低レベルなSSがどうだの、それこそ低レベルな争いしてんじゃねえよ。

選別だの何だのしゃらくさい、俺個人としては割とどんな作品でも、
その内容やシチュエーション、発想を楽しめれば満足だ。
とにかく、こんな空気悪い状況なんか糞食らえだバカヤロウ。
――と、それは置いといて、一筆走らせたんで投稿しますわ。


題:永遠と罪の狭間で。


 目が覚めた、というよりは偶然瞼が開いたと言った方が正しいのかも知れない。
 手足はピリピリと痺れ、視界は薄ぼんやりと霞んでいる。
 天井は見えない、いや僕の視界には穴があった。巨大な穴。
 地面に仰向けなまま、起き上がれないでいる僕の真上、
 そこには青空が存在した。穴の円形に沿って針葉樹が揺れているのが見える。
「此処は、何処だろう……」
 考えるままに、僕は呟いていた。暗闇に目がなれる事は無い、
 まるで、永遠の暗闇の中、遥か遠くにホログラムを見ている気分だった。
「此処は何処? ここは、君が望んだ場所。君が愛して、君が願って、君が求めた場所。」
 女声だった。森の中で囀る小鳥の様な、或いは山を流れる清水の様な涼やかな声。
 それでいて、とても優しく、包容力に溢れた声だった。心が解けて、しまいそうな声。
「君が望む永遠、君が欲しがった世界。君は願い、君は乞い、そしてこの世界に恋をしていた。」
「えっ……!?」
 すっと視界がクリアになる。その瞬間、僕の頬を美しい白い手が撫でる。
 今にも、消えてしまいそうなほど白い肌。いつ溶けるか分からない白雪。
 僕は彼女を、便宜上白雪と呼ぶ事にする。白雪姫、きっとこんな女性だろうか。
 頬を撫でた手で、彼女は僕の顎を引き寄せた。自然と、僕の上半身も起き上がる。
 本当に美しい女性だった。彼女は、若葉色の瞳で僕の顔を覗き込んでくる。
「君は、愛されたいと願った。君は、自分を自分で愛したいと思ったんだ。
 君は、自分が嫌いで嫌いで仕方がなかった。私はそれを知っているよ?」
「君は一体……」
 そう、僕は自分が自分で嫌いだった。虐められ、虐げられ、更に頭痛に苛まれる日々。
 もっとこうなら良いのに、もっとこうしたら良かったのにと言われ続けていた。
 夏休みの自由研究、高校の共同研究も、院に入ってからの研究だってそうだった。
 誰も、僕を認めない。僕の存在を、僕の言葉を、僕の全てを否定してくる。
 そうだった。僕は、それに疲れて眠ったんだ。馬鹿みたいな量の睡眠薬。
 オーバードーズはより酷い頭痛しか生まないと知りながら、
 僕はそれを暴飲した結果に倒れた。そして、目が覚めたら此処に居たんだ。
「私? 私は君の理想。君の思い描く真実。君だけの味方で、君だけを愛する人。
 私は裏切らないし、私は否定もしないし、私は君を拒んだりもしない。」
 そんな言葉を、白雪の淡い桃色、ぷるんとした唇が紡いだ。
 なんて、幸せなんだろう。言葉だけで、こんなに報われるのだろうか。
「君、泣いてるんだね。もう、苦しくないよ。もう、寂しくも悲しくもない。
 痛くも苦しくも、居た堪れなくも無いんだよ。大丈夫だから、安心して。」
 そういって、白雪は僕を右手で抱き寄せた。柔らかい感触が胸にぶつかる。
 マシュマロの様な、沈む感触。そんな中、僕の身体が熱を持つのを感じた。
「大丈夫、怖くないよ?」
 意識が揺らぐ、思考が曖昧になる。プールに水没した様な錯覚。
 遠くから聞こえる声、そして、僕の下腹部へと、手の感覚だけが移動していく。
 ピリピリとした快楽に仰け反る。お腹が気持ちいい、温かい。
 僕は気付かなかった。その手が、僕の秘所に触れるまでは。
「んあっ」
 身体が、ビクンと震える。くにくにと、股関節を揉みしだかれる感覚。
 熱、朦朧とした意識を快楽の電流が駆け抜ける。
 そして、僕は意識を取り戻す。
 僕の股間にあるイチモツ、それを白雪は咥えていた。
「楽にして、幸せにしてあげる。全部、脱ぎ捨てていいよ。恥も、『ソレ』もね。くすっ」
 僕のそれから一時口を離し、そしてそう喋った彼女は悪戯な笑みを浮かべた。

