドには誰か居るかもしれないし」
「そういえば、篠崎の奴保健室に行ってなかったけ?」
「いや、早退したって聞いていたけど」
「案外、そこのベッドに居たりしてな」
・・・ギク!・・・・
「天城!ちょっと見てみろや」
「あー?ああ」
カーテンが開かれる。その前にボクは反対側に顔を向け、寝たふりをした。
ううっ・・胸が邪魔だ。
「やば!葛城、誰か寝てるよ」
「え?誰が?」
「女の子が寝ている。今の会話が聞かれたかな?」
「マジ?やべ、すぐ戻らなくちゃ」
「起きていたら、ヤバイな」
足早に3人は保健室を出て行く。
「葛城!天城!俺を置いていくきかぁ?」
廊下に川原の声が響く、どうやら3人は行ったようだ。静粛が保健室を覆う。
しばらくしてボクはベッドから起きあがり、カーテンを開いて周囲を見渡した。
どうやら誰もいないらしい。
「ふーーー、よかった」
胸に手を当て一呼吸する。大きな胸が震える。ふと、ポケットに何か入っている事に気が付いた。思わず手を突っ込む。
「これって・・・・」
そう、あのタラブローチがあった。
「さっきまでは無かったのに・・・・・・??」
銀色のタラブローチは真紅のオパールを妖しく輝かしていた。
思わずブローチをかざしていると・・・


・・・・・ピカーーーーーーーーーーー!!・・・・・・・

突然部屋中が光ったと思ったら、ボクは別の空間に飛ばされていた。
「こ、ここは・・・・」
「ふふっ♪すっかり可愛くなったじゃない」
足元から声がする。視線をさげるとあの時の少女がそこにいた。
「ベラか?」
「正解。うーーん、声も可愛くなったけど、言葉使いが悪いわね」
「別に言葉使いなんて・・・オイ!!」
「うへ、キモ!!可愛い声で、それじゃぁ台無しね」
「うるさい!!て事は・・・・お前がボクをこの姿に?」
「そうよ。あたしがアンタを変えたの」
平然と答えるベラ。ボクは言葉を詰まらせた。
「妖精の力・・すなわち、あたしの力は女の子しかできないの。マイナス因子に
よってあたしが変化しないためにね」
「マイナス因子って・・・・」

彼女の説明はこうだった。
『妖精』であるベラは元々霊的な存在のために人間の持つマイナス因子(欲望・支配力等)
が強く影響される。それはマイナス因子が、ベラそのものを別の存在に作り
かえてしまうからだ。別の存在となったベラは天災・その他の災いの元になる。
そのためベラは自らの力を与えた時、ボクを女の子にしたと言うのだ。


「アンタが、女の子のような顔立ちだったから調度よかったわ。アンタ、学校ではそれが原因でイジメに遭っていたでしょ?」
「そ、それは・・・・」
本当の事を言われて、ボクは答えに躊躇した。
「よかったじゃん!これで解決よね。ふふっ、でも美少女だから逆に襲われるかもね」
「あ、そうそう。妖精の力は少しずつ使えてくると思うから、その点は安心してね。」
罪悪感のない一方的な言葉にしだいに激しい怒りが込み上げてくる。つい手に力が篭る。
徹の顔は怒りに変わっていく。
「うるさい!!そんな力はいらない!元に戻せ!!こんな姿で生きろと言うのかよ!!」
「あら、満更不満でもないんじゃない?その格好で言われてもねぇ」
・・・そうだった。今のボクは女の子の格好だ・・・・
頬を真っ赤にして俯く。
「そ、そんな事・・・・・・くそぅ!!」
恥ずかしさと怒りでボクはベラを掴もうと手を伸ばした。
「あら、あら、今度は実力行使?なさけないなぁ」
「うるさい!・・・この!逃げるなぁ」
何故か掴もうとしても、スルリと逃げられてしまう。ベラはクスクスと笑いながら
ボクの周りを飛び回っていた。
「ふふふっ♪・・・アンタ、今の自分の姿をみたらそうもいかなくなるわよ」
「そんな・・・事・・・はぁはぁ・・・え?」
何時の間にかボクはブラウスの上から自分の胸を揉んでいたのだ。
揉むたびに体の中から甘い感覚が溢れてくる。
「な、なんで・・・んん・・・」
「あたしが、力を行使しているからね。今の主導権は、あ・た・し♪」
「はぁはぁ・・・くそう!!ボクをもとにもどせぇぇぇ・・・!!」
「だ〜め♪一人でオナニーでもする事ね。もっともそれだけじゃないけどね・・・では!!」
ベラはあの時と同じ様に巨大な光の姿に変わっていく。
「うぁぁぁぁーーーーーーーーー!!」
ボクは光に飲み込まれ意識が遠のく時、頭の中でベラの声を聞いた。