 途端、彼女は容姿に似合わぬ容赦ない攻めを展開する。
 クリスタルを散りばめた様に輝く、色素の薄い御髪を振り回して。
「んっ……っ、ぁっ、やめ、やめて……!」
 大きい方では無いと言えどそれなりの肉棒を根本まで据え、
 彼女は臭いも何も気にせずに舌で愛で始めてきた。
 そして、同時に僕の尻と股間の間、そして左太腿を愛撫してくる。
 ぐいっ、容赦無いマッサージに、何故か僕は射精していた。
「――っ!!? っ、はっ、ううっ――」
 繰り返し、何度も何度も。そして、白雪はえづく様子もなくそれを飲み干す。
 その度に、僕の感情は昂ぶり、身体打ち震える程の快楽に溺れていく。
 息継ぎも許さぬ猛烈な、それこそ『有り得ない』攻めに絶頂が続く。
『否定しないで。身を委ねて、溺れても、良いから。怖がらないで。』
 止まらない、射精が何故か止まらない。
 とくとくと、縮こまった肉棒から白い子種が筋を垂れ続ける。
「なっ、なに、これ……!? な、なんなの!?」
『私を見て。怖がらなくて、良いから。全部忘れなさい。全部を。』
 白雪が抱きついて来て、慌てふためく僕の唇を塞いだ。
 その時、一瞬彼女の瞳に映ったのは僕。
 唯、肌が酷く白い様に思えた。眼の色も、黒くなくなっていた。
 彼女の手が、僕の頭をそっと撫でる。
 その手に沿って、一糸まとわぬ背中にちくちくとした感触が走る。
 しなやかに広がったそれは僕の髪だった。
「ん゛、んん!!?」
 その手の動きが、撫でる仕草から手櫛をする仕草へと変わる。
 それがすっと伸びた髪の毛束を駆け抜け、すっと抜けた瞬間、
 僕はまた絶頂する。喘ぐ声は聞き覚えがない。鼻声の様な声だった。
 もう片方の手が、顎を指先で捏ねくる。
 その度に、意識が緩み、口内に涎がどっと溢れる。
 彼女の涎と僕の涎、それが彼女の舌に掻き回される。
 どんどん高くなる声で息継ぎをしながら、僕は必死に抵抗する。
『もう、次でお仕舞い。この時が――永遠なら良いのに。』
 髪を撫でていた手、その指先が気付けば僕の中に居た。
「――!!?」
 僕のちんちん、それがぎゅっと押し込まれていく。
 その度に、断末魔の叫びの様に精液が吹き出す。
 プシュッ、プシュッと途切れ途切れに。
「……っはっ、んぁ、はっ、んっぁああああああぁああ――んっ!!」
 消える。僕の男としての存在意義が、消えていく。
 白雪が、ボタンをゆっくり押す様に僕のイチモツを沈めきった時、
 その指は、一気に快楽を生む根源となって僕の秘所をかき混ぜ始める。
 もうやめて、それが声に出ない。
 白雪はキスをやめ、今度は赤子の様に僕の乳房をしゃぶり始めていた。
 そう、乳房。僕の胸は微かにだが膨らみつつある。
 綺麗な、陶器の様な白い肌。あんなに不気味だったのに、美しい白。
 ああ、綺麗だ。素敵だ。僕はうっとりとしていた。
 くちゅくちゅと、水音が僕の股関節から響き渡る。

「ほら、次は貴女が好きな様にしてみて。」
 あんなに怖かったのが、嘘みたいだった。
 それでも、触れると壊れてしまいそう、まさしく幻想と終わりそうな光景。
 僕の乳房に、僕はそっと指を触れる。
 ぽわんと、心に温もりの火が灯った。
「そう、そんな感じ。美しいね、綺麗だね。愛らしいね?」
 答える間もなく、頷くだけ頷いて僕は胸を揉みしだき始める。
 僕は男なのに、男だったのに、どうして、こんな事になっているのだろう。
 これは夢だ、夢に違いない。疲れた僕の心が見せた、短く儚い夢。
「あっ、んっ……」
 刹那に消える記憶の渦、微睡みの見せた混濁。
 心惑わす快楽、しかし確かな快感。痺れが僕に訴えかける。

「夢じゃないの。これが君の現実、君の願いが創りだした真実。」
 そんな、そんな訳が無い。
 痛みを伴う程に胸を揉みしだくも、快楽は膨らんでいく。
「僕、僕はっ……っあ!」
「気持ちいでしょう? 素晴らしいでしょう? 幸せでしょう?
 拒まなくていいの、受け入れてもいいの。君は、君なのだから。」
「うにゃ、嘘、嘘っ、そんな、そんにゃの!」
「強情なのね、あ・な・た・は――」
 つんっと、白雪が僕の頬を小突いた。
 何故だろう、もう男のモノも無いのに、今の方が欲情している。
 気持よくしてあげたい、そう思いながら、僕は指を秘所に滑り込ませていた。
「うっ、あっ……!」
 無意識に、快楽を求めていた。僕は、女の子じゃないのに。
 それも、既に過去形だった。女の子として女の子に欲情なんて――。
「言ったでしょ? 私は、貴女に愛される為に存在するの。
 ほら、1人でなんて、寂しいでしょ?」
 白雪が、白くなった僕の脚を腿から根本へと撫でる。
「ひゃんっ!」
 僕は、びくんと跳ねてしまう。ぴちゃりと、卑猥な水が跳ねる。
「もう少ししたら、ここから出れると思うよ。
 君と私の昂ぶりが、徐々に此処を押し上げてく。
 ここは私達の楽園、2人だけの世界だから――んっ。」
 僕の腰に手を回し、白雪は僕に全身を寄せ、股を重ねる。
 秘所の襞が触れ、絡み合い、擦れ合い、僕と白雪は声を上げる。
「っあ、んっ、ね……あのね、本当の名前、教えてあげる。」
「えっ……? んあっ!」
「私の名前はルークスリア、そして君は、アスモデウス」
 アスモデウス、何処かで聞いたその響きが、僕の中を蹂躙していく。
 どっと全身がざわめく、熱が痙攣へと変わる。
 脳がしびれる、意識が白く霞む。ああ、もう何度達したのか不明だ。
「2人の色欲、2人は色欲の権化。さあ、ずっと、1つに――」
 そして、僕の意識は永遠に蕩けた。

 幸せだ。ああ幸せだ。
 報わた。そんな気がする。
 淫蕩の中に、歪む意識。とろとろと、溶け出す愛液、そして意識。
 現実と夢、曖昧な境界。その狭間、それは誰も証明できない。
 そうだった。現実が夢かもしれない、願ったのは私だった。
 私、そうだ。私はいつだって苦しかった。
 だから、私は――

「次は、外に男の子でも食べに行こうっか?」
「いい……の?」
「君の、好きにして。もう――外も怖くないよ。」

 男の子だったと思うけど、私――。

「って、僕は一体何して……んあっ!」

 無限の様な、時が過ぎ行く。
 ああ、そうだ。そうだったんだ。
 僕は、この世界を望んでいた。きっと、きっと、きっと――。

 溶ける意識の行く先に、遠く遥か、明かりが見える様な気がした。
 まだ、僕は屈してない。でもいつか、この悪魔に屈するだろう。
 ああ、いつか、願ったとおりに我を忘れるのか――。
 意識がある限り、足掻こう。僕自身に眠る悪魔相手に。

 ――fin



以上です、ああ、これでしたら投下予告すれば良かったですね。
私、自称名人様の作品読みたいなぁ……?
ま、とりあえず雑ですが1本。恒例の淫魔相手にTSF、みたいな。
久々だから文章力落ちてるかも。

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