『女の子にしたのはもっと重要な事があるの。それまではたっぷりとアンタの事を見せてもらうからね♪』

気が付いたらボクは保健室のベッドに戻っていた。
「はぁはぁ・・・な、なんで・・・こんな・・・」
・・・ジンジン・・・・・
「・・・いや・・・はぁぁ・・・ん・・・」
夢でないのは今の状況が物語る。ボクは胸を揉み続けていたのだ。
・・・ジンジン・・・・ジン・・・・
「はぁはぁ・・・駄目・・・・ぃゃ・・・もっと・・はふう」
ブラウスの上からではもの足りなくなったのか、いつのまにかボタンを
外しTシャツを捲くりあげていた。形の良い乳房が震えながら現れる。
・・・・・ジンジンジン・・・・・ジン・・・・
「はぁはぁ・・・・んん・・・ふん」
直接触れる乳房からはより強い刺激が来る。手にはマシュマロのような
柔らかい感触が残る。
・・・・・ジンジン・・・・・ジンジン・・・・・・
「んふぅ・・・・ぁぁぁ・・・・・ぁぁあん」
揉むたびに乳房の先端が盛り上がってくる。徹はそれを思いっきり抓った。
「ひぃぃぃ!!・・・」
・・・・ジジジーーーー、ジンジン・・・・・・・
「はぁはぁ・・・ふぁぁ・・・ぃゃ・・・・・これ以上は・・・」
激しい快楽に大きな目は虚ろになってくる。理性を働かせても体が言う事が聞かない。
既にスカートの中にも手が入ってきている。細く白い指はアソコにある突起を弄くり回す。


・・・ジジーーー・・・・・・・・・
「はぁはぁ・・・だ、駄目・・・お、男に戻れなく・・・ぁぁああああ」
突起を弄るたびに強い刺激がくる。体の奥からの快感が全身を巡る。
「はぁはぁ・・・んんん・・・ぃや・・ぁぁあああ」
ちょっと前になら躊躇していただろう、だが快感に飲み込まれた体は独りでに
指を膣口へと誘導する。
・・・・ジーーーーーーーーーーーーーーーーン!!・・・・・・
「ひぁぁぁ・・・ぁぁぁぁああん・・・」
すでに愛液でグショグショになったアソコは指を容易に受け入れた。膣の内側は細い指を締めあげる。
・・・くちゃくちゃ・・・・
「ん・・ふぅ・・・・んん♪・・ふぁぁぁ」
指を出し入れするたびに激しい快感が全身を駆け巡る。
「んん・・・はぅ・・・んん・・・ふぅ・・」
「ふぁ・・あぁぁあああん・・・・ああああぁぁぁああああ」
もうとっくにベラの拘束がないのに止められない。いや理性という歯止めがかからなかった。
誰もいない保健室が行為をエスカレートするのだろうか?
激しい快楽に身体を支配される中、徹は絶頂を迎える。
「はぁぁぁぁーーーーーんんん♪♪」
身体は一瞬弓なりの状態になり、その後ベッドに沈んだ。呼吸の度に大きな胸が揺れる。
トランクスは愛液でグショグショと化し、スカートにも染みを作っていた。
「はぁはぁはぁ・・・こ、これが・・・・・女の・・・・」
男の時には絶対味わえぬ女の快感・・・・しばらくボクは呆然としていた。
だけどこの時知らなかった、保健室の入り口で聞き耳を立てていたアイツの存在を・・・・
